マンションの売り出し価格とは?成約価格との違いや決め方を解説

マンションの売却にあたり、適正な売り出し価格とはどのようなものかを知りたい方もいるでしょう。この記事では、成約価格との違いや適正な価格かどうかの調べ方、決め方、注意点などを具体的に解説します。

目次
  1. マンションの売り出し価格とは?
  2. マンションの売り出し価格と成約価格の違い
  3. マンションの相場価格や成約価格の調べ方
  4. マンションの売り出し価格の決め方、決めるコツ
  5. マンションの売り出し価格を決めるときの注意点
  6. マンションの売り出し価格は不動産会社に相談しよう
記事カテゴリ 売却 マンション
2024.03.08

マンションの売り出し価格とは?

マンションの売り出し価格とは、マンションを売り出すときに設定する価格のことです。売り出し価格は不動産会社が査定した査定価格(査定額)をもとに売主が設定するのが一般的です。

マンションを売却する際、買主は売り出し価格を参考に内覧を申し込むため、売り出し価格をいくらに設定するかは売却を成功させるための重要なポイントとなります。ただ、売り出し価格と成約価格がどう違うかよく分からない方や、適正な売り出し価格とはどのようなものか、調べ方や決め方を知りたいという方もいるでしょう。

今回は、マンションの売り出し価格と成約価格の違いや相場価格の調べ方、売り出し価格の決め方、注意点を具体的に解説します。まずは、売り出し価格と成約価格の違いから見ていきましょう。

●マンションの売却相場についての詳しい記事はこちら
【2023年最新】マンションの売却相場は?自分で調べる方法や高く売るコツも解説

(売り出し価格が設定されたマンション)

マンションの売り出し価格と成約価格の違い

成約価格(取引価格)とは、実際に契約するときの価格のことです。マンションを売買する際、買主が購入希望額を売主に提示し、売主が合意した金額が成約価格になります。

なお、中古マンションを売買する場合、金額交渉によって、売り出し価格と成約価格の金額に差が生まれることがあります。売り出し価格と成約価格の違いとして、売り出し価格は売主の希望が反映されている価格であるのに対し、成約価格は売主と買主がお互いに合意して取引する価格である点が挙げられます。

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売却価格とは?査定価格、売り出し価格など不動産価格の種類と意味、価格の決め方を解説!

(成約価格が上昇しているマンション)

マンションの相場価格や成約価格の調べ方

マンションの売り出し価格が適正かを判断する方法の1つに、所有する物件に類似する物件の相場価格や過去の成約価格(取引価格)を調べる方法があります。具体的に見ていきましょう。

不動産取引情報検索で調べる

まず、類似する物件の成約価格(取引価格)を調べる方法として、国土交通省が運営している「土地総合情報システム」のサイトがあります。トップページから「不動産取引情報検索」をクリックし、「都道府県」「市区町村」「地区」を選ぶと、実際に不動産の取引を行った人を対象にしたアンケート結果をもとにした取引情報を見ることができます。

REINS Market Informationで調べる

マンションの相場価格は、不動産流通機構が運営している「REINS Market Information(レインズ マーケット インフォメーション)」のサイトでも調べることができます。REINS Market Informationは、実際に取引された価格を「都道府県」「地域」ごとに検索できるデータベースです。「最寄り駅」や「駅からの距離」「専有面積」「間取り」「築年数」といった条件を指定し、所有するマンションの条件に近い物件の取引情報を閲覧することができます。

不動産会社のWEBサイトで調べる

売却を検討する物件周辺の相場は、不動産会社が運営するサイトで調べることもできます。たとえば、三井のリハウスのWEBサイトでは、物件の所在地と物件の種類を選択して、周辺地域の売り出し中物件情報を知ることが可能です。所有するマンションの条件に近い周辺地域の物件情報を調べることで相場の目安を知ることができますよ。

(不動産会社のWEBサイトで相場価格を調べる女性)

マンションの売り出し価格の決め方、決めるコツ

続いて、適正な売り出し価格を設定するための方法や決めるコツをご紹介します。それぞれを具体的に見ていきましょう。

不動産の査定依頼をして、査定価格を把握する

相場に見合った売り出し価格を設定するために、まずは不動産会社にマンションの査定依頼をして、査定価格を把握しましょう。査定価格とは、不動産会社が売却可能と見積もる価格のことです。査定価格は、近隣の類似物件の成約価格をもとに、物件の築年数や方角、間取り、不動産市場での状況などを踏まえて算出され、売主は査定価格をもとに売り出し価格を決めるのが一般的です。

マンションは類似した条件の物件が多く、査定の材料となるデータがそろいやすいことから、一戸建てに比べて比較的安定的な査定結果を得やすいという特徴があります。ただし、不動産会社によっては、契約を取るために査定価格を高く提示する会社もあるので、価格の根拠を聞くことが大切です。査定を依頼するなら、取引実績が豊富で、信頼できる不動産会社をおすすめします。

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●マンションの査定方法について詳しい記事はこちら
マンションを売却する際の見積もりはどうする?査定の種類や注意点を解説

不動産の相場価格を把握する

売り出し価格を決めるとき、「条件に近い物件がどのくらいの価格で取引されているのか」を把握しておきましょう。売り出し価格が相場より高過ぎる場合、売れずに売却期間が長引いてしまう可能性があるためです。マンションをスムーズに売却したい方には、相場価格に準じた売り出し価格を設定することをおすすめします。マンション売却に関する相場価格や取引情報の調べ方は前述しました。ご紹介した情報を参考に、所有する物件の条件に近い物件の相場価格をリサーチしてみてください。

住宅ローンの残債を確認する

住宅ローンを利用している方は、売り出し価格を決める前に、住宅ローンの残債を確認しましょう。住宅ローンを利用している場合、売却代金で住宅ローンの残債を一括返済して抵当権を抹消しないと、マンションを売却することができません。売却代金が住宅ローンの残債額を下回ると、自己資金を充てたり、住み替えローンを利用しなければならなかったりするため、住宅ローンの残債を上回る価格で物件が売却できることが理想です。

ただし、住宅ローンの残債を一括返済する目的で、相場よりも高過ぎる売り出し価格を設定するのはおすすめできません。売り出し価格が適正でないと売却できなくなる可能性が高まってしまうため、残債の確認はあくまでも資金計画の参考にするぐらいの認識でいることが大切です。

最低成約価格を決めておく

売り出し価格を決めるとき、値下げ可能な限界の価格を事前に決めておくとよいでしょう。売却期間が長引くと、焦りが生じて早く売りたいという気持ちが強くなり、必要以上に大幅な値下げをしてしまう場合がありますが、事前にシミュレーションしておけば不要な値下げをしなくて済むかもしれません。特に住宅ローンを利用している方は、ローンの残債や住み替え先の物件の購入に必要な費用など、今後の資金計画に基づいて最低成約価格を決めておきましょう。

売却期間に余裕があるときはチャレンジ価格にトライする

マンションを高く売りたい方で、売却を急いでいない場合は、少し高めのチャレンジ価格で売り出すという方法もあります。チャレンジ価格とは、当初は少し高めの価格で売り始めて、一定の期間に売れなかったら価格を下げていくという売り方をするときに、やや高めに設定する売り出し価格のことです。

ただし、チャレンジ価格では買い手が見つからないことも十分考えられます。売れる可能性が低いケースでチャレンジ価格を設定しても、時間が無駄になってしまうため、不動産会社に相談し、チャレンジ価格での売却にトライするかを判断しましょう。

(マンションの売り出し価格を決めるために査定を依頼)

マンションの売り出し価格を決めるときの注意点

マンションの売り出し価格を決めるときは、チャレンジ価格にトライするときを除いて、高過ぎる価格を売り出し価格に設定しないようにしましょう。なぜなら、高い価格を設定してもマンションが売れなければ、売却期間が長くなり、売却期間が長引けば長引くほど、成約価格が下がっていく傾向があるからです。

高過ぎる価格ではなく、相場価格を把握して、適正な売り出し価格を設定することが結果的に値引きしないで売却するコツであることを押さえておきましょう。

●マンションをスムーズに売るコツについての詳しい記事はこちら
中古マンションの査定で見られるポイントは?流れや不動産売却をスムーズに進めるコツも解説

マンションの売り出し価格は不動産会社に相談しよう

ここまで、マンションの売り出し価格と成約価格の違いや適正な売り出し価格の決め方、注意点をご紹介してきました。高過ぎる売り出し価格を設定すると売却期間が長引いて成約価格が下がる傾向が見られますが、適正な売り出し価格を設定すればあまり値引きすることなく売却できる可能性が高まります。ご紹介した情報を参考にし、売り出し価格は慎重に検討して設定しましょう。

また、査定価格は、売り出し価格を決めるときに重要な情報の1つです。査定を依頼した後、売却の仲介を任せたいと思える不動産会社と媒介契約を結ぶことになりますが、その際は、取引実績が豊富で、査定価格の根拠をきちんと説明してくれる不動産会社を選ぶことをおすすめします。信頼できる不動産会社と媒介契約を結べば、マンション売却についてのさまざまな疑問はもちろん、売り出し価格についても的確なアドバイスがもらえますよ。

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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
https://www.izumi-ohishi.co.jp/profile.html