マンションを売却する際の見積もりはどうする?査定の種類や注意点を解説

マンションを売却する際は、不動産会社に査定を依頼し、見積もりを出してもらいます。売却を成功させるには、見積額の根拠を把握し、信頼できる不動産会社を見極めることが大切です。今回は、マンション売却のために見積もりを依頼する際の、査定の種類やポイント、注意点について解説します。

目次
  1. マンションを売却する際に見積もりを依頼する方法
  2. 売却前に見積もりが必要である理由
  3. マンションの見積額に影響するポイント
  4. マンション査定の注意点
  5. マンション売却の際は、まずは見積もり!
  6. マンション売却の見積もりについて、リアルな実態をプロにインタビュー
記事カテゴリ 売却 マンション
2024.01.23

マンションを売却する際に見積もりを依頼する方法

査定とは、売却希望の不動産をいくらで売却できるかを見積もることです。近隣での成約価格の相場、物件の状況や状態、不動産市況などを考慮し、査定額(査定価格)を算出します。このとき算出された査定額は、実際の成約価格になるとは限らないことに注意が必要です。

不動産査定の種類は3つあります。売却を検討中の場合は、それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況や不動産に合った査定方法を選択しましょう。

不動産査定をする女性

AI査定

気軽にすぐ結果が知りたい方は、AI査定を利用しましょう。AI査定とは、AIが過去の不動産の膨大な取引データから査定額を算出する査定方法です。そのため、取引事例が多いエリアや実績が豊富な不動産会社であれば、精度の高い査定額を算出しやすいのが特徴です。

AI査定は、不動産会社の営業担当者と連絡をとる必要がなく、24時間いつでも、即時に査定額を知ることができるため、マンション売却を検討中で、おおまかな価値を知っておきたい方におすすめです。また、物件の基本情報にあまり差がないマンションと相性のよい査定方法になります。

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簡易査定

簡易査定とは、不動産会社の営業担当者が、物件情報や相場動向、周辺物件の取引事例などのデータを参考に行う査定方法で、「机上査定」とも呼ばれています。マンション売却の意思が固まっていないけれど、AI査定よりも詳細で精度の高い査定額が知りたい方におすすめです。

インターネットや電話で簡単に申し込みができ、申し込みから2、3日で査定結果が得られます。不動産会社の営業担当者が査定を行うため、マンション、一戸建てともに査定可能です。

訪問査定

マンション売却の意志が固まっている方は、訪問査定が向いています。訪問査定とは、不動産会社が実際に物件を訪問して所有者からヒアリングを行い、周辺情報や物件の状況を直接見て査定を行う方法です。机上のデータだけでは分からない情報を、現地で見て確認するため、精度の高い査定額が出やすいのが特徴です。

また、不動産会社の担当者と対話ができるため、その不動産会社が信頼できるのかを見極める機会にもなります。訪問査定は、結果が出るまでに1週間程度かかるので、売却が決まっている場合は、AI査定や簡易査定を受けずに、訪問査定を依頼しましょう。

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住宅の模型と虫眼鏡

売却前に見積もりが必要である理由

マンションを売却する前に査定をしてもらうことは必須です。その理由を以下で解説していきます。

ローンの完済ができるか確認するため

マンションを売却する際、住宅ローンの残債がある状態では、基本的に売却はできません。理由としては、不動産を売却するには住宅ローンを完済し、抵当権を抹消する必要があるからです。抵当権とは、住宅ローンの借入先である金融機関が不動産を担保にすることで、返済が滞った際に抵当権を設定した不動産を売却して、債権回収に充てられる権利です。

もし、売却する時点で住宅ローンを完済していない場合、売却代金で住宅ローンを完済できるのか確認しておく必要があります。売却代金でローンを完済できず、抵当権を抹消できない場合、自己資金で賄うか、住宅ローンの借り換え、または任意売却を検討することになります。今後の資金計画を立てるうえでも、査定を依頼し、どのくらいの価格で売れそうなのか確認することは大切です。

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売り出し価格を決めるときの参考にするため

物件を売り出す際に適正な価格を設定することは、スムーズに買い手を見つけ、取引を行うために重要です。査定額は3か月あれば売却が可能であると判断された価格であるため、査定額を参考にすると売却しやすくなります。不動産会社によって査定額は異なるので、実績があり、精度の高い査定を行ってくれる不動産会社を選ぶことが重要です。

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マンションの見積額に影響するポイント

マンションの見積額にはさまざまな要素が影響します。そのポイントを押さえてよりよい条件で売却できるようにしましょう。

マンションの基本的な物件情報

以下に挙げるマンションの基本情報を考慮して、見積額は決定されます。

・立地
・築年数
・広さ
・間取り
・階数
・耐震性
・汚れや瑕疵(物件の欠陥)がないか
・設備の状況
・リフォーム履歴
・日当たりの向き

特に、築年数は査定額に大きく影響し、古くなればなるほど価値は落ちる傾向にあります。

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不動産市況

見積もり時の経済情勢によって、不動産の需要は変化するので、それに応じて見積額も変動します。たとえば住宅ローンの金利が低いときには、不動産の需要は増えるため、見積額が高くなる可能性があります。不動産価格の動向は以下の2つの指標から、ご自身でもチェックできるので確認しておきましょう。

公示地価(地価公示価格)
公示地価とは、国土交通省が提供している、地域ごとの土地の標準的な価格のことです。毎年1月1日時点での価格で、全国2万か所以上の標準地の価格が公表されています。

基準地価
基準地価とは、各都道府県が毎年7月1日時点での基準地ごとの価格を調査し、公表しているものです。調査された土地や時期が地価公示価格と異なるため、公示地価と基準地価、双方の指標を参考にすると、より妥当性のある相場が分かります。

近隣の売り出し物件

同じ地域に似たようなマンションがあったり、新たに建築されているマンションといった競合物件があったりすると、査定額に影響します。なぜなら値下げ競争に巻き込まれる可能性があり、売り出し価格を下げないと売れにくくなる恐れがあるためです。売り出し価格を下げたくない場合は、売却時期をずらすといった対策が必要です。

家の模型と虫眼鏡

マンション査定の注意点

マンションの査定を依頼する際には、いくつかの注意点があります。これからご紹介する注意点を押さえ、より精度の高い見積額を算出してもらい、売却の成功につなげましょう。

査定額の根拠を把握する

査定額が希望より高くても低くても、なぜその価格になったのか、根拠を不動産会社に聞いておきましょう。納得できる根拠を教えてくれるかどうかでも、信頼できる不動産会社なのかを見極めることができます。なかには他社よりも高い見積額を出して、仲介契約を結ぼうとする不動産会社も存在するため注意が必要です。

見積額が相場に比べて高過ぎる場合は、不動産会社を信頼してよいのか、本当にその価格で売却できるのかをしっかり確認しましょう。見積額が低過ぎる場合には、根拠をしっかり把握しておかないと、実際の価値よりも低い売り出し価格を設定することになり、損をする恐れがあります。

自分でも相場を確認しておく

不動産会社から提示された見積額が妥当な価格かどうかの判断は、自分で相場を調べることで見当を付けることができます。手軽に相場を調べる方法としては、周辺エリアのマンションの売り出し情報を見て、売却したい物件と似ている条件のものがいくらくらいで売り出されているのかを確認してみるのがよいでしょう。

ほかにも先ほど説明した公示地価や基準地価などの不動産価格の動向を確認しておくという方法もあります。

リフォームの検討は慎重に

物件の価値を高めるためにリフォームを行っても、査定額や売り出し価格が高くなるとは限りません。中古マンションの購入希望者のなかには、自分の好みに合わせてリフォームしたいと考える人が一定数いるためです。また、リフォーム費用が上乗せされることで、買い手が付きにくくなる恐れもあるので注意しましょう。

必ずしも売却しなくてよい

査定で見積額を出してもらったからといって、必ずしも売却をしないといけないわけではありません。自分の資金状況や今後の資金計画、見積額を考慮して売却するかを決めましょう。

不動産査定を行う男性

マンション売却の際は、まずは見積もり!

ここまで、マンションを見積もりに出す際の、査定の種類や査定額に影響するポイント、注意点をご紹介してきました。マンション売却には税金や仲介手数料などの諸費用がかかり、特に大きい金額となるのが仲介手数料です。ただし、仲介手数料は法定上限額内に設定されているので、法外な料金を請求されることはありません。仲介手数料の法定上限額は以下の通りです。

物件の売買価格仲介手数料の法定上限金額(税込)
売買価格のうち200万円以下部分の価格売買価格の5.5%
売買価格のうち200万円超〜400万円以下部分の価格売買価格の4.4%
売買価格のうち400万円超の部分の価格売買価格の3.3%

不動産会社を選ぶ際には、その会社の経験や実績のほか、見積額に対して納得できる根拠を回答してくれたか、訪問査定の際に営業担当者が親身になって対応してくれたか、などを総合的に判断して仲介を依頼しましょう。

信頼できる不動産会社が決まれば、後は提示された査定額を参考に売り出し価格を設定し、売却活動に進むのみです。頼れる不動産会社を見つけ、マンション売却を成功へ導きましょう。

三井のリハウスでは、ご紹介したAI査定や簡易査定、訪問査定を無料で承っているだけでなく、地域ごとの特徴に合わせられるように、地域密着で展開しています。査定後の売却活動も手厚くサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

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マンション売却の見積もりについて、リアルな実態をプロにインタビュー

マンション売却の見積もりについて、リアルな実態を三井のリハウス社員に聞いてみました!気になる疑問について、不動産売却のプロの見解をご紹介します。

マンション一括査定のデメリットは?

マンション一括査定のデメリットは、複数社とやりとりするのが面倒なことだと思います。また、各社からの販売戦略や提案価格、サービス内容などを聞けば聞くほど、自分たちにとって何がよいのか分からなくなった…という方も実際にいました。一方で、マンション一括査定のメリットは、一度の申し込みで複数社の話を聞き、比較できることだと思います。不動産会社との連絡は最小限に抑えたい方や、忙しくて連絡があまり取れない方は、一括査定ではなく不動産会社に直接査定依頼をするのがおすすめです。

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AI査定はどんな人におすすめですか?

AI査定は、すぐに売るつもりはないけれど自宅の査定価格を把握しておきたい方や、査定価格を知りたいけれど仲介会社からの連絡は避けたいという方におすすめです。

マンション査定で一番の注意点は?

マンション査定をするにあたって売主さまが一番注意すべきことは、自宅の売却相場を調べたうえで不動産会社との打ち合わせに臨むことだと思います。というのも、相場よりも高過ぎる価格で提案され、うのみにして売り出した場合、買い手がなかなか見つからず販売期間が長引いてしまうことがあります。販売期間が長引けば売れ残り物件というイメージが付いてしまい、いっそう買い手が見つからない…という負の循環に陥ってしまうこともあります。逆に、低過ぎる価格で提案された場合、早く売れる一方で手残り金額(住宅ローンの残債や売却の諸費用を差し引いた金額)が少なくなってしまい、損をしてしまいます。こうしたことを防ぐには、同じエリアの似た物件がいくらで売り出されているかを調べて相場感を持っておくことが大切です。

三井のリハウスでは、マンションの相場価格や購入検討者情報を地域ごとに調べられるサービスをご用意しています。間取りや築年数ごとにも見ることができるので、ぜひ下記からご自身のエリアを選択してみてください。

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・首都圏
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・関西
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・中部
愛知県岐阜県三重県
・他のエリア
北海道宮城県広島県岡山県福岡県

査定だけ依頼してもよいですか?

マンションの査定だけ依頼することも可能です。実際に私どもでも、お客さまからの依頼で査定だけ行って、仲介契約は別の会社と交わされるというケースもあります。経験上、2~3社に査定依頼をし、各社の提案を聞いたうえで仲介会社を選ぶ方が多い印象です。

監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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