「横浜」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
多くの人は赤レンガ倉庫や山下公園、中華街など、横浜駅や桜木町駅、関内駅周辺の景色をイメージすることでしょう。

しかし、横浜市には他にも個性溢れる魅力的な街が存在するのです。

横浜駅から10キロほど離れた「上永谷」という街には、都会の喧騒を忘れる静けさとハイセンスな雰囲気を両立した、穏やかな暮らしがありました。

【上永谷の基本情報】

駅名:横浜市営地下鉄ブルーライン「上永谷」
ランドマーク:ベルセブン

■横浜の主要エリアや都心に簡単アクセス。地下鉄ブルーラインの穴場駅

上永谷駅があるのは、神奈川県横浜市の港南区。
神奈川県藤沢市の湘南台駅から横浜市青葉区のあざみ野駅までを結ぶ「横浜市営地下鉄ブルーライン」が停車する駅です。

1日の平均乗降人員は約3万7000人と、ブルーライン内で乗り換えのない駅の中では最多。車両基地があるため、始発や終点の駅になることもあり、終電も深夜0時過ぎまであります。また、横浜駅へ直通で約20分、東急線に乗り換えれば渋谷へも約1時間でアクセス可能です。

▲上永谷駅の改札

駅に隣接する複合商業施設「ベルセブン」は、この街のランドマーク的な存在。
鈴が7つ並んだ看板が目印で、施設内には三菱UFJ銀行やドラッグストア、イタリアンファミリーレストランのサイゼリヤなどが入っています。

ちなみに、筆者が上永谷を訪れたこの日は、ベルセブンを出たロータリー前で産地直送の野菜が販売され、人だかりができていました。

▲ベルセブン

ベルセブンがある一番出口を出ると視界に広がるのは大きなバスターミナル。
ここからは京急ニュータウン駅や港南台駅・洋光台駅・東戸塚駅・戸塚駅・羽田空港などに向かうバスが発着しています。

▲横浜市営バスの行先案内
▲ターミナルから絶えず発着するバス

バスの本数はとても多く、特に住宅地方面への移動にはバスが最適。住人の足として活用されています。
上永谷は、電車、バスの両方で上大岡、戸塚という横浜南部の主要都市にアクセスできる“穴場駅”といえるでしょう。

■暮らしを支える3つのスーパーと、丸山台いちょう坂商店街

上永谷駅には、北側と南側にそれぞれ出口があります。
バスターミナルがある南側「一番出口」のロータリーを進むと、頭上には生い茂った緑の屋根。この日は炎天下の7月某日でしたが、日差しが遮られ、歩くだけで一気にクールダウンします。

そして、その横には「イトーヨーカドー」
地下1階から3階まである大型店で、食料品はもちろんのこと、100円ショップのダイソーや八重洲ブックセンター・洋服の青山・マクドナルド・JTB・クリーニング・歯科医院など、さまざまなテナントが入っています。

▲イトーヨーカドー上永谷店。食品フロアは夜の10時まで営業し、地域の生活を支えています

また、一番出口を出て西に3分ほど歩いた場所には24時間営業のスーパーマーケット「ビッグ・エー 横浜丸山台店」も。こちらは商品をダンボールの状態で陳列する SRP(シェルフレディパッケージ)を採用しているめずらしいスーパー。驚きの安さで買い物ができるお店として、地域の方々に親しまれています。

さらに、大通りから少し外れた場所には食料品店「フレンド」も。こちらは昭和を彷彿とさせる超ローカルな雰囲気のお店で、特売が驚きの激安価格で販売されることもあるのだそう。

イトーヨーカドー、ビッグ・エー、フレンド。
この3店で食品や生活用品を全てまかなうことができるでしょう。

また、駅前の信号を渡り、まっすぐ進むと、そこにはいちょう並木が整然と並んだ緩やかな坂道が。

ここは「丸山台いちょう坂商店街」のメインストリート。
道幅の広い通りの脇には手入れの行き届いた植栽が施され、さまざまなお店が軒を連ねます。

▲通り沿いにある雑貨のセレクトショップ兼カフェの「At WHAt Market」

そして、メインストリートから少し離れた場所にも雰囲気の良いお店を発見。

▲こちらはイトーヨーカドーの裏通りにある「CLEVER CAFE」。新鮮な三浦野菜を使ったメニューが自慢
▲ランチの定番メニュー「CLEVERバーガープレート (スープ、ポテト、ピクルス付)」 (1,000円)

生活感が漂う駅前とは異なり、カフェや美容室など、洗練された雰囲気のお店が多い印象。
店舗数は決して多くないですが、こだわりを感じさせる個人店ばかりです。

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■イベントも目白押し!閑静な住宅地と生活に溶け込む自然

丸山台いちょう坂商店街のメインストリートがある「丸山台」は、港南区でも有数の高級住宅街。碁盤目状に整備された区画には一戸建てを中心に住宅が立ち並びます。

古くからこの場所で生活する住人も多いため、地域活動はとても活発。
7月には「商店街絵提灯飾り」、10月には「丸山台いちょう坂ハロウィン」、12月には「クリスマスガラポン抽選会」、3月には「丸山“大(だーい)”ホコテン」など、年間を通してさまざまなイベントが開催されます。

それぞれのイベントでは、出店がでたり、ステージパフォーマンスや地元の小学校のマーチングバンドによる演奏があったり、見所満載。大人も子どもも地域が一丸となって参加し、イベントを盛り上げます。

通りをさらに進むと見えてきたのはカラフルな複合遊具が目印の「丸山台公園」。砂場に鉄棒、広いグラウンドなどがあり、ランニングコースとしても最適です。

▲丸山台公園

住宅街周辺を歩いていると、他にも大小さまざまな公園や遊歩道がちらほら。もともと農村地帯だったというこの土地は、緑がそこかしこに溢れ、住む人に癒やしを与えてくれます。

▲小高い丘の上からの見晴らしは最高
▲天谷大橋際交差点から上永谷駅方面に向かって続く遊歩道

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■環状2号線を使えばカーライフも快適

丸山台エリアを散策したところで一度上永谷駅に戻り北側に向かうことに。
「二番出口」を出ると、整備された歩行者専用のデッキがあり、道路を渡ることなく、子どもでも安全に歩くことができます。

▲地上二階にあるペデストリアンデッキ。改札から直結で北側エリアに移動可能

一戸建てが多かった丸山台の町並みとは異なり、こちらには高層マンションがいくつか建っています。

デッキを通り抜けると、まもなく見えてくるのが環状2号線。
車を使えば東戸塚へ約15分以内、新横浜へ約30分以内でアクセス可能です。また、首都高や保土ヶ谷バイパスにもアクセスが良く、道路沿いには人気の飲食店が目白押し。特にラーメン店は激戦区として、名店がひしめき合います。

▲環状2号線とその向こうに広がる住宅地。馬洗川の緑道には野鳥や虫たちが生息し、癒やしを感じることも

■上永谷生まれ・上永谷育ち。和菓子店の看板娘に聞く街の魅力

丸山台いちょう坂商店街のメインストリートを散歩中、素敵な外観が気になって立ち寄ったのがこちらのお店。
2018年にオープンした和菓子専門店「TERADAYA」です。

通りを挟んで向かいにある1997年創業の洋菓子店「strasbourg」が系列店strasbourgのオーナーパティシエはもともと和菓子職人で、現在社長を務める息子さんが「父親にもう一度和菓子を作らせたい」という想いでTERADAYAをオープンしたのだそう。

お団子や大福、おはぎといった定番の和菓子の他、あんことともにフルーツや生クリームを挟んだ「生どら焼き」、洋菓子作りのノウハウを活かし卵黄たっぷりの生地を半熟に焼き上げた「カステラ ミ・キュイ」などなど、こだわりの商品を販売しています。

▲7種類のお団子は注文するとその場で炙りが入って提供される。店内にはカフェスペースもあり、ドリンクとともにイートインも可能。パフェや夏季限定のかき氷など、カフェ限定メニューも

今回は上永谷で生まれ、上永谷で育ち、10年にわたってstrasbourgやTERADAYAで働く新田玲子さんに街の魅力を伺いました。

(※以下、「」内は新田さんのセリフです)

――この商店街を歩いてみて、とてもいい雰囲気だなと感じました。TERADAYAさんもそうですが、素敵なお店が多いですよね。
「子どもの頃から慣れ親しんだ場所なのであまり意識したことはありませんが、丸山台は高級住宅街ということもあり、質の高い暮らしを求める人は多いのかもしれません。お店に来てくださるのも素敵な方ばかりです。」

――上永谷の子どもの頃の記憶を教えていただけますか?
「この近くにある丸山台公園のもっと先に舞岡公園というとても大きい公園があって、そこで遊んだり、たまに学校の行事で行ったりしていました。特に遊具はないんですけど、園内には田園風景が残っていて、自然の中で遊んでいました。」

――新田さんが考える上永谷の魅力とは何でしょうか?
「特にたくさんお店があるわけではありませんが、スーパーがあるので日々の買い物には困らないし、商店街には行きつけの素敵な美容室もあります。友だちと遊びに行きたい時などは横浜や上大岡も近く、終電も遅くまであって便利ですよ。それに、イベントが意外と多く、街の人の繋がりが深いところもいいと思います。治安もいいですし、安心して生活できる街です。」

■横浜港南エリアで静かな暮らしを実現

上永谷は、横浜ならではの爽やかな雰囲気を感じながら、ひっそりと豊かな暮らしが実現できる、横浜港南エリアの穴場駅。

上大岡駅などのビッグステーションと程よい距離感――
住まう人たちの活気や息遣いを感じる駅前――
商店街に軒を連ねる厳選されたハイセンスなお店――
整備された住宅街と緑地の共存――

などなど、魅力をあげだすとキリがありません。

横浜駅周辺で住み替えを考えているあなた。
選択肢の1つとして、一度上永谷を訪れてみてはいかがでしょうか?

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下條信吾

長野県安曇野出身、東京在住のフリーライター・カメラマン。レゲエベーシストとしてKaRaLi、Tropicos、The Kingstompersなどで活躍中。
趣味は地図なしの東京街歩き。
八王子から立川まで2時間半、下北沢から仙川まで4時間、お台場から笹塚まで6時間かかりました。
Instagram:https://www.instagram.com/bassieshimo/