不動産・マンション売却前のリフォームは不要?リスクや売却しやすい方法を解説
不動産・マンションを売却する際、売却前のリフォームは、かえって売却しにくくなったり、リフォーム費を回収できなかったりするリスクがあるため、基本的には不要です。今回は、不動産売却を検討している方に向けて、売る前のリフォームのメリットや注意点について解説します。
目次
不動産・マンションを売却する前のリフォームは必要?
不動産・マンション売却を検討している人のなかに、「売却前のリフォームは必要なのか?」「リフォームしておけば物件を高く売れるだろうか?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?中古物件をリフォームして売ることには、メリットがある一方で、リスクもあります。リフォームすることで高く売れるようになる可能性がある反面、思ったような価格で売却できず、リフォーム費用を回収できないといった恐れもあるのです。
今回は、不動産・マンションを売却する前にリフォームすることのメリットや注意点と併せて、売却しやすくするリフォーム以外の方法をご紹介します。まずは、リフォームしてから不動産を売却することのメリットについて見ていきましょう。
リフォームしてから不動産・マンション売却するメリット
不動産・マンション売却の前にリフォームを行うメリットは、主に以下の3つです。
・売れやすくなる
・物件の印象がよくなる
・買い手がスムーズに引越せる
1つずつ詳しく解説していきます。
売れやすくなる
不動産を売却する前にリフォームしておくと、売れやすくなる可能性があります。たとえば築年数が経過した物件の場合、水回りの経年劣化が目立つでしょう。特に、水回りの設備を気にする買い手は多いため、リフォームすることで早く売れやすくなることもあるのです。
物件の印象がよくなる
リフォームされていると、内覧の際に購入検討者がよい印象を持ちやすくなります。壁に穴が開いていたり、床が傷ついていたりすると購入を見送られてしまう恐れがあるため、余程大きな破損や目立つ汚れがある場合は、リフォームを検討してみましょう。
買い手がスムーズに引越せる
リフォームしてから不動産・マンションを売却することで、買い手がスムーズに引越すことが可能です。買い手が物件の修繕を希望している場合、引越し前にリフォームが済んでいなければ買い手自身がリフォームを行うことになります。
物件購入時に買い手がリフォームを行う場合はリフォームローンを組むことが一般的ですが、リフォームローンの金利は、一般的に住宅ローン金利より高く設定されています。その点、リフォーム済みの物件であれば購入後の手間や負担が減るため、リフォームを望んでいるが時間や資金の余裕がない買い手にとって大きなメリットになります。
リフォームしてから不動産・マンション売却する際の注意点
リフォーム済みの物件を売却する際には注意点もあり、主に以下の3つが挙げられます。
・リフォーム費用を回収できない場合がある
・売却までの期間が長くなる
・買い手の好みから外れる
それぞれ見ていきましょう。
リフォーム費用を回収できない場合がある
リフォームにかかった費用は、必ずしも売り出し価格に上乗せして売却できるとは限りません。なぜなら、リフォームのコストが思いのほか多くかかってしまうケースがあったり、売り出し価格を値下げしないと売却できなかったりするためです。
また物件をリフォームしてから売却するには、売却前に一定の費用が必要になります。これは売却が決まっていない状態の売主にとっては、負担が大きいといえるでしょう。
売却までに時間がかかる
リフォームを行ってから売却すると、売却完了までにリフォームの期間を要することになります。リフォームの規模にもよりますが、数週間に及ぶケースもあるため、不動産・マンションをできるだけ早く売却したい方は注意が必要です。
買い手の好みから外れる
中古物件の購入を希望する人のなかには、購入後に自分好みにリフォームしたいと考える人もいます。そのような人にとってリフォーム済みの物件は、自分好みではないうえに、物件価格が高くなるため、購入につながりにくくなる可能性があるのです。
このように不動産・マンション売却前のリフォームは、メリットだけでなく注意点もあります。そのため、行うかどうかは不動産会社に相談し、慎重に検討しましょう。
不動産・マンション売却時にかかるリフォーム費用
不動産やマンションの一室をフルリフォームしたときの相場は、物件の間取りや広さ、築年数によって異なりますが、金額の目安としては一般的に500万~1,000万円程度になります。部分別にリフォームを行う際の相場は以下の通りです。
場所 | リフォーム費用 |
---|---|
キッチン | 50万~150万円 |
洗面所 | 10万~50万円 |
浴室 | 100万~200万円 |
トイレ | 15万~40万円 |
リビング・ダイニング | 50万~500万円 |
和室 | 20万~100万円 |
同じ場所でも、リフォームの内容や範囲によって料金が大きく異なる場合があります。よって、リフォームを検討する際は、リフォームしたい箇所や、見積りを依頼して予算を決めておくことが重要です。計画的に行わないと、リフォームの必要がない箇所までリフォームしてしまったり、予算を大幅にオーバーしたりするリスクがあるため、不動産・マンション売却前にどこをリフォームすればよいのか、不動産会社と相談しましょう。
リフォーム以外の不動産・マンションを売却しやすくする方法3選
ここまで、不動産・マンション売却の前にリフォームを行うメリットや注意点、リフォーム費用について解説してきました。ここからは、不動産・マンションを売却しやすくするために知っておきたいリフォーム以外の方法を、大きく3つご紹介します。
・ハウスクリーニングをする
・内覧での印象をよくする
・インスペクションを受ける
上記の方法は、どれも大規模なリフォームと比較して簡単に行うことができます。1つずつ詳しくご紹介しましょう。
ハウスクリーニングをする
リフォームを行わなくても、ハウスクリーニングを依頼して目立つ汚れをなくしておくことで、物件の印象がよくなることがあります。特に、汚れや生活感の出やすい水回りはきれいにしておくと印象が格段によくなるため、専門業者へ掃除を依頼してみるとよいでしょう。水回りのハウスクリーニングにかかる料金相場は以下の通りです。
場所 | ハウスクリーニング料金 |
---|---|
キッチン | 1万~2万円 |
浴室 | 1万1,000円~1万8,000円 |
トイレ | 6,000円~1万円 |
内覧での印象をよくする
内覧の際に、購入検討者によい印象を与えられるよう工夫してみましょう。たとえば、部屋を整理整頓しておく、玄関の靴を収納する、感じのよい対応を心がけるなど、少しの気遣いで印象が大きく変わることもあります。マンションであれば、内覧前にエントランスや廊下に目立ったごみが落ちていないか確認するといった、共用部分の印象にも気を配るとよいでしょう。
インスペクションを受ける
不動産を売却しやすくするために、インスペクションで物件の状況を確認しておくこともおすすめです。インスペクションとは、住宅に関する専門的な知識を持つ住宅診断士に、物件の劣化や欠陥の状況を調査してもらい、修繕が必要な箇所や、修繕にかかる期間についてアドバイスをもらうことです。問題なしと診断されれば、物件に不具合がないということの証明になるため、売れやすくなる可能性があります。
なお、インスペクションは、引渡し後に買主とのトラブルが発生するのを防ぐことも期待できるため、売主側も、買主側も安心して取引ができます。三井のリハウスでは、建物や住宅設備のチェックとサポートを行っています。詳しくは以下のリンクをご確認ください。
●建物チェック&サポートサービスについてはこちら
●インスペクションに関する記事はこちら
インスペクションとは?不動産売買でのメリットやかかる費用を解説
リフォームに迷ったら不動産会社に相談しよう!
ここまで、不動産・マンション売却前にリフォームを行うことのメリットや注意点などを解説してきました。売却前にリフォームすることで、より高く、スムーズに売却できる可能性がある一方で、リフォーム費用を回収できなかったり、買い手の好みから外れて逆に売れにくくなったりするといったリスクも伴います。
そのため売却前のリフォームを検討する場合は、まず不動産会社に相談してみましょう。三井のリハウスでは、累積取扱件数100万件以上の実績で得た経験や知見を活かし、リフォームが必要かどうかも含め、最適な売却プランをご提案します。まずはお持ちの不動産がいくらで売れるのか、無料査定で確認してみませんか?不動産・マンションの売却やリフォームについてお悩みの方は、ぜひ一度三井のリハウスにご相談ください。
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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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