
【恵比寿】ただ、純粋に「最先端」を愛し、マイペースでだけど懐っこいヒトが集まる街
目次
高円寺や下北沢は雑多な雰囲気が好きな人にはハマるけれど、暮らしに閑静さを求める人には不釣り合い。逆に、三鷹や武蔵境のような落ち着いた雰囲気の街は、雑多を愛する人からすると少し物足りない。
街にはそれぞれ個性があり、合う人と合わない人がいるのは当然。
しかし、中には例外的にどんな人にも愛される街があります。
恵比寿は、そんな例外的な魅力を持つ街のひとつ。
住みたい街ランキング上位の常連で、もはや「ブランド化した」といえるほど人気の街です。
主要駅への抜群のアクセス・あらゆる買い物に応える駅ビル・豊富な娯楽施設など、この街のメリットをあげればキリがありません。しかし、恵比寿が人気な理由は果たしてそれだけなのでしょうか?
恵比寿を巡りながら、人を惹きつけて離さない恵比寿の本当の魅力を探ってみました。
恵比寿の基本情報
駅名:JR東日本「恵比寿」駅
乗り換えできる路線:JR山手線・JR埼京線・湘南新宿ライン北行・湘南新宿ライン南行・東京メトロ日比谷線
ランドマーク:恵比寿ガーデンプレイス
【最強の立地】15分以内の移動ですべてが手に入る
恵比寿を語るうえで欠かせないのが、アクセスの良さ。渋谷まで2分、新宿まで8分、東京の玄関とも呼ばれる新幹線の発着駅がある品川までも11分。余暇視線ではもちろん、ビジネス視点で見ても文句のつけようのない立地です。

また、「代官山」「中目黒」までは徒歩で約15分程度。どちらも洗練されたカフェやショップが立ち並ぶ落ち着いた雰囲気で、年代を問わずに楽しめる街。休日や仕事帰りの遊び場が多様にあるのも、恵比寿の魅力のひとつです。
暮らしを強力にバックアップ。恵比寿は買い物スポットが豊富
日常生活に必要なアレコレを駅周辺でササッと用意できるのも恵比寿の魅力。その要が、駅直結の商業施設「アトレ恵比寿」。
アトレ恵比寿は本館と西館に分かれており、「ザ・ガーデン自由が丘」や「成城石井」といった国内外のさまざまな食料品を取り扱うスーパーが入っています。ファッション・雑貨・ドラッグストア・飲食店が豊富で、買い物にも娯楽にも便利。クリニックや歯医者が入っているのも、暮らしやすさを考える上で見逃せないポイントです。

また、駅から徒歩約5分以内の位置には「ピーコックストア恵比寿店」「ピーコック恵比寿南店」がある他、渋谷方面には「ライフ渋谷店」、恵比寿ガーデンプレイス方面には「恵比寿三越」など、駅周辺にバリエーション豊かな買い物スポットが揃います。

リーズナブルに抑えたいとき、ちょっと贅沢したいとき。気分に合わせてパッと出先を選べるのも、恵比寿の特長です。
恵比寿に溶け込む、美しき「洋と和」の非日常空間
アクセスや買い物の便利さは「暮らしやすい街」の必須項目。しかし、東京全体を眺めてみると「恵比寿だけが利便性の高い街」というわけではありません。
数ある利便性の高い街の中でも「恵比寿推し」の方々が後を絶たないのは、優雅で洗練された文化的な豊かさゆえ。その象徴的なスポットが「恵比寿ガーデンプレイス」と「山種美術館」です。
・恵比寿の象徴「恵比寿ガーデンプレイス」 ― 日常と非日常が溶け合う場所
恵比寿ガーデンプレイスは、オフィスビル・デパート・レストラン・集合住宅・美術館・映画館などで構成された複合施設。恵比寿駅から動く歩道「恵比寿スカイウォーク」で徒歩約5分の位置にあり、メインの広場に設置された巨大アーチとレンガを基調にしたヨーロピアンな雰囲気が特長です。
フレンチレストラン「ジュエル・ロブション」や恵比寿ビールのビアステーションなど、大人のデートのイメージがある恵比寿ガーデンプレイスですが、実は恵比寿のママ達の憩いの場でもあります。


エントランス付近では毎週日曜日にマルシェが開催され、農家直売・直送の野菜や果物の他、お花や食器の露店が並びます。お手頃価格でヨーロッパに旅をしたような気分と美味しい食材が手に入り、スペースもゆったりしているため子連れでも安心。

クリスマスの時期にはクリスマスマルシェとクリスマスツリーが設置され、全体がテーマパークのような雰囲気に。手の届く範囲で非日常空間を満喫できるのは、恵比寿ならではの魅力です。
「山種美術館」 ― 日常に疲れたら駆け込み寺で心をリセット
山種美術館は恵比寿駅から徒歩約10分ほどの位置にある日本画専門の美術館。
1,800点という膨大な作品を所蔵しており、明治時代から現在までの近・現代日本画の数々を堪能できます。
「品格と格調のある建築」をコンセプトに作られた外観は、シンプルで洗練された佇まい。
内観は、静けさやゆとりを感じる空間で、美しい日本画を眺めながら、時が止まったような優雅な時間を過ごせます。

鑑賞後は、花・果物・動物・風景など、展覧会ごとのテーマに合わせた和菓子を楽しめる「Café椿」で過ごすのがおすすめ。日本画を眺めた余韻をそのままに、心地よい時間を過ごせます。
家族や友達と訪れるのもよいのですが、山種美術館は1人でフラリと立ち寄りたいスポット。仕事や子育てに疲れたときの「駆け込み寺」として、山種美術館は恵比寿の暮らしに豊かさを与えます。
この他、恵比寿周辺には「東京都庭園美術館」や「東京都写真美術館」などの美術館が豊富。
「恵比寿公園・恵比寿南二公園・恵比寿南一公園」など、緑が豊富なスポットも多く、1人でゆったりしたり、子どもと遊んだり、暮らしのカタチに合わせて文化や自然に触れる時間を過ごすことができます。

程よくオシャレで居心地の良い「恵比寿のお店」
アトレ西館にオープンしたNYのハンバーガーショップ「Shake Shack(シェイク シャック)」などを見ると、「やっぱり恵比寿だしオシャレなお店が多いのだろうな……」と感じますが、恵比寿のお店は単にオシャレなだけではありません。
独特の居心地の良さや斬新なスタイルで人気を集めるお店が多く、さまざまな世代が飲み歩きを楽しめるのが恵比寿飲みの魅力。


そんな恵比寿飲みの特長を象徴するのが、恵比寿明治通り沿いにある「JOLLYS(ジョリーズ)」です。
・カジュアルでリーズナブルな飲み方”角打ち“の進化系JOLLYS(ジョリーズ)
JOLLYSは、居酒屋ではなく「酒屋さん」で、いわゆる”角打ち”が楽しめるお店。
角打ちとは、酒屋で購入したお酒を店内で飲める営業形態のことで、気軽にお酒を楽しむ方法として人気を集めています。
角打ちは酒屋さんの店内でお酒を飲む形態のため、テーブルは瓶を入れるためのケースを利用するなど、内観は質素なのがほとんど。その質素さが魅力なのですが、このお店は少し違います。
JOLLYSは「サーフスタイルの”角打ち”リカースタイル」をコンセプトにしており、外観・内観はまるでアメリカのオシャレなカフェのよう。
取り扱っているお酒もアメリカのクラフトビールがメインで、日本に古くからある角打ちを進化させたような独自のスタイルが人気を集めています。
ポテトチップスなどの乾き物の他、冷凍食品やカップラーメンなどおつまみも豊富で、オシャレな家で宅飲みをするようなカジュアルな雰囲気が魅力です。
JOLLYSは、恵比寿に住んだら、仕事帰りの「ちょっと一杯」で必ず使いたいお店。
1人でも入りやすく、隣になった人とも会話がしやすいので、街でのつながりを作るのにぴったりなのではないでしょうか。
「時代の先端をいきつつも、ゆったりと過ごせるバランスの良さが恵比寿の魅力ですね」
JOLLYSのような、オシャレさとカジュアルさを兼ね備えた個性的なお店が集まる恵比寿。
その中でも、特に異彩の輝きを放つのが「6curry」です。

「6curry」は、UberEATSなどのデリバリーサービスやフードトラックでの注文、ケータリングやイベントでの出店など、時代の最先端をいく運営体制で注目を集めるプロジェクト。
もともとは店舗を持たないゴーストレストランとしてはじまりましたが、2018年9月に会員制のリアル店舗、6curryKITCHENを恵比寿にオープンしました。
6curryKITCHENは、できたてのカレーを食べたり、お酒を飲んだり、会員の方とカレーの新しいレシピを考えたり、カレーに興味を持つ人と人が混ざり合うコミュニティのような空間。

6curryの廣瀬彩さんとYOPPYさんに、6curryKITCHENについて、そしてこの街の魅力について伺いました。
(以下、インタビュー。「」内は廣瀬彩さんとYOPPYさん)
――6curryKITCHENを恵比寿に作った理由について教えてください
「6curryは私達が所属するNEWPEACE Inc.という会社のプロジェクトのひとつなんです。会社が恵比寿なので、店舗を作るなら会社の近くがいいだろうということになり、恵比寿に店舗を構えました」
――UberEATS専門店という形態から6curryKITCHENという形式でリアル店舗を持つことになったのはなぜですか?
「6curryには“みんなを混ぜる、みんなが混ざる”というコンセプトがあります。このコンセプトには『カレーを通じて人やアイデアを混ぜて、新しいことや楽しいことを作っていこう』というメッセージがあるのですが、それを体現する場所としてリアル店舗を作りました。なので、お客さんに料理を提供する『お店』というよりは、会員さん達と一緒に新しいカレーを楽しみ、作っていくための『場所』というイメージの方が近いかもしれません」

――会員制にしているのはそのためなのですね。
「カレーをこちらから提供するだけでなく『人やアイデアを混ぜて一緒に作る』ことを重視しているので、お客さんに『自分は6curryの一員なんだ』と感じてもらうことが大切だと考えています。そのために会員制という形をとりました」
――会員さんのアイデアから生まれたメニューはあるのですか?
「メニューとしてはまだないのですが、カレーのアイデアについて話し合って、それをキッチンで試すことは多々あります。この前も『カレーとは複数のスパイスを混ぜて煮込んだモノのことだから、麻婆豆腐もカレーなんじゃないか』っていう話をした会員さんがいて『じゃあ実際に作ってみよう』となったことがありました。会話から生まれるアイデアと実践の中で、今後6curryのメニューになる一品が生まれてくればと思っています」
――恵比寿に住んでいる会員さんもいると思うのですが、どんな特長があると感じていますか?
「恵比寿に住んでいる方の特長としては、新しいモノだったり、新しい働き方だったり、アンテナが敏感で感度の高い方が多いというイメージです。6curryも飲食店として新しい事業形態なので、この場所を選んでよかったと思っていますし、恵比寿の方々にももっと広まっていけばと考えています」
――ありがとうございます。最後に恵比寿の魅力について聞かせてください。
「個性的なお店や話題のお店が多くて、刺激が多いのが恵比寿の良いところです。感度の高い街だなといつも感じますね。その半面、公園や緑が多いのでファミリーにとっても住みやすいですし、アクセスも抜群。人が多すぎないのも良いところ。時代の先端をいきつつも、ゆったりとした日常が過ごせるバランス感覚に優れた部分が恵比寿の魅力だと思います」
感度の高さと人の良さ。魅力的な街柄が恵比寿の魅力
「オシャレで感度は高いけれど、押し付けがましくない。一緒にいたら気持ちの良い時間が過ごせそう」
恵比寿の街や人から、そんな印象を受けました。
それは、この街に関わる人が、ただ純粋に人とのコミュニケーションや新しいアイデアを愛しているからなのかもしれません。
純粋な気持ちでやりたいことを実践している人が多いからこそ、何かを押し付けることなく、人と人が気持ちよく一緒に過ごせる風土が生まれるーー
感度は高いけどトゲがなく、自然体で人懐っこい。
そんな誰からも愛されるような個性が、恵比寿が人を惹きつける一番の理由なのではないでしょうか。


児島宏明
ライター・編集者に憧れ、広告代理店に入社。SEOライターを経験した後、オウンドメディア担当に。
Webメディアに掲載する記事の企画・取材・編集・撮影を担当。飲食店などの個人事業主から会社経営者まで、さまざまな方にインタビューをして記事執筆を行う。
Instagram:https://www.instagram.com/iroakikojima/