分譲マンションを売る人が続出!背景や売却を成功させるためのポイントも解説

近年、分譲マンションを売る人が続出しています。その大きな要因の1つが、マンションの価格が高騰していることです。今回は、マンションを売り出す人が増加しているなか、売却を成功させるためのポイントや注意点なども併せて解説します。

目次
  1. 分譲マンションを売る人が続出中!
  2. 分譲マンションを売る人が続出している理由3つ
  3. 分譲マンションの売却を成功させるポイント
  4. 分譲マンションを売る流れ
  5. 分譲マンションを売る際の注意点
  6. 分譲マンションを売る際は不動産会社選びを慎重に
記事カテゴリ 売却 マンション
2024.01.18

分譲マンションを売る人が続出中!

近年、分譲マンションを売る人が続出しているのはご存知でしょうか?分譲マンションとは、1棟のマンションを1住戸ごとに販売しているマンションのことです。レインズの2023年10月度のマーケットデータ※1によると、首都圏において中古マンションの新規登録件数は、2023年1月から10か月連続で前年同月を上回り、2023年10月では17,036件が登録されています。また、成約件数も5か月連続で前年同月の値を上回りました。

そこで今回は、なぜ分譲マンションを売る人が続出しているのかを解説していきます。また、そのような状況下でマンションの売却を成功させるためのポイントや、売却の流れについてもご紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。

売却中の分譲マンション

分譲マンションを売る人が続出している理由3つ

分譲マンションを売る人が続出している理由は主に以下の3つです。それぞれについて解説していきます。

・価格の高騰
・値上がりする前に購入した物件が売り時である
・在宅勤務の拡大による住宅ニーズの変化

価格の高騰

分譲マンションを売る人が続出している最も大きな要因は、現在マンション価格が高騰し続けていることが挙げられます。国土交通省が公表しているマンションの不動産価格指数※2は、2013年から2023年の10年間で約1.9倍にまで上昇しており、2023年現在がピークとなっています。

不動産価格指数とは、不動産の価格動向を示す指標のことです。下記グラフは、2023年11月に発表された不動産価格指数を示したものです。グラフを見ると、不動産全体の価格指数が上がっており、特にマンションの価格が右肩上がりであることが分かります。

2023年不動産価格指数グラフ

国土交通省より引用※3

実際に、中古分譲マンションの価格も上昇しており、首都圏において成約価格は41か月連続で前年同月の値を上回っています。※1そのため、マンションを売り出す時期として、現在は相場的に適しているといえるでしょう。

●不動産価格が上昇する要因についてはこちら
2023年最新の不動産価格の推移を検証!今後の不動産の動向も解説

値上がりする前に購入した物件が売り時であるため

現在はマンション価格が高騰傾向になる前の2012年頃に購入した物件が売り時となっていることから、マンション売却を検討する人が多くなったと考えられます。また、マンションは、10~15年おきに大規模修繕がなされますが、当初の計画が見直されて修繕積立金が値上がりする場合もあります。修繕積立金は築年数が経過するほど高くなるため、修繕積立金が見直されるタイミングでマンションを売りに出す人も少なくありません。

在宅勤務の拡大による住宅ニーズの変化

現在より広い家に住みたいというニーズが拡大していることも、分譲マンションを売る人が続出している理由の1つです。このようなニーズは、新型コロナウイルスの影響によって、在宅ワークを行ったり、オンライン授業を受けたりする人が増加したことで拡大しました。家にいる時間が長くなったことで、広いリビングや集中できる個室といった住環境に求める質が上がったことが原因だと考えられます。

在宅ワークをする男性

分譲マンションの売却を成功させるポイント

マンションを売りに出す人が続出すると、買主を見つけにくくなるのではないかと不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?ここでは、マンション売却を成功させるためのポイントを解説します。

需要が高い時期に売り出す

2~3月は新生活のスタートに備える人が多いため、不動産の需要が高くなる傾向にあり、ほかの月よりも買い手が見つかりやすい時期です。また、需要が高い時期であるため、比較的高額で売却できる可能性も高いでしょう。

反対に、1月と8月はほかの月よりも売れにくくなる傾向にあります。なぜなら、この時期はお正月やお盆といった休暇が重なっていることで、購入希望者の活動が活発化しないためです。

そのため、2~3月に物件が売り出せるよう計画を立てて売却活動を進めるとよいでしょう。

大規模修繕が終わった直後に売り出す

大規模修繕が終わった直後は比較的買い手が付きやすい傾向にあります。これは、共用部分や外壁が修繕され、買主によい印象を与えられるためです。また、大規模修繕がこの先しばらく行われないことも評価につながります。なぜなら、工事中の騒音や、工事関係者のような住民以外の人の出入り、足場を組むことによる防犯面の心配がないからです。さらに、当分の間、修繕積立金不足による追加負担の心配をしなくてよいのも買い手にとってうれしいポイントでしょう。

大規模修繕をする分譲マンション

似た条件のマンションと同じ時期に売り出さない

売りに出したいと考える分譲マンションの周辺に、似た条件の物件があったり、同じマンション内に売り出されている物件があったりすると、価格競争に巻き込まれやすい傾向にあります。不必要な値下げをせずに売却するためには、周囲の分譲マンションの売り出し状況を確認しておくとよいでしょう。

信頼できる不動産会社と契約を結ぶ

分譲マンションの売却において信頼できる不動産会社に仲介を依頼することは非常に重要です。どの不動産会社に依頼するかによって、物件の宣伝方法や買主の見つかりやすさだけでなく、成約価格や売却活動期間も異なります。そこで、以下のポイントに注意して自分に合った不動産会社を選ぶようにしましょう。

・実績が豊富
・そのエリアでの知見がある
・適切な根拠に基づいた査定額が提示される
・営業担当者の対応が丁寧
・インターネット広告が豊富
・分譲マンション売却における不利な点も教えてくれる

●不動産会社選びのコツについてはこちら
不動産売却はどこがいい?大手不動産会社のメリットや選び方のコツを解説

分譲マンションの売買契約

分譲マンションを売る流れ

分譲マンションを売るおおまかな流れは以下の通りです。マンション売却にかかる期間は一般的に3か月~半年程度です。希望通りの時期に売却できるように逆算しながら準備を進めましょう。

[ 1 ] 事前準備
[ 2 ] 査定
[ 3 ] 媒介契約
[ 4 ] 売却活動
[ 5 ] 売買契約
[ 6 ] 決済・引渡し
[ 7 ] 確定申告

●マンション売却の流れに関する記事はこちら
分譲マンションの売却・手続きの流れや高く売るコツ、かかる費用を解説

分譲マンションを売る際の注意点

最後に、分譲マンションを売却する際の注意点を解説します。ここでご紹介する注意点を押さえておくことで、売買取引をスムーズに行いましょう。

リフォームをむやみに行わない

物件の価値を高めるために、リフォームを考える方もいるでしょう。実はこれが、かえって逆効果になることもあります。なぜなら買主のなかには、購入後、自分好みにマンションをリフォームしたいと考える人もいるからです。そのため、リフォームは独断で行わず、不動産会社に相談して検討するようにしましょう。

リフォームの工具と家の模型

物件の欠点を正直に報告する

購入者と後にトラブルに発展することを防いだり、適切な価格を設定したりするためにも、物件の欠点は査定時に不動産会社へ報告しましょう。たとえば、売主が瑕疵を把握しているにもかかわらず、報告しなかった場合は、購入者から賠償を求められることがあります。瑕疵とは、通常備わっているべき品質や性能を欠いていることで、物件の欠陥を指します。

●瑕疵について詳しくはこちら
心理的瑕疵とは?ほかの瑕疵との違いや売却時の注意点について解説

●家を売るときの注意点について詳しくはこちら
家を売るには?注意点やコツを解説

分譲マンションを売る際は不動産会社選びを慎重に

分譲マンションを売る人が現在続出している背景には、マンション価格の高騰や住宅ニーズの変化などが挙げられます。この記事では、そのような状況下でも売却を成功させるためのポイントや注意点を解説しました。特に不動産会社選びは、成約価格や宣伝効果に大きな影響を与える重要ポイントです。

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※1出典:月例速報 Market Watch サマリーレポート2023年10月度,公益財団法人東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp/
(最終確認:2023年12月25日)

※2出典:不動産価格指数,国土交通省
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000085.html
(最終確認:2023年12月25日)

※3出典:不動産価格指数(令和5年8月・令和5年第2四半期分)を公表~不動産価格指数、住宅は前月比 0.5%上昇、商業用は前期比 0.5%上昇~,国土交通省
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001710111.pdf
(最終確認:2023年12月25日)

監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
https://www.izumi-ohishi.co.jp/profile.html