マンション売却は引渡し前に掃除をしないといけない?ハウスクリーニングの費用も解説

中古マンションを売却する際、「ハウスクリーニングは必要?」「費用は誰が負担するの?」と疑問を持つ方もいるでしょう。今回は、不動産を売る前にクリーニングを実施するメリットや注意点、費用相場について解説します。

目次
  1. マンション売却の引渡し前のハウスクリーニングは任意
  2. マンション売却前にハウスクリーニングを行うメリット
  3. マンション売却の引渡し前にハウスクリーニングをする際の注意点
  4. マンション売却における引渡し前の掃除の費用相場
  5. マンションの売却ならまずは査定
記事カテゴリ 売却 マンション
2023.12.20

マンション売却の引渡し前のハウスクリーニングは任意

マンションの売却を決めた際に、「引渡し前に掃除をしたほうがよいか?」「掃除をする場合、どこまできれいにする必要があるか?」「業者にハウスクリーニングを依頼するべきか?」など、引渡し前の掃除について疑問をお持ちの方もいるでしょう。

結論としては、マンション売却時の引渡し前の掃除は義務付けられていません。仮に、室内の汚れや傷が残っていたとしても、それについて買主が合意していれば、そのままの状態で引渡しても問題はありません。

家の売却前にキッチンのハウスクリーニングをする女性

一方で、売却前には物件の印象をよくしたり、売れやすくしたりするために売主自身である程度の掃除を行っておくことをおすすめします。極端に部屋の汚れが目立つ中古マンションを売却する予定だったり、自分で掃除をする時間がなかったりする場合は、専門の業者にハウスクリーニングを依頼したほうがよいケースもあります。

ただし、売却前の掃除費用は売主の負担になりますので、専門業者に依頼する際は見積もりを取って料金を確認しましょう。ハウスクリーニングにかかる費用の相場については記事の後半で説明します。まずは、マンション売却前に掃除をするメリットと注意点について詳しく見ていきましょう。

●中古マンションの売却に関する記事はこちら
中古マンションの売却を成功させるには?気になる相場や売却の流れも併せて解説!

ハウスクリーニングされた部屋を内覧する購入希望者

マンション売却前にハウスクリーニングを行うメリット

マンションを売却する前に掃除を行うメリットとして、以下の2点が挙げられます。

・購入希望者が見つかりやすくなる可能性がある
・値引き交渉の材料を減らせる可能性がある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

購入希望者が見つかりやすくなる可能性がある

ハウスクリーニングをすることによって、部屋が清潔になり、購入検討者に好印象を与えられるという点から、買い手が見つかりやすくなる可能性があります。マンションの内覧に来る購入検討者にとって、部屋の印象は購入の意思決定に大きくかかわり、よい印象は購買意欲を促進することが期待できます。また、室内をきれいに整えておくことで、売却活動で必要な物件写真や広告の印象もよくなりやすく、そのような点からも買い手が見つかりやすくなる可能性が考えられます。

値引き交渉の材料を減らせる可能性がある

室内の汚れや傷が目立つ場合、それらを考慮して購入希望者から値引き交渉される可能性がありますが、ハウスクリーニングをして汚れなくしておけば、値引き交渉につながる要素やリスクを減らすことができます。また、前述のように、部屋の印象をよくして購入希望者を増やすことができれば、売主は値引きをする必要がなくなり、値引き交渉が起こりにくくなります。

ハウスクリーニング業者が掃除している様子

マンション売却の引渡し前にハウスクリーニングをする際の注意点

マンションを引き渡す前の掃除で注意すべき点として、以下の3点が挙げられます。

・掃除により物件損傷のリスクがある
・費用が発生する
・内覧前に実施する

これらの注意点をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

掃除により物件損傷のリスクがある

ハウスクリーニングを行う際、作業によって物件を傷つける恐れがあることに注意しましょう。たとえば、大きな家具を動かすときにフローリングに傷が付いてしまう、棚を移動させるときに壁紙が剥がれてしまうなど、大掃除をしようとするとき、意図的ではなくても、物件を損傷してしまうリスクがあります。

また、プロのハウスクリーニング業者に依頼する場合、細かい箇所まで徹底的に掃除をすることの影響で、設備が破損したり、目立つ傷跡ができたりする可能性があり、そのようなケースに備えて、専門業者のなかには賠償責任保険に入っている会社があります。業者を選ぶ際に、サービスや費用に加えて、補償についても確認するとよいでしょう。そして、ハウスクリーニングを実施した後には不具合がないかを引渡す前にしっかりと確認してくださいね。

万が一、掃除中に物件が破損してしまった場合、引渡し前に必ず不動産会社と買主に報告しましょう。報告せずに引渡してしまうと、トラブルに発展する恐れがあるためご注意ください。

ハウスクリーニングの費用

費用が発生する

ハウスクリーニングを専門の業者に依頼すると、当然費用がかかります。費用の相場は後ほどご紹介しますが、金額はハウスクリーニングを行う場所や広さ(面積)、掃除のしやすさなどによって異なります。見積もりを依頼するときは、掃除をする対象がどういう状況かを業者に確認してもらい、作業の手間や時間、難易度などをある程度把握してもらってから具体的な料金を提示してもらいましょう

費用を節約するためにできることとして、たとえば、自分で落とせる汚れは事前にきれいにして業者が作業しやすい状態にしたり、複数の箇所をまとめて依頼することで割引があるプランを上手に利用したり、複数の業者の料金プランを比較して依頼したりすることなどが挙げられます。

内覧前に実施する

マンションの売却に伴い掃除を行うなら、内覧前に実施しましょう。なぜなら、不動産会社と媒介契約を結んだ後で内覧の前に行うハウスクリーニングに関しては、かかった費用が譲渡費用として認められやすくなるからです。マンションの売却によって得た利益には税金がかかりますが、譲渡費用には所得にかかる税金の額を小さくする働きがあります。

不動産譲渡費用

マンション売却における引渡し前の掃除の費用相場

それでは、専門業者にハウスクリーニングを依頼する場合、どのくらいかかるのでしょうか?ここでは、おおまかな相場の目安を、室内の場所別に紹介します。

掃除する場所ハウスクリーニングの費用相場
エアコン(基本機能)8,000円~1万5,000円
お風呂場(浴槽)1万1,000円~1万8,000円
キッチン(台所)1万円~2万円
換気扇7,000~1万5,000円
洗面所6,000円~1万円
トイレ6,000円~1万円

キッチンやお風呂場、トイレ、洗面所など水回りと呼ばれる箇所は、日々の暮らしのなかで汚れやすく、きれいな状態を維持し続けることが難しい場所です。水回りは、自分で掃除することもできますが、自分では落としきれない汚れやカビがあるようなときは、時間と手間を節約するために、プロへの依頼を検討しましょう。

上記の費用相場はあくまで目安です。ハウスクリーニングを依頼するときは、依頼する業者に場所や状況を確認してもらってから費用の見積もりを依頼しましょう。実際の料金は、作業に必要な時間や手間、難易度などによって異なります。

また、ハウスクリーニングのサービスには、会社によって、複数の箇所の掃除をまとめたプランやセット割などが用意されている場合もあるため、複数の業者のサービスや価格を比較し、自分と物件の状況にあったものを上手に活用しましょう。

●ハウスクリーニングの料金相場に関する記事はこちら
ハウスクリーニングの目安の料金相場を依頼条件から解説

バスルームのハウスクリーニングを行う専門業者

マンションの売却ならまずは査定

ここまで、マンションの売却が決まった後、引渡し前に行うハウスクリーニングは任意であることや、売却前に掃除をするメリットや注意点、費用の相場についてお伝えしてきました。マンション売却前に室内の清掃をすることは義務ではありませんが、クリーニングをしておくことで、物件の購入希望者が見つかりやすくなったり、値引き交渉のリスクを減らせたりする可能性があります。

三井のリハウスでは、お客さまのご要望に応じてハウスクリーニングのサービスを提供する会社をご紹介しています。さまざまなプランを用意しておりますので、マンション売却に伴いハウスクリーニングを検討されている方は、ぜひ下記リンク先で詳細をご覧ください。

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また、マンション売却を検討する際には、まず不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。不動産会社に仲介してもらうことで、物件のハウスクリーニングが必要かどうかアドバイスをもらうことができますし、何か疑問や不安が生じても経験豊富な担当者に相談しながら、スムーズに売却活動を進めることができます。三井のリハウスでは、AI査定、簡易査定、訪問査定の3つの査定を無料で受け付けておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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●マンション売却をご検討中の方はこちら

監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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