Column / 2018 12,21

【武蔵小山】都会にいたいけど、住みたくはない。そんな人たちが愛する東京の「一息つける、素敵な街」

らんだ (小嶋悠香)

アラサーの編集者兼、ライター。
企画・アポ取りから制作までする、何でも屋さんです(主に大阪・東京で活動)。
得意なのは、食べ物・医療・職人さんの取材。
横浜・神戸・オランダなどの転勤族なので、どの土地もどこか客観的に見つめてきました。オランダの帰国子女だから、ランダ。
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2年前、就職をきっかけに東京に移住した関西出身の後輩が
「私、武蔵小山に住んでるんですよ!」
と話してくれました。

武蔵小山は関西人からすると、あまり馴染みのない駅名。
慣れない土地で送る社会人生活は辛くはないかな、寂しい思いはしてないかな、不便していないかな。
そんな心配の気持ち半分で「武蔵小山はどう?」と彼女に聞いてみました。

すると
「最高ですね」
と、こっちの気が抜けてしまうような返答が。

多かれ少なかれ、移住にはストレスが伴うもの。それなのに、「最高」と住人に言わせる力を持つ、武蔵小山とは、どのような土地なのでしょうか。11月の秋晴れの日、後輩と駅前で待ち合わせをして、街案内をしてもらいました。

【武蔵小山の基本情報】

駅名:東京急行電鉄目黒線 「武蔵小山」
ランドマーク:武蔵小山商店街PALM(パルム)
今、ホットなスポット:食パン専門店×コーヒースタンドのお店「LeBRESSO(レブレッソ)」

■渋谷まで電車で約15分の「なんだか実家っぽい街」

武蔵小山にたどり着くのは、気が抜けるほど簡単でした。渋谷から目黒で乗り換えをして、合計15分程度。スマホを少々いじっている間に、もう到着です。

武蔵小山の印象は、「あれ、なんか実家の駅っぽい」。いや、よく見るとどこも似ていないのだけれど。でも、なんだか親近感を覚えるのです。

お店の面構えとか。
待ちゆく学生とか。
駅前のロータリーの雰囲気とか。

とにかく、渋谷や恵比寿とは一転して、「人の暮らし」が見えてくる駅なのです。都会以外に地元を置く人なら(大体の人がそうだと思うのですが)、私と似たような感想を持つのではないでしょうか。

後輩曰く
「渋谷とかから、タクシー圏内なんですよ」
とのこと。

飲み会で終電を逃した若者にとっても、子連れで電車に乗れない日のあるママ・パパにとっても、なんとも嬉しい立地。

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■出迎えるのは東京で最長の商店街・パルム!ゆるキャラ・パル君もいます

後輩との待ち合わせ時間より早く着いてしまったので、駅を降りてすぐの武蔵小山のランドマーク「武蔵小山パルム」を1人ぶらりとしました。

武蔵小山パルムは、東京で最も長いアーケード商店街。前情報では、「都市開発の影響で、元気がなくなりつつある」と聞いていたのですが、実際はとても活気に溢れていて、良い意味で予想を裏切られました。

元気な女性達で賑わうスーパーマーケットもある。
老舗の定食屋もあれば、見慣れたチェーン珈琲店もある。
可愛い幼稚園児達がペットショップを覗き込んでいる(ということは、近くに幼稚園がある)。

「あれ、ここ、かなり便利じゃない?」
そう感じざるを得ない環境でした。

「この並びの本屋で書籍を買って帰るのも良さそう」なんて、いつの間にか“自分が住んだら”のもしもをシミレーションしていました。うん、たった1人で。

▲見上げれば、武蔵小山商店街のマスコット・パル君の巨大風船が
▲なかなかの迫力なうえに、等間隔で登場します

■住民が夢中、ホットスポットは食パン専門店「レブレッソ」

そうこうしているうちに後輩が(やっと)合流。

▲彼女のお気に入りのバー「武蔵小山商店」の前で

ここで今回、私が武蔵小山で行きたかった食パン専門店・レブレッソについて伝えてみました。

すると彼女は
「そこ!朝からめっちゃ人が並んでるんですよ!いつも人気なんです」
と食い気味で教えてくれました。

武蔵小山には、他にもコッペパンの人気店などが列をなすことがあるそう。どうやら武蔵小山の方は、美味しいものを並んで食材を買うことに抵抗がない様子。食へのこだわりを大切にする、そんな心が豊かな証拠が現れている気がしました。

お話を戻します。大阪に本店を構えるレブレッソの目玉は「食パン」。すべて手作業で丁寧に作られており、その食感はしっとりふわふわと評判。

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平日夕方頃は狙い目なのか、幸いにもすぐに入店できました(持ち帰りの食パンは売り切れでした……!)。上記の写真のように、店内では数種類のトーストを楽しむことができます。

▲はい、フォトジェニック

私達は塩バターミルクジャムのトーストを注文。お砂糖が心地よく焦がれて、カラメルにも似た幸せな香りに口が満たされます。表面はカリカリで香ばしく、中はフワッフワ。食事をするには中途半端な夕暮れ時だったのに、スルッと完食してしまいました。

▲かわいいミルクジャムも購入できます

レブレッソのある小道を少し進むと、個人経営っぽい、こぢんまりとしたお店が並びます。どの店舗もセンスが良く、「これが帰り道にあるのは、幸せだろうな」と感じました。

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■ワンコ天国、癒しの木々もゆる「林試の森公園」

インターネットで『武蔵小山』という単語を検索すると必ず出てくるのが、『林試の森公園』。東西に伸びる細長いこの都立公園は、1時間程度で回ることができます。かつて林業試験場として活躍していたこともあり、たくさんの木々に囲まれた「森と公園の中間」のような印象です。

アクティビティを楽しめる拓けた空間、いたるところあるベンチなど、あらゆる世代が思い思いに過ごせるような工夫がされています。

「ランニングにもってこいなんです」と後輩が語るように、たしかに取材日には、たくさんのランナーがいました。しかし体感としては、それよりもある生き物がたくさん。

見渡す限り、お散歩中のワンコ・ワンコ・ワンコ。

そう、ワンちゃんの絶好のお散歩コースなのです。かわいい……癒やされる……しかも素晴らしいことに、公園内が汚れていない。犬を飼っている方、犬好きにおすすめできるのはもちろん、お子様が自然と動物と触れ合う良い場所にもなるのでは、と感じました。

■天然温泉しみず湯で、裸で母親と同僚が「あ、初めまして」

これは本当に完全に主観なのですが、銭湯がある街はいい街です。

駅から徒歩5分程度の場所で旗を掲げる「清水湯」を見つけたとき、私の胸がときめきました。そして武蔵小山を「いい街」だと、即時認定しました。

この清水湯は、2つの天然温泉を銭湯の料金(大人460円。詳しくは公式ホームページでご確認ください)で楽しむことができるそう。創業自体は1924年(大正13年)ですが、2008年にリニューアルしたため、その外観は非常に洗練されています。

後輩は自分の母親と清水湯に行ったところ、会社の同僚に偶然出会ったそう。母親と同僚が裸で出会い、「いつもお世話になっております」のご挨拶……なんとも言えない貴重な体験です。それほどに、住人が清水湯に自然と足を運んでいるということなのだと、感心しました。

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■「都会の近くにいたいけど、住むのは下町がいい人におすすめです(笑)」

武蔵小山に居を構える彼女に、3つのことを問いかけてみました。

――武蔵小山の治安は良い?

「良いです!一人暮らしの方よりも、家族が多く住んでいるので安心です!町内イベントの放送が流れたり、土日は家族連れが歩いている姿をよく見かけたりもします」

――武蔵小山に住んでてよかったなって思うことを5つ教えて!

・商店街で何でも揃う
・目黒まで近い(急行で約2分)
・せわしくない
・良い感じの飲み屋が多い
・武蔵小山駅からスーパー直結!

――武蔵小山に住むのに向いているのは、どんな人達だと思う?

「都会の近くにいたいけど、住みたくはない人です(笑)あとは、どこか下町気質な人におすすめです」

▲雰囲気のあるコインランドリー
▲こちらも下町感のある銭湯
▲懐かしい雰囲気のあるたばこ屋さん。ここでたばこを売っているため、近場のコンビニにはたばこコーナーがないのだそう。新旧の文化が共存しています

■彼女が選んだ街が、武蔵小山で良かった

今回武蔵小山を案内してくれた後輩は、すごく陽気でひょうきんで、いじられやすいキャラクターです。でも、本当はとても”気ぃ使い”な一面もあります(関西弁で「気を使ってしまう性格」という意味)。繊細さを隠して、周りのために陽気を演じているところがある気がしていて、「きちんと息抜きできているのかな」と、姉心的には心配でした。

でも、帰る家が武蔵小山にあるなら、なんだか安心。決してアーバンライフではないけれども、気取らない人間らしい生活があって、ほっとするような小道もバーもある(あと、しみず湯もある)。「この街なら、気を張り続けることなく、穏やかに暮らすことができるかな」と……。

あの子が住んでいる駅が武蔵小山で良かった。この駅について調べて、そして実際に訪れて、確かにそう感じました。

東京で新しい住まいを探している方は、一息つきながら暮らせる、そんな武蔵小山を訪れてみてはいかがでしょうか?