Column / 2021 06,17

固定資産評価証明書とは?手数料や取得の方法などを分かりやすくご紹介

不動産の相続や登記を変更するときには、いくつか書類を用意しなければなりませんね。そのうちの1つに、「固定資産評価証明書」という書類があります。ここでは、固定資産評価証明書について詳しくお伝えします。

秋津智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。物件の選び方や資金のことなど、不動産に関する多岐のサポートを行なう。

固定資産評価証明書とは?

不動産の相続や登記を変更するときには、いくつか書類を用意しなければなりませんね。そのうちの1つに、「固定資産評価証明書」という書類があります。ここでは、固定資産評価証明書について詳しくお伝えします。

家の模型と英字の積み木

不動産の評価額を証明する書類

固定資産証明書は、土地や建物などの固定資産の評価額を証明する書類です。固定資産証明書を見ると、不動産の価値の目安が分かり、その金額をもとに固定資産税を計算することができます。
固定資産税は「固定資産評価額」を基準に課税されます。固定資産証明書は、固定資産課税台帳の「固定資産評価額」を転記し、市区町村がその年の固定資産評価額を証明したものなのです。

固定資産税は、所有する土地や家などの不動産などの固定資産にかかります。事業用の機械や一定額以上の設備などの償却資産にもかかりますよ。

固定資産証明書は、不動産価値の目安が知りたいときのほか、固定資産税や相続税、贈与税、登録免許税などの税金を計算する必要があるタイミングで必要になります。つまり、不動産の売買や相続税の申告、贈与のほか、不動産の関係する訴訟などのときに必要となります。

固定資産の所有者や評価額が記載されている

固定資産評価証明書には下記の内容が記載されています。

・所有者:固定資産を所有者の名前
・所在地:固定資産がある場所
・(土地)地積(面積)、地目、持分(分子と分母)
・(建物)家屋番号・建物番号、床面積、構造・規模、種類、(区分所有建物の場合)敷地権
・固定資産税評価額:固定資産税を決める基準となる評価額
・課税標準額:狭小宅地や新築建物などの特例が適用となる場合は特例適用後の金額

茶封筒とビル

固定資産税を確認したい場合には、毎年1月1日現在の所有者に送られてくる「固定資産税納税通知書」で確認することができます。紛失した場合や部数が必要な場合には、市区町村で取得できる「固定資産公課証明書」を確認してもよいでしょう。
固定資産公課証明書には、固定資産税額が記載されています。固定資産税を知りたい場合には、固定資産証明書を確認して計算するよりも、早く確認することができますよ。

固定資産評価証明書は、固定資産税額の記載はありませんが、下記の計算で出すことができます。

固定資産評価証明書に記載されている課税標準額(※1) × 1.4%(※2)

※1 軽減措置が適用になる場合は適用後の額
※2 1.4%は標準税率。税率は各地方公共団体が定める

固定資産評価証明書を取得するには?

固定資産評価証明書を取得するには、資産に関する個人情報であるため、取得できる人が限られています。また、本人確認などの必要書類を用意しなければなりません。ここでは、固定資産評価証明書を取得するための方法や準備するべきものなどを詳しくみていきましょう。

取得は関係者のみ

固定資産評価証明書を取得できるのは、原則として不動産の所有者本人の関係者に限られます。関係者とは、所有者と同居する家族です。
それ以外の関係者では、相続人、民事訴訟の申立人などが別にその関係を示す書類を持参することで取得できます。ほかに、所有者本人からの委任状を持参した人も取得ができます。

役所の模型と印鑑

取得する方法

固定資産評価証明書を取得する方法には、市区町村(東京都は都)の担当課の窓口で取得と郵送による取得の2つがあります。
市区町村の窓口で取得する場合は、役所の担当する課の窓口や出張所などで申請書とともに必要書類を提示・提出して取得します。自治体によっては、固定資産評価証明書を最寄りのコンビニで取得できる場合もありますよ。

郵送で取得する場合は、役所のホームページで申請書をダウンロードして、必要書類と返信用封筒(切手を添付したもの)、取得に必要な手数料分の郵便定額小為替などを同封して担当宛に郵送します。郵送での取得にかかる日数は、1~2週間が目安です。

取得に必要な書類等

固定資産証明書を取得するために必要な書類等は、「固定資産評価証明等交付申請書」といった申請書、本人確認書類などに加え、取得する人で異なります。受取人が所有者本人の関係者でない場合は委任状も必要です。

窓口での取得で必要なもの 郵送での取得で必要なもの
本人が取得する場合 申請書(要認印の押印)、運転免許証(写し)など本人確認書類、発行する証明書の種類や部数に応じた手数料(1件につき数百円) 左記のうち、手数料を定額小為替とし、加えて返信用封筒(切手を貼り、宛先を記入したもの)
本人以外が取得する場合 申請書(認印が必要)、申請者の本人確認書類、(家族の場合)所有者本人との関係、同居していることのわかる住民票、戸籍謄本などの書類
(代理人の場合)所有者本人から直筆署名のある委任状
(相続人の場合)被相続人が亡くなっていることが確認できる住民票の除票などの書類、相続関係が確認できる戸籍謄本や財産分割協議書などの書類
発行する証明書の種類や部数に応じた手数料(1件につき数百円)
左記のうち、手数料を定額小為替とし、加えて返信用封筒(切手を貼り、宛先を記入したもの)
所有者が法人の場合 申請書(認印が必要)、申請者の本人確認書類、法人代表者の印(または代表者印のある委任状)、発行する証明書の種類や部数に応じた手数料(1件につき数百円) 左記のうち、手数料を定額小為替とし、加えて返信用封筒(切手を貼り、宛先を記入したもの)

費用(発行手数料)

取得必要な手数料は自治体によって異なりますが、固定資産証明書1枚につき200~400円程度です。不動産1件につき1枚の固定資産評価証明書が必要になります。そのため、一戸建てのように土地と建物の場合は、土地と建物でそれぞれ1枚ずつ、計2枚必要になるのでご注意ください。なお、マンションの1室の場合は、土地家屋一体で1件として取得できますよ。

固定資産評価証明書を取得する際の注意点

固定資産評価証明書を取得する際の注意点をご紹介します。

不動産登記の書類

不動産登記で使用する場合

不動産の売買といった、不動産の登記に使用する場合は、申請時点の最新の年度のものが必要です。特に注意したいのは、固定資産評価証明書は毎年4月1日に更新されるということです。たとえば3月に取得したものであれば、4月に登記申請を行うときには評価証明書が古い年度のため、登記申請ができません。その場合は、4月1日以降に最新の評価証明書を取得し直さなければなりませんよ。

住宅ローンの完済、相続、贈与、建物取り壊しなど、不動産の名義変更や記載事項変更の登記申請をする際には、登記する年度のものを取得しましょう。

相続税や贈与税の申告の場合

相続税や贈与税の申告時には、課税年分の年度のものが必要になります。相続税の申告では相続税の課税時点、贈与税の申告では贈与税の課税時点のものが必要になります。
ただし、相続や贈与の登記申請には、申請時の最新の固定資産評価証明書が必要になります。

税金の申告と登記申請が同じ年度内であれば、同じ年度の固定資産税評価証明書でよいのですが、年度が異なる場合には異なる年度のものが必要となります。

必要になったら早めの取得を!

ここまで固定資産評価証明書の取得方法や取得の際の注意点についてご紹介しました。

固定資産評価証明書は取得する証明書の発行年度が重要です。必要となる事由によって必要な年度が異なってきます。

また、所有する不動産が住まいから遠く、固定資産税評価証明書を取得するには郵送による場合などは、相応の時間がかかってしまいます。準備が遅くなると必要なタイミングで書類がそろわないといった事態になることもあります。

そうならないためにも、固定資産評価証明書が必要だと分かったら、郵送などの時間を考慮して早めの取得を心がけてくださいね!