住み替えたいのに、家が売れないときはどうすればいい?不動産売却の失敗を防ぐための対策を知ろう

住み替えの際に「持ち家が売れない」というトラブルは、実は少なくありません。持ち家が思ったように売れないことで無駄な出費が続いたり、新居の購入計画が崩れたりし、住み替え自体を諦めることになってしまう場合もあります。そこでこの記事では、家が売れない理由や売却の失敗を防ぐ対策について解説します。

目次
  1. 住み替えたいのに売れないのはなぜ?
  2. 家が売れないとどうなる?
  3. 売れない失敗が起こる理由は?
  4. スムーズな売却へつなげる対策
  5. 住み替えは不動産会社へ相談を
2023.09.15

住み替えたいのに売れないのはなぜ?

住んでいる家を手放し、新居を購入する「住み替え」(買い替え)。定年退職や家族構成の変化などをきっかけに住み替えを決断されるご家庭も多くあります。しかし、今住んでいる家が売れなければ住み替えを行うことはできません。そのため「もし売れなかったら」という不安から、住み替えに踏み切れない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

家の買い手がなかなか決まりにくい原因には、家の条件や価格、売り出し方などさまざまな理由があります。そこでこの記事では、住み替えで思うように家が売れない原因や、不動産売却をスムーズに進めるための対策について解説します。

家の模型と矢印の積み木

家が売れないとどうなる?

住み替えのために不動産売却する方法には、もとの家を売ってから新居を購入する「売り先行」と、新居を購入してから元の家を売る「買い先行」の2つがあります。家が売れなかった場合どのようなことが起こるのか、2つの売却方法別に見ていきましょう。

●売り先行・買い先行に関する詳しい記事はこちら
住み替えの方法や費用など、戸建て・マンション別に解説

売り先行の場合

売り先行とは、新居を購入する前に今住んでいる家を売却する住み替え方法です。売り先行の場合は、もとの家を売ったお金を新居の購入資金に充てることが可能になり、資金調達がしやすいという特長があります。一方で、もとの家が売れない限り新居を購入できないので、気に入った物件を買い逃してしまう場合があるので注意が必要です。

また、売れるまで売主の売却活動への負担が続くという問題もあります。売り先行は家に住みながらの売却活動になるため、内覧対応のために日程を調整したり、部屋の中をきれいに保ったりしなければなりません。売却活動の期間が長引けば長引くほど、こういった売却活動のための準備の負担が大きくなりストレスに感じる場合もあるでしょう。

家の置物と電卓

買い先行の場合

買い先行とは、新居を購入した後に今住んでいる家を売却する住み替え方法です。売り先行と比べると、先に物件を購入するため気に入った物件を買い逃す可能性が低いという特長があります。

一方で注意しなくてはいけないのが、新居を購入してからもとの家を売る場合、早く売れないと場合によっては家2つ分の費用がかかってしまうという点です。もともと住んでいた家に住宅ローンが残っていると、場合によっては、新居ともとの家の両方の住宅ローンを支払う「ダブルローン」(二重借り入れ)になるほか、固定資産税や都市計画税、さらにマンションなら管理費や修繕積立金も並行して毎月支払い続けなければなりません。なお、住宅ローンは自ら居住する住宅を購入するためのローンゆえ好条件となっており、1世帯1住宅ローンが基本です。住宅ローンの二重借り入れの可否は、各金融機関へご確認ください。

特に老後の住み替えの場合は、売却がスムーズに進まないと経済面や心身にかかる負担は深刻なものになってしまうでしょう。60代・70代以降で住み替えを検討している場合は、上記のような点に注意して売却を進める必要があります。

家の置物を持つ男女

売れない失敗が起こる理由は?

住み替えのために不動産売却をしてみたものの、なかなか家が売れないといった事態は極力避けたいものですよね。そこで、家が売れないという失敗はなぜ起こってしまうのか、その主な理由をご紹介します。

売り出し価格が高過ぎる

家を売りに出したのに内覧の申し込みが少ないという場合は、理由として第一に、売り出し価格が高過ぎるという原因が考えられます。相場に対してあまりにも高い価格設定をしている場合、内覧を検討する前に候補から外されてしまい、購入希望者が現れにくくなるためです。

また、同時期に似たような条件の物件が安く売り出されていた場合も、同じように購入希望者は減ってしまうでしょう。

広告・宣伝活動が足りない

価格設定が妥当であるにもかかわらず内覧の申し込みが少ない場合は、広告・宣伝活動が行き届いていないことが原因として考えられます。不動産売却は一般的に、仲介に入る不動産会社が広告・宣伝活動を行いますが、不動産会社の宣伝力が弱かったり、販売網が狭かったりする場合は成果が出にくくなります。こういった事態を防ぐためにも、売却実績があり、しっかりとサポートを行ってくれる不動産会社を選ぶことが大切です。

また、複数の不動産会社と仲介の契約を結ぶ「一般媒介契約」だと、レインズ(不動産流通機構)への登録が任意であり、進捗報告義務も任意のため、積極的な販売活動をしてもらえないことがあります。一般媒介契約で、内覧の申し込みが少ないと感じる場合は、契約内容を見直してみるのも1つの方法です。

●媒介契約の種類についてはこちら
媒介とは?仲介や一般媒介などの違いを一挙解説!

物件の条件がよくない

内覧の申し込みはあっても購入契約まで結び付かない場合、多くはその物件の条件がよくないことが多いです。具体的には、建物や設備の老朽化が進んでいる、周辺環境や立地に難があるなどが挙げられます。

また一戸建ての場合、建売住宅は売れやすい一方、注文住宅は売れにくいという傾向があります。これは、建売住宅はハウスメーカーが誰でも住みやすい間取りやデザインを考慮して建てたもので価格も手頃であるのに対し、注文住宅はオーナーのこだわりを反映して建てることが多いため、好みが分かれやすく、売り出し価格が高めになりやすいのが理由の1つといえます。

内覧中の風景

スムーズな売却へつなげる対策

家の売却活動はなるべく短いほうが好ましいですね。思うように家が売れないという失敗を防いでスムーズな住み替えを行うためには、売る前・売り出した後それぞれで次のような対策を取るとよいでしょう。

家を売る前の対策

家を売る前にできる事前対策には次のようなものがあります。

精度の高い査定を受ける
査定とは、その家が市場でいくらで売れるかという推定価格を不動産会社が算出することを指します。家の価値を知り、適切な売り出し価格を付けるためには精度の高い査定を受けることが重要です。

より精度の高い査定を受けるためには、できるだけ仲介実績が多い不動産会社を選ぶようにしましょう。そうすることで、実際の売却相場から乖離のない適切な売り出し価格を設定できるので、売り出し価格が高過ぎて買い手が付かない、逆に安く売り過ぎて損してしまうといったリスクを減らせます。適切な査定額を知ることは、資金計画を立てるときの参考にもなるので、住み替えを検討し始めたらまずは不動産査定を受けることから始めてみるとよいでしょう。

査定には、不動産会社の担当者が実際に物件を見て査定する「訪問査定」のほか、物件の基本情報のみを参考に査定を行う「簡易査定(机上査定)」や「AI査定」と呼ばれるものがあります。精度の高い査定を希望する場合には訪問査定は外せませんが、とりあえず査定額を大まかに知っておくということなら簡易査定やAI査定も視野に入れてみるとよいでしょう。

三井のリハウスでも、100万件を超える豊富な取引データに基づく各種査定を行っています。お気軽にお申し込みください。

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住宅を査定する男性

売却タイミングを見極める
売却活動に時間をかけないためには、なるべく売却に適したタイミングに合わせて売り出すことも重要になります。たとえば、季節も不動産売却のタイミングを検討する1つの要素です。一般的に新年度が始まる4月までの1~3月の間は、新生活に向けての住宅の購入需要が高まり、物件が動きやすいといわれています。

また、住んでいる物件の築年数を考慮して売却を検討するのもおすすめです。住宅の価値は、築年数が経過するにつれて減少していきます。そのため、不動産は築浅のうちに売却するほうが高く売れやすい傾向にあります。ただし、取得して5年以内の不動産を売却して得た所得は、短期譲渡所得と見なされ、所得にかかる税率が高くなるので注意が必要です。

ほかに、同じマンション内や近隣で似たような物件が売り出されているときも、可能であれば売却を避けたほうがよいでしょう。物件同士を比較されて売れ残ってしまったり、値下げ競争に巻き込まれてしまったりして、結果的に損をする恐れがあります。家を売却するときは不動産販売サイトを確認し、競合となる物件がないか確認しましょう。

●長期譲渡所得・短期譲渡所得に関する詳しい記事はこちら
長期譲渡所得とは?短期譲渡所得との違いや計算方法、税金を抑える方法について解説

売り出し中の家の模型

家を売り出した後の対策

仲介で家を売却するのにかかる期間は通常3か月程度とされていますが、1年近くたっても売れない場合は、次のような対策を検討してみるとよいでしょう。

売り出し価格を見直す
長く売れない場合は、まず売り出し価格を見直してみましょう。売り出し前に査定を受けている場合、査定額の根拠を不動産会社に改めて確認したうえで、現在の相場価格や、競合物件の売り出し価格を調べてみることをおすすめします。

売り出し価格を下げることに抵抗のある方は多いと思われますが、1年近くたっても売れない・急いで売却したいといった場合には、価格を下げたほうが売れる可能性は高くなるでしょう。

リフォームや修繕を行う
壁紙の張り替えやフローリングの補修など、ハウスクリーニングだけではカバーしきれない損耗についてはリフォームや修繕を行ったほうがよい場合もあります。リフォームや修繕を行うことで外観のイメージが改善され、内覧者からの印象が上がり、結果的に売れやすくなったり、高く売れたりする効果が期待できます。

ただし、大規模なリフォームを行うと、売却価格で回収しきれなくなり損をしてしまう場合があるので注意が必要です。リフォームを行うかどうかは不動産会社に相談して決めるとよいでしょう。

広告内容を見直す
広告に掲載している写真や説明内容をブラッシュアップすると、内覧希望者が増える可能性があります。たとえば、プロに写真を依頼したり、掲載する写真点数や説明の情報量を増やしたりするのも1つの方法です。ほかの物件情報と自分の物件情報を比較し、情報が足りない個所や追加したほうがいい項目がないかを確認してみましょう。

三井のリハウスでは、売却物件をイメージアップするプロの写真撮影のほか、スキャンカメラを使って撮影することで、室内をさまざまな角度からバーチャル体験できる「3Dウォークスルー」画像の作成なども可能です。不動産の売却をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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ご売却物件イメージアップコンテンツ

内覧対応を改善する
内覧後の成約率を上げるためには、内覧のための準備内容も見直してみるのがおすすめです。物件のPRポイントについて不動産会社の担当者と話し合ったり、内覧者からの質問にスムーズに答えられるよう、質問内容をある程度想定しておいたりするとよいでしょう。

また、内覧対応時間を延ばすのも1つの方法です。夜しか時間が取れない・家族でゆっくり見たいといった内覧希望者の都合になるべく柔軟に対応することで内覧率を上げることができるため、できる限り、平日の夜や週末も対応してみることをおすすめします。

内覧をする男女

住み替えは不動産会社へ相談を

住み替えは、もとの家の売却と新居への引越しを同時に行わなければならないので、手間や費用といった労力がかかるものです。そのうえ家が売れないとなると、より大きなストレスになってしまいますよね。

スムーズな住み替えを行うためには、何より信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。信頼のおける不動産会社であれば、売り先行・買い先行のどちらが自分に適しているかといったアドバイスのほか、引越し費用や仲介手数料なども含めた資金計画作りの相談にも乗ってもらうことができます。

三井のリハウスでは、売買取引前から取引後までを全方位的にサポートする「360°サポート」を行っています。360°サポートは、売却前に建物・設備調査を無償で行うほか、引渡し後に万が一契約不適合(売買契約書に記載されていなかった不具合)が発覚しても、一定期間内は修理・交換などの費用を三井のリハウスが負担するなど、売買取引を安全に進めていただけるサービスです。

もちろん不動産査定も無料で行っておりますので、住み替えをご検討の方はぜひお気軽にご相談ください。

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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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