Column / 2020 12,28

【宝塚】文化的な香りが漂うロードサイドの街

乾隼人

兵庫県宝塚市出身、1993年生まれの編集・ライター。関西で酒場をかけずり回る出版社勤務を経て上京。地方ローカルの暮らし、仕事、文化に興味があります。Huuuu所属。

Twitter:https://twitter.com/inuiiii_

大阪の梅田にも、神戸にもほど近い兵庫県の住宅街・宝塚。この名前を聞くと、「宝塚歌劇団」がまず思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。

ここ宝塚は、駅のすぐそばに「宝塚歌劇場」「手塚治虫記念館」といった施設が立ち並び、近隣の駅にも、映画館や音楽文化ホールがあるなど文化的な空気が漂う街です。

一方で、駅前を走る国道沿いには、チェーン展開された飲食店やスーパーなど、生活に便利な店が立ち並び、いわゆる「地方都市のロードサイド」らしい生活感があります。

実は、筆者はこの街で生まれ育ち、そんな生活の便利さを享受してきたうちの一人。国道沿いのTSUTAYAでは自分が生まれる前に上映された数々の名作映画と出会い、回転寿司チェーン店で家族と一家団欒の時を過ごしました。

いっぱしに悩み始めた10代の頃は、駅の裏手に悠々と流れる「武庫川(むこがわ)」沿いのランニングコースを歩き、自然の豊かさに癒やされたものです。

都会に近く、そのうえ郊外らしい静かな生活圏がある。「文化的なロードサイド」ともいえるこの街を歩き回り、その魅力をお伝えしていきます。

【宝塚の基本情報】

駅名:JR宝塚線、阪急今津線・宝塚本線「宝塚」駅
ランドマーク:宝塚大劇場、宝塚阪急

■オフィス街まで30分、沿線には学校も豊富

JRと阪急電車、2つの路線が乗り入れている宝塚駅。JR大阪駅までは乗り換えなしで26分、阪急神戸三宮駅までは阪急西宮北口駅で乗り換えて約40分で到着します。少し時間はかかるものの、十分に通勤圏内です。

終点へと向かう道中に、個性豊かな街があるのもJR宝塚線の魅力。休日や仕事帰りには、沿線にあるカフェやパン屋さんを少しずつ発掘する楽しみもあります。

また、阪急今津線・宝塚線の沿線には公立・私立合わせてたくさんの小中学校があるため、お子様のいるご家庭なら、通学の利便性も高いと思います。

駅前から発着するバス停の行き先には、大阪国際空港のほか「有馬温泉」行きも。お隣の神戸市北区にある温泉街にもふらりと出かけられる立地です。

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■駅周辺とロードサイドには、生活に便利な店がたくさん。

阪急宝塚駅のビルには、青果・食料品・お酒まで揃う「宝塚阪急」が入っているほか、落ち着いた雰囲気のショッピングモール「ソリオ宝塚」も。こちらは婦人向け洋服店がメインですが、うどんやパスタなどの飲食店・書店・和菓子店なども入っています。

駅改札のすぐ真下には書店「ブックファースト宝塚店」が。仕事帰りにちょっと立ち寄り、通勤中に読むための本を買うこともできて便利。

駅から車で10分ほどの国道沿いには「阪急オアシス 宝塚店」「万代 逆瀬川店」といった、日常使いできるスーパーが。そのほか衣料品店や家具店、家電量販店も並び、暮らしの買い物には困りません。

JR宝塚駅を裏手に降りると、こぢんまりとした商店街もあります。飲食店が立ち並ぶ中、昔から地元で人気のお好み焼き店「宝塚いろは」でランチをすることに。

宝塚で37年間愛されてきたこちらのお店。往年の宝塚歌劇女優たちも通ってきた名店として、歌劇ファンにもよく知られたお店です。

定番人気の「海鮮ミックス(1,380円)」は、たくさんの野菜とエビが生地に入り、大ぶりで肉厚なタコが乗った贅沢なメニュー。ふっくらとした生地と海鮮食材の旨味がマッチし、甘辛いソースが食欲をそそります。

定番の具材だけでなく、「いかキムチ」「キムチオムソバ」などチャレンジングな創作メニューもたくさん。2、3種類を家族や友人とシェアする食べ方が楽しめます。

■宝塚歌劇が生まれ、手塚治虫の育った文化的な街を楽しむ

「宝塚」と聞いて1番にそのイメージが浮かぶであろう、「宝塚歌劇」。その本拠地である劇場「宝塚大劇場」は、駅から歩いて約10分ほどの距離にあります。

上演されるレビュー(歌と踊りがメインのショー作品のこと)の数々は、この街に住んだら一度は行ってみたいもの。しかしその魅力を一度味わってしまったら、きっと何度も通いたくなるはずです。

歌劇場の周辺には、公演までの時間をゆるりと過ごせる喫茶店やお土産店が並ぶ「花の道」が。タマゴサンドが絶品のお店「ルマン 花のみちセルカ店」などが人気です。

さらに、宝塚は『ブラックジャック』や『鉄腕アトム』、『火の鳥』といった名作を生み出した漫画家・手塚治虫ゆかりの土地としても知られています。花の道を抜けて少し歩いた先には、彼の功績を展示し、漫画作品を所蔵した施設「手塚治虫記念館」があります。

入場料を支払い館内に入ると、その蔵書をゆっくりと読むことができるほか、手塚治虫オリジナルアニメ作品も多数上映。マンガにまつわる企画展も不定期で開催されるなど、お子さんはもちろん、大人も楽しめる文化施設となっています。

文化的な施設が数多く存在する街中は、やはりどこか静かで、治安も良い様子。子育て世代にとっても、安心して暮らしやすい街なのではないでしょうか。

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■「子育て世代が多く、安心できる街です」

最後に、宝塚の街をよく知っている在住者の方にインタビュー。宝塚市役所にお勤めの夏梅(なつうめ)さんにお話を伺いました。奥様と2人の娘さんの4人家族で宝塚に暮らす彼にとって、この街の良いところは「子育てへの安心感」にあるといいます。

(以下、インタビュー。「 」内は夏梅さん)

――夏梅さんにとって、宝塚の街の1番の良さはなんですか?
「やっぱり、子育て世代が数多く住んでいることですね。僕の住んでいるマンションにも同世代の子供を育てている家族がたくさんいますよ」

「街には小さな公園もたくさんあるんですが、そこで子供を遊ばせていても、たくさんのお父さんお母さんの目が光っているので安心感があります。同世代の家族が多いからこそ、街の治安もとても良く感じますね」

――お子さんにとって、良い環境である点は他にありますか?
「宝塚歌劇団のある影響か、ピアノ教室やバレエ教室など、習い事の教室がとても多いですね。子どもが学校以外でも何か学びたい、と考えた時に選択肢が多いのはいいことだと思います。娘もピアノを習っているんですが、一駅先の清荒神駅にあるコンサートホール『ベガ・ホール』で行われる発表会に出ています。文化的な経験をさせてあげやすい街だなと思います」

――お父さんお母さんにとっては、住み心地はいかがですか?
「私は宝塚市内で働いているのですが、JRや阪急が通っているので、大阪や神戸のオフィス街へ働きに出る方にとっても、通勤しやすい街だと思いますよ。休日は、車で国道沿いや隣町のスーパーに行けるので、生活の買い物に困ることもありません」

「それに、僕はランニングが趣味なんですが、ランナーにとってもいい街。武庫川河川敷があることがありがたいし、尼崎のあたりまで走っていける。走って戻ってくるとちょうど10kmくらいのコースになるんです。それに、六甲山を縦走するトレイルランの入り口にも近くて。社会人ランナーの間では人気なんですよ。

他にも車で十数分走れば、『最明寺滝』という滝があって川遊びができたり、自然にも近い。電車で一駅先の清荒神駅前までいけば、蔵書数の多い『宝塚市立中央図書館』もある。絵本をたくさん読む子ども達には、とてもありがたいんです。

もう少し子供が大きくなれば、電車で大阪や神戸に買い物に行くのも楽しいかも。長く子育てするには、本当に環境がいい街だと思いますよ」

■文化的で暮らしやすいロードサイド

徒歩で歩き回れる駅前エリアと、そこから伸びる国道沿いのエリアをうまく利用すれば、とても便利に暮らすことのできる宝塚の街。

街中からも山を望むことができたり、少し駅の裏手に行けば自然豊かな武庫川が広がっていたりと、都会にはない居心地の良さがあります。

筆者自身、10代〜20代になるにつれて大阪・神戸の街に出かけることが多くなりました。刺激的な体験や出会いなど、都会で得たものは多かった。でも、あの刺激的な毎日を心穏やかに送ることができたのは、宝塚というホームタウンがあったからでした。

地方都市的なロードサイドの便利さと、少しの自然、そして文化的な土壌を兼ね備えた宝塚の街。自分もいつか戻ってきたいと思える街です。

子育てのために移り住むにはもちろん、子育てを終えた夫婦にとっても、穏やかな暮らしを約束してくれる街だと感じます。子育てを終えた自分の両親の暮らしを見ていても、その思いは変わることがありませんでした。

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