高級ブランドの最新ファッションがショーウィンドウを飾り、風格のある老舗飲食店に、街を行き交う品のある人々。

そんな格式高いイメージをまとった街、銀座。

最近でこそファストファッションが進出し始めた印象もありますが、クラシックな雰囲気は依然変わらず街を覆っています。

銀座に繰り出すと頭に浮かぶのは「この街の住人は一体どんな生活を営んでいるんだろう?」という疑問。

そこで銀座で生活に必要な場所を巡り、住人の暮らしぶりを覗きに行きました。

【銀座の基本情報】

駅名:東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線「銀座」駅
ランドマーク:銀座和光、銀座三越、歌舞伎座

■至近の駅を使えば銀座駅には通らない4つの路線が利用できる

東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線が通る銀座駅。都内のあらゆるターミナル駅へ乗り換えせずに30分以内で着くのが特徴です。
銀座線に乗れば渋谷まで約20分、丸ノ内線に乗れば新宿・池袋まで約20分で行くことができます。
さらに日比谷線なら六本木には約20分、秋葉原まで約10分で行くことが可能です。

銀座駅から少し歩けば、他の路線が通る駅も利用することもできます。

徒歩約2分のところにあるのは東銀座駅。東銀座駅には日比谷線以外にも、直通で京成線につながる都営浅草線が通っています。
また、徒歩約3分の銀座一丁目駅には和光市駅と新木場駅間を走る有楽町線が通っています。

銀座駅は地下鉄以外にも、JRにもアクセスしやすいのが魅力。

徒歩約3分のところにある有楽町駅には有楽町線のほか、JR京浜東北線・山手線に乗り継ぐことができます。
徒歩5分以内に3つもの駅が集結している銀座駅。都内へはノンストレスで移動することができそうです。

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■実は銀座にもきちんとあるスーパーやディスカウントショップ

生活する場所としてイメージしづらい銀座ですが、意外にも駅付近で食料品や生活用品が揃うのもポイント。

銀座から汐留方面まで伸びるショッピングセンター「銀座ナイン」には、アパレルショップやさまざまな飲食店が軒を連ねます。

1階と地下1階にあるのはスーパーの「肉のハナマサ 銀座店」

1階では野菜・魚・惣菜などが並び、地下1階では肉や調味料、生活雑貨が販売されています。

同じく「銀座ナイン」の1階にあるのが「ドンキホーテ 銀座本館」

店内には生活必需品から電化製品や衣類までさまざまな商品が所狭しと並んでいます。
深夜も営業しているので仕事帰りに買い物する際にも活躍しそう。

食料品はデパートの地下で買うことも可能。

銀座駅A12番出口直通の「松屋銀座」の地下1・2階では、「GINZAフードステージ」が営業しています。

9番出口から徒歩約5分のところにあるのは「銀座三越」

食料品のある「ギンザフードガーデン」は地下2・3階にあります。

「松屋銀座」「銀座三越」同様に、食料品以外にも品数豊富な惣菜も販売されているので、料理をつくる暇のない日や、一品買い足したいときにも重宝しそう。

■人気ベーカリーが集結。味は本格、値段はリーズナブルな飲食店も

名店や老舗が多く営まれている銀座。

ベーカリーだけでも、遠方から人が訪れるような有名店がたくさんあります。
銀座駅C8出口から徒歩約3分の「マロニエゲート銀座2」の地下2階にあるのは「ビゴの店」
日本にフランスパンを伝えたベーカリーです。

店内にはフランスパンはもちろん、バケットやデニッシュなど職人の技術を惜しみなく費やしたパンが並びます。

銀座駅A2出口から徒歩約4分の場所にある「とんかつ不二」は、サクサクジューシーなとんかつが堪能できる人気店。

平日のみの営業ですが、ランチタイムになると店内はビジネスパーソン達で賑わいます。ランチメニューは600円からと、手頃な価格で楽しめるのも人気の秘訣。

銀座駅C8・C9出口から徒歩約3分の「銀座ベルビア館」へやってきました。
お目当ては8階の本格イタリアン「TRATTORIA LA COCORICO Birreria Rosticceria(トラットリア ラ ココリコ)」

この日ランチに選んだのは「ビーフストロガノフ」。

前菜にメイン、デザート、ドリンクがついて900円とリーズナブルなのが嬉しい。

前菜で提供されるサラダ、キッシュ、マリネ、冷製スープはどれも味付けに繊細なこだわりを感じさせます。
ビーフストロガノフはほんの少しの苦味がトマトの酸味に相まって、深くコクのある味わいで絶品。

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■銀座ならでは。都会と共存する緑豊かな公園で一休み

都心でありながら気軽に緑と触れ合える施設が多いのも銀座の魅力。

銀座駅のB9出口から直結する「Ginza Sony Park(ギンザソニーパーク)」は、商業施設と一体になったニュータイプの立体公園。

地上1階から地下4階からなる「Ginza Sony Park」では、カフェやレストラン、セレクトショップなどが営業。

緑に囲まれた地上フロアはベンチが設置されており、イートインスペースとしても活用できます。

銀座駅のC2・C3出口から徒歩約1分のところにあるのは「東急プラザ銀座」

館内ではカフェやレストランのほか、アパレルショップや雑貨店などのテナントが入っています。

屋上階の「キリコテラス グリーンサイド」は緑が植えられた壁に囲まれた開放感のある空間。

フロア内では各地方のスイーツやフード・ドリンクをセレクト販売している「櫻ノ茶屋」が営業しています。

C2口から徒歩約2分の「数寄屋橋公園」は、ビルが建ち並ぶ銀座の街の中にあるエアポケットのような公園。

遊歩道の脇には木々や緑が植えられ、日中はベンチに座ってランチを楽しむビジネスパーソンの姿も見られました。

■文化を継承しながら進化させていく。温故知新の街、銀座

最後に、実際に銀座で暮らす人々をよく知る呉服店「はんなり」の代表である中瀬 賀暁(なかせ よしあき)さんと、銀座店の店長、染谷 正樹(そめや まさき)さんにインタビュー。

浅草と銀座に店を構える「はんなり」は、多くのドラマで衣装提供をしている知る人ぞ知る呉服店です。銀座店がオープンしたのは今から16年前。そんな地域に根付いた「はんなり」から見る、銀座の住人の暮らしぶりを伺いました。

(※以下、「 」内は中瀬さん・染谷さんのセリフです)

――銀座にはどんな方々が住まれているのでしょうか。
「銀座に勤めている人が多いですね。よくお店にいらしていただいている銀座のクラブのホステスの方や、普段から親交のある経営者やバーテンダー、スーツのテーラーの方など。夜の時間帯にお仕事をされている方は、終電がなくなった後もタクシーで家路につくことができますから。ほかにも、銀座にビルを持っているオーナーもいますね。やはりどなたも銀座という一等地に、プライドを持って住まれている方が多いと思います」

――暮らしと紐付きづらい銀座ですが生活はしやすいのでしょうか。
「アクセスは良いと思いますよ。どこへ行くにしても時間をかけず行くことができますね。東京駅も近いので新幹線で地方への移動もしやすいと思いますよ。また、銀座はオフィス街なので高級店だけでなくワンコインでランチが食べられるお店も多いです。お昼になると、サラリーマンの方などで賑わう光景もよく見られます。それに日用品の買い物にも困らないと思いますよ。食料品はスーパーの『肉のハナマサ』や、『三越』『松屋』の地下で買うことができますし、ドラッグストアやドンキホーテもあります」

――そのほか銀座に暮らすことで得られるメリットはありますか?
「街には歌舞伎座や名画座、能楽堂、新橋演芸場があり、さまざまな文化に出会える街でもあります。毎年8月に行われる能楽金春祭りでは、金春(こんぱる)通りの路上で能を見ることができたりもします」

――伝統や文化への知見が深まる街なんですね。
「銀座には地域に根付いた面白い専門店が多いのも特徴ですね。例えばかんざし店や、パイプ店、帽子店や、伝統工芸品を扱っている店なども営まれています。二代目に代替わりしている店も多いですが、どこも継承の仕方が上手ですね。伝統を重んじつつも新しいものを取り入れて、文化を存続させているお店が多いです。そんな風にこの街の店は『銀座でお店をやっていく』という矜持が感じられますね」

■銀座に住むと銀座に似合う人になる

食料品や生活必需品が揃うショッピングモールに、リーズナブルな飲食店、一息つける公園など、意外にも生活が息づく場所が多かった銀座。

唯一イメージと変わらなかったのは、街に行き交う人々には品があったこと。

そしてこの街に来ると、自然と背筋が伸びている自分もいました。
銀座は街に見合う人であるため徐々に品格が身についていく、そんな街なのかもしれません。

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いちじく舞(いちじく まい)

フリーライター・編集者。千葉の住宅街で生まれ育ち、包容力のある中央線沿いの街で暮らす。古着と焼き鳥が好き。

Twitter:https://twitter.com/ichijiku_mai