Column / 2019 06,03

【亀戸】日常で味わうささやかな贅沢。歴史を守りながら暮らしやすさを追求した街

いちじく舞(いちじく まい)

フリーライター・編集者。音楽の専門学校を卒業後、地下アイドル→銀座ホステス→広告モデル→OLという散らかった経歴を経て、ライターとして独立。ものづくりが好き。
https://twitter.com/ichijiku_mai (@ichijiku_mai)

都内の専門学校に通っていた頃、授業が終わり、自宅が同じ方向の同級生と電車に乗ると、亀戸駅で降りていく友人が複数人いました。

その中の一人と千葉方面の総武線に乗っている途中、「そういえば、あの子もあの子も亀戸に住んでるよね」と話しかけると「住みやすいんだよ」と一言。

時は経ち、私が会社勤めをする頃になると、同期の男の子もやはり亀戸で降りていきます。

そしてやはり「住みやすいんだよ」とポツリ。
その居心地の良さの秘密は何なのか、街を探索し、調べてみました。

【亀戸の基本情報】

駅名:JR総武線・東武亀戸線「亀戸」
ランドマーク:亀戸天神社

秋葉原まで3駅。千葉方面、新宿方面に出やすい亀戸

亀戸駅に乗り入れる路線は、JR総武線・東武亀戸線の2つ。
三鷹駅と千葉駅を繋ぐJR総武線は、船橋や秋葉原、新宿へ一本で向かうことができ、通勤に便利。また、東武鉄道を使えば浅草方面にも手軽にアクセスできます。

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そんな亀戸駅の北口を出ると、目の前に見えるのが「アトレ亀戸」。
地下1階の食料品売り場で晩御飯の材料を買い揃える住人も多いのだそう。
最上階の「屋上庭園そらいどひろば」は、休日になると子供を遊ばせる親子で賑わいます。

北口から高架下を抜けると、右手には朝方の4時まで営業しているドン・キホーテも。
駅周辺で、生活必需品の買い物が完結してしまう亀戸。
こういったところも、この街の住みやすさの秘訣なのかもしれません。

また、亀戸には4つの商店街があります。
中でも駅から一番近いのがここ「亀戸五丁目中央商店街」です。明治通りから660メートル続く通りには、飲食店を中心とした約60もの店舗が軒を連ねます。
通りを覗くと、ベビーカーをゆっくりと押して歩くお母さんの姿が。女性も子供も安心して暮らせる、平穏な雰囲気が漂っています。

安く美味しくお腹と心を満たせる飲食店の数々

亀戸五丁目中央商店街に向かう小道に店を構えるのは、老舗の名店「亀戸餃子」。
メニューは餃子(1皿250円〜)のみで、注文は1人2皿から。
テイクアウトもできるので晩御飯のお惣菜としても活用できそう。

駅から徒歩5分、明治通り沿いにある「わが家の食堂」は、なんと24時間営業の定食屋。手頃な価格で優しい家庭の味を楽しめます。

「わが家の食堂」は、入り口横にずらりと並ぶおかずからから好きなものを選ぶスタイル。
おかずは「きのこ煮込みハンバーグ(328円)」や「マグロぶつ(280円)」、「筑前煮(198円)」など、肉料理から魚・野菜料理まで充実しています。

「596(ごくろう)円セット」は、おかず一品に小鉢、味噌汁が付きその名の通り596円。人気メニューの「卵焼きハーフ(108円)」を付けても696円です。ちなみに、味噌汁は豚汁と変更することが可能。
この店自慢の豚汁は、体に染みる素直な美味しさが魅力です。

心安らぐスポット。桜の天井を仰げる「公園の並木道」と静かな時を過ごす「神社」が魅力

亀戸には心安らぐスポットも満載。中でも趣のある3つのスポットをご紹介します。

東口から徒歩5分にある「亀戸緑道公園」。
毎年3月下旬から4月中旬の時期になると約50本のソメイヨシノが並木道に咲き誇ります。

淡いピンクの花びらがそよ風で揺れ落ちる様子は、なんとも風流。
通りのベンチに座ってランチを楽しんだり、缶ビール片手に夜桜を仰ぐなんて過ごし方も良さそう。

創建1350年の長い歴史を持つ「香取神社」。
紀元665年に藤原鎌足が旅の安全を祈願し、太刀を奉納したのが神社の始まりとされています。

スポーツや病気に勝つ、勝ち守りとしても信仰されている香取神社。
お参りには多くのスポーツ選手が来ているそう。
境内にあるのは、触れると勝運を授かると言われている「勝ち石」。
恩恵にあずかろうと表面をヒタヒタと触れてみます。

香取神社から両国方面に3分ほど歩くと「亀戸天神社」の赤い立派な鳥居が目に入ります。毎年4月下旬に開催される「藤まつり」は遠方から多くの人が押し寄せる人気行事なのだとか。祭りの時期は、藤の花が一斉に咲き始め、境内を紫に染め上げます。

鳥居をくぐり、階段を上ると拝殿の向こうにスカイツリーが。
新旧2つの建物が一度に望めるのは押上エリアに近い亀戸天神社ならでは。

境内を散策していると階段の上で鷹の仲間のハリスホークと出会えました。
藤の花の蕾を摘んでしまうハトを追い払うために目を光らせているのだとか。
3年ほど前から藤まつり開催前になると、藤の花の警護を担っているそう。

歴史を守りながら暮らしやすさをつくる亀戸の人々

亀戸四丁目の町会の会長を務める眞貝(しんかい)裕利子さん。
亀戸に移り住んでから今年で47年を迎える眞貝さんに、この街の魅力を聞いてみました。
(※以下、「」内は眞貝さんのセリフです)

――亀戸はどんな街ですか?
「下町人情が根付いてて住みやすい街ですよ。香取神社など古くからの建造物を大切にしながら、街は暮らしやすく近代化されてきています。ここ『亀戸香取勝運商店街』も数年前に大規模なリニューアルを果たしました。看板建築にこだわって修繕した店も多いですね。通りも随分綺麗になりましたよ」

――暮らしやすく、歴史を感じられる街なんですね。
「古くから愛されている名物もたくさんありますね。例えば創業1903年の『亀戸升本 本店』。ここは、珍しい品種の亀戸大根を使った料理を出す老舗です。亀戸で栽培されていた亀戸大根は、江戸伝統野菜と呼ばれています。また1805年に開店した『船橋屋』は、元祖くず餅のお店として有名。かつては西郷隆盛も好んで食べていたそうですよ」

――子供や子育て世代にとっても暮らしやすい?
「よく町内会で子供向けにイベントを企画しています。学区関係なく、街中の子供達を集めてキャンプに行ったり運動会をしたり、子供が楽しめる企画を定期的に行っているんです。最近は子供の数も増えているみたいで、増築した小学校もあります。この前も知り合いの若い夫婦に『いいところに越してきました』と言ってもらえましたし、子供を育てやすい街でもあると思います」

――お祭り好きな人が多いのでしょうか?
「そうですね(笑)香取神社では5月に氏子(うじこ)の人達が鎧兜などを身にまとって街を練り歩く『勝矢祭』という催しがあります。8月には『例大祭』が開催され、その時期も街が賑わいますね。4年に一度の神幸大祭では香取神社の有名なこんにゃく神輿がでますが、それを担ぎたい方々が遠くから亀戸にいらっしゃいます。もちろん、賑わうのは祭りの時期だけなので、日頃から騒がしいなんてことはありません(笑)普段は静かで住みよい街だと思います」

暮らしの中で小さな贅沢を発掘できる街

古くからの建造物に見守られながら、少しずつ街を発展させてきた亀戸。
創建1000年を超える神社に、手頃な定食屋、4つの商店街など、歴史と暮らしが穏やかに融合しながらも、その街の片隅には、ささやかな贅沢を味わえる場所が多くあります。

地に足をつけながら丁寧に日常を謳歌したい人には最適な街かもしれませんね。

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