Column / 2019 03,08

【白金高輪】アーバンと人情味が混ざり合う。新しい「暮らしやすさ」が見つかる変化の街

下條信吾

長野県安曇野出身、東京在住のフリーライター・カメラマン。レゲエベーシストとしてKaRaLi、Tropicos、The Kingstompersなどで活躍中。
趣味は地図なしの東京街歩き。
八王子から立川まで2時間半、下北沢から仙川まで4時間、お台場から笹塚まで6時間かかりました。
Instagram:https://www.instagram.com/bassieshimo/

東京でも有数の高級住宅地として知られる港区白金。

いわゆる「シロガネーゼ」が高級ブランドを身にまとって街を闊歩している……そんなイメージを抱いていませんか?

しかし、実際の白金高輪は一般的なイメージと大きく異なり、暮らしやすさや人情味にあふれる見所満載の心踊る街でした。

白金高輪の基本情報

駅名:東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線「白金高輪」
ランドマーク:白金アエルシティ

駅周辺で感じる都会ならではのスピード感。タワーマンションのハイソな暮らし

白金高輪の駅を降りると、黒通りや桜田通り・明治通り・外苑西通りなど、大きな幹線道路が走り、絶えずに車が行き交う姿が目に飛び込んできます。

▲白金高輪の歩道橋の上から南の方を捉えた風景
▲目黒通りの先には東京タワーも

主要道路が多く通っていることから、電車だけでなくバス移動も便利なのが特長。田町や品川・渋谷・五反田、六本木ヒルズにバスで気軽にアクセスが可能です。

アクセスが便利な白金高輪周辺は、企業が拠点を置くビジネス街としての一面も持っています。駅周辺には多くの高層ビル群が立ち並び、その一角には駅直結の商業施設も。ビジネスマンも、住民も便利に利用できます。

▲白金高輪のシンボル、白金タワーとNBFプラチナタワー。向かって左側の高いビルが白金タワー。右側が NBFプラチナタワー
▲NBFプラチナタワーの下にある「白金アエルシティ」。駅直結施設でクイーンズ伊勢丹やスターバックスコーヒーの他、レストランやドラッグストア、銀行など、普段使いの便利なお店が揃う

さらに駅周辺を歩いてみると、周辺に高層マンションが立ち並び白金高輪のハイソなライフスタイルが垣間見えます。

▲白金アエルシティの西側にそびえる高級マンション「プレイス白金」
▲写真の左側に見えるのはタワーマンション「レキシントンスクエア白金高輪」

電車でもバスでもタクシーでも主要駅と行き来できる便利さ、洗練された街並み、充実した駅周辺の施設など、東京らしいアーバンライフを送るのにぴったりな町。駅周辺からは、一般的な白金高輪のイメージを裏切らない、洗練された雰囲気を感じられました。

⇒白金高輪駅周辺の物件一覧をみる

タワーマンションの隙間に垣間見える下町情緒

しかし、です。駅周辺のハイソな暮らしぶりに憧れを抱きつつ西の方に歩いていくと、幹線道路の音が少しずつ遠ざかり、雰囲気のある可愛らしいお店たちが顔をのぞかせました。

▲イエローが目を引く可愛らしいお店は焼きたてのエッグタルトが楽しめる「エッグセレント・オーファクトリー白金店」
▲「キッチンモモ」。平日のランチタイムだけ営業しているカレーの専門店です

隠れ家的な雰囲気の店々を通り過ぎ、少し歩いたところにあるのが下町情緒あふれる「白金商店街」。

「白金に商店街? しかも駅から徒歩約3分の立地に?」

イメージとのギャップに驚きますが、中に進んでみると、軒を連ねるのは昔ながらの大衆的なお店ばかりであることに気がつきます。

▲ホームマート四の橋。生鮮食品の安さと種類の豊富さが売り
▲地元の学生に愛される小沢文具店
▲鶏肉専門店 鳥彦。メンチカツや砂肝中華、チキンロールが店の自慢
▲昭和47年創業の青果大信

全国チェーンのお店の姿は少なく、昔ながらの個人店が多いのが印象的。駅周辺の都会的なスピード感とは程遠い、ゆったりと落ち着いた雰囲気が町全体を包んでいます。

⇒白金高輪駅周辺の物件一覧をみる

さらに商店街の周辺には、公園・神社などのスポットも豊富。

▲商店街周辺にある白金一丁目児童遊園
▲街並みも非常に庶民的。単身用のアパートなどもあり、商店街の雰囲気も合間ってなんとものんびりとした雰囲気
▲白金氷川神社。

白金氷川神社は、白鳳年中(672~686)に白金の総鎮守として創建され、港区内で最古の神社といわれています。また、写真には写っていませんが、境内のすぐ左には高層マンションが見えます。

神社が象徴する昔から落ち着いた暮らし。高層マンションが象徴するハイソな現代風の暮らし。

白金氷川神社から見た風景は、正反対の暮らし方が絶妙のバランスで共存する白金高輪を象徴しているようで、少しだけこの町の魅力がわかったような気分になりました。

新旧が入り混じる白金を象徴。老舗寿司店のラーメンの味

氷川神社をお参りした頃、少しずつ陽は落ち始めていました。階段を下りて神社を後にすると、通りを挟んだ目の前に気になる看板を発見。

「白金オカミハウス」・・・?

重厚な雰囲気の暖簾をくぐるのは勇気がいりましたが、一日町を歩いてお腹も空いていたので、思い切ってお邪魔してみることに。

「いらっしゃいませー!」

明るく迎えてくれたのは、オカミハウスの女将、齋藤温子さんと大将のおさむさんでした。

▲笑顔が素敵な温子さんとおさむさん

白金オカミハウスは1977年に「寿司 おさむ」として創業。40周年を迎えた2017年に屋号を変更し、新たなスタートを切りました。テレビ出演の依頼も多く、舌の肥えた有名人も足を運ぶ「白金オカミハウス」。

今回は忙しい合間を縫って女将の齋藤さんからお話を伺いました。
(※以下、「」内は齋藤さんのセリフです)

▲「もともとお店のお客さんだった」という齋藤さんが惚れ込んだおさむさんの寿司。握る姿から年季を感じます

――白金高輪は、どんな街ですか?

「一般的には『シロガネーゼ』のイメージが強いと思いますが、実は住所によって街の雰囲気は全く異なります。白金商店街があるこの辺りは庶民的で街の人は優しいし、物件もそれほど高くはありません。また、ただでさえ交通の便がいい場所ですが、数年後に山手線の『高輪ゲートウェイ』駅ができたらさらに注目されると思います」

▲おさむさんの寿司は見た目にも美しく説明不要の美味しさ。ウニは軍艦ではなく塩でいただくのがオカミハウス流

――高級住宅地と庶民的な街並みが混じり、さらに今後新しい人が増えてくる……面白い街になりそうですね。

「そうですね。白金高輪は今まさに、色々な人の多様な文化が混ざり合っているところだと思います。例えば私たちも『老舗の寿司店』としての敷居が高いイメージを打破して、多くの人におさむさんのお寿司を食べてもらえるように、最近は新しいことにチャレンジしています。例えばラーメンを開発して、提供したり。今までは来られなかった若い人にも足を運んでもらえたら嬉しいです」

▲齋藤さん渾身のラーメン。その日に仕入れた魚で出汁をとり、チャーシューの代わりに煮穴子をのせた、「お蕎麦屋さんのカレー」ならぬ「お寿司屋さんのラーメン」。ミョウガと三つ葉に白髪ねぎというトッピングも新鮮で夢中で完食してしまいました

オススメはお好みのお寿司とラーメンを一緒に頼むこと。名付けて「白金セット」

もっと暮らしやすく、もっと楽しい場所へ。希望と可能性を感じる白金高輪

白金オカミハウスを後にしてから、早速山手線の新しい駅「高輪ゲートウェイ」が建設される場所を調べてみました。

高輪ゲートウェイから白金高輪までは、歩いてたった15分ほどの距離感。
駅の開業に合わせて、今後白金高輪には新しい住民たちが入っていくはずです。

アーバンな駅周辺を通り過ぎ、人情味あふれる商店街で買い物をして、白金オカミハウスで「白金セット」を食べ家路へつく……普通の生活だけど、少し刺激的で、少し新しい。

昔からこの町に根付いた落ち着いた暮らしと駅周辺のハイソなアーバンライフという2極ではなく、両方を自由に行き交うような新しい暮らし方。

新住民たちのそんな暮らし方が根付いたら、この町は今よりももっと暮らしやすく、もっと楽しい場所へと変わっていくのかもしれません。

実際にそうなるかどうかは別にして、そんな町の新しいライフスタイルの幕開けを予感するような取材でした。