関西にお住まいの方であれば、「北摂(ほくせつ)」と呼ばれる地域のことをご存知でしょう。大阪北部にある7市3町の地域のこと。一般的には“緑豊かで教育熱心な家庭が多く、治安も良い“など、なんとなく住みやすそうな印象を持っている方も多いのではないでしょうか。

今回訪れる千里丘駅は、北摂地域の摂津市にあります。ただ、地図を眺めていると、千里丘駅から10分ほど北東に行けば茨木市、北西に行けば吹田市になるなど、複数の市が交わるエリアであることがわかりました。

このような立地にある千里丘とはどんな街なのか、住みやすい街なのか。実際に街を歩いて探ってみました。

【千里丘の基本情報】

駅名:JR京都線「千里丘」
ランドマーク:市場池公園

■乗り換えなしで新大阪まで10分、梅田まで14分!

JR京都線が通る千里丘駅は、快速や新快速の停車駅ではないものの、乗り換えなしで新大阪まで10分、梅田まで14分。通勤・出張時にとても便利です。

また、2010年には千里丘駅から東へ徒歩10分のところに阪急京都線摂津市駅が誕生。JRと阪急両方の駅が利用できるようになったことで、交通の利便性がさらに高まりました。

千里丘駅前からは、車で15分ほど離れた摂津市役所などへ向かうバスも出ているため、駅から少し離れたところに住んでも不便さは感じなさそうです。

もうひとつ、千里丘の立地の魅力といえば、「万博記念公園」へ車で10分ほどであること。岡本太郎の手掛けた芸術作品「太陽の塔」の印象が強い公園ですが、広大な芝生の広場があったり、「日本さくら名所100選」にも選ばれていたりします。

▲色とりどりのチューリップも咲き乱れる

また、2015年11月には国内最大級の商業施設「EXPOCITY(エキスポシティ)」が誕生。ショッピングを楽しめる「ららぽーとEXPOCITY」、水族館を主体として動物園や美術館を融合させた「生きているミュージアムNIFREL(ニフレル)」など、休日のお出かけスポットが一箇所にまとまっているのはかなり魅力的です。

▲EXPOCITYの外観。ららぽーとEXPOCITY・生きているミュージアムNIFRELなども同敷地内にある

■スーパーが充実し、神社や遊歩道などの癒やしスポットもある東口

千里丘駅の東口には、スーパーや生活に密着したスポットが集まっています。
駅から屋根付きの連絡通路で繋がっているのは、「阪急オアシス」が入る「フォルテ摂津」。銀行・クリニック・学習塾も揃っています。

「フォルテ摂津」のすぐ東側には、品質と鮮度の良い食材が揃ったスーパー「フーズマーケットサタケ」があります。小さな子どもの手を引いたお母さんやお年寄りが次々と来店していました。

駅周辺にはクリニックやコインランドリーも。こちらの「LAUNDRY TODAY」は、カフェスペースやキッズスペースも複合したコインランドリーです。

また、千里丘駅から東に4分のところには、「摂津市立子育て総合支援センター エンゼル」も。就学前の子どもとその保護者が自由に遊べる広場があり、子育て講座も開かれているなど、子育て世代にとっては近くにあったら安心できるスポットかもしれません。

▲摂津市立子育て総合支援センター エンゼル

大きな道路と静かな路地が共存している東口周辺。路地を歩いていると見つけた「井於神社(いおじんじゃ)」は、夏祭りのときには露店が出たり、マルシェや紙芝居が開かれたりすることもあるそう。

▲井於神社(いおじんじゃ)

また、駅の少し南側には散歩コースに最適な道もありました。遊歩道も整備されているので、春には満開の桜を見ながらのウォーキングができそうです。

オフィス街ではないことと、神社や遊歩道といったスポットがあることが関係しているのでしょうか。東口周辺は、ゆったりと時間が流れているように感じました。

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■東口に劣らない買い物の利便性と大きな公園がある西口

一方、西口も便利さとバランスの良さでは東口に劣っていません。
駅から北西9分の吹田市エリアには「吹田市立 千里丘図書館」と住所変更や戸籍の届出など手続きが済ませられる「吹田市 千里丘出張所」があります。

駅の西側5分のところには、ドラッグストアや飲食チェーンが並ぶ国道14号線。

国道14号線沿いには、地元住民に愛されるスーパー「マルヤス」もあります。

駅から北西へ自転車で7分ほど走ったところには、もう一つの買い物スポットであるスーパー「イズミヤ」があります。靴専門店の「ABC-MART」や100円ショップの「セリア」も入った大きな店舗です。

▲(右から)「デコホーム」「イズミヤ」 

生活必需品を中心にニトリの中でも人気の高いベーシックアイテムを集めた「デコホーム」も隣接しているため、キッチン用品や食器、寝具なども買い揃えられます。また、嬉しいポイントはイズミヤの隣に大きな公園があること。

こちらの「市場池公園」には、グラウンド・滑り台やブランコ・木製アスレチックの他、アヒルや鴨がたくさん泳ぐ池などが揃っています。地元の方いわく「公園で遊び、イズミヤのフードコートでランチを食べ、買い物をして帰る」というコースがファミリー層の定番だそうです。

東口・西口のどちらに住んでも買い物に困ることはなく、ホッと一息つけるスポットも豊富。街のいたるところから住みやすさの片鱗を感じることができました。

■地元を愛する店主が営む個性派飲食店

住みやすい街には、ついつい通いたくなるお店や居心地の良いお店があるもの。
千里丘でも、そんな雰囲気を持った個性的なお店に出会いました。それが、西口から7分ほどのところの路地にある「Danke/段家」です。

店主の段さんが大事にしているのは「店のジャンルは決めない」「こだわりで変わり種なメニューを提供したい」という想い。キューバサンド・スパニッシュオムレツ・台湾のルーローハンといった海外の味から、鶏の手羽煮込みなどホッとする家庭の味まで日替わりで提供しているそう。

▲(右から)「鶏キモの甘辛煮」「大根炊いたん」「スパイシーおから」「鶏と根野菜炊いたん」

ドリンクは、同じ北摂エリアの地ビール「箕面ビール」を取り扱っています。

▲大阪府内の飲食店でも非常にレアな季節限定の箕面ビールが樽で入荷することもお店のウリ

そんな「Danke/段家」には、ママ友がランチに訪れたり、一人暮らしのサラリーマンが仕事終わりに「今日のメニューは何?」と来店したり、70代のおじいさんがふと立ち寄られたりするそう。段さんが積極的にコミュニケーションを取っているうちにお客さん同士が仲良くなっていることもしばしばあると言います。

また、摂津市出身の段さんは、地元を盛り上げていきたいという気持ちも強く持っています。

▲こだわりが詰まったお店は、建築関係のお仕事も兼業している段さんが友人とともに手作りした

「万博公園内にサッカースタジアムがあるんですが、JRの最寄り駅は千里丘なので、サポーターの方がよくこの辺りを通るんです。それに、2025年ごろには万博公園付近に音楽ライブなどを楽しめる大規模なアリーナも建設予定と聞いています。人の流れが増えたら、バスの利便性なども増すはず。そうなったときに、『千里丘にはおもろい店がいっぱいあるから、せっかくやし寄って帰ろう』って思ってもらえるエリアにしたいんです。

千里丘の未来図を描く段さんの話を聞いていると、私までワクワクしてきました。
居心地の良さはもちろん、街に愛着を持つ店主さんがいるからこそ、「Danke/段家」は地元の人に愛されるお店になっているのだろうと感じました。

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■「買い物のために大阪市内に出なくたって、この辺りで何でも揃いますよ」

最後に、北摂地域で子育てサポート活動を行っている「NPO法人ワーキングマム」の代表・西谷知美さんに、千里丘の街の魅力や住みやすさについてお話を伺いました。

(以下、インタビュー。「」内は西谷さん)

――まずはじめに、NPO法人ワーキングマムについて教えてください。
「子育ての中で起こる『困った!』『あったらいいな』をサポートする組織です。具体的には、2~3時間から丸1日まで、ご希望に合わせてお子さんをお預かりして子育て経験のあるメンバーが面倒を見たり、習い事の送迎をしたりといったサポートを行っています。北摂は子育て世帯の方も多く、こういったサービスが求められているはずと思ってこの地域で始めました」

――千里丘は住宅街という印象なのですが、住む人は増えているのでしょうか。
「もともとこの辺りは大企業の社宅が立ち並ぶエリアでした。その社宅が大きなマンションに建ち変わったため、子育て世帯がどんどん増えてきたのです。私も家族で千里丘に住んでいます。夫は出張が多いのですが、新大阪まで電車で近いので便利だと言っています。梅田や新大阪に通勤されている方が多く住んでいますが、快速や新快速の停車駅ではないため、心にゆとりを持って通勤したいという考えの方が多いかもしれません

――千里丘の街の魅力を教えてください。
「駅の東側にも西側にもスーパーがあるので日常の買い物には困りませんし、ちょっとした衣料品や文具ならイズミヤで揃えられます。EXPOCITYまで出れば何でも買えるので、買い物のために大阪市内に行くこともなくなりました。最近はカフェも増えてきて、おいしいイタリアンが食べられるお店もあるので、ランチ場所にも困りませんよ」

――子育てもしやすい街ですか?
イズミヤの隣には大きな公園がありますし、小さなクリニックや総合病院も揃っているので子育てのための住環境は整っています。EXPOCITYへ向かう道は途中の上り坂さえ頑張れば自転車でも行くことができて、幼稚園も自転車で送迎できる範囲に点在しています。同じ千里丘でも、摂津市千里丘エリアなら、車を所持していなくても自転車での移動で事足りますよ」

■のどかだけど利便性が良い、繋がりを大切にする街

のどかな雰囲気が流れていながら、歩いてみると想像以上に利便性が良い千里丘。住みやすさは間違いなく保証できそうです。

同時に、いいなと思ったのは街につながりがあること。
例えば「Danke/段家」の段さんが話してくれた、「僕が建築、向かいにあるバーのオーナーが塗装を得意としているので、二人で近くにあるカフェの内装を手掛けたんですよ」というエピソード。飲食店同士の仲の良さやこの街の「つながり」が垣間見えました。

「住みやすくて、人の顔が見えるあたたかさ」を残しながら、さらに発展していくであろう千里丘は、これから引っ越しを考える方にぜひおすすめしたい街です。

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倉本祐美加

IT企業でインサイドセールスを行う傍らブログ記事や事例の執筆を行い、2016年11月ライターとして独立。大学時代は100人以上の友人のインタビュー記事を制作。現在は、企業様の導入事例・オウンドメディア等に掲載する記事をメインに取材・執筆している。
Twitter:https://twitter.com/aoitorisorae
ブログ:http://mott-izm.hatenablog.com/