Column / 2021 12,14

【渋谷】 再開発が進む巨大ターミナルのそばで、多様な暮らしを受け入れる町

野崎さおり

編集プロダクション勤務、メーカーでの非正規社員などを経てライター。都内をバスか徒歩で移動するのが好き。転勤族育ちの引っ越し魔で、引っ越し歴は20回以上。現在は神奈川県川崎市に在住。

note:https://note.com/saowrite

駅を出ると昼夜を問わず活気のある若者の街、渋谷。

再開発が進む近年は行くたびに「また新しい建物が!」と、表情がどんどん変わっています。

私にとって渋谷は買い物をしたり、映画館やアート施設を訪れたりする場所。

しかし、渋谷駅から恵比寿や広尾方向をメインとする渋谷区渋谷や東、奥渋と言われる神山町近辺を歩くとマンションや住宅がたくさんあり、穏やかな時間が流れていることも感じてきました。

そんな大都会、渋谷で暮らすとしたらどんな日々になるのでしょう? そんな視点で改めて渋谷を歩いてみました。

【渋谷の基本情報】

駅名:JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン、東京メトロ半蔵門線・銀座線・副都心線、東急東横線・田園都市線、京王井の頭線「渋谷」駅
ランドマーク:QFRONT、渋谷スクランブルスクエア

■JR・東京メトロ・私鉄がつながりあい、小回りのきくバス路線も魅力

渋谷駅は言わずと知れた巨大ターミナル。JR線のほか、私鉄3路線、東京メトロ3路線が絡み合うように駅を構成しています。渋谷を目指して色々な場所から人々が訪れますが、つまりどこに出かけるにも便利な場所ということ。

バスターミナルも駅の西口と東口にあり、京王バス・東急バス・都営バスが都内の各場所に路線を伸ばしています。特に渋谷から距離は遠くないのに、電車で行くと遠回りになってしまう初台や中野、六本木などに続く路線が多いのも特徴です。羽田空港と成田空港に行くリムジンバスも発着しているので、飛行機での出張が多い人にも便利。

渋谷駅周辺はミニバス路線も豊富。渋谷区が運営する「ハチ公バス」は区民の足として大活躍。恵比寿・代官山・代々木・笹塚・千駄ヶ谷と、意外と広い渋谷区を4路線で細かくカバーしています。また駅とデパートや公共施設の間を繋ぐバスもあるので、買い物や用事にも活用されています。

◼︎楽しいデパ地下スーパー巡りと庶民的な八百屋さんでお買い物

渋谷駅周辺は近年再開発が進んで、高層ビルが立ち並ぶようになりました。地下にスーパーや食品を扱うお店が揃うビルも複数あります。2020年3月に営業を終了した「東急東横店」から「渋谷ヒカリエ」の地下に移転した「東横のれん街」は地下2階がスイーツなど、地下3階が惣菜や生鮮食品の売り場になっています。

西口バスターミナルのそばにある青果店「フレッシュ大和田 渋谷駅前店」は、活気のある八百屋さん。季節のフルーツや新鮮な野菜が店頭に並び、店内奥には卵、豆腐や牛乳なども手頃な値段で売られていて、バスや電車に乗る前に利用するお客さんもいるほどです。

明治通り沿いにあるスーパー「ライフ渋谷東店」は深夜まで開いていて、近隣住民から頼りにされるお店。3階建てで、食品はお惣菜も多く、さらには衣類や日用雑貨類も揃うので、一日中買い物客で賑わっています。また「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」も24時間営業。雑貨はもちろん食品も豊富に扱っていて、働き方もさまざまな渋谷住民の生活を支えています。

休憩にお邪魔したのは2014年にオープンした「パン・オ・スリール」。宮益坂から少し入った静かな区域にあって、渋谷や青山のレストランやカフェにもパンを提供している信頼の厚い名店です。

渋谷にはパン屋さんがたくさんありますが、こちらは店主夫妻によって営まれていて、ギャラリー展示やイベントなども行っている地域に根ざしたパン屋さんです。

カフェが併設されている店内で人気の「白アンパン マンダリンオレンジ入り(税込250円)」を頂きました。白くてふわふわとしたパン生地の中身は白アンとクリームチーズ、さらにマンダリンオレンジが入っているという珍しい組み合わせ。さわやかな味わいのパンでリフレッシュできました。

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■公園や公共施設もスタイルさまざま。都会のオアシスをお気に入りの場所に

渋谷周辺に住む人が伸び伸びと時間を過ごすのはやはり「代々木公園」でしょう。春はお花見のスポットとしても有名ですが、バラ園をはじめ、さまざまな植物、噴水も整備されています。ドッグランもあって犬を連れて訪れる人や、ジョギングをする人も多い場所です。

渋谷駅を中心としたエリアには、2020年にリニューアルして商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK」と一体化した「渋谷区立宮下公園」や、アパレルショップが並ぶ神南地区にある「北谷公園」など、リフレッシュに適した公園があちこちにあります。

渋谷区東や渋谷を中心とする氷川地区には「氷川の杜公園」があり、児童公園として近隣に住む子ども達が活発に遊べる場所です。

渋谷駅南口から近い桜ヶ丘町にあるのは「渋谷区文化総合センター大和田」。館内には図書館・プラネタリウム・「区民学習センター」「渋谷男女平等ダイバーシティーセンター“アイリス”」などが入っています。こういったたくさんの人に開かれた施設の充実ぶりも大都会のよさかもしれません。

さらに渋谷区はNPOやボランティア活動が活発で、区内全域に子育て支援を行う団体やNPOが数多くあります。渋谷駅周辺にはシニア世代の活躍を後押しする「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」がヒカリエ8階、ボランティア活動のマッチングなどを行う「しぶやボランティアセンター」が渋谷区役所内にあるなど、豊富なリソースと住民の力を生かした町づくりに区を上げて取り組んでいます。

この日ランチに訪れたのはイタリアンの「ベルマーレカフェ」です。「渋谷区文化総合センター大和田」の1階奥にありますが、目の前は吹き抜け、さらに店内も広くて開放的な雰囲気。

ランチは900円からとリーズナブル。「お子様スパゲティー」というメニューもあって、親子連れも多いお店です。いただいたのは日替わりメニュー、「M メインセット(1,100円)」。この日はボリュームたっぷりの「国産豚のスペアリブのオーブン焼き 自家製バーベキューソース」。野菜を使った惣菜も添えられて、ライスかパンのほか、スープとドリンクもついてこの値段はとても良心的! しかも渋谷駅から4分ほどのところという立地のありがたさ。お店の方も親切でした。

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■インフラもしっかり。実は子育てへの支援が充実した街、渋谷

最後に、渋谷をよく知る方にインタビューしました。渋谷区で出張専門助産院の「みかん助産院」を開く小林美香(こばやし みか)さんは、渋谷区内の病院勤務の経験もあり、渋谷区での在勤在住は15年以上。現在は子育て中でもある小林さんに渋谷の魅力をお話しいただきました。

(以下、インタビュー。「 」内は小林さんのコメント)

——渋谷区内で長くお仕事なさってきたのですね。
「病院勤務で助産師をしていたこともあります。夜勤もある不規則な生活でしたが、24時間営業のスーパーもあって便利でした。渋谷はバスも遅くまで走っていて、インフラがとてもしっかりしている街だと思います」

——現在は訪問助産師さんで、ご自身も子育て中とのことですが、子育て世代にとって渋谷はどういう環境ですか?
「都会だけあって、ネットスーパーや生協も充実しているので乳幼児がいて外に出掛けづらい人も、不便なく暮らしているようです。渋谷区は子育て支援が充実していますよ。保育園もここ数年で入りやすくなって、保育園に落ちたという話はほとんど聞きません。子育てに役立つ施設や公園などの情報は『渋谷子育てmap』にまとまっているのでぜひ確認してみてください」

——渋谷は多様な人たちが暮らす街ですね。
「松濤のような高級住宅街もあれば、懐かしい雰囲気のある地区もあって、街並みも住む人もさまざまですね。次々とマンションも建っていますが、地元のお祭りも盛んです。少し前までは外国人に触れる機会も多くありました。誰もが好きなように暮らせる場所と言えるかもしれませんね」

■多様な人と暮らしのニーズに応える都会の便利さ

改めて暮らす視点で渋谷を歩いてみると、多様性が尊重され、求めればコミュニティに繋がれるというもうひとつの渋谷のよさが理解できました。人との繋がりが少なくて、それ故に気楽なところもあるのが渋谷で暮らすよさだろう。そう思っていましたが、それは渋谷という町の一面でしかなかったようです。

もちろん交通もお買い物も、遊びも便利。想像以上にいろんな形のやさしさや便利さが詰まった街として、渋谷を見直す機会になりました。

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