Column / 2019 05,10

【烏丸】京都を満喫する暮らし。歴史とアートが日常に溶け込む「烏丸」

倉本祐美加

IT企業でインサイドセールスを行う傍らブログ記事や事例の執筆を行い、2016年11月ライターとして独立。大学時代は100人以上の友人のインタビュー記事を制作。現在は、企業様の導入事例・オウンドメディア等に掲載する記事をメインに取材・執筆している。
Twitter:https://twitter.com/aoitorisorae (@aoitorisorae)
ブログ:http://mott-izm.hatenablog.com/

「烏丸」と書いて「からすま」と読む――
10年前関西にやって来て、阪急電車の表示ではじめて読み方を知ったときはとても驚いた。

京都に行く機会が増えるにつれ、聞き慣れなかった烏丸という街のことがいつの間にか気に入り、「京都で買い物やごはんを食べるなら烏丸へ行こう」、そう思うことが増えた気がする。

「京都の中でも都会である烏丸は、遊びに行くには楽しい。けれど、住んでみたらどうなんだろう?快適に住める街なのだろうか?」

いつもとは違う目線で烏丸を歩いてみて、その答えを出そう。
梅田から、いつものようにあずき色の阪急電車に乗って、烏丸を目指した。

烏丸の基本情報

駅名:阪急烏丸駅
乗換えできる路線:阪急京都本線・京都市営地下鉄烏丸線
ランドマーク:錦市場、六角堂

京都の中心地。電車で・バスで・自転車で、京都中どこへでも

烏丸は京都のビジネスと商業の中心。
烏丸に京都支店を置く大手企業が多い他、「大丸京都店」「LAQUE四条烏丸」「COCON KARASUMA」、そして2019年3月にオープンした「SUINA室町」など、さまざまな商業施設が揃う。
烏丸の多くの商業施設は、洗練された佇まいと和の雰囲気をまとっている。
店内にはハイセンスなショップが並ぶ他、スーパーやドラッグストアなどの日常使いできるお店も充実。
ショッピングだけでなく、日常のちょっとした買い物にも便利に利用できる。

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▲大丸京都店とSUINA室町

また、アクセスが良いのも烏丸の強みのひとつ。
阪急電車を使えば乗換えなしで大阪・神戸方面に移動できる他、地下鉄やバスは烏丸と京都市全体を結ぶ心強い交通網だ。

「世界遺産に選ばれている銀閣寺へ行こう」
「紅葉狩りに嵐山へ行こう」
「あらためて清水寺を訪ねてみたい」
などなど、バスや地下鉄で主要スポットにサクッとアクセスできるのも、烏丸ならでは。

▲さまざまな方面へ向かうバスが行き交う

そして、もしこの街に住むのであれば自転車移動もおすすめ。
鴨川や京都御所など、自然豊かな場所に10分も掛からず移動できる。
烏丸は、京都全域を楽しむための拠点のような街なのだ。

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日々の食を楽しくする“気さくな”食の台所

ビジネスや商業施設のイメージから、どこか都会っぽさを感じる烏丸だが、古くからの伝統も大切に守り抜いている。
そのシンボルが、東西約400メートルのアーケード内に約130店舗が所狭しと立ち並ぶ「錦市場」。
約1300年もの歴史を持つ「京の台所」だ。

「観光客が多いから、住むとあまり行かなくなるのでは?」
そう感じる方もいるかもしれないが、実は近所に住んでいる方も頻繁に買い物に訪れるそう。

新鮮な旬の食材を手に入れることができ、品揃えも豊富なため、ついつい通ってしまう方が多いのだとか。
地元の方から、「“にしき”にあるものなら間違いない」という声も上がるとのこと。

▲京都の名物「千枚漬」など漬物を扱うお店も多数
▲新鮮な野菜は種類も豊富
▲夕食にあと一品欲しいとき、お惣菜を買えるのもうれしい
▲すり身の練り物は食べ歩きに人気

あらためて錦市場を歩いてみてわかったことは、気さくな店員さんや店主さんが多いということ。キョロキョロしながら歩いていると、試食を勧めてくれたり旬のものを紹介してくれたり、よく話し掛けてくれる。

普段は家のそばにあるスーパーで十分かもしれない。
けれど、時間に余裕のあるときは、錦市場で味見やお店の人との会話を楽しみながら買い物ができる。

「この街に住めば、日常の過ごし方や食の楽しみ方の幅が広がりそう」、そんな風に感じさせてくれるのも烏丸の魅力のひとつだ。

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▲錦市場の近くには遊具のある広い公園も。買い物帰りにフラッと寄って、子どもと休憩することも

街に溶け込むお寺が、せわしない空気を溶きほぐす

錦市場をあとにして、周辺を歩いていると、どこからか鐘の音が聞こえてきた。
音の鳴る方に向かうと、烏丸駅から徒歩5分ほどのところにある「佛光寺」にたどり着いた。

▲佛光寺

中に入ってみると、なんと境内にD&DEPARTMENTの店舗が。
D&DEPARTMENTといえば、全国各地で「その土地らしいデザインの雑貨」を紹介している有名なセレクトショップ。こちらのお店は、伝統工芸品など京都にまつわるアイテムを取り扱っている。

▲佛光寺に馴染んだD&DEPARTMENT外観

また、ショップだけでなく境内にはD&DEPARTMENTが運営するカフェ「d食堂」も。
せっかくなので少しお邪魔してみることに。

▲旬の食材を使用する「京都定食」の他、京都で醸造されたビールなども提供している

「d食堂」には、フード・ドリンク・デザートなど、さまざまなメニューが揃っている。
訪れたのは14時ごろで、店内では遅めのランチを食べる人やお茶を飲みながらまったりおしゃべりしている人など、それぞれが思い思いの時間を過ごしていた。

▲落ち着いた雰囲気の店内。和室からは境内が見渡せる

さまざまなメニューの中から私が選んだのは「ほうじ茶ラテ」。
茶葉の芳醇な香りが漂い、一口飲むと深い旨味が疲れた身体に染み入ってくる。

▲注文した「ほうじ茶ラテ」

ゆっくり味わっていると、また外からゴーンゴーンと鐘の音が。
窓から見える境内の雰囲気・鐘の音・芳醇な「ほうじ茶ラテ」の香り……

和の雰囲気に心も身体も癒やされ、お店をあとにする。
「仕事や育児に疲れたとき、サクッとここに来られるのか」と考えると、この街に住む人を少し羨ましく感じた。

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▲同じく烏丸に立地するお寺「六角堂」は、聖徳太子創建で「いけばな発祥の地」。六角堂の隣にあるカフェからの景色は圧巻

町並みがアート。昔ながらの建物を活かした市民の憩いの場

カフェをあとにして、烏丸駅の方へ戻りながら北上をしていると、アートのような建物が見えてくる。
烏丸周辺には、美術館や博物館が多いのがその理由だ。

▲京都の歴史や文化を紹介する「京都文化博物館」

なかでも特に目を惹くのが、京都芸術センター。
展覧会や舞台鑑賞の場としても機能している建物だが、実は小学校跡地を利用している。

▲京都芸術センターの正門

一歩足を踏み入れると、内観に小学校の雰囲気をそのまま活かしていることがわかる。
廊下を歩くと、木の匂い、ミシミシと軋む床など、小学校時代が蘇ってくるような感覚が。

▲小学校の内観をそのまま活かした雰囲気が特徴。中には、芸術や文化に関する書籍・資料が閲覧可能な図書室も

京都芸術センターは無料で開放されているため、アートを楽しむだけでなく、観光客や住民の憩いの場としても利用されている。
建物内にあるモダンな喫茶店は大勢のお客さんでにぎわっている他、校庭の跡地ではひなたぼっこをする人たちの姿が。

▲日が差し込みあたたかい校庭の跡地

京都芸術センター以外にも、周辺には思わず写真を撮りたくなるような建物が並んでいる。
中でも特に印象的なのが、レンガ造りのおしゃれでレトロな郵便局。

▲郵便局。1902年(明治35年)に建設されたネオルネサンス様式の建物

昔の雰囲気を残したまま、生活に欠かせない機能として建物を利用するところが京都らしい。
また、老舗のお店の隣に近代的なお店があるなど、古き良きものと新しいものが融合していて、歩いているだけでも楽しめる。この街に住めば、観光に訪れたような非日常体験を「日々の散歩」の中で味わうことができるだろう。

▲町家を改装したカフェも多く点在する

「京都の全部を味わいたい!そんな“欲張りな人”が住むのにぴったりな街」

この街でお店を営む人の目に、街はどう映っているのだろう――
その答えを知るべく、烏丸の真ん中で、日本と地中海のタコ料理を提供している「BROGLD(ブログルド)」の店主・伊勢屋さんにお話を聞いた。

(※以下、「」内は伊勢屋さんのセリフ)

――烏丸の中心地にお店を開いた経緯を教えてください。
「もともとは、京都大学の北側にあたる元田中という場所で営業していました。おかげさまで人気だったのですが、郊外という立地上、当店自慢の『モスコミュール』をなかなか飲んでいただく機会が無かったんです。そこで、6年前に自慢のタコ料理とお酒を楽しんでもらえるオクトパスバーを烏丸で開くことにしました。烏丸は、落ち着いた雰囲気があり、ゆっくりと味わって食事をしてくれる方が多い印象だったため、ここで店を開こうと決めたんです。」

――どんなお客さんが多いですか?
「オフィス街なので、平日はサラリーマンやOLの方がほとんどです。会社のみんなでわいわいではなく、2名くらいでプライベート利用される方が多いですね。一方で土曜日は近所に住んでいる方が多く来店されます。単身赴任中の方が、京都に遊びに来られたご家族を連れて来店されることもありますよ。お客様には、できるだけこちらから『この辺にお住まいですか?』『どこのご出身ですか?』などと声を掛けて、いろんなお話をさせてもらっています。」

――お店を開いた6年前と今で街は変わりましたか?
「以前は、飲食店も敷居の高いお店が多く、スーパーも高価格帯のものが目に付きました。けれど、最近ではカジュアルな飲食店や普段使いのしやすいスーパーが増えてきた印象です。また、繁華街ではないので、20時ごろをすぎるととても静か。治安も良く、とても暮らしやすい街だと思いますよ。」

――烏丸に住むのに向いているのは、どんな人だと思いますか?
「欲張りな方におすすめです(笑)。烏丸はどこへ行くにもアクセスがいいので、寺社仏閣にいつでも出掛けられます。それに、岡崎公園や梅小路公園では毎週のようにイベントが行われているし、壬生寺の『壬生狂言(みぶきょうげん)』や神泉苑の『大念仏狂言(だいねんぶつきょうげん)』など無料で見物できる催しもあって、楽しいことが目白押し。自転車で移動できる範囲でいろんな娯楽や文化に触れられるので、『ちょっと寝すぎちゃったな』という土日も、午後から街へ出れば充実した時間を送ることができます。日本三大祭のひとつである祇園祭も、烏丸界隈は中心地のひとつなので、毎年7月はものすごく盛り上がります。自分の住んでいる場所で祇園祭が行われているというだけでも、気持ちが高まりますよね。京都のいいとこ取りをしたいという方は、烏丸に住むと楽しめると思います。」

“都会の良さ”と“京の良さ”が融合

京都は観光地、ましてや烏丸なんて、住むには都会すぎるのではないか――
そんな予想は良い意味で裏切られた。

中心地である以上、にぎやかではある。
けれど、“ごみごみ”ではなく、“わいわい”した活気で、少しもいやな気持ちにはならない。
それに、少し路地を曲がると閑静で穏やかな景色が広がっていることにも気付いた。

京都の中心地でありながら、これだけ落ち着いた空気が流れているのは、歴史的建築物やお寺が、今でも大切にされ続けているからなのだろう。

烏丸に住んでしまったら、もう旅行に行かなくなってしまいそう。
なぜなら、この街には日常をいくらでも豊かにしてくれる仕掛けがあちこちにあるから。
烏丸は、「京都を満喫したい」という方の、すべてを満たしてくれる街なのだ。