マンション売却前に床の傷の補修は必要?フローリングの修復が必要なケースについて解説

マンション売却の際は、状態にもよりますが一般的に床(フローリング)の傷を補修する必要はありません。この記事では、マンション売却前に床の補修が不要な理由や補修したほうがよいケースについて解説します。

目次
  1. マンション査定の前に床の傷は直さなくてよい
  2. マンション売却時の床の修復が不要な理由
  3. マンション売却前に床の補修をしたほうがよいケース
  4. 床に傷のあるマンションを売却する際のポイント
  5. マンション売却において床の傷以外に押さえておきたいポイント
  6. 床の傷があるマンションの売却もまずは査定から
記事カテゴリ 売却 マンション
2024.03.28

マンション査定の前に床の傷は直さなくてよい

マンション査定の前に床の傷を直す必要があるケースは少ないのが一般的です。というのも傷の修復が、査定額アップや購入検討者の評価に直結するわけではないためです。そのため、マンションを査定に出す前に床の傷を直すかどうかを決めるべきではなく、不動産会社に査定してもらい、アドバイスを受けながら検討する必要があります。

この記事では、マンション売却時に床の傷を直さなくてよい理由や、直すべきケースについて解説します。併せて、床の傷があるマンションを売却するときのポイントについてもご紹介しましょう。

マンション売却を相談している様子

マンション売却時の床の修復が不要な理由

マンション売却時には、一般的に床の修復はしなくてもよいでしょう。主な理由には、以下の3つがあります。

・修繕費用を回収しきれない場合がある
・購入希望者のニーズに合わない場合がある
・マンションの売り出し時期が遅れる

それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

修繕費用を回収しきれない場合がある

マンション売却前に床の修復をしたとしても、その費用を回収できるだけの売り出し価格で成約できるとは限りません。

マンションの主な査定方法は、立地や築年数などが類似した物件の取引相場から価格を求める「取引事例比較法」が採用されています。この方法では、水回り設備の修繕やバリアフリー化など、生活に直結するリノベーションは査定時にプラスになる可能性はあるものの、居住している際に付けてしまった床の傷の補修は査定にプラスされることは少ないでしょう。そのため、売り出し価格は類似物件の相場に近い額となるのが現実的です。傷を補修してもその分の費用が売り出し価格に上乗せされることは考えにくいため、損をしてしまう可能性があります。

●不動産の査定価格の算出方法について詳しくはこちら

マンション査定をしている様子

購入希望者のニーズに合わない場合がある

中古マンションを購入する人のなかには、自分好みのインテリアや雰囲気に合わせてリフォームしたいと思う人もいます。好みのフロアタイルを敷いたり、好みの床材を張り替えたりしたい人にとって補修は不要です。中古マンションの魅力は、価格の安さによるリフォームのハードルの低さにあるため、物件の魅力を生かした販売計画を立ててみましょう。

マンションの売り出し時期が遅れる

補修の規模にもよりますが、床材の張り替えといった大がかりな補修の場合はマンションの売り出しの時期が遅れる可能性があります。張り替え自体は1~3日程度とはいえ、業者の手配から工事日の調整などである程度の時間がかかるためです。

新学期や人事異動による新生活が始まる前はマンションの売り時ですが、補修工事によってそれらのタイミングを逃してしまいかねない場合は、売り出し期間のみならず、成約時期も遅れる可能性があります。

マンション売却前に床の補修をしたほうがよいケース

お伝えした通り、一般的にマンションの売却前に床の補修をする必要はないものの、以下のような場合は補修をしておいたほうがよいかもしれません。

・大きな穴やへこみがある
・腐食している
・はがれや浮きが見られる

補修をしておいたほうがよいケースについて、具体的に見ていきましょう。

大きな穴やへこみがある

重い家具や家電製品を落としたり、ぶつけたりしたことによって生じた、生活に支障を来す大きな穴やへこみは補修したほうがよい可能性があります。こういった穴やへこみは、家具や家電製品の転倒の原因になるほか、ケガにつながる恐れもあります。放置しておくと補修が難しくなるケースもあるので、必要な場合は早めの対応を心がけましょう。

腐食している

雨漏りや水漏れで床が腐食している場合は修理すべきでしょう。キッチンやトイレなどの水回りで起こりやすく、放置してしまうと傷んでいない箇所まで腐食が拡大する恐れがあるので、こちらも早めの対応をする必要があります。

はがれや浮きが見られる

家具のほか重いものを落としてしまったり、水漏れが発生したりしたことで、床にはがれや浮きが見られることがあります。はがれや浮きは、規模にもよりますが、内覧時に経年劣化を感じさせやすい要因となりがちです。原因によっては早期の対応が鍵となるので、早めに対処しましょう。

ただし、上記で紹介した傷でもまずは不動産会社に訪問査定で見てもらい修繕が必要かアドバイスをもらいましょう。個人的に大きな穴だと思っても補修する必要がないケースもあります。そのため、自身で補修が必要かどうか判断しないことが大切です。

マンションリフォーム リビングのイメージ

床に傷のあるマンションを売却する際のポイント

床に傷のあるマンションを売却する際のポイントは、査定や内覧の際に、不動産会社や購入検討者に床の傷や汚れについてしっかりと報告することです。「見えにくい場所にあるから大丈夫だろう」「小さくて目立たないだろう」と思って報告を怠ると後でトラブルになりかねません。

腐食や穴など、損傷の激しい不具合は「瑕疵(かし)」として判断される可能性があります。売買契約書に書かれていないこのような不具合(瑕疵)が契約締結後に見つかった場合、民法上の契約不適合責任に問われる可能性もあり、売主は買主から損害賠償や契約解除などを請求されてしまう場合があります。後々トラブルにならないためにも、事前にしっかりと損傷個所を共有するようにしましょう。

●契約不適合責任について詳しくはこちら

マンションの床の傷

マンション売却において床の傷以外に押さえておきたいポイント

床に傷があっても、マンション売却のポイントを押さえることでスムーズに物件を売却できます。押さえるべき主なポイントは以下の通りです。

・売却のタイミングを押さえる
・好印象な内覧を心がける
・信頼できる不動産会社に依頼する

先述のように、新学期や人事異動の前など、需要の高い時期にマンションを売りに出すことで、好条件での売却につながることもあります。併せて、内覧時には適切な範囲での掃除や片付け、購入検討者への丁寧な対応などを心がけたり、平日にも内覧対応を行ったりすることで、早期の売却につながる可能性もあります。

また、査定や、売却の仲介を依頼する不動産会社は、担当者の対応が誠実・丁寧で信頼できる会社を選ぶとよいでしょう。査定額の根拠を聞いたときの対応や、依頼から対応までの連絡スピードの速さ・こまめさなどから判断することが可能です。

●マンション査定で見られるポイントについて詳しくはこちら

家を案内する不動産担当者の様子

床の傷があるマンションの売却もまずは査定から

これまで、マンション売却において床の傷を補修しなくてもよい理由や、対して補修が必要なケース、マンションをスムーズに売却するためのポイントなどを紹介してきました。床の傷を修理するかどうかは、不動産会社が出す査定結果やアドバイスに基づいて判断することが大切です。そのためには、高精度な査定結果を提供するだけでなく、誠実で丁寧な対応の不動産会社とともに売却活動を行うとよいでしょう。

三井のリハウスでは、100万件を超える豊富な取引実績をもとに、高精度な不動産査定を行っています。査定後の売却活動もサポートしておりますので、マンションの床に傷があり、どうすべきかお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。

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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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