マンション買取は得?詳しい売却方法を解説!

マンション買取は、リフォームを行うことで、物件に付加価値をつけて再度販売を行う不動産会社(買取業者)に買い取ってもらう売却方法です。一般の方に売却する場合と、不動産会社に売却するのでは何が違うのでしょうか?マンション買取のメリットや注意点、詳しい売却方法について解説します。

目次
  1. マンション買取は売却方法の1つ
  2. 不動産会社に売却する場合と、一般の方に売却する場合では何が違う?
  3. マンション買取のメリットと注意点
  4. マンション買取の流れ
  5. マンションをスムーズに売却するために
記事カテゴリ 売却 税金 マンション
2023.05.22

マンション買取は売却方法の1つ

中古マンションの売却を検討する際に、どのように売却すればよいか悩んでいませんか?不動産売却をうまく進めるには、自分に合った売却方法を選ぶことが大切です。

マンションの売却は、不動産会社に仲介を依頼して一般の人に向けて売却する方法が一般的ですが、そのほかに「買取」という売却方法もあり、所有する物件の状況や自分の希望条件によっては、買取のほうが適している場合もあります。

そこで今回は、買取の特徴やメリット、一般の方に向けて売却する方法との違いについて詳しく解説します。自分に合った売却方法を選ぶ参考にしてくださいね。

マンションの模型のまわりにコイン

不動産会社に売却する場合と、一般の方に売却する場合では何が違う?

買取とは、どのような売却方法なのでしょうか?その特徴に加えて、不動産会社に売却する場合と、一般の方に売却する場合との違いについて見ていきましょう。

買取とは

一般的にマンション買取とは、売却したい物件を個人の方に売却するのではなく、不動産をリフォームし、物件に付加価値をつけてから再度販売を行う不動産会社に買い取ってもらう売却方法です。この売却方法では、不動産会社に仲介を依頼することで、買取事業を行っている不動産会社とのやり取りをサポートしてもらうことができます。

通常の売却の場合は、売主が仲介を行う不動産会社を通じて一般の方に売却します。しかし買取の場合は、売主が仲介を行う不動産会社を通じて、買取を行う不動産会社に売却します。不動産会社が仲介するという点はどちらも同じですが、不動産会社に売却するほうが一般の方にマンションを売却する場合に比べて売却に要する期間が短いのが特長です。一方、売却価格は市場価格の6~8割程度になる場合があります。

買取には「買取保証」と呼ばれる方法があります。買取保証とは、仲介も買取も行う不動産会社が一定の期間、一般の方に売却する期間を設け、その期間で買主が見つからない場合は自社が買い取るという方法です。

買取保証は、一般の方、不動産会社のどちらにも売却ができる機会があるという特長がありますが、一般の方に対して売却できなくても、自社買取すれば利益が獲得できるため、広告を出すことやお客様に紹介するなど積極的な営業活動をしてもらえない可能性があります。そのため、自社でリフォームを行って再販売している不動産会社の買取保証には注意が必要です。

なお、不動産会社を介さずに、直接買取業を行っている不動産会社に買い取ってもらう方法もありますが、玄人対素人の取引となるため、売主に不利な条件を付けられてしまう場合もあります。そのため、買取を行いたい場合は、プロの不動産会社に仲介を依頼することがおすすめです。

三井のリハウスでは、買取を考えている方に向けて、買取サポートシステムを行っています。三井のリハウスが物件を複数の買取を行う不動産会社にご紹介し、スピーディーかつ確実に売却をサポートさせていただきます。なるべく早く物件を売りたい方や、売却しているのを近隣に知られたくない方など、買取を考えている場合はぜひご相談ください。

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家の模型と向かい合う2人

一般の方にマンションを売却する場合

では、マンション買取を行う不動産会社に売却する場合と、一般の方に売却する場合では何が違うのでしょうか?ここから違いをお伝えします。

売却完了までの期間

一般の方に売却する場合では、不動産会社が主体となって売却活動を行い、買主を探します。そのため、売却が完了するまでにかかる時間は一般的に3か月前後かかることもあります。売却活動に時間を有する分、早めに準備を始めておく必要があります。

成約価格

一般の方に売却する場合は、買取に比べて成約価格が高くなる場合があることが特長です。よい条件での購入希望者が見つかれば、希望する金額での売却が可能です。

マンションの模型とFORSALEの看板

マンション買取のメリットと注意点

買取は、上記で述べた売却までの期間が短いという点以外にも、複数のメリットがあります。また、注意が必要な点もあるので併せてご紹介しましょう。

マンション買取のメリット

買取には、主に次のようなメリットが挙げられます。

短期間で売却できる

買取は、個人に売却するのに比べて成約までにかかる時間も短く済みます。買取価格や引渡しにかかる期間が不動産会社に相談したその日に分かり、売却活動の期間もないためです。

また買取は、購入希望者を募る必要がないため、売却のスケジュールを立てやすい傾向にあります。転勤や進学、あるいは資金繰りなどの都合で、決まった月日までにマンションを売りたい場合には買取が向いているでしょう。

売却までの手間が少ない

買取は、売却までの手間が少ないというメリットもあります。一般の方に向けての売却では、家の印象をよくするためにハウスクリーニングが必要なことがありますが、買取の場合は不動産会社が買取後にリフォームやリノベーションを行うので、リフォームや修繕は不要です。

また、買取の際の内覧はリフォームを前提とした内覧なので、購入希望者による内覧のための清掃や迎え入れも必要ありません。

マンション

築年数が経過していても売却が可能

買取では、築年数が経過している物件や、一般の方に向けての売却で売れ残ってしまうような物件でも取引が可能な場合があります。また、事件や自殺があったいわゆる「事故物件」や嫌悪施設(ごみ処理場、火葬場など)が近い物件などでも受け付けてくれる不動産会社もあります。つまり買取は、物件の処分に困っている人にもおすすめの売却方法といえるでしょう。

●心理的瑕疵に関する記事はこちら
心理的瑕疵とは?基準や告知義務を紹介

売却後のトラブルが少ない

不動産売買において、売却・購入後に問題点に気付くケースがあり、このようなリスクを避けるために売主側に契約不適合責任が設定されます。契約不適合責任とは、売買の際に契約内容に適合しない引渡しを行った場合につき、売主側で負担する責任のことです。

ですが、物件を購入するのが個人ではなく不動産会社である買取の場合は、設備修補責任や、契約不適合責任を免除される契約が多くなっています。だからといって安心せず、売買契約書の内容は事前にきちんと確認しておきましょう。

また、問題の内容によっては、契約不適合以外の何らかの責任を問われる場合もあります。物件に気になる点があれば、売買契約前に必ず伝えるようにしましょう。

人目に付きにくい

初めから買取での売却方法を選んだ場合は、購入希望者を募るために行われる不動産販売サイトへの掲載やチラシ配布などの宣伝活動を行いません。そのため、周囲の人に知られずに物件を売却することができます。身内やご近所に自宅を売却することを知られたくない人にとって、買取は安心できる売却方法でしょう。

解約のリスクが低い

買取では、物件の買主が個人ではなく、不動産会社であるため、解約のリスクが低いといえます。個人の場合、住宅ローンを利用して物件を購入することが多く、「融資利用の特約」という条件が付くのが一般的です。融資利用の特約とは売買契約を結んだ後に住宅ローンの本審査に通らなかった場合に、売買契約を白紙解約できるという制度です。

この制度によって、買主が個人の場合は売買契約が結ばれた後でも、買主が住宅ローンの審査に落ちたときには、解約されてしまうリスクがあります。しかし、買取では買主が不動産会社であるため、融資特約が適用されるリスクは低いといえるでしょう。

マンションの模型とパソコン

マンション買取の注意点

上記のようなメリットに続いて、買取の注意点も見ていきましょう。

売却価格が安い

不動産会社による買取で売却する場合、多くは一般の方へ売却するよりも取引価格が低くなります。一般的に、不動産買取の取引は市場価格の約6〜8割の価格設定です。

買取の取引価格が市場価格より安くなる理由は、再販のためにリフォームや修繕を施すことが多く、これらの費用を差し引いたうえで、買取価格が決められるためです。

住宅ローン残債がないことが条件

マンションの売却を検討する際に、住宅ローンがある場合は完済し、抵当権抹消手続きを済ませておく必要があります。住宅ローンの残債がある物件には、抵当権が設定されているため、金融機関の許可がなくては売却できません。

原則として、抵当権を抹消するには住宅ローンを完済する必要があります。マンションの売却価格が住宅ローンの残債を下回るオーバーローンの状態で、返済が厳しいときは、任意売却という選択肢もあります。任意売却とは、金融機関の了承のもと、所有者の希望条件で一般市場にて不動産を売却することです。

マンション買取の前にローンの残債を確認しておきましょう。

●抵当権抹消手続きについて詳しく知りたい方はこちら
抵当権抹消手続きを自分で行う方法を4つのステップで解説!

●任意売却について詳しくはこちら
任意売却とは?住宅ローンの支払いが厳しくなったら知っておくべき基礎知識を解説

費用が別途かかる場合がある

買取の際に、家庭のごみなどを撤去する際の不用品処分費用がかかる場合があるので、事前に確認しておくとよいでしょう。処分に費用がかかる不用品があると、追加費用の請求をされる場合もあります。不動産会社のなかには、オプションで残置物の処理費用が含まれている場合もあるので、相談してみましょう。

マンションの模型と電卓

マンション買取の流れ

マンション売却において、買取は早く現金化できるとされますが、具体的にはどのようなステップを踏むのでしょうか?ここでおおまかな流れを見ていきましょう。

情報収集

実際にマンションの買取を依頼する前に、似たような条件の物件がいくらで取引されているか、相場を調べてみましょう。国土交通省の「土地総合情報システム」では実際の取引価格を見られるほか、不動産会社の販売情報サイトでも売り出し価格(売主が希望する価格)を把握できます。こうして相場を把握しておくことで、不動産会社が提示する買取価格の信憑性の判断ができますが、あくまでも、売り出し価格であり、成約する価格ではないのでその点は注意して相場を把握しましょう。

●マンションの売却価格の相場について詳しくはこちら
マンション売却価格の相場と高く売るコツ!

買取査定の依頼

おおまかな相場が把握できたら、マンションの買取査定を依頼します。マンションの買取査定には、簡易査定と訪問査定があります。

簡易査定

簡易査定とは、対象となる物件を周辺の類似物件の価格や市況を参考におおまかな売却価格を算出する査定方法です。PCやスマートフォンから必要情報を入力するだけで査定してもらえるので、まとまった時間が取れなくても気軽に査定を受けられることや、通常数日以内に査定結果を知ることができるメリットがあります。

●簡易査定に関する記事はこちら
不動産の簡易査定の方法と費用、高く売るポイントを徹底解説!

訪問査定

訪問査定とは、実際に仲介を行う不動産会社と買取を行う不動産会社が現地に出向き、物件の状態を詳しく見て価格を算出する査定方法です。

査定日時を決める必要があるうえ、結果が出るまでに1週間ほど日数がかかりますが、訪問査定はより精度の高い査定結果を得ることができます。そのため、簡易査定で示された金額のみで不動産会社を即決せず、訪問査定で正確な金額を把握するのがおすすめです。

以上のことから、おおまかな査定結果を知りたい人には簡易査定、マンションを売却することが明確に決まっている人には訪問査定がおすすめの査定方法です。

また、近年では簡易査定や訪問査定のほかに、AIが自動的に査定額を計算する「AI査定」を取り入れる不動産会社が増えています。AI査定は各社が持っている過去の取引データに基づいて行われるので、なるべく取引実績が豊富な不動産会社を選ぶのがおすすめです。

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●マンション査定の注意点に関する記事はこちら
マンション査定の注意点とは?損をしないために知っておきたいこと

人が虫眼鏡と家の模型を持っているようす

売買契約を結ぶ

正式な買取金額が決まったら、譲渡の条件やスケジュールについて打ち合わせをします。買取条件に納得すれば、売買契約を結びます。

契約当日は、重要事項説明書の読み合わせを行い、その後、契約書に署名・捺印、手付金の受領などを行うのが一般的な売買契約の流れです。

また、このタイミングで「手付金」として買取する不動産会社から買取価格の5%程度を受け取ることもあります。残りの買取価格は売買契約の締結後、不動産会社によって振り込まれます。

マンションの引渡し

決済が完了したら、一般的には司法書士の立ち会いのもと、必要書類の処理とマンションの引渡しが行われます。引渡しの前までに、必要書類の準備、引越しなどを済ませておきましょう。

また、引渡しと併せて必要になるのが不動産登記の手続きです。不動産登記は土地や建物の所有者を明確にするために行われます。売主が行う必要があるのは、抵当権抹消登記や、住み替えによる所有者の住所変更登記などです。

抵当権抹消登記とは、住宅ローンの完済後に必要な手続きで、抹消するためには金融機関の合意が必要となります。所有権移転登記は、買主が行うのが一般的ですが、売主は住宅ローンを完済した際に抵当権抹消登記を済ませておきましょう。

●抵当権抹消登記に関する記事はこちら
抵当権抹消手続きを自分で行う方法を4つのステップで解説!

確定申告

マンションの売却後、確定申告が必要な場合があります。マンション売却の際に、譲渡収入金額から取得費や経費を差し引いた額が「譲渡所得」として扱われ、売却益が生まれた場合、課税対象となるためです。

確定申告の際の節税方法として、「居住用財産の3000万円特別控除」を利用すると、かかる税金を抑えることができたり、譲渡損失が出た際も「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が適用されたりします。

居住用財産の3000万円特別控除とは、要件を満たすことで譲渡所得から最高で3000万円が控除される制度です。要件には、マイホームであることや損益通算及び損失の繰越控除の特例の適用を受けていないことなどがあります。

また、譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例とは、不動産を売却した際に発生した譲渡損失を、事業所得や給与所得などほかの所得と相殺できる特例です。この特例にも、マイホームであることや、譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超えているといった適用要件があります。

確定申告をすることにより節税できることがあるため、マンションの売却の際は、まず税務相談をしてみましょう。

●控除の特例に関する記事はこちら
居住用財産3000万円控除|不動産売却時に活用できる控除とは?

●マンション売却の流れについて詳しく知りたい人はこちら

パソコンと電卓

マンションをスムーズに売却するために

マンション買取は、短期間で物件を現金化できることがメリットですが、市場価格に比べて取引価格が下がる恐れがある点に注意が必要です。どうしても早く手放したい、瑕疵があるので市場では価格が付きにくいといった事情がある場合にのみ、おすすめの売却方法といえます。買取と仲介、それぞれにメリットや注意点があるため、所有している物件の特徴や自分に合った売却方法を選ぶようにしましょう。

売却の期間に余裕のある人や、取引価格を重視する人には不動産会社が仲介となり、一般の方から購入希望者を見つける方法での売却がおすすめです。仲介でのマンション売却には、不動産会社のネットワークを利用した宣伝活動をしてもらえることや、希望価格での買い手が見つかりやすいといったメリットがあります。不動産会社がプロの知識と経験で売却をサポートしてくれるので、安心かつスムーズな売却につながるでしょう。

だからこそ、仲介でのマンション売却を検討する際は、パートナーとなる不動産会社選びが最も重要です。よい不動産会社を見極めるポイントの1つは、実績の豊富さにあります。

三井のリハウスは、100万件を超える累積仲介取扱件数で積み重ねてきた経験と知識で、希望条件に沿った売却をサポートします。マンション売却を検討している場合は、三井のリハウスでマンション仲介の相談をしてみるのはいかがでしょうか?

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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
https://www.izumi-ohishi.co.jp/profile.html