マンション売却の失敗例とは?成功のための対策を解説!

マンション売却時の失敗を避けるには、失敗のパターンを知っておくと役立ちます。不動産の売却で失敗するとその金額の差も大きくなってしまう恐れがあるため、できるだけ納得のいく金額でスムーズに不動産売却を進めるための流れとコツを知っておきましょう。

目次
  1. マンション売却で失敗しないために!
  2. マンション売却の流れ
  3. 失敗[ 1 ] 査定額の妥当性が分からない
  4. 失敗[ 2 ] 不動産会社との連携がうまく取れない
  5. 失敗[ 3 ] 思ったより低い価格でしか売れなかった
  6. 失敗[ 4 ] 内覧から成約につながらない
  7. 失敗[ 5 ] 売却時の出費が思ったより多い
  8. 不動産会社選びがマンション売却成功の鍵
記事カテゴリ 売却 マンション
2023.01.20

マンション売却で失敗しないために!

「マンションを売却したいけれど、失敗してしまわないか不安…」と感じている人もいるのではないでしょうか?不動産売却では「想定していたより高く売れなかった」「売れるまでに時間がかかった」など、売却時に起きやすい失敗がいくつか存在します。

よくある失敗の内容と原因を知っておくことは、マンション売却の不安を解消するうえで大いに役立ちます。本記事では、不動産売却のステップを踏まえ、起こりがちな失敗の内容と対策についてご紹介します。

木材の家

マンション売却の流れ

失敗事例を詳しく見ていく前に、まず売却の流れを把握しておきましょう。

[ 1 ] 査定を依頼する

一般的にマンションを売却する場合は、売却の仲介を不動産会社に依頼することがほとんどですので、まずは不動産会社にマンションの査定を依頼しましょう。資金計画を立てるには、査定を依頼し、マイホームの現在の相場価格の目安を知っておくことが必要です。

査定には、机上査定と訪問査定の2種類があり、一般的に無料で依頼可能です。机上査定とは、立地や建物の築年数、面積、間取りといった物件情報から、過去の類似物件の取引価格を参考にして、簡易的に査定額を算出する方法を指します。

一方、訪問査定とは、不動産会社の担当者が実際にマンションを訪れ、マンションの共用部分や専有部分など建物の状態、周辺環境、権利関係などを詳細に確認する査定です。訪問査定は、精度の高い査定であり、机上査定よりも時間をかけて行われることが一般的です。

査定額は、物件を売り出す価格を決めるうえで非常に重要で、最終的には売主である所有者が価格を決定しますが、そのまま売り出し価格として設定されることもあります。また、査定額は不動産会社によって異なります。相場価格から大きく外れた査定額であると気付くためには、自分で相場を確認しておくことも大切ですが、複数の不動産会社に査定を依頼するとより安心といえるでしょう。

[ 2 ] 不動産会社と媒介契約を結ぶ

査定を依頼した不動産会社のなかから、売却の仲介を依頼する会社を選ぶことが一般的です。そのため、しっかりと各不動産会社の査定時の対応を見て、自分に合った不動産会社を選びましょう。不動産会社に売却の仲介を正式に依頼する際に、不動産会社と交わす契約を「媒介契約」といいます。媒介契約には、「一般媒介」、「専任媒介」、「専属専任媒介」の3種類があります。

一般媒介契約は、複数の不動産会社と契約が可能で、自分自身で見つけた購入希望者とも直接不動産会社を介さずに取引できる契約です。ただし、不動産会社に不動産業者間の情報ネットワークであるレインズへの登録や報告義務がありません。

専任媒介契約とは、1社のみに仲介を依頼する契約です。しかし、自身で見つけた購入希望者と不動産会社を介さずに直接取引することは可能です。また、不動産会社にはレインズへの登録や報告義務が課されます。

専属専任媒介契約とは、専任媒介契約と同様、1社のみに仲介を依頼する契約です。ただし、自身で見つけた購入希望者であっても、不動産会社を介さずに直接取引することはできない点が専任媒介契約とは異なる点です。なお、専任媒介契約よりも厳しい条件で、不動産会社にはレインズへの登録や報告義務が課されます。

契約書に捺印する人

[ 3 ] 売却活動を開始する

媒介契約後、不動産会社の担当者と相談しながら、売り出し価格や売却条件を決定し、本格的に売買活動が始まります。売買活動中、売り出し物件は、全国の不動産会社が閲覧できるように「レインズ」へ登録や、不動産会社のホームページ、不動産情報雑誌などへ掲載されます。レインズとは、国から指定された不動産流通機構が運営し、登録した不動産会社だけが利用できる不動産情報サイトです。レインズに掲載されると、物件情報が一気に全国の不動産会社にリアルタイムに共有されるため、買主が見つかる可能性が高くなります。

また、売主は売却活動中、購入を検討する人が建物内の内覧を希望する場合に対応します。

[ 4 ] 購入の申し込み

購入希望者が現れた場合、不動産会社を経由して、購入申し込みがあります。購入希望者から価格や引渡しの条件といった交渉があった場合、同じく不動産会社を経由して、申し込みの時点で行われます。

[ 5 ] 売買契約を結ぶ

購入希望者と売主の条件が整えば、売買契約に進みます。売買契約は、売主と買主、それぞれの仲介する不動産会社がそろって締結するのが一般的です。契約時には、物件の重要事項説明書や契約書について宅地建物取引士から説明が行われます。質疑応答を経て、売主・買主ともに承諾した後、重要事項説明書と契約書へ記名・押印を行う流れが一般的です。なかには、重要事項説明が契約の前に行われ、契約日以前に別途行う場合もあります。

売買契約では、契約の証拠として、手付金が買主から売主に支払われます。なお、手付金は物件代金の一部に充当されるのが一般的です。

[ 6 ] 決済・引渡しの準備を行う

住宅ローンの返済が残っているマンションを売却するには、原則として住宅ローンの完済が必要となります。その理由は、ローンを完済しないとマンションに設定された抵当権が抹消できず、買主に引渡すことが困難になるからです。そのため、売買契約前に、住宅ローンを借りている金融機関に、売買することを伝え、ローンを完済すること、マンションに設定されている抵当の抹消について相談が必要です。抵当権の抹消には1週間から1か月程度かかるので、売買契約を締結したらすぐに金融機関に相談するようにします。

また、抵当権抹消の手続きは、マンションの引渡しと同日に行う所有権移転登記の前に済ませなければなりません。万が一、手続き上でミスがあった場合、取引に多大な影響を及ぼすことから、司法書士に依頼するのが一般的とされています。

段ボールと軍手

[ 7 ] 決済、マンションを引渡す

決済では、手付金を除く売買代金の残金の授受を行います。また、売主が既に支払っている管理費や修繕積立金、固定資産税・都市計画税なども精算しますので、売主はこれらの積算金も受け取ります。

また、仲介する不動産会社へ仲介手数料もこのときに支払います。なお、売買契約時点で仲介手数料の半分を支払った場合は、決済時に残りの半分を支払いが必要です。決済後、物件の引渡しを行います。引渡しの具体的な内容は、マンションの鍵や関係書類などを買主に引き渡すことです。引渡しの最後に、引渡完了書や鍵受領書などの書類に署名するのが一般的とされています。

[ 8 ] 確定申告する

マンションを売却し売却益が出た場合や、特例の適用を受ける場合には必ず確定申告が必要です。特例を利用することで、支払う税額が大きく変わることもあるため、適用条件を確認しておくことも大切です。なお、売却損が出た場合でも軽減措置の特例を利用できる場合があるので、どちらの場合でも特例の確認と確定申告は忘れないようにしましょう。

失敗[ 1 ] 査定額の妥当性が分からない

ここからは、不動産売却で起こりがちな失敗とその対策を紹介します。1つ目の失敗は、相場と大きく異なる価格で売り出してしまうというパターンです。どういった理由で失敗してしまうのか、対策は何ができるのかを見ていきましょう。

内容

より高く売りたいという思いから、査定額が相場より高い不動産会社を選んだものの、売却につながらなかったという人や、売り出し価格では売れず、期間の経過につれて値下げを勧められ、結局相場より安く売ることになってしまったという人もあるようです。

また、逆に査定額が安く、それをそのまま売り出し価格としたことで相場に比べて安く売却してしまったという人もいます。これらは、査定額の妥当性が分からず失敗した例になります。

対策

マンション売却を成功させるためには、適正な売り出し価格を設定する必要があります。相場価格よりも著しく高い価格で売り出してしまうと、買い手が見つかりません。一方、売り出し価格が著しく低い場合、売却できる可能性は高くなりますが、納得のいく価格で売却できないという問題が発生します。適正価格で不動産を売却するために、以下のことに気を付けるよう心がけましょう。

相場を自分で調べる
適正な売り出し価格を知るには、売りたいマンションと似た条件の物件の実際に売られている価格について調べ、相場を知っておくことが大切です。インターネットの不動産ポータルサイトなどを用いて、現在売りに出ている物件情報を調べてみることをおすすめします。近隣のマンションの相場を知ってから不動産会社に査定を依頼することで、査定額と相場を比較することが可能です。

注意点として、相場と査定額の間に差が出てくる点が挙げられます。その理由は、実際の査定額は、立地や築年数、土地や建物の面積、方位といった基本的な物件情報以外にも、建物の状態や周辺環境といったさまざまな項目を考慮して算出されるためです。

しかし、相場をあらかじめ頭に入れておくことで、不動産会社の担当者からの査定額に対する説明がより理解しやすくなり、疑問点も見えやすくなります。それらを解消してから仲介を依頼するよう心がけることで、売却時における失敗のリスクを軽減することができます。

複数の会社に査定を依頼する
1社の不動産会社のみに査定を依頼してしまうと、他社と査定額を比較できず、その査定額が適正なのか判断が難しくなります。そのため、複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額の平均値や幅(上限と下限)を知っておくことがよいといえるでしょう。

客観的な査定額を知ることができるほか、複数の不動産会社に査定を依頼するメリットがあります。それは、不動産会社の担当者と直接かかわることができるという点です。不動産売却は、数か月間かかることが一般的です。そのため、複数の会社の査定を受けるなかで、それぞれの不動産会社の販売力やスタッフの雰囲気を知り、信頼関係を築けそうか、ストレスなく売却を進められそうかという視点で、依頼する不動産会社の比較・検討も行うとよいでしょう。

家の置物

失敗[ 2 ] 不動産会社との連携がうまく取れない

売主のなかには、不動産会社との連携がうまくいかず、販売の状況が分からないことで悩むケースがあります。具体的にどういった点で困るのか、解決するにはどうしたらよいのかを見ていきましょう。

内容

不動産会社との連携がうまくいかないと、不動産会社から販売活動中の報告がなく、不動産会社がどういう動きをしているのかが分からない、売り出し中の物件への反響がどうなっているかわからないといった情報不足から、不安を抱きながらの売却活動を行ったというケースもあります。

対策

媒介契約の種類と特徴を理解しておく
ここまでもお伝えしたように、不動産会社に仲介を正式に依頼する際に締結する媒介契約には一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。これらの契約は依頼できる不動産会社の数や不動産会社に課される情報登録、報告に関する義務などに違いがあります。それぞれの違いは以下の表の通りです。

専属専任媒介

専任媒介

一般媒介

契約期間

最長3か月

最長3か月

規定なし

契約できる不動産会社

1社のみ

1社のみ

複数社可

自己発見買主との直接取引

不可

レインズへの登録義務

契約日から5日以内

契約日から7日以内

なし

業務報告義務

1週間に1回以上

2週間に1回以上

なし

●媒介契約に関する記事はこちら
媒介とは?仲介や一般媒介などの違いを一挙解説!

査定時に不動産会社の対応をよく見る
査定時は不動産会社の担当者と直接かかわるため、対応がよいかを見極めるよい機会です。次のようなポイントをよくみるとよいでしょう。

まず、査定額の根拠を明確にわかりやすく説明してくれる会社かどうかというポイントをチェックしましょう。査定の根拠が分かりやすく明確な会社は、自社の査定がしっかりしていることの裏付けになります。

また、売主の希望を聞き、売却活動について説得力のある提案をしてくれる担当者かどうかをチェックすることも重要です。さらに、こちらの話をよく聞く、質問にきちんと答える、期日や時間を守るといった査定時の対応を見ましょう。当たり前のことのようですが、意外と不動産会社によって差が出てきます。

●不動産会社の選び方のコツに関する記事はこちら
不動産売却はどこがいい?不動産会社の選び方のコツ

話す女性

失敗[ 3 ] 思ったより低い価格でしか売れなかった

値下げ交渉が入った場合や、やむを得ず値下げする場合は、自分の納得のいく金額で売却できないといったケースがあります。どういった要因でそうなるのか、失敗しないためにはどのように対応すべきかについても知っておきましょう。

内容

売り出してから数か月が経過しても反響がない、スケジュールに余裕がないなど、自分の焦りから、安く売却してしまうことがあります。また、不動産を売却する際、購入の申し込みにあたり、購入希望者から値下げの交渉が入ることがあります。そのため、買主が見つかったものの値下げ交渉の勢いに負けてしまい、結果的に値下げしてしまったというケースも考えられるでしょう。

対策

売却価格の最低ラインを決めておく
値下げ交渉が苦手な人は、初めから値下げを想定した売り出し価格を設定することをおすすめします。ただし、設定価格が相場より高過ぎるといつまでも売れないリスクがあるため、1か月、2か月単位で自分なりの期限を設け、反響を見ながら価格を見直してみるのがよいでしょう。また、価格設定については、不動産会社の担当者と納得できるまで相談することもおすすめします。

売却価格の最低ラインは、住宅ローンの残債を考慮したうえで決めることを意識しましょう。これは、不動産を売却し、引渡しの時点では住宅ローンの完済が必要であり、売却時に残債がある場合、通常、売却資金をローンの返済に充てるためです。ローンの残債の額が売却金額を上回ってしまうと、自己資金を持ち出す必要があるため、注意しましょう。

売却に適した時期を見極める
不動産を売却するにも適した時期があり、それを見極めることも大切です。不動産は売却時期によって価格の変動があります。不動産も経済状況の影響を受けるので、長期的な視野では景気のよい時期に売却するほうが価格は高くなる傾向にあります。

一方、短期的な視野では、1年の間でも売却しやすく、高く売却できる傾向がある時期があります。 1年のなかで最も購入ニーズが高まるのは、1〜3月とされています。これは、日本では4月に新年度が始まり、子どもの入学や進学を機に新居の購入を検討する人が多く、新年度を新居で迎えるにはその前に購入する必要があるためです。ニーズが高まれば、価格も高くなる傾向があるのは不動産も変わりません。自宅を高く売りたいと考えている人は、この1~3月に向けて売却できるように、少し早めに売却活動をスタートするとよいでしょう。

●ベストな売却時期を詳しく知りたい方はこちら
マンションの売り時はいつ?タイミングを見極めるポイントを徹底解説

失敗[ 4 ] 内覧から成約につながらない

売却活動中、物件の内覧には訪れてくれる人がいるもののなかなか購入申し込みにまで至らないと悩む売主も多いようです。なぜそのようなことが起こるのか、対策としては何ができるのか見ていきましょう。

内容

物件の内覧まで訪れてくれる人がいるということは、物件そのものの条件や売り出し価格はある程度的を射ていると思われるものの、最後の決め手ともいえる内覧時に問題があるかもしれません。失敗の原因はいくつかありますが、考えられるものとしては、住まいの整理や清掃をしないまま、内覧を迎えていたり、内覧している人の質問にうまく答えられなかったりといったことが挙げられます。

対策

検討している人に「住みたい」と思ってもらえるよう印象をよくする
内覧は「購入を検討している人」を「買い手」に変えることができる非常に重要な機会です。事前に室内の掃除・整理を行い、検討している人の第一印象がよくなるよう配慮することをおすすめします。検討している人を迎える玄関と、汚れが目立ちやすい水回りは丁寧に掃除をすることを心がけるとよいでしょう。汚れがひどく、自分での掃除に限界がある場合はプロのクリーニングサービスに頼んでみるのも1つの手です。

また、臭いにも注意が必要です。特にペットを飼っている家庭や、喫煙の習慣がある家庭は念入りな臭い対策を施しましょう。臭いは住んでいる人には分からないことが多いため、不安な場合は、内覧前に換気扇を回したり、窓を開けたり、消臭剤を置いたりなどの換気や消臭を行うのもおすすめです。

既に空室である場合、リフォーム後に売却することもできます。リフォームを行うことで、リフォーム前よりも、高値で売れる可能性があります。しかし、リフォームにかかる費用と売却でアップする価格との兼ね合いを見て判断しないと、結果的にリフォーム費用が持ち出しになってしまう可能性があるので注意しましょう。

アピールポイントをまとめておく
検討している人に向けて売却物件に関してアピールできる点をまとめておくことも大切です。アピールポイントとしてメリットを伝えるだけでなく、注意点も交えながら話すようにしましょう。注意点を話すことで誠意を伝えることができるため、検討している人によい印象を持ってもらいやすくなります。住んでいるからこそ分かる立地のよさや治安など、書類を見るだけでは分からない情報を口頭で伝えられると、より物件のよさが検討している人に伝わるでしょう。

また、質問内容にスムーズに答えられるよう、想定できる質問項目については、すぐに回答できるように準備をしておくことをおすすめします。

案内後の感想を不動産会社に聞いてもらう
内覧したものの、購入申し込みに至らなかった理由を案内した不動産会社を経由して聞いてもらうというのもよいでしょう。内覧だけで成約が決まらない原因が何か分かれば、対策できる可能性があります。周辺環境やマンションの共用部分など自分ではどうしようもできない理由であれば、価格で調整が必要になりますが、自分で対処できる理由であれば、それを改善することで売却できる可能性が高まるはずですよ。

水道

失敗[ 5 ] 売却時の出費が思ったより多い

売却時にはさまざまな出費がかかります。「想定していない出費があった…」と慌てるケースもあります。費用を把握していないことにより発生するトラブルやどういった費用がかかるのかを見ていきましょう。

内容

売却時にかかるさまざまな費用を把握できていないと、当初は売却でプラスになると思っていたものの、結果的に売却で資金が持ち出しになってしまったり、売却資金を住み替えの費用に充てることができなくなったりするなど想定外のことが発生します。

対策

売却にかかる諸費用を知っておく
不動産の売却では、金額が大きい分、売却時に発生する費用も比例して高額になります。かかる諸費用を詳しく知り、想定外のことが発生しないようにしましょう。

諸費用のなかでも特に大きな金額の支払いは仲介手数料です。仲介手数料とは、不動産会社に仲介を依頼し売買契約が成立した際に、報酬として不動産会社に支払うお金のことを指します。仲介手数料の金額は、売買価格に対する割合として決まっているため、売却金額によって変動する点には注意しましょう。仲介手数料の上限額は、以下のように決められています。

・仲介手数料(売買金額が400万円超の場合)=(売買価格× 3% + 6万円) + 消費税

上記は、売買金額400万円超の場合に仲介手数料を計算する際の簡便法です。売買金額が異なる場合の計算方法は、以下の通りです。

売買金額

仲介手数料

200万円超~400万円以下

(売買価格× 4% + 2万円) + 消費税

200万円以下

(売買価格× 5% + ) + 消費税

仲介手数料の上限は宅地建物取引業法及び国土交通省告示で決まっているものの、手数料の金額は、売却金額によって変動し、不動産会社によって上限を下回ることもあるので注意しましょう。

●マンション売却の手数料に関する記事はこちら
マンション売却の手数料は?負担を抑える方法を解説

譲渡所得に税金がかかる可能性も知っておく
不動産売却による譲渡所得のプラス(譲渡益)に対しては税金がかかる点も押さえておきましょう。譲渡所得とは、不動産を売却して発生した所得のことを指します。

譲渡所得は、売却価格から取得費(購入価格と購入時にかかった諸経費)と売却時にかかった諸経費を差し引くことで計算できます。ただし、取得費の計算では建物の減価償却費を差し引く必要があるので、譲渡所得を計算する場合には正しい計算方法の確認が必要です。

また、譲渡所得に利益が出た場合には、所得税と住民税が課税されます。譲渡所得にかかる税率はマンションの所有期間が不動産を売却した年の1月1日時点で5年を超えているかどうかによって異なります。5年以下の場合は「短期譲渡所得」、5年を超える場合は「長期譲渡所得」とされ、税率は以下の通りです。

種類

税率

短期譲渡所得

39.630%
(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%)

長期譲渡所得

20.315%
(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)

そのほかの諸費用は以下の通りです。

登記費用

売主の場合、不動産の抵当権抹消登記や住所変更登記を行うための費用が状況に応じてかかる。
登記費用には、登録免許税や司法書士の報酬、書類や移動費などの実費がある。

印紙税

課税文書の作成者が納める必要のある税金。国税庁の定める税額の収入印紙を文書に貼付し、消印することで納める。
不動産売買では、売買契約書や代金受領時の領収書に添付する。
税額は売買契約書など課税文書に記載のある金額によって異なる。

住宅ローンの一括返済手数料など

住宅ローンを借りている金融機関によっては、一括返済時に手数料が必要になることもある。
金額は、金融機関によって異なる。

引越し費用

売買契約後、引渡しまでに引越しして、マンションを空にしなければならない。
引越し費用は、時期や引越し先までの距離、引越し先の状況(階数、エレベーターの有無など)、荷物の量で金額が大きく異なるので、早めに見積もりを取る。

パソコンと書類

不動産会社選びがマンション売却成功の鍵

マンションの売却を成功させるためには、まずは不動産会社選びが重要です。親身になって対応してくれる不動産会社をきちんと見分けられれば、失敗の確率は大きく減るでしょう。査定の際に担当者の対応から、この人なら任せられそうだと思える人を選ぶようにしてくださいね。信頼できる不動産会社や担当者なら、分からないことや困ったときにも適切にアドバイスしてもらえるよいパートナーとなるはずです。売却で失敗したと後悔しないためにも不動産会社を慎重に選ぶようにして、マンションの売却を成功させましょう。

三井のリハウスでは売却のご相談を受け付けています。不動産売却について詳しく知りたい場合は三井のリハウスにご相談ください。

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秋津智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。物件の選び方や資金のことなど、不動産に関する多岐のサポートを行なう。