東京都小金井市にある武蔵小金井は、人気エリアの吉祥寺や三鷹、国分寺などが並ぶJR中央本線沿いの駅です。

駅周辺は再開発が進み都会的な雰囲気で、少し歩くと広大な敷地を持つ都立公園もある。これって、暮らすのにとてもいい街なのでは?

中央線周辺エリアの中でも、比較的まだ“穴場”的な存在の武蔵小金井。その魅力を探ってみるべく、街を歩いてみました。

【武蔵小金井の基本情報】

駅名:JR中央本線「武蔵小金井」
ランドマーク:都立小金井公園

■新宿まで約28分、通勤にうれしい始発電車もあり

JR中央本線の武蔵小金井駅は、吉祥寺や立川まで15分以内で行けるほか、新宿・東京にも直通でアクセスができます。また、始発電車があるため座って通勤も可能。これはうれしいですね。

駅は北口と南口があり、どちらも広々としたバスロータリーがあります。

ロータリーからは路線バスのほかに市内を循環するコミュニティバス「COCOバス」が通っていて、駅の南北に広がる住宅街と駅をつないでいます。運賃も100円と良心的!

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■再開発が進む駅周辺は、まだまだ発展予定

駅構内は、レストランや雑貨・惣菜店などが入った「nonowa武蔵小金井」につながっています。回遊歩行空間や公園を備えた「MUSAKO GARDEN」も併設しているので、ちょっと散歩や休憩したいときにも最適。

駅周辺には、北口に「MEGAドン・キホーテ武蔵小金井駅前店」、南口に「イトーヨーカドー武蔵小金井店」「武蔵小金井アクウェルモール」など大型の商業施設が並んでいるので、日用品のお買い物はバッチリ。

さらに2020年6月末には、49店が入った地域密着型の商業施設「SOCOLA 武蔵小金井クロス」が新たにオープン。ショッピングはもちろん子供向けの習い事施設も充実しています。

次に、駅北口を出て、70年の歴史を持つ商店街「シルクロード五番街」を通り、「都立小金井公園」 へ向かって散策することに。

商店街には、老舗のお店がたくさん。こちらは1931年創業の地域密着型ベーカリー「クラウンベーカリー 小金井北口店」

店内には王道から変わり種まで多くの種類のパンが並んでいます。駅近くなので立ち寄りやすいですね。

なかでも、イチオシは独自の製法で作られた「とろっとジューシーカレーパン(180円)」。日本カレーパン協会主催の「カレーパングランプリ」で金賞を受賞したこともあるんだそう!

その近くには精肉店「肉のにしじま」の姿も。お肉だけではなく、コロッケやメンチカツなど、夕食の“ちょい足し”に重宝する美味しいお惣菜を販売しています。

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■広大な敷地の「都立小金井公園」で自然と歴史を同時に堪能

お腹が空いたのでランチタイム。階段を下りた地下空間にひっそりとあるお蕎麦屋さん「七彩(しちさい)」に来ました。

店内はお洒落で清潔感があり、女性一人でも入りやすい雰囲気。心地よいBGMと適度に落とされた照明に癒やされます。

この日食べたのは、「お昼のコース(1,750円)」。蕎麦またはうどんをメインに、前菜や一品料理、甘味までセットになっていて、お昼からちょっと贅沢気分。

コースなので量が多いかな?と心配しましたが、一皿一皿が適量で、残すことなくペロリと完食。この日はとても暑かったので、さっぱりとしたお蕎麦が最高でした。

お店を出てしばらく歩き「都立小金井公園」に到着! 日比谷公園の4.9倍、上野公園の1.5倍の広さを持つとても大きな公園です。

お花見スポットとしても有名で、春にはまるで“桜の屋根”ができたようにピンク一色に包まれるんだそう。今度はぜひ春に来てみたいな。

敷地内は「つつじ山広場」「いこいの広場」「こどもの広場」など複数の広場に分かれていて、子ども用の遊具やドッグランも完備しています。

さらに園内には、東京都内にあった歴史的建造物を移築して、復元・展示している「江戸東京たてもの園」もあります。公園内だけでも1日中遊べそうですね!

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■「年齢や性別に関わらず、新しいことを始めやすい街だと思います」

最後に、武蔵小金井に暮らし「もぐもぐ子ども調理室」を営む潮田彩さんと、運営に協力する武蔵小金井出身の酒井桃子さんにお話を聞きました。

▲写真左が酒井さん、右が潮田さん

(以下インタビュー。「 」内は潮田さん、酒井さんのコメント)

――武蔵小金井に料理教室を開いたのはなぜですか?
潮田さん「武蔵小金井には、14年ほど前におむすび屋を開くため移り住みました。その当時は、朝早い時間でもお散歩のついでに来るお客さんが多くて。時間を有意義に使っている姿が“素敵だなぁ”と感じました。また、お店の行事として料理教室を開いたときの、子どもたちのキラキラした笑顔も忘れられなくて……。一念発起して、この街で料理教室を始めようと思ったんです」

酒井さん「私は小金井出身で一度地元から離れていたのですが、結婚を機に戻ってきました。潮田さんとは、子どもたちの保育園が一緒で知り合い、イベントにもお客さんとして足を運んでいたんです。料理教室のお誘いをいただいて面白そうだなと思い、10年勤めていた会社を辞めて協力することにしました」

――住人はどのような人が多いのでしょうか?
潮田さん「イベントや料理教室などを始めるときに、世代問わずたくさんの方に助けていただきました。個人店の方や地域活動をしている方が多いからだと思います。イベントに参加いただいた方も、きちんとゴミを持ち帰るなどマナーが良い方ばかりです。周りに大学が多いので、教育意識が高い街だとも言われています」
酒井さん「ありがたいことに、料理教室でも親御さんとのトラブルで困ったことはほとんどないですね。昔からのんびりしている住人が多いんです。私と同じように、一度離れたけれど地元に戻ってきている方も多いみたいですよ」

――お二人が思う武蔵小金井の魅力はなんですか?
潮田さん「立場や性別に関わらず、新しくなにかを始めやすい街だと思います。また、『小金井桜まつり』や『小金井阿波踊り』のような季節のイベントもたくさんあるので、市内だけで年間通して楽しめますね。気分転換したいときは、吉祥寺や立川にもすぐに足を延ばせます」

酒井さん「中央線は特快があったり本数が多いなど、なにかと便利。通勤の時間帯には武蔵小金井からの始発電車もあるので、座って通勤できるのも良いですよね。あとは学校が自校方式(校内で給食を作っている)なので、給食もおいしいんですよ!」

――住み始めた頃と街の変化はありましたか?
潮田さん「引っ越してきたときは、まだ駅に高架がなかったので“開かずの踏切”に苦労しました……(笑)。高架ができてからは行き来が楽になり、駅前で大体のお買い物は済むので、より住みやすくなりました」

酒井さん「今は駅前が再開発で発展していきているので、昔に比べてファミリーだけじゃなく、一人暮らしの方や新婚さんにとっても住みやすい環境になってきていると感じますね」

■住んでいくうちに「好き」が増していく街

緑豊かな自然を守りつつ、着実に発展を続ける武蔵小金井。世代を超えて住人同士の交流があるのも大きな魅力だと感じました。

取材をしたお二人の笑顔を見ていると、この街には「住めば住むほど好きになっていく魅力があるんだろうなぁ」と確信。

都内でマイホームを検討している方や、起業や地域イベントなど、なにか新しいことに挑戦したい方にとってはとても住みやすく、チャンスにあふれた街だと思います。

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稲垣恵美(いながき えみ)

北海道で出版社に勤務したあと上京。まずは錦糸町というなかなかディープな街に住み、現在は埼玉県に居住。好きな街は、下町の人情があるところと、憩いの場所があるところ。素敵な街をみなさんに共有したいお散歩ライター。

Twitter:https://twitter.com/emily83601992