田園都市線で大学に通っていた私にとって、「用賀」は身近にあるけど実はよく知らない街。同じ学校だった友人は、今でも何人かこの街に住んでいます。

「気取らないから楽なんだ」
用賀ってどんな街なの?と聞くと彼らが揃って口にするのがこの一言。

「世田谷=おしゃれ」と無条件に思っていた私は、それを聞いてますますこの街のことがわからなくなりました。
そんな「気取らない」用賀を知るため、街中を歩いてみることに。そこにはどんな暮らしの魅力があるのでしょう。

【用賀の基本情報】

駅名:東急電鉄 田園都市線「用賀」
ランドマーク:世田谷ビジネススクエア

■渋谷まで約14分。半蔵門線直通でアクセス抜群

田園都市線が走る「用賀駅」。
隣駅は世田谷を代表するおしゃれタウンの二子玉川があり、渋谷までは約15分で到着します。また、渋谷からは半蔵門線に直通しており、表参道・大手町にも乗り換えなしでアクセス可能。通勤や通学・休日のお出かけなど、どこに行くにも便利なのが魅力です。

駅前にあるバス乗り場からは東急バスが発着。
区内の移動で利用できるほか、渋谷や恵比寿方面に行くときに活用できそうです。

■ランドマークと商店街に見守られる用賀駅周辺

用賀のランドマークといえば、28階建ての高層タワー「世田谷ビジネススクエア」。地下の商業フロアにはスーパーの「東急ストアフードステーション」が入っています。
駅から直結しているので、仕事や学校帰りのお買い物にとっても便利。1993年の完成以来、用賀に暮らす人々の生活を見守り続けています。

駅周辺には深夜1時半まで営業している「FUJIスーパー」と、2軒の「OKストア」があるなど、スーパーマーケットが充実。ライフスタイルに合わせて上手に使い分けできそう。

また、100円均一・ドラッグストアなど日用雑貨店が駅前に密集しているのも嬉しいポイント。生活に必要なものはほとんど駅周辺で揃えることができます。

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■親しみやすさと流行がバランス良く同居する商店街

駅の北側にあるのが「用賀商店街」です。入口付近はチェーン店でにぎわいますが、通りを少し歩いていくと、地域密着の青果店や精米店、定食屋さんなどが。

1995年に創業した「食彩花ダート」は、地元で愛されるお店の一つ。旬の食材を使った惣菜やお弁当を、毎日日替わりで販売しています。

ランチタイムは、メインとサイドメニューが選べる「一汁三彩弁当」(730円〜)のみの販売ですが、15時になると店舗内には色とりどりの惣菜類がずらりと並び、なんとも食欲をそそります。

▲取材に伺った日は「じゃが芋やたら煮」(100g/248円)、「いり豆腐」(100g/270円)などがラインナップ

店主のお母さんが手作りしている惣菜類は、「用賀のおふくろの味」と呼びたくなるどこか懐かしい味わい。
惣菜は好きな量だけ量り売りしてくれるので、おかずを何種類か少しずつ食べたい一人暮らしの方にはもちろん、夕飯に一品プラスしたい食べ盛りのお子さんがいる家族世帯でも重宝しそう。

商店街を歩いていると、なにやら気になる名前のお店を見つけました。こちらは高級食パン専門店の「くちどけの朝じゃなきゃ!!」。今年6月にオープンして以来、テレビなどでも話題になっている人気のお店です。
流行のものが気軽に商店街で買えるのも、用賀という街の気取らなさなのかもしれませんね。

■自然と緑で街の人々を癒す「砧(きぬた)公園」

都会にありながら、自然が多くのんびりとした空気を持つ用賀。駅から20分ほど歩くと、緑豊かな「砧(きぬた)公園」にたどり着きます。
かつてはゴルフ場だったという広大な園内には、緑の芝生に覆われた「ファミリーパーク」やサイクリングが楽しめる「サイクリングコース」、子供たちに人気の「アスレチック広場」などが。桜の名所としても有名で、春にはお花見をする人でにぎわいます。

ぶらりと散策していると、ベンチでひと休みするお年寄りや、遊具で遊ぶ子供たちの楽しげな姿を多く見かけました。お弁当を持参して芝生でピクニックをすれば、いい休日が過ごせそう。

公園の一角には、1986年に開館した「世田谷美術館」が併設され、お散歩途中に芸術鑑賞を楽しむこともできます。世田谷区にゆかりのあるアーティストの展示やワークショップなども行なっているそう。

緑に囲まれながら英気を養うもよし、美術館でアーティストの作品に触れ感性を磨くもよし。用賀ではいろいろな角度から休日を謳歌できそうです。

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■心地よい距離感があるから、安心して暮らせる。

35年前、結婚を機に奥さんの実家がある用賀に暮らし始めたという小柳義人(おやなぎ よしひと)さん。長年この街の変化に触れてきた小柳さんに、お話を伺ってみました。

(※以下、「」内は小柳さんのセリフです)

――用賀はどんな街ですか?
「下町ではないけれど、それほど都会でもなく、暮らしやすい街だと思いますよ。働く家族世代にとっては特にいいんじゃないかなと。というのも、電車のアクセスが良くて通勤や通学に便利だし、土地や家賃は高めですが、東京農大や日体大の学生も暮らしているので日用品の物価は高くない。近くに小中高と学校が多いので、子供の教育環境も充実しています」

――確かに子育てしやすそうな街ですね!
「ええ、近くには『砧公園』もありますから、土日に家族で出かけてのんびり過ごすのもいいと思います。この砧公園の売店には名物の『きぬた焼き』という大判焼きが売っていて、砧にかけて「たぬき」の顔が描かれているんです。都会だけど、そういう遊び心もあるのがこの街なんですよ」

▲「きぬた焼き」(130円)はあんことカスタードの2種類

――35年前と今、用賀はどのように変化していますか?
「住み始めた当時は結構下町だと感じていたのですが、『世田谷ビジネススクエア』ができてから街の様子がガラッと変わりましたね。街中におしゃれなお店が増えてきたのもその頃くらいから。ただ、今でも商店街には個人商店がたくさんありますし、商店街内で定期的にイベントなども行なっていて、地域の結束はとても強いですよ」

――最後に、用賀の魅力を教えてください。
「地元のコミュニティはしっかりありつつ、住人同士の距離が近すぎない。みんな都会的な心地よい距離感で付き合っています。外に出かけるのにわざわざ着替えたりするほど周りに気を使う街じゃないけれど、必要なものはだいたい揃う。そういう適度に気取らないところが用賀の一番の魅力なんだと思います

■肩肘張らずにのびのびと暮らせる都会の街

個人店と新店が上手に同居する商店街、のんびり過ごせる緑豊かな公園など、都会でありながら親しみやすさがあふれる用賀。
街全体にどこかマイペースな空気が漂っていて、「そんなにカッコつけなくても大丈夫」と言われているような気がしました。

そんな気取らない街の魅力は、都会で肩肘張らずに暮らしたい人にぴったりかもしれません。

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秋山ももこ

編集プロダクションに勤務したのち、フリーの編集・ライターとして独立。夢は世界中を旅しながら取材すること。読書とカメラが趣味で、餃子とビールと下町が好き。
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