家の売却でやってはいけないこと14選!よくある失敗や注意点と併せて解説

家の売却を成功させるには、やってはいけないことがいろいろあります。不動産会社とスムーズに連携を取るためにも、これらを事前に知っておくことが重要です。この記事では、家を売る際にやってはいけないことを売却前、売却中、売却後に分けてそれぞれ解説します。

目次
  1. 家の売却でやってはいけないこととは?
  2. 家の売却前にやってはいけないこと
  3. 家の売却活動中にやってはいけないこと
  4. 家の売買契約時にやってはいけないこと
  5. 家の売却後にやってはいけないこと
  6. 家の売却前にやってはいけないことを押さえておこう
記事カテゴリ 売却 マンション 一戸建て
2023.12.01

家の売却でやってはいけないこととは?

一戸建てやマンションの売却を成功させるために、やってはいけないことがあることをご存じですか?たとえば、「費用や税金を把握していなかった」「住宅ローンの返済状況を把握できていなかった」などはその一例ですが、やってはいけないことを把握していないと、売り出し価格を下げることになったり、購入者とのトラブルに発展したりするリスクが高まってしまいます。

そこでこの記事では、売却前・売却活動中・契約時・売却という流れに沿って、それぞれの段階でやってはいけないことをご紹介します。「知らなかった!」を解消して、スムーズな売却を成功させましょう。

売却する家のイメージ

家の売却前にやってはいけないこと

まずは、売却前にやってはいけない7つのことを以下でご紹介します。

・売却相場を調べない
・仲介と買取の違いを理解していない
・自分に適した媒介契約を選んでいない
・住宅ローンの残債を確認しない
・住宅ローン借入中の金融機関に連絡しない
・大規模なリフォームをする
・売却計画を立てずに売り出す

売却相場を調べない

不動産会社に査定を依頼する前に売却相場を調べましょう。不動産会社に算出してもらった査定額(査定価格)が妥当かを判断したり、適切な売り出し価格を決めたりする際に、売却相場の情報が役立ちます。売却相場を知らないと、その不動産会社が提示した査定額が高いのか、低いのか見極められません。そのため、相場を自分でも事前に調べ、不動産会社の査定額を見極める判断材料にしましょう。

●不動産の売却相場についてはこちら
不動産の相場価格はどれくらい?自分で相場を調べる方法を分かりやすく解説!

家と資料と虫眼鏡

仲介と買取の違いを理解していない

家の売却方法には、主に仲介と買取の2種類があります。仲介とは、不動産会社に買主を探してもらう方法で、買取は不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。仲介は買取と比べると、希望価格で売れやすい傾向にあり、一方で買取は、仲介よりも短期間で売却できますが、成約価格(売買が成立したときの価格)が低くなりやすい注意点があります。それぞれメリットと注意点があるため、違いを理解して、自分にはどちらが適しているかを検討しましょう。

●仲介と買取の詳しい違いについてはこちら
不動産買取とは?仲介との違いや基礎知識をメリット・注意点と併せて解説!

自分に適した媒介契約を選んでいない

不動産売却の際は、媒介契約についての知識も必要になります。媒介契約とは、不動産会社に売却活動や売買契約の仲介をしてもらうときに結ぶ契約のことです。媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。

一般媒介契約は複数の不動産会社に売却依頼ができますが、専任媒介契約や専属専任媒介契約は、1社のみとしか契約ができないという違いがあります。ほかにもそれぞれ違った特徴やメリットがあるので、それらを理解したうえで自分や売却する家の条件に合った契約を選ぶようにしましょう。

●媒介契約に関する記事はこちら
媒介とは?仲介や一般媒介などの違いを一挙解説!

専属媒介契約の紙と印鑑

住宅ローンの残債を確認しない

不動産の売却には、基本的に住宅ローンの完済が必須です。売却代金や自己資金でローンを完済できないと、売却もできないため、まずは査定を依頼し、推定売却価格とローンの残債を比べて、売却後に完済が可能か事前に確認しておきましょう。その際、仲介手数料や税金といった売却にかかる諸費用も考慮することが必要です。

●仲介手数料やそのほかの売却費用に関する記事はこちら
不動産売却の仲介手数料はいくら?そのほかの売却費用を抑える方法についても解説

住宅ローン借入中の金融機関に連絡しない

家の売却を行うには、住宅ローンを完済し、抵当権を抹消する必要があります。抵当権とは、住宅ローンを組む際に、金融機関等の債権者が、債務者の購入する不動産を担保にすることで返済が滞った場合に優先的な弁済を受けられる権利のことです。抵当権抹消には、債権者側である金融機関の手続きも必要になります。抵当権が抹消されているかどうかは、登記簿に記載されており、登記簿は法務局の窓口やオンラインで請求することが可能です。

●抵当権抹消手続きを自分で行う方法に関する記事はこちら
抵当権抹消手続きを自分で行う方法を4つのステップで解説!

大規模なリフォームをする

築年数が経過した古い家だと、「リフォームしたほうが売れるのではないか?」と悩む方もいます。しかし、大規模なリフォームを即決で行うことはおすすめできません。リフォームを行っても築年数は変わらないので、売り出し価格にリフォーム費用を上乗せできるとは限らないためです。

また、購入検討者のなかには「古い家を安く購入して、自分好みにリフォームしたい」と考えている人もいるので、リフォームを行うことでかえって売却のチャンスを減らしてしまうリスクもあります。ただし、故障や劣化部分の修繕なら有利に働く場合もあるので、リフォームを行うかどうかはまず不動産会社に相談してみましょう。

売却する家をリフォームする様子

売却計画を立てずに売り出す

住宅ローンの返済期限や転勤・引越しといった都合上、売却期限が決まっている場合は、事前にスケジュールを立ててから売却活動をスタートさせましょう。スケジュールに余裕がない状態で売り出すと、期限がすぐ迫ってきて売り出し価格を下げざるを得ないことになりがちです。仲介で売却する場合は、期間は3~6か月程かかると想定し、余裕を持って計画的に動くことが大切です。不動産売却を決めたら、なるべく早めに不動産会社に相談しましょう。

また不動産売却時には、間取り図や固定資産税・都市計画税の納税通知書などさまざまな書類を用意する必要があります。取り寄せに時間がかかるものもあるため、スケジュールと一緒に必要書類も確認しておくのがおすすめです。

●不動産売却に必要な書類についてはこちら
不動産の売却に必要な書類は?種類と取得方法をご紹介!

家の売却活動中にやってはいけないこと

売却活動中にやってはいけないことは以下の2つです。

・売主にとって不利な情報を故意に伝えない
・内覧準備を怠る

以下で、1つずつ見ていきましょう。

家の売却の看板

売主にとって不利な情報を故意に伝えない

早く売りたい・高く売りたいといっても、購入検討者に対して家の瑕疵(欠陥や不具合)を隠すことはやめておきましょう。売買契約書に載っていない瑕疵が契約締結後に発覚した場合、売主が責任を負う必要があり、この責任を契約不適合責任といいます。契約不適合責任に対して、売主は損害賠償や契約解除を請求されることもあるので注意が必要です。明らかな瑕疵や不安な点がある場合は、不動産会社に包み隠さず伝えるようにしましょう。

内覧準備を怠る

購入検討者によい印象を与えるため、内覧前に掃除・片付けを済ませておきましょう。内覧は、購入検討者が実際に物件を見る大事な機会です。家の中が汚れて雑然としていると、購入意欲が下がってしまったり、値下げ交渉につながったりすることもあります。また、収納スペースを見たいという人もいるため、クローゼットや押し入れなども整頓しておくと安心ですね。時間や手間をかけられないという場合は、ハウスクリーニングを依頼するのもおすすめです。

●ハウスクリーニングをご希望の方はこちら

家の売買契約時にやってはいけないこと

続いて、売買契約時にやってはいけないことを3つご紹介します。

・契約書の内容をよく確認しない
・値段・条件交渉に応じない
・不動産会社に任せきりにする

家と資料と不動産会社

契約書の内容をよく確認しない

売買契約時には、不動産会社から売買契約書の重要な内容が説明されます。署名・捺印した後は契約内容の変更はできません。法律や条件などの難しい内容があったり、不安に思う点があったりする場合には、必ず署名する前に不動産会社の担当者に質問や相談をしましょう。

値段・条件交渉に応じない

不動産売却の際に、購入希望者から値段・条件交渉をされることがあります。交渉に全く応じない姿勢でいると、契約成立に結びつきにくくなってしまいます。妥協できる点とできない点、どこまでなら値段を下げられるかをあらかじめ決めておき、柔軟な姿勢で交渉に対応するとよいでしょう。

不動産会社に任せきりにする

家の売却は、信頼できる不動産会社に仲介を依頼することでサポートを得られますが、任せきりにするのは避けましょう。もし売却活動がうまくいかないときは、原因を確かめ、条件や売り出し価格の調整を判断する必要があります。そのため、担当者とは定期的に連絡を取って状況を聞くことが重要です。売却成功のために、不動産会社と一緒に進めていく姿勢を忘れないようにしましょう。

家と不動産会社

家の売却後にやってはいけないこと

最後に、家の売却後にやってはいけないことを以下で2つご紹介します。

・確定申告を忘れる
・片付けを引渡し当日までに終えない

確定申告を忘れる

不動産を売却し、譲渡所得が発生した場合、確定申告が必要です。確定申告は毎年2月16日~3月15日の間に行われます。確定申告を怠ると、延滞税や無申告加算税といったペナルティが発生するため、売却が完了した後は、譲渡所得の計算を行って確定申告の準備をし、上記の期間に必ず申告するようにしましょう。

●譲渡所得について詳しくはこちら
長期譲渡所得とは?短期譲渡所得との違いや計算方法、税金を抑える方法について解説

片付けを引渡し当日までに終えない

引渡し期日も契約時の1つの条件です。引渡し時は、いらない家具や家電の処分は済ませている状態にして、退去しなくてはいけません。売買契約完了後は、計画的に片付けや引越しの準備を行いましょう。

確定申告書と印鑑

家の売却前にやってはいけないことを押さえておこう

家の売却でやってはいけないことをご紹介しました。売却を成功させるためには、今回挙げた事例を事前に押さえておくことがおすすめです。こちらの記事を参考にして、計画的に不動産売却を進めましょう。

売却を検討中の方は、まずは査定を受けることがおすすめです。三井のリハウスでは、100万件を超える取引事例を活用した無料査定を行っています。その後の売却もサポートいたしますので、お気軽にお申し込みください。

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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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