
【上野】自然と芸術に触れられる東京のサンクチュアリ。新と古が混在する歴史と文化の街
目次
日本国内のみならず、世界各国から多くの人々が訪れる上野。
人が集まる場所らしい「近代的な建物」、そして「ノスタルジックな街並み」が混在する、“上野ならでは”の情景が広がります。ここは夏目漱石や森鴎外など古くから文豪や著名人に愛されてきた地でもあり、歴史ある文化の街としても知られています。
新と旧の入り混じる独特な雰囲気に惹かれ、私が上野から浅草にかけて広がる住宅街に住まいを移したのは昨年の桜の季節。移住後、真っ先に足を運んだのはピンクに染まる上野公園でした。四季折々に様々な表情を見せてくれる美しい自然は、この街の魅力のひとつです。
あれから約1年、思った以上に快適な住環境で豊かな暮らしをもたらしてくれたこの街を、改めて歩いてみました。
上野の基本情報
駅名:JR山手線・JR京浜東北線・JR東北本線・JR常磐線・JR高崎線・JR東北新幹線・東京メトロ銀座線・東京メトロ日比谷線「上野」・京成電鉄本線「京成上野」
ランドマーク:アメヤ横丁・上野恩賜公園

新幹線も乗り入れる東京の玄関口、日本屈指のターミナル駅
JR山手線や東京メトロに新幹線。
全8路線が交わる上野駅は、都心へのアクセスはもちろん、近県へのアクセスも抜群です。東京駅まで約5分、品川駅までは約15分。上野駅に隣接する京成上野駅からは成田空港まで最短で約41分。東京の国際的な玄関口としての役割も担う日本屈指のターミナル駅です。
台東区内を巡る循環バス「めぐりん」も走っているので区内間の移動も便利。根津方面や浅草方面、4路線が運行し、区民の大切な交通手段としての役目を果たしています。


芸術からショッピングまで。アートや自然も楽しめる贅沢な街
自然豊かな上野公園・美術館や博物館・歴史や文化を感じる建造物や、活気に満ちたアメヤ横丁・安くて美味しい下町グルメ。自然・芸術・食・ショッピングと多彩な魅力を楽しめるのが上野の魅力です。
駅南側から西側の高台には緑あふれる山手エリアが、駅東側にはオフィスビルが立ち並び、その裏手には昔ながらの下町情緒あふれる街並みが広がっています。

緑に恵まれた都会のオアシス・上野恩賜公園
1873年、東叡山寛永寺の敷地だった場所に誕生した上野公園。日本最古の歴史を持つ公園で、正式名称を「上野恩賜公園」と呼びます。
総面積約53m2の敷地内は、大きく分けると2つのエリアに分かれています。美術館や博物館などの文化施設が集中する「上野の山文化ゾーン」、そして重要文化財に指定される歴史的建造物や神社仏閣が数多く点在する「不忍池周辺」です。

西郷隆盛像の位置する公園入口付近から、中央噴水広場に向かった辺りが「上野の山文化ゾーン」。


動物園もあるこの一帯は親子連れや三世代のファミリー層が多く、幅広い年代の人々で賑わっています。豊かな自然と芸術に触れるちょっぴり贅沢な時間が過ごせる、私にとってもとっておきの場所です。

不忍池周辺は、桜の名所として知られる上野公園の中でも特に人気のエリア。水面に映る桜の美しさは格別です。7月~8月にかけて不忍池に咲き誇る蓮は、夏の風物詩と言われています。



不忍池を湯島方面に歩くと、そこには閑静な住宅街が。都会の喧騒を忘れる静かな空気が流れています。

上野を代表する活気あふれる商店街「アメヤ横丁」
アメヤ横丁ーー通称「アメ横」は、約500mの通りに400店舗程のお店が雑多にひしめき、ショッピングや食べ歩きを楽しめる上野を代表する商店街です。

生鮮食品や化粧品、アメカジショップや靴屋に雑貨屋、ドラックストアに洋品店となんでもござれ。観光客の多い印象ですが、地元の人にも人気のスポットなんです。私も平日の昼間にぶらりとすることが多い場所。週末の混雑を避けて立ち寄れるのも、近所に住む特権です。
快適な住環境が整う下町情緒漂う住宅街
駅東側はビルが立ち並ぶオフィス街が広がります。その裏手の東上野・北上野は下町情緒あふれる住宅エリア。個人商店も多く、物価が安いのもオススメポイントです。


お洒落なカフェやバルも目につきます。

古い建物をリノベーションした雰囲気のあるカフェを発見!

一休みしてお茶とスイーツを楽しむことにしました。店内は何から何までが可愛い。

ゆっくりと寛いだあとは北上野の住宅街を歩いてみましょう。


私はこの先を少し歩いた場所に住んでいるのですが、この周辺の住環境はとにかく快適。上野・稲荷町・入谷の3駅利用ができるので通勤や通学にも便利。小さな商店街やスーパーもあるので駅周辺まで行かずとも買い物にも困りません。
抜群に暮らしやすい環境なのですが、一番のお気に入りの点はスカイツリーが見えるところ。この日も撮影をしていると近所の人に「ここの景色は最高だよね」と笑顔で話しかけられました。
「人との繋がりが温かい……だからこの街が好きなんです」
日も傾いてきたので、食事をとってから帰路に着くことに。食事する場所に困ることない街ですが、今日のお目当ては昨年9月に東上野にオープンした隠れ家的なアメリカンバー「338Counter」です。



ハンバーガーを注文すると早速厨房に入り、調理に取り掛かってくれたオーナーの細野宏一さん。カウンター越しにおしゃべりが楽しめるのもBarならでは。手際よく料理を作りながらお話を聞かせてくださいました。

(※以下、「」内は細野さんのセリフです)
――独特な雰囲気ですが、お店のコンセプトを教えてください
「日本が大好きなカリフォルニアガールが作ったお店というのがコンセプトです。『オーナーがカリフォルニアに帰ってしまったので、自分がお店を切り盛りしてる』という世界観をイメージしました」
――なぜ上野にオープンしたのですか?
「上野は自分にとって馴染みの深い場所なんです。アメリカの雑貨やアメカジが好きで、アメカジショップの多いアメ横には若い頃から通いつめていました。だから、実はお店に飾ってあるおもちゃやインテリアは、僕の部屋に置いてあった物なんです。」

――上野にオープンして良かったことは?
「人と人との繋がりですね。ここでお店を始めてから、近所のお店にも食べに行くようになったんです。そうしたら、土地柄でしょうか、上野の人って人懐こくて温かくてすぐ友達になれるんです。仲良くなった人が友達と遊びに来てくれて、その友達がまた別の友達と遊びに来てくれました。人と人との繋がりが本当に温かい。だからこの街が好きだし、上野でお店を始めて良かったと思っています」
山手と下町が共存する東京の聖域
改めて上野の街を歩いて感じたのは、「他にはない街だな」ということ。私は地元も下町なので下町以外には住めないと常日頃から思っているのですが、利便性の高い都心にも憧れがあります。
その2つを同時に叶えてくれるのが上野。新と旧が融合し、自然や芸術にも触れられるこの場所はまさに東京の聖域。山手の暮らしと下町の暮らし、どちらも捨てがたい方にピッタリの街です。


miyu(天野美雪)
東京の東側を拠点に置くフォトライター。雑誌やムック、書籍、新聞などの紙媒体を中心に執筆。雑誌や地域情報誌にて連載を持つ。エンターテインメントの世界やサブカルチャー。楽しいことと美味しいものがとにかく好き。
https://twitter.com/miyu_a2175 (@miyu_a2175)