不動産売却は大手に依頼するのがよい?大手・中小の特徴と選択のポイントを解説!

不動産売却を行う際には、仲介をしてくれる会社選びが重要です。不動産会社には大手から中小までさまざまな規模の会社があり、それぞれに特徴があります。今回は、大手企業と中小企業それぞれの特徴と、不動産会社選びのポイントについて解説します。

目次
  1. 不動産売却では仲介会社選びが重要
  2. 大手不動産会社の特徴とは?
  3. 中小不動産会社の特徴とは?
  4. 不動産会社はどう決める?
  5. 不動産会社選びのきっかけは査定から!
記事カテゴリ 売却
2023.01.12

不動産売却では仲介会社選びが重要

専門知識が必要となる土地や家などの不動産売却は、一般的に不動産会社に仲介を依頼して行います。不動産仲介会社は、査定から売り出し価格の設定、宣伝活動、購入希望者への交渉、売買契約、決済など売却までのさまざまな手続きをサポートしてくれます。

つまり、不動産売却を自分の望む形でスムーズに実現させるには、パートナーとなる仲介会社選びが非常に重要になるということです。

不動産仲介会社は大きく、資本金や従業員数の規模により大手企業と中小企業に分かれます。
中小企業庁が定めている定義をもとにすると、不動産会社における大手企業の基準は、以下のいずれかに当てはまる場合となります。

・資本金または出資の総額が5000万円超
・常時使用する従業員の数が100人超

中小企業のなかには、大手企業のフランチャイズ店として活動する会社もあります。フランチャイズ店とは、大手企業の名前やノウハウを借りて、大手企業とは別の会社が経営を行う店舗のことです。そのため、大手企業の社員が運営する直営店とは異なります。

今回は、大手不動産会社と中小不動産会社のそれぞれの特徴を比較しながら、不動産売却時の仲介会社の選択のポイントについて解説します。

パソコンを見て考える女性

大手不動産会社の特徴とは?

大手不動産会社に仲介をしてもらう場合には、以下のような5つの特徴があります。

広告が大々的

大手不動産会社は、資金力が高いため、広告を大々的に打つことが可能です。インターネットの自社サイトや物件ポータルサイトへの掲載、チラシの配布、新聞折込広告など、高い資金力を生かして物件の情報を広く拡散することができます。より多くの人に物件情報が届くことにより、購入希望者が現れる確率が高くなるため、売り手にとっては大きなメリットといえるでしょう。

事例が豊富

大手の仲介会社は、多くの取引実績を持っていることも強みの1つです。多くの実績があるということは、さまざまな顧客、物件に対する取引事例を保有しているということです。事例の豊富さは販売戦略の提案の幅広さにもつながるので、自分の希望や物件の状況にふさわしい提案をしてもらえる可能性が高いでしょう。

店舗数が多い

大手の不動産会社は、店舗数が多く、拠点が全国に広がっている傾向にあります。その分、顧客を多く保有しているため、購入希望者が見つかるチャンスが多いといえます。

アフターフォローがしっかりしている

大手不動産会社に仲介を依頼すると、アフターフォローが手厚い傾向にあります。代表的な1つの例が、物件引渡し後の契約不適合についてのサポートです。

通常、物件売買後に契約内容との違いが見つかったときには、売主は「契約不適合責任」を負わなければいけません。たとえば雨漏りやシロアリ被害が発覚した場合は売主が修繕や駆除を行ったり、大きな問題が発覚すると契約解除が必要になる場合もあります。

しかし大手不動産会社であれば、契約不適合が見つかった場合に、条件の範囲内であれば修繕や駆除にかかる費用をサポートしてくれるサービスが付いている場合があります。このようなフォローサービスが付いていると、売主・買主双方にとって安心材料になるでしょう。

会社によっては、クリーンアップサービスや、建物や土地の検査サービスといったフォロー施策が付与されるケースもあります。

安心感がある

ブランド力と知名度の高さに支えられる安心感があるところも強みといえるでしょう。不動産を売却するのは、人生で大きな決断になります。一方、それは不動産を購入する買い手にとっても同じです。知名度のある不動産会社であれば、安心感から買い手も集まりやすくなるでしょう。

緑豊かな一戸建て

中小不動産会社の特徴とは?

ここからは、中小企業に仲介を依頼した場合に見られる特徴を紹介していきます。

囲い込みのリスクが低い

不動産売却における囲い込みとは、仲介の依頼を受けた物件を、不動産会社が故意にほかの会社へ紹介しないようにする行為を指します。不動産会社からすると、自社内で売買を完結させることにより、売主と買主双方から報酬として仲介手数料を受け取ることができますが、売主からすると、購入希望者を見つけるチャンスが減ってしまうのです。

中小企業の場合は、保有顧客が少ないためにそもそも自社内で売主と買主を見つけることが難しいといえます。実際、囲い込みを行う会社は、大手か中小かだけでは判断できません。また、全ての大手不動産会社が囲い込みを行っているわけではありません。しかし、中小企業の場合は囲い込みができる環境がそろっていない場合が多いことから、囲い込みをされるリスクは比較的低いといえるでしょう。

住宅の確認をする売主と営業担当者

地元の情報に詳しい

中小企業は地域密着型の企業が多いため、そのエリアに関する情報を多く保有している傾向があります。学校やスーパーの位置、人通りの多さなどエリアに関する情報を多く知っていれば、物件のよさとしてアピールできるポイントも幅広くなります。また、その地域に根付いて長期的に営業を行ってきたことにより、独自の人脈があり、売却の助けとなることもあるでしょう。

さらに、柔軟性が高い点も特徴の1つです。中小企業は担当者が同時に抱える案件が少ない傾向にあるため、担当者と頻繁にコミュニケーションが取れて、関係性を構築しやすいといえます。そのため、売主の都合に合わせて柔軟に対応してもらえる可能性が高まります。

これらの特徴は、大手企業であっても、地域に根付いた店舗配置や経営を行っているところであれば同様の特徴が見られるといえるでしょう。

情報の拡散力が弱い

不動産売却を中小の不動産会社に依頼する際には、情報の拡散力が弱い点に注意が必要です。

中小企業は、大手に比べて資金力が少ないため、大手のように物件の宣伝を大々的に行うのは難しいでしょう。また、保有顧客数も少ないため、購入希望者へ物件の情報が届きにくく、売却までに時間がかかってしまうリスクも考えられます。

また、会社としての実績が少ないことで、得意な売却物件の種類が限定されてしまうこともあるでしょう。たとえば、「一戸建ての売却には慣れていてもマンションの売却実績がない」「土地の売却実績はあるが、一戸建てやマンション売却の実績が少ない」などです。不得意な分野の売却活動は、知識や経験が少ないために、スムーズに行うことができない可能性があります。

住宅模型とチェックリストと赤鉛筆

不動産会社はどう決める?

ここまで、大手企業と中小企業の特徴を紹介してきました。それぞれの特徴を把握したうえで、物件の状況に応じた、不動産会社の選択のポイントを解説していきます。

需要の高い物件の場合

需要の高い物件の場合、大手不動産会社に仲介を依頼することで物件情報を広く拡散でき、よりよい条件での売却がしやすくなるでしょう。

都市部の人気エリアや、新興住宅地、または駅に近いなどの理由で人気が高い物件は、地元の人だけでなく、別エリアからの引越しを検討している人からも高い需要が見込めます。大手の資金力を生かした宣伝により、多くの人たちのもとに情報を届け、多くの購入希望者を集めることで、売主の希望に沿った買い手が見つかる可能性が高くなります。

需要が少なく売りにくい物件

郊外にある、築年数がかなり経過しているなど、需要が少なく売りにくいと思われる不動産の場合は、地元に根付いた不動産会社を選ぶとよいでしょう。

地元に根付いた不動産会社であれば、売却が難しい場合でも、地元をよく知るからこそアピールできる物件の魅力を伝えられる可能性が高いです。さらに、土地を求めている地元企業に紹介してくれるといったように、独自の人脈を駆使して買主を見つけてくれる可能性もあります。

●不動産会社の選び方のコツに関する記事はこちら
不動産売却はどこがいい?不動産会社の選び方のコツ

住宅模型と電卓

不動産会社選びのきっかけは査定から!

ここまで大手不動産会社と中小不動産会社の特徴について解説してきましたが、仲介を依頼する際は、大手でも中小でも、信頼感があり、親身になってくれる会社に依頼をしたいですよね。

不動産会社のよしあしを見極めるためには、査定を依頼するのがおすすめです。不動産会社が行う査定は基本的に無料で依頼することができます。また、査定を依頼したからといって必ずしも仲介を依頼しなければいけないわけではありません。

査定を依頼することで、売りたい不動産の売却価格の目安を知ることはもちろん、依頼した不動産会社が信頼できるかどうかを測ることもできます。そのためには、査定の結果が出たら、自分で価格相場を調べながらも担当者に価格の根拠を尋ねるようにしましょう。相場と査定結果との乖離や、担当者の説明の納得度、対応の丁寧さなどを見て信頼できるかどうかを判断するとよいでしょう。

●無料査定はこちらから

握手をする2人と住宅模型

監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
https://www.izumi-ohishi.co.jp/profile.html