だれでも、初めて一人暮らしを始めた地というのは特別な思い入れがあると思います。
私にとってはそれが、浦和の街。

埼玉県の県庁があるさいたま市浦和区には、さいたま市役所・県警・裁判所などの行政機関が集まっています。昔から住んでいる方も多く落ち着いた住宅街なのですが、埼玉サッカー発祥の地でもあり、Jリーグの浦和レッズが勝った日はあちらこちらで赤いユニフォームを着た人の歓声でにぎわう、楽しい街です。

また、スポーツ施設、美術館や図書館、科学館といった教育・文化に関わる資源にも恵まれており、埼玉県内でも有数の公立進学校が多くあることから「文教都市」としても有名です。

わたしが住んでいたのは15年ほど前。近年では東口側が再開発され、大きなショッピングモールが建ち、生活もより便利になっているようです。

初めて親元を離れて暮らした浦和の街、十数年の間の変化を感じながら歩いてみました。

【浦和の基本情報】

駅名:JR京浜東北線・宇都宮線(東北線)、高崎線(上野東京ライン)、湘南新宿ライン「浦和」
ランドマーク:埼玉県庁、調神社(つきじんじゃ)

■東京も新宿も25分!都内の東へ西へアクセスしやすい立地

浦和駅を通るのは、JR京浜東北線、宇都宮線(東北本線)、東北本線・高崎線(上野東京ラライン)、湘南新宿ラインの4路線が通っています。

東京の西側に出るのに便利なのが湘南新宿ライン。乗り継ぎなしで新宿まで25分、渋谷まで32分で行くことができます。東京の東側に出るのに便利なのが宇都宮線・高崎線と京浜東北線。宇都宮・高崎線に乗れば、上野までわずか19分、東京まで25分で出ることができます。都内主要駅への移動時間が30分程度なので、通勤にも便利な立地です。

また4路線のすべてが、登りは赤羽駅・下りは大宮駅を通過するので、そこから乗り換えをする場合はとりあえず来た電車に飛び乗れば大丈夫。本数も多いので待ち時間も長くありません。

駅前からは、駅と住宅街・駅と区役所などの公共機関を結ぶバスが運行しています。本数も多いので利用しやすそう。また、日本最大のサッカースタジアム「埼玉スタジアム2002」がある埼玉高速鉄道線「浦和美園」駅行きのバスも運行しています。

■ 再開発で駅前が一新!お買い物が楽しい東口エリア

駅に降り立ってまずびっくり。構内はきれいに改装され、階段の上り下りが大変だった西口・東口間の動線もスムーズになっています。駅ナカの「アトレ浦和」や、何もなかった東口の駅前には「浦和パルコ」が建っているではありませんか!

駅の構内の「アトレ浦和」にはカフェなどの飲食店やお惣菜屋さん、スーパーマーケットの「ザ・ガーデン自由が丘 浦和店」やドラッグストアが入っています。駅の中でお買い物が済ませられるのは便利。

東口を出てすぐ向かいに見えるのが「浦和パルコ」。パルコ内にはショップのほかに映画館や、公共施設が入居している「コムナーレ」が。こちらには「さいたま市立中央図書館」「浦和コミュニティセンター」などが入っており、住民の「交流の場」となっています。

駅のロータリーのまわりには古くからの商店街が残り、チェーン系の飲食店や個人経営の居酒屋やカフェなどの飲食店が並んでいます。食事する場所には困りません。

駅前の大通りから1本中に入ると、もうそこは住宅街。15分ほど歩くと、真新しくきれいなマンション群を見かけました。浦和に移り住む人が増えているのを実感します。

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■公共機関が多く、落ち着いた雰囲気の西口エリア

西口側に出ると、十数年前と変わらぬ景色がそこにありました。こちらは埼玉県の公共施設と、昔ながらの住宅街が広がるエリア。駅前には、「伊勢丹 浦和店」「コミュニティプラザ・コルソ」といった商業施設が並んでいます。どちらも長く愛されている老舗です。

駅の近くには大きなスーパー「イトーヨーカドー浦和店」。食料品や日用品は駅のまわりですべて揃えることができます。

駅からまっすぐ伸びる「県庁通り」を歩いていくと、大きな花時計がシンボルの「埼玉県庁」をはじめ、「埼玉県警」「さいたま地方裁判所」などの公共機関が集まっています。埼玉県警があるためか、浦和は県内でも犯罪発生率が特に低い治安のよいエリアなんだとか。

「浦和区役所」も近くにあるので手続きの際も便利です。県の施設が集まっている一帯には緑が植えられ、自然豊かな美しい街並みが広がっています。

駅の近くに素敵なお店「カフェ ウワイト」を見つけたので、こちらでお昼ご飯をいただくことに。昔ながらのお屋敷街である浦和では、最近このような古い住宅を活かしてリノベーションをしたお店が増えてきています。

お昼少し前に入店したのにもかかわらず、あっという間にお店は満席に。地元の若いカップルや女性同士での来店が多い印象。

注文したのは人気メニューのオムライス(1080円)。ケチャップライスの上にぷるぷるのオムレツが乗っています。ここにナイフを入れると……。

期待どおりトロットロ!濃厚な玉子の味を存分に堪能できるオムライスでした。これは人気なのも頷けます。

お腹も満たされたので、腹ごなしに街歩きを再開。駅から15分ほどのところにある住人の憩いの場「調神社(つきじんじゃ)」にやってきました。
鳥居のない神社として有名で、狛犬ではなくウサギが置かれているのも全国的に珍しい神社です。社名の「調(つき)」の名が、月と同じ読みであることから、月の動物といわれたウサギが神の使いとされているため、境内のあちこちにウサギが祀られています。

▲手水舎にも狛ウサギ。境内のあちらこちらにかわいいウサギが。

こちらの神社、地元では「つきのみやさん」の愛称で親しまれています。私も勝負ごとの前には必ず訪れていた思い入れのある場所です。この日も、しっかり今後の人生の願掛けをしてきました。

神社の横には、駅まわりで最も大きな公園である「調公園(つきのみやこうえん)」があります。満開の時期を少し過ぎた桜がヒラヒラと宙を舞う、美しい光景が広がっていました。

園内には遊具や砂場もあり、親子連れに人気。天気がいい日は神社へのお参りと一緒に散歩に来るのもよさそうです。

調神社の近くには、埼玉県でもトップクラスの偏差値を誇る「埼玉県立浦和第一女子高等学校」があります。男子校では数々の東大合格者を輩出している「埼玉県立浦和高校」が隣の北浦和駅近くにあり、県内の公立進学校が浦和エリアに集中しています。教育水準も全体的に高く、浦和の小中学校に入りたいと引越しを決める教育熱心な家庭も多いとか。

落ち着いた住環境と教育水準の高さは、子育て世代にとって浦和に住む大きな魅力といえそうです。

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■「人がちゃんと住んでいるのがわかる、安心感のある街です」

最後に「浦和の街が大好きです!」と話す地元の方にインタビュー。柴崎愛(しばさき あい)さんは、浦和にほど近い市内の出身で、浦和の職場に勤務しています。

(以下、インタビュー。「 」内は柴崎さん)

――わたしも昔このあたりに住んでいたのですが、街が様変わりしていて驚きました。
「そうですね。昔は東京に行かないと遊べないし、食べられないものも多かったけど、今は地元で行きたい店が増えました。最近は商店街や住宅街の中にもセンスのいい飲食店があるんですよ。新たに浦和で商売をする若い人が増えてきたように感じます」

――そうなんですね! 柴崎さんのお気に入りのお店はどこですか?
「もうずっと大好きで通っているのは『クマネコ印』というカレー屋さんです。一軒家の一部を改装したお店なんですけど、すっごく人気でわざわざ東京から食べに来る人も多いですね。ほかには、うなぎが有名です。おいしいうなぎ屋さんが多く、外国人観光客の人もよく見かけます」

▲クマネコ印さんの「チキンカレー」

――食べるお店には困らなそう! ほかに、柴崎さんが思うこの街の魅力はなんですか?
「埼玉県って快晴日数が多いんですよ! 自転車通勤なので、晴れの日が多いのはうれしいです。あと、浦和はたくさんのお店があるのに緑が多くて、ガチャガチャしていないところが好きですね。住宅街でもきれいにお花や緑を育てている家が多くて、生活にゆとりを感じるし、人がちゃんと住んでいることが分かるので、夜道も安心して歩けます。このあたりって海も山も遠いので、みんな自然を身近なところで楽しんでいるんじゃないでしょうか(笑)」

■ 落ち着いた雰囲気はそのままに、ますます楽しく進化する街

久しぶりに降り立った浦和。最初はその変化に驚いてばかりでしたが、実際に街を歩いてみると、落ち着いた雰囲気は変わっておらず、ほっとしました。

私が住んでいた頃はおしゃれなカフェやレストランは少なかった印象なのですが、今はパルコの中に心をくすぐられるお店が入っていたり、古い建物を改装した雰囲気のいいカフェが増えていました。これなら、ほかの街にわざわざ出かけなくても週末を楽しめそう。

住環境や治安のよさ、子どもの教育など、いろいろな面から見てもバランスがよく、改めて長く愛せる街だなと再確認したのでした。

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宮島麻衣(みやじま まい)

雑誌出版社に勤務したのち、ふらりとタイのバンコクに数年暮らし最近帰国。人生において「自分で住む場所を決められる」自由をすごく大切に思っていて、いつも次の理想の住みかを探しながら歩いています。
Twitter:https://twitter.com/miyajimai517