築40年のマンションは売れない?不動産売却時のポイントや資産価値を解説

築40年以上のマンションは売れにくいイメージがあるのではないでしょうか?結論からいうと、ポイントを押さえることでマンションの売却は可能です。今回は、売却のコツや築40年以上のマンションの強みを解説していきます。

目次
  1. 築40年のマンションは売れる?
  2. 築40年のマンションが売れない場合の原因
  3. 築40年のマンションを買い手が選ぶ理由4つ
  4. 築40年のマンションを売却するコツ
  5. 築40年のマンションの売却はプロに依頼しよう!
記事カテゴリ 売却 マンション
2024.01.18

築40年のマンションは売れる?

築40年、または40年超のマンションを保有している方のなかには、「築年数がたっているマンションは売れるのか?」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか?結論からいえば築年数が40年以上経過しているマンションでも売却は可能です。今回は、築40年前後のマンションを所有している方、売却を検討中の方に向けて、築年数が経過しているマンションがなぜ売れるのか、資産価値はどのくらいなのかといったことから売却時の注意点まで詳しく解説します。

マンションの模型と虫眼鏡

築40年のマンションが売れない場合の原因

築40年以上経過したマンションでも売却は可能です。しかし、一般に築年数が経過するほど不動産は売却しにくくなるのも事実です。それでは、売れないといわれる理由を以下で見ていきましょう。

外観の老朽化

築40年以上になると、外観の老朽化が目立つようになります。特に具体的な箇所は以下の通りです。

・外壁・外壁塗装
・鉄筋の露出・腐食

マンションは一般的に12年から15年程度の周期で大規模修繕が行われ、外観にも手が入ることが多いですが、予算との兼ね合いもあるため新築同様の状態に戻ることはありません。

さらに老朽化以外にも、外観デザインの問題も発生します。マンションのデザインにも流行は存在するため、そういったデザインと趣が異なる場合は、買い手に古臭い印象を抱かれる可能性もあるのです。

住宅設備機器が古い

リフォームやリノベーションを行っていない場合、コンセント、インターホンなどの電気設備や、お風呂や洗面台、トイレ、キッチンといった水回りの住宅設備、給湯器、通信設備の老朽化が目立つようになります。なお、エレベーターやエントランスといった共用部分の設備も古い仕様のタイプが目立つようになりますが、こちらについては、個人の一存で修繕を行うことができません。

住宅ローンの融資が通らない可能性がある

金融機関によっては、住宅ローンの申し込み条件のなかに築年数の条件がある場合もあります。ローンの借り入れ可能額は、申込者の収入やほかの借り入れ状況以外に、購入する物件が担保としてどの程度の価値があるかも考慮され決まるものです。築年数がたっていることは、担保としての評価が低くなることを意味します。

耐震性が低い可能性がある

築40年以上のマンションは、1981年(昭和56年)5月31日以前の基準である旧耐震基準と呼ばれる基準をもとに建築されている場合もあるため、耐震性が低い可能性があります。

現在は新たな耐震基準へと変わり、求められる強度も高くなっているため、旧耐震基準に基づいている築40年以上のマンションに対しては、追加の補強や改修が必要とされることがあります。

●耐震基準についてはこちら
マンションの寿命は何で決まる?決め手となる耐用年数について解説

マンションの耐震補強

築40年のマンションを買い手が選ぶ理由4つ

先述した通り、築年数がたった築40年のマンションでも売却は可能です。理由として築40年以上の物件はある一定層の買い手のニーズを満たしていることが挙げられます。それでは買い手側のニーズにはどういったものがあるのか見ていきましょう。

全国宅地建物取引業協会連合会が2021年1月に公表したデータによると、住宅を購入する際に重要視するポイントは、1位から5位まで以下の通りです。※1

・購入金額
・周辺・生活環境がよい
・交通の利便性がよい
・間取りプラン・部屋数
・日当たり・住宅の向き

築40年以上の物件では、これらのポイントを押さえている物件が多く見られます。その理由は以下の通りです。

購入価格が新築と比べ安い

土地と違い、一戸建てやマンションは築年数がたつにつれて資産価値が下がる傾向にあります。そのため、築40年以上のマンションは新築マンションに比べて購入費用を抑えることが可能です。

東日本不動産流通機構の2022年のデータによると、首都圏の築31年以上の中古マンション価格は、築0~5年の物件と比べ、約3分の1程度の価格となっています。※2

マンションの模型と電卓

立地がよい

40年以上前は、現在より土地に余裕があり比較的条件のよい土地にマンションを建設するケースが多くありました。交通アクセスがよいことに加え、現代のマンションより間取りに余裕がある場合もあり、好立地の物件を購入できることは買い手からしても大きなメリットです。

買い手がリノベーションしやすい

先ほどの説明の通り、マンションを安く購入できる分、リフォームに費用をかけることができます。そのため、買い手が好みの間取りにリフォームしやすく、築40年以上のマンションはそういったリフォームしたい人からの需要が高い傾向にあります。

築40年のマンションを売却するコツ

築40年以上のマンションでも売却につながりやすくするコツは以下の通りです。

・耐震基準を満たしていることを買い手にアピールする
・売却前にリフォーム・リノベーションを行わない
・ホームインスペクションを検討する
・場所を絞ってハウスクリーニングを行う

それぞれについて詳しくご紹介します。

チェックリスト

耐震基準を満たしていることを買い手にアピールする

築40年以上のマンションであっても、耐震基準適合証明書が発行されていれば安心して住めるだけでなく、税制上の優遇も受けることができます。

耐震基準適合証明書が発行されていると住宅ローン控除の制度が適用される可能性があるほか、登録免許税・不動産取得税などの減税の対象となります。詳しくは以下で確認してみましょう。

●住宅ローン控除についてはこちら
国土交通省 | 住宅ローン減税

●登録免許税の軽減措置についてはこちら
税務署 | 特定の住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ

●不動産取得税の軽減措置についてはこちら
東京都主税局 | 不動産取得税の軽減制度について ~ 「住宅」及び「住宅用土地」に係る軽減制度 ~

売却前にリフォーム・リノベーションを行わない

先ほどもご説明した通り、築年数が経過したマンションを購入するメリットの1つに、価格の安さが挙げられますが、リフォームやリノベーションを行い、費用を売り出し価格に上乗せすると、そのメリットが失われてしまいます。また、修繕後のマンションが買い手の好みから外れる場合は、売れにくくなる可能性もあるため、リフォームやリノベーションは不動産会社と相談して検討するようにしましょう。

ホームインスペクションを検討する

ホームインスペクションとは、住宅診断士といった資格所有者が第三者的な立場から住宅の劣化状況の有無や、修繕すべき箇所、費用などを診断してくれる有料の住宅診断のことをいいます。

特に築40年以上といった築年数が経過したマンションを売却する場合は、ホームインスペクションを受けることで修繕すべき個所や費用が明確になるだけでなく、買い手が安心して築年の古いマンションを購入できることがメリットです。

場所を絞ってハウスクリーニングを行う

売却時にハウスクリーニングをすることで、内覧時に買い手へ好印象を与えられる場合もあります。しかし、ハウスクリーニング代金は基本的に売主負担であるため、どこまでハウスクリーニングを行うかは予算や汚れの程度で判断しましょう。特に、キッチンやお風呂などの水回りは経年劣化が目立ちやすい箇所であるため、不動産会社と実施するかを相談し検討するとよいでしょう。

掃除用具

築40年のマンションの売却はプロに依頼しよう!

これまで、築40年以上のマンションの売却について解説してきました。築40年以上のマンションにもニーズはあり、売却が可能ですが、物件のアピールの仕方にコツが必要です。築40年以上のマンションを売却する際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。

三井のリハウスでは、100万件を超える豊富な取引実績をもとに、築年数が経過したマンションに寄り添った売却サポートを行っています。

築40年以上のマンションの売却でお困りの方はぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。

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●マンション売却をご検討中の方はこちら

※出典1:「不動産の日アンケート」住居の居住志向及び購買等に関する意識調査2021年1月,全国宅地建物取引業協会連合会, 全国宅地建物取引業保証協会
https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/02/2020-fudousan-anke-to.pdf
(最終確認:2023年12月20日)

※出典2:「築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2022年)」,東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp/
(最終確認:2023年12月20日)

監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
https://www.izumi-ohishi.co.jp/profile.html