今でこそ東京都心にはベッドタウンとして発展した地域がたくさんありますが、なかでも練馬区の大泉学園は歴史の長い街なんだそうです。

住宅街としての開発が始まったのは90年前!(なんと戦前)
地図を見ても、駅の北側は格子状に区画が整理されているのがわかります。

そんな大泉学園は、いまだに「過去の街」となることなく、子育てがしやすい街として人気があり、多くの若い家族世帯が移り住んでいます。

実際に街を歩いてみると、人気が集まるのも納得の「暮らしやすさを追求した工夫」が街のあちこちに見られました。

【大泉学園の基本情報】

駅名:西武池袋線「大泉学園」
ランドマーク:東映アニメーションミュージアム

■電車は1路線だけど、乗り入れ路線が多く移動も便利!

大泉学園駅で利用できる路線は西武池袋線の各駅停車のみ。
池袋まで直通17分、池袋で乗り換えが必要になるものの新宿へも約30分で出られます。

1路線しかないのは不便かと思いきや、東京メトロ有楽町線(1時間に2本)・横浜高速鉄道みなとみらい線(1時間に1本、副都心線・東急東横線を経由)に乗り入れており、元町・中華街まで1本。意外と乗り換えなしで出られる駅が多いです。

また将来的には、都営地下鉄大江戸線が、大泉学園町を通り所沢まで延伸される計画があるそう。これが実現したら、さらに交通の利便性が高くなりますね。

駅は高架になっていて、下にはバスロータリーがあります。バス路線も充実していて、他路線の主要駅までバスで行くことも可能です。吉祥寺や阿佐ヶ谷、成増、朝霞、光が丘など、大泉学園駅からバス一本で行けるエリアも多くあります。

■ コンパクトに買い物スポットがまとまった駅まわり

実は、「日本アニメ発祥の地」としても有名な大泉学園。
ワンピースやプリキュアシリーズなど有名アニメを多数制作している「東映」のスタジオがあり、北口駅前には東映アニメ作品の銅像や展示物などが並んでいます。

駅北口から連絡通路でつながっているビルが「リズモ大泉学園」。ショッピングモールの「グランエミオ大泉学園」が入っているほか、地下にはスーパー「大泉マルシェ」もあり食品のお買い物にも便利です。

南口側には「ゆめりあフェンテ」が。こちらもスーパーの「ライフエクストラ大泉学園駅前店」が入っています。どちらの出口にも複合モールがあるためお買い物がしやすい駅まわりになっています。

そして、その先にはすぐに住宅街が広がります。駅から住宅にアクセスしやすく、駅まわりがとてもコンパクト。通勤・通学や買い物のストレスを感じることなく過ごせそうです。

駅から住宅街に向かって歩いていくと、途中で素敵なお店を発見しました。

こちらの「ブーランジェリー・ベー」は地元で人気のパン屋さん。ちょうどお昼前の時間だったこともあり、小さな店内に代わりばんこにお客さんが出入りしていました。

一番人気はクロワッサン(220円)ということで、翌日の朝ごはん用にわたしも購入。サクサクでバターの香りたっぷりでとてもおいしかったです。

駅北口から10分ほどのところにある「東映通り」を入っていくと「東映アニメーション大泉スタジオ」が見えてきます。

ここには「東映アニメーションミュージアム」が併設されていて、いろいろなアニメの展示を楽しむことができます。また、館内には緑豊かな中庭もあり、そこには大きな黒板が置かれていて、子どもたちが自由にお絵かきができるようです。楽しく遊べて、なんと入場無料!お休みの日には子どもと一緒に訪れたいスポットです。

東映アニメーションミュージアムの横には、大型商業施設の「リヴィンオズ大泉」があります。スーパーの西友や無印良品など、さまざまな店舗が入っているので買い物に便利。

リヴィンオズ大泉の向かいには「オズ・スタジオシティ」という複合施設も。「T.ジョイSEIBU大泉」という映画館も入っています。わざわざ電車に乗らず映画を見られるのはうれしい!

また、地元の人が「品揃えが豊富!」と太鼓判を押すのが、ホームセンターと大型スーパーを兼ね備える「スーパーバリュー 練馬大泉店」。野菜や果物を箱単位で購入でき、しかも安いとあって、車で買い物に来る人が多いそうです。

こうやって街のさまざまな場所を歩いて巡っているとどの道も歩道が広く、自転車でも難なくすれ違えることに気づきます。最近は子どもを乗せて走る用の自転車はどんどん幅が大きくなっているので、このゆとりのある歩道設計は安心ですね。

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■畑の脇に直売所がたくさん。新鮮野菜がいつでも食べられます

畑が多いのも大泉学園駅まわりの特徴。住宅街の中に畑が点在していて、野菜の直売所があちこちにあります。どの野菜も新鮮でしかも安い……!

住宅街には「シェア畑」の広告も出ていました。
貸し農園や体験農園などがあちこちにあるようです。週末は子どもと畑いじりをするのも良さそう。一緒に作った野菜を食べるなんて最高の食育体験ですね!

また、新鮮な野菜を購入できる場所としては、直売所のほか「JA東京あおば ファーマーズショップこぐれ村」があります。農家さん直売の新鮮な野菜が購入できるおすすめスポットです。どの野菜もキラキラ……!

店舗内では近くの牧場のアイスクリームも販売していました。
大泉学園に住んだら、体に良くておいしいものがたくさん食べられそうです。

大泉学園の野菜は地元のレストランでも使われています。住宅街の中にあるフレンチ&イタリアン「オブリガッツィオーニ」でランチをいただくことに。

頼んだのは、「ランチコース(前菜+フォカッチャ+パスタかリゾット+ドリンクのセットで1600円)」。単品メニューもありますが、前菜が特におすすめということでこちらにしたのですが、大正解!

▲前菜の「白身魚のしんじょうとベーコンときのこのフラン、あさりとじゃがいもとパセリのスープ」

この日の前菜は「白身魚のしんじょうとベーコンときのこのフラン、あさりとじゃがいもとパセリのスープ」。さまざまな味と食感が口のなかに広がります。ランチでこんなに凝ったお料理がいただけるなんて。

▲メインの「菜の花とトマトとシラスのアーリオ・オーリオ」

メインのパスタ「菜の花とトマトとシラスのアーリオ・オーリオ」もとってもフレッシュでおいしかったです。

オーナーシェフ鈴木さんは生まれも育ちも大泉学園。
「昔、このあたりはもっと畑が多かったんですよ」とのこと。近所の直売所などで野菜を仕入れており、地元への愛を感じました。

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■「昔ながらのコミュニケーションが残る街で、子育てしやすいです」

最後に、大泉学園のさらなる街の魅力をインタビュー。
櫻井(さくらい)さやかさんは、大泉学園にある歯科医院の理事を勤め、歯科訪問診療コンサルの経営の傍ら、個人的に「I love 大泉学園」というFacebookページの管理人も務めています。ページのフォロワー数は500人を超えているとか。

(以下インタビュー。「 」内は櫻井さん)

——大泉学園の街の魅力はなんですか?
「駅まわりで必要なものは何でも揃うくらいには便利なんですけど、ほどよく田舎でのんびりしているところですね。あとは、車で関越道に出やすいので、三郷のIKEAに行ったり、埼玉の飯能にキャンプに行ったり、ファミリーで出かけやすい立地です。子育てしやすい街だと思いますよ」

——具体的に子育てしやすいと思うポイントはありますか?
「低層の住宅が多い地域なので日当たりがいいです。お洗濯もしやすいですね。あとは、公園などもほどよくあるし、まだ地域のイベントやお祭りなども盛んな地域なので、子どもも楽しんで参加しています」

——東京都だけど、田舎の良さが残っていますね。
「そうですね。昔からこの地に住んでいるおじいさん・おばあさんもとても優しい方が多いです。直売所でよく野菜を買うんですが、子どもを連れていると話しかけてくれたり、顔を覚えてくれてサービスしてくれたり。ありがたいですよね」

——個人的におすすめのお店はありますか?
「駅のまわりにファーマーズショップがいくつかあるんです。お気に入りは南口駅前にある『花兄園』。有機卵がとてもおいしいくてお手頃価格で購入できます。自家製プリンも種類が多くてよく買いにいきます」

——野菜も新鮮なものが手に入るし、食生活が充実しそうな街ですよね。ありがとうございました!

■ほどよいサイズ感と自然が残る「暮らしやすい街」

住宅街として開発されてきた大泉学園は、景観が整備されていて歩きやすくきれいな街でした。

駅周辺の一部住宅地は、東京都の「風致地区」に指定されていて、緑豊かな景観を保つため樹木の伐採も規制されているそうです。たしかに、緑豊かでゆったりとした住環境は暮らす上では重要なポイントですよね。

生活に必要なものは揃えながらも、畑や木々などの自然を残し、過剰に発展させない。そのバランス感が住み心地の良さを生み出しているのではないかと思いました。

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宮島麻衣

雑誌出版社に勤務したのち、ふらりとタイのバンコクに数年暮らし最近帰国。人生において「自分で住む場所を決められる」自由をすごく大切に思っていて、いつも次の理想の住みかを探しながら歩いています。
Twitter:https://twitter.com/miyajimai517