空き家を手放したいときはどうすればいい?対処の方法や売却のコツを解説

空き家を手放したいものの、適切な手段が分からないという方は多いのではないでしょうか?しかし、そのままにしていると管理や固定資産税などの負担がかかるため、早めの対応がおすすめです。今回は、空き家を上手に手放すコツについて解説します。

目次
  1. 空き家を放置する懸念点
  2. 空き家を手放して処分するとよい理由
  3. 空き家を手放す方法
  4. 空き家を手放したいのに売れない場合はどうする?
  5. 空き家を手放したいなら、まずは不動産査定から
記事カテゴリ 売却 一戸建て 土地
2024.03.28

空き家を放置する懸念点

空き家を手放したいと思いつつ、何もせず放置しているという方は意外に多いのではないでしょうか?しかし、空き家には管理が必要なうえ、固定資産税の負担もかかります。そのため、住む予定のない空き家を所有している場合は、放置せず早めに手放すのがおすすめです。

そこでこの記事では、空き家を処分すべき理由や空き家を手放す方法、空き家が売れない場合の対処法についてご紹介します。

人の住んでいない家屋

空き家を手放して処分するとよい理由

空き家を放置していると、以下のような問題が発生することがあります。

・近隣とのトラブルが発生する恐れがある
・固定資産税がかかる
・建物が傷み資産価値が下がる

近隣とのトラブルが発生する恐れがある

空き家の放置は、近隣トラブルの原因になる恐れがあります。なぜかというと、適切な管理をしていないために庭木が隣の家に侵入してしまったり、瓦や壁が崩れて近隣住宅に被害を与えたりすることがあるためです。さらに、人気がないことからごみの不法投棄や放火、不法侵入といった犯罪のターゲットにされるリスクもあるため、早めの対処が必要です。

固定資産税がかかり続ける

空き家を所有している限り、固定資産税がかかり続けます。固定資産税とは、土地や家屋といった不動産所有者が納付する税金のことです。住宅が建っている土地は、「住宅用地」として固定資産税が最大1/6になる優遇措置が受けられるので、そのままにしておきたいと考える方も多いかもしれません。しかし、近隣住民に被害を及ぼすと判断された空き家は「特定空き家」に指定され、優遇措置を受けられなくなります。そのため、空き家を長期間にわたって放置することは、やはり避けたほうがよいでしょう。

建物が傷み資産価値が下がる

建物の価値は、月日がたつほど経年劣化により資産価値が下がります。さらに、空き家を放置して管理を怠っていると、ますます劣化のリスクが高くなります。人の出入りがないので換気がされず、湿気がたまってカビが生えたり、建材にシロアリが湧いたりするためです。このような状況になってしまう前に、なるべく早く手放すことをおすすめします。

空き家に転がるごみ

空き家を手放す方法

空き家を手放す方法には、以下の4つがあります。

・そのまま仲介で売却する
・古家付き土地として売却する
・更地にして土地を売却する
・買取で売却する

そのまま仲介で売却する

空き家の築年数がそれほど経過しておらず、需要が見込める物件であれば、不動産会社に建物と土地の仲介を依頼して売却するのがおすすめです。仲介での売却は、市場の相場に近い価格で売れるため、多少時間がかかっても高く売りたいという方に適しています。売却の際には、買主を探したり、内覧に対応したりといった販売活動が必要になるため、売却完了までに3か月前後の期間がかかります。

三井のリハウスは、豊富な取引実績と地域密着型の店舗展開で、お客さまの売却をサポートします。仲介での空き家売却を検討している方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

●空き家売却をご検討の方はこちら

空き家と被相続人と業者

古家付き土地として売却する

空き家の築年数がかなり経過していて設備も古くなっており、需要が見込めないと思われる場合は、土地のみの価格で売る「古家付き土地」としての売却を検討してみましょう。古家付き土地の購買層は、古家を自分好みにリノベーションやリフォームしたい人、あるいは土地を購入したい人です。建物の価値はゼロとして空き家を売却することになりますが、売り出し価格が安い分、買い手が付きやすかったり、売主に解体費用がかからなかったりするといったメリットがあります。

●解体費用の目安について詳しい記事はこちら

更地にして土地を売却する

古家付き土地だと買い手が付かない場合、空き家を解体して更地にし、土地を売却するという選択肢もあります。この場合、買い手は解体費用を負担する必要がなくなるため、古家付き土地より売れやすくなるでしょう。

逆に、売主は解体費用を負担しなければなりませんが、場合によっては、土地の価格に解体費用を上乗せして売却できる可能性があります。古家付き土地として売却するか、更地にして売却するかは、物件の状態や立地条件によって異なるため、どちらがよいかは不動産会社に相談して決めましょう。

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住宅街の更地

買取で売却する

上記でご紹介した方法で売却できなかった場合は、買取を検討してみましょう。買取とは、不動産を買取業者に直接買い取ってもらう売却方法です。提示された買取価格に売主が納得できれば即売却が可能なので、空き家をできるだけ早く手放したい方や、現金化を急いでいる方に適しています

ただし、買取での売却は、仲介で売却する場合の約6~8割の価格になってしまうことに注意しましょう。業者側は、買い取った後にリフォームやリノベーションを施して再販することを目的としているので、その分の費用が差し引かれるためです。

上記のような事情があるとはいえ、悪質な買取業者は不当に安い金額を提示してくることもあります。このようなトラブルを防ぐために、まずは仲介での査定を受けてみましょう。仲介で売却するといくらほどで売れるのかを把握しておけば、買取業者が提示する金額が適切かどうかも判断しやすくなります。

空き家を手放したいのに売れない場合はどうする?

仲介や買取でも空き家を売却できなかった場合は、以下のような手段を検討してみましょう。

・空き家バンクを活用する
・相続放棄する
・国に引き取ってもらう

空き家バンクを活用する

空き家バンクとは、所有する空き家を手放したい人と、空き家を探している人をつなげる自治体運営のマッチングサービスです。買い手が見つからず、後ほどご紹介する国での引き取りも難しい場合、格安にはなりますが空き家を手放すことができます。また、売却だけでなく賃貸も可能です。

空き家バンクへの登録は無料で行えるほか、自治体によっては取引は個人間で行うことが可能なため、その場合、仲介手数料が発生しないことがメリットです。また、自治体によっては補助金の支給もあり、建物の改修費用の一部補助、契約が成立した物件の残置物処分費用の補助など、さまざまなものがあります。該当の地域でどのような補助金が出ているか、調べてみるとよいでしょう。

●空き家バンクの総合情報についてはこちら

2階建ての古民家

相続放棄する

相続財産の空き家を手放したい場合は、相続する前であれば、家の相続自体をしない「相続放棄」も手段として考えられます。しかし、相続放棄をする場合は、空き家だけでなく全ての財産における相続権を放棄することになる点には注意が必要です。

また、相続放棄の手続きは相続の発生を知ったときから3か月以内に行わなければなりません。相続放棄の手続きの際には、家庭裁判所へ相続放棄の申述書や戸籍謄本などの必要書類を提出します。

●相続放棄について詳しくはこちら

国に引き取ってもらう

相続した空き家を手放したい場合、要件を満たすことで国に引き取ってもらうこともできます。2023(令和5)年4月27日から、負担金を支払うことで国が土地を引き取ってくれる「相続土地国庫帰属制度」がスタートしました。この制度は、管理されない所有者不明の土地を減らすことを目的としたものです。相続土地国庫帰属制度の利用を検討する方は、土地が所在する都道府県の法務局・地方法務局(本局)に相談することで申請できます。負担金は発生するものの、不要な土地の管理義務から解放されたり、近隣トラブルの対策につながったりするので、メリットは大きいでしょう。

また、この制度はあくまで土地を引き取る制度であるため、利用するには空き家を解体する必要があります。加えて、土地の状態によっては引き取りできない場合もあるため注意が必要です。たとえば、担保権や使用収益権が設定されている土地、土壌汚染されている土地などは申請できません。ほかにもさまざまな要件があるため、法務省のホームページを確認してみましょう。

●相続土地国庫帰属制度の概要やよくある質問についてはこちら

空き家イメージの模型

空き家を手放したいなら、まずは不動産査定から

ここまで、空き家を手放す方法について解説してきました。不要な空き家を所有し続けることは負担が大きいため、ご紹介した方法で売却するか、国や地方自治体の制度を用いて手放すのがおすすめです。空き家の売却を検討する場合、まずは不動産査定を受け、売却のプロである不動産会社に適切な売却方法について相談してみるとよいでしょう。

三井のリハウスでは、無料の不動産査定と売却のご相談を受付中です。空き家についても、物件の状況に合った売却プランをご提案します。空き家の対処にお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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●空き家売却をご検討の方はこちら

監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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