都心に位置しながら、多くの緑が残る京王井の頭線高井戸駅界隈。繁華街がないため、飲食店の数も少なめ………そんな印象を与える高井戸ですが、実は住宅街の中に名店が隠れているのです。ここでは、住民に長く愛されるローカルグルメをご紹介しましょう。


渋谷駅から京王井の頭線に乗ること、約20分。高井戸駅前には、東西に井の頭線が、南北に環状八号線が通り、線路と環八を離れるとすぐに閑静な住宅街が広がります。井の頭線の南側には神田川が流れ、川沿いには桜並木と植栽の緑が溢れるのどかな散歩道。並木以外にも、「くりのないとう」の栗畑や日本郵政高井戸レクリエーションセンターなどがあり、「緑が多い」という印象を受けるはずです。

京王井の頭線と環八が交差する独特の景観の駅前。
神田川沿いの桜並木。ベンチがあり休憩もできます。
芝田山部屋がある通りには、マンションの1階にこぢんまりとした飲食店が連なります。

唯一無二の味がここに!住宅街に佇む伝説的洋食店「レストランEAT」

トロトロの「タンシチュー」2500円(手前)と、野菜の旨味がぎっしり詰まった「チャーチャースープ」500円。
手作りマヨネーズが決め手の「ミコサラダ」(750円)は、すりおろした玉子をふわりとのせたミモザサラダ。

「レストランEAT」は、昭和43年のオープン以来、数々のメディアに登場する老舗洋食店。顧客のほとんどは常連で、4代にわたって通う人もいるそうです。ファンの心を掴んで離さないシェフの根岸政明さんは、今年でなんと82歳。「休むより動いていたほうが楽だから」と、毎日厨房に立ちます。重たい寸胴鍋でじっくりブイヨンを取り、手間のかかるドレッシングやマヨネーズも全て手作り。一つとして手を抜きません。

人気ナンバーワンのメニューは、ぐつぐつに煮立った「タンシチュー」と「ビーフシチュー」。その味わいは複雑かつ繊細、それでいてどこか懐かしさも感じさせます。「チャーチャースープ」、「ミコサラダ」という変わった名前のメニューもありますが、これは、常連客の娘さんの名前から取ったもの。51年にわたるお店の物語を感じます。取材時に居合わせた顧客は、「EATさんで食事ができて幸せです!」と言って店を後にしていました。こんな素敵なお店が地元にあったら!と思わずにはいられないお店です。

厨房に立つシェフの根岸政明さん。
ホールを担当する妻の嘉子さんと。

■施設データ
レストランEAT
所在地:東京都杉並区高井戸西3-7-10
アクセス:京王井の頭線高井戸駅から徒歩約10分
問合せ:03-3334-6486
営業時間:11時30分~14時、17時~21時
休業日:水曜、木曜

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毎日通っても飽きない!お財布にも優しい定食が揃う「食庵とんとん」

ボリューム満点の「とんかつ定食(ロース)」750円。自家製のソースと、絞り器で絞ったレモンジュースをお好みでかけていただく。
本日の日替わり定食はホワイトボードに。一品料理も充実しており、栄養バランスを考えてオーダーできるのも嬉しい。

一方、こちらは高井戸に店を構えて42年になる定食屋、「食庵とんとん」。看板メニューの「とんかつ定食(ロース)」は750円という驚きの価格です。「安くてボリュームがあっておいしいものを提供したいので、いろいろなところを探しまわって食材を仕入れています」とは、店主の佐々木利正さん。ほかにも、焼き・揚げ・煮物が盛り込まれた「日替わり定食」や、5種のおかずから2品を選べ、さらに目玉焼きが付く「ミックス定食」など、毎日通っても飽きないほどメニューは豊富。

「『ミックス定食』は、顧客の『こういうメニューがあったらいいな』という意見から生まれたんです」。「ニンニクかつ定食」や、「ケチャップ焼き肉定食」といった、ちょっと変わったスタミナメニューもあります。こちらも顧客のほとんどが常連で、何年も続けて通っているという人も少なくないとか。中には、学生時代に高井戸に住んでいた人が地方に就職した後も毎年定食を食べに帰ってくる、なんてエピソードも。いつまでも高井戸住民の胃袋を支えてほしいものです。

人懐っこい笑顔の店主・佐々木さん。ご主人のキャラクターもこの店が愛される理由の一つ。

■施設データ
食庵とんとん
所在地:東京都杉並区高井戸東3-28-1
アクセス:京王井の頭線高井戸駅から徒歩約5分
問合せ:03-3331-8434
営業時間:11時~14時、17時~21時
休業日:土曜のディナータイム、日曜、祝日

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ママ友ランチからちょっと特別な日まで。絶品ミートソースの「BOLOTI」

看板メニューの「温玉ビーフ生スパゲッティ」950円。三つ星レストランも御用達のAURICCHO(アウリッキオ)のパルミジャーノチーズをたっぷりかけて。
ナプキンに書かれた子どもたちのメッセージ。

「BOLOTI」は自家製ミートソースが名物のイタリアンレストラン。こちらのミートソースは、国産の有機栽培野菜を2時間かけてじっくり炒め、赤ワインと国産牛のフレッシュミートの粗挽きを加えてさらに1時間半火を通し、それを1日寝かせてようやく完成します。肉の食感もコクもしっかりあるのに、たっぷり入った野菜のおかげで重すぎず優しい味わい。

「ミートソースが一番好きなんです」というシェフの杉山貴広さんは、もともと異業種で働いていましたが、料理好きが高じて地元に店をオープン。今年で10周年を迎えます。当初はミートソースを使ったメニュー3品のみを提供する専門店でしたが、リピーターのためにメニューを増やしていき、今では常時8種類のパスタと季節のパスタ、冷菜・温菜からメインの肉料理までがラインナップ。毎日のランチはもちろん、ちょっと贅沢したい日まで幅広いニーズに応えます。窓辺に飾ってあるメッセージは、親御さんと一緒に食事をした子どもたちがナプキンに書いたもの。地元で愛されている様子が伝わってきました。

閑静な住宅街の中に、常連になりたいと思わせる美食どころが点在する高井戸の街。いずれの店も親しみやすい雰囲気ながら、店主のこだわりを感じることができました。高井戸を散策する際は、お腹を空かせてお出かけください。

「ランチセットB」(1300円)は、お好みのパスタに自家製ドレッシングが自慢のサラダとドリンク、ドルチェが付きます。
ラーメン屋を改装したという店内も洒落ています。

■施設データ
BOLOTI
所在地:東京都杉並区高井戸東4-10-35
アクセス:京王井の頭線高井戸駅から徒歩約10分。
問合せ:03-5370-1186
営業時間:ランチ11時30分(土日は12時)〜14時30分(14時L.O.)、ディナー18時〜22時(21時30分 L.O.)
休業日:月曜、火曜のディナー
http://boloti.jp

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