土地価格を計算するには?実勢価格の算定方法や調べ方について解説!

土地価格を知りたい場合は、実際に売買が成立したときの実勢価格や、公示価格、固定資産税評価額、路線価を参考にするとよいでしょう。売却のために土地価格を知りたい方は、不動産会社の査定を受けるのがおすすめです。この記事では土地価格の計算方法について解説します。

目次
  1. 土地価格の計算方法
  2. 公示地価や基準地価を知って土地の価格を算定する
  3. 固定資産税評価額から土地の価格を算定する
  4. 路線価から土地の価格を算定する
  5. 過去の取引価格から土地の価格を算定する
  6. 不動産会社に査定を依頼して土地価格を算出してもらう
  7. 土地の価格を計算し、土地売却に役立てよう!
記事カテゴリ 売却 土地
2023.10.11

土地価格の計算方法

所有する土地を売却したい場合、いくらで売れるのか気になる方は多いのではないでしょうか?実際に土地の売買が成立した市場での価格を実勢価格(時価)といいますが、実勢価格を知ることでその土地がどのくらいの価格になるかを、おおよそ把握することができます。

土地価格を知りたい場面は、売却に限らず、運用や相続などさまざまなケースが考えられます。土地売却が目的なら、最終的には不動産会社への査定依頼をおすすめしますが、自分で目安の実勢価格を算出することも可能です。

実勢価格は、公示価格や固定資産税評価額、路線価を使って求める方法や、不動産会社に査定を依頼するなどいくつかの方法があります。今回は土地価格を知りたい方向けに、土地価格の計算方法をご紹介し、それぞれのメリットや注意点について解説します。

地図とマンション

公示地価や基準地価を知って土地の価格を算定する

まずは公示価格と呼ばれる「公示地価」と「基準地価」を知ることで、土地価格を算出する方法をご紹介します。公示地価とは、国土交通省が毎年公表している1月1日時点の土地価格のことで、全国2万6,000か所の「標準地」を、1地点につき不動産鑑定士2人以上が鑑定し、3月に公表されます。

一方、基準地価は、都道府県が主体となって調査する土地価格のことです。1地点につき不動産鑑定士1人以上が毎年7月1日時点の価格を鑑定し、9月頃に公表されます。

実勢価格は公示地価や基準地価を1.1倍したものが目安とされており、以下の計算方法を使って目安の実勢価格を求めることが可能です。

公示価格(公示地価・基準地価) × 土地面積 × 1.1 = 目安の実勢価格

ただし都市部の実勢価格は変動しやすく、公示地価の1.5~2倍になることがあるため、得られた土地価格はあくまで目安として把握しましょう。

公示地価や基準地価は、国土交通省が出している「標準地・基準地検索システム」で、無料で調べることができます。誰でも簡単に検索できるため、自分の土地がある市町村がどれくらいの地価なのか、確かめてみるとよいでしょう。しかし調べたい土地の周辺に調査地点がない場合や、調査地点の土地と比べたときに形状や立地条件が異なる場合には、ほかの調べ方も試してみましょう。

●公示地価・基準地価について詳しくはこちら
公示価格とは?不動産売却時に知っておくとよい基礎知識と調べ方を解説

●標準地・基準地検索システムはこちら
国土交通省 | 標準地・基準地検索システム

整形地の土地

固定資産税評価額から土地の価格を算定する

固定資産税評価額とは、固定資産税や登録免許税などの税額を算出するための基準となる評価額のことです。固定資産税は、各市区町村(東京都23区の場合は都)が算定した固定資産税評価額をもとに、特例などを加味して課税標準額を算出し、税率をかけることで求められます。評価額は3年に1度見直され、公示価格の70%の水準になるように調整されています。そのため、0.7で割り戻して公示価格を求めると目安の実勢価格が計算できます。計算方法は以下の通りです。

固定資産税評価額 ÷ 0.7 × 1.1 = 目安の実勢価格

固定資産税評価額は「固定資産税納付書」あるいは「課税明細書」に記載されています。これらの書類は、1月1日現在、土地、家屋及び償却資産の所有者として固定資産課税台帳に登録されている人に、毎年4~6月ごろ郵送されます。

住宅街にある開けた角地の土地

路線価から土地の価格を算定する

実勢価格の計算方法として、路線価を用いる方法もあります。路線価とは、路線(道路)に面する土地の1㎡あたりの㎡単価を指し、国税庁が毎年発表しています。路線価といえば、多くの場合、「相続税路線価」のことを指し、相続税や贈与税を算定するために用いられることが一般的です。

路線価は、国税庁のサイトで確認できる「路線価図・評価倍率表」や、一般財団法人資産評価システム研究センターが運営する「全国地価マップ」で調べることが可能です。路線価は公示地価の約80%に定められているという特徴を利用すると、以下の計算方法で目安の実勢価格を求めることができます。

路線価 × 土地面積 ÷ 0.8 × 1.1 = 目安の実勢価格

●路線価図・評価倍率表はこちら
国税庁 | 路線価図・評価倍率表

●全国地価マップはこちら
一般財団法人 資産評価システム研究センター | 全国地価マップ

区画整理された明るい土地

過去の取引価格から土地の価格を算定する

実際に取引が行われた土地価格を調べることで所有する目安の土地価格が分かる場合もあります。

国土交通省の不動産取引価格検索を使えば、過去に行われた全国の不動産取引情報を知ることができます。サイトでは、おおまかな所在地や、最寄駅からの距離、広さなどが公開されているため、まずは所有する土地に近い条件の取引情報を探しましょう。

近い条件の取引が見つかれば、同じく記載されている㎡単価を確認し、所有する土地の広さをかけることで目安の実勢価格が分かります。計算式は以下の通りです。

条件が類似する土地の㎡単価 × 所有する土地の面積 = 目安の実勢価格

●不動産取引価格検索はこちら
国土交通省 | 不動産取引価格情報検索

都市の街並み

不動産会社に査定を依頼して土地価格を算出してもらう

土地売却のために、土地価格を知りたい場合は、不動産会社に査定を依頼するのが最も近道です。不動産会社による査定であれば、上記でご紹介した土地価格の求め方だけでなく、過去の取引や、物件情報などを総合的に考慮し、土地価格を算出してくれます。

また、査定依頼は土地の住所や広さといった基本情報を不動産会社の担当者に伝えるだけで済むため、自分で計算する必要がなく、手間がかからないというメリットがあります。不動産のプロである不動産会社に任せるほうが確実で安心ですね。

土地の査定には簡易査定と訪問査定の2種類があります。それぞれの査定について確認していきましょう。

販売中の土地

簡易査定の場合

簡易査定では、物件情報(所在地、面積、形状など)や類似物件の取引価格、公示価格などをもとに、不動産会社が目安の土地価格を算出します。査定依頼の申し込みはWebやメール、電話で行うことができ、1~3日程度で査定結果を得られます。不動産会社の担当者を自宅に招く必要がないため、気軽な方法といえるでしょう。土地の売却をまだ本格的には考えていないが、査定額を知ってから売却を決めたいという場合にもおすすめです。

訪問査定の場合

訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に現地に出向いて、土地の状態や、周辺環境を調査し、総合的に判断して査定額を算出する方法です。訪問査定は結果が出るまでに時間がかかりますが、精度の高い査定結果を得ることができます。既に土地を売却する意思が固まっている方におすすめの査定方法です。

ただし簡易査定も訪問査定も、査定を受けたからといって売却が必須というわけではありません。売却の検討段階に合わせて簡易査定か訪問査定かを選択し、売却するかどうかを決定しましょう。

●土地の査定について詳しくはこちら
土地の査定方法は?実際の流れから査定額を決めるポイントまでを解説

査定を行う不動産会社の担当者

土地の価格を計算し、土地売却に役立てよう!

ここまで土地の価格を算出するための、さまざまな計算方法をご紹介してきました。どの方法でも土地の価格を算出できますが、それぞれの特徴やメリットを参考に、自分に合った計算方法を選ぶとよいでしょう。先に述べた通り、土地売却をお考えの場合は、最も手軽な不動産会社への査定依頼がおすすめです。

三井のリハウスでは、上記でご紹介した簡易査定、訪問査定をどちらも無料で行っています。これまでに積み上げた多くの実績と知見を生かした高精度の査定と、売却サポートを行っておりますので、売却をご検討の方はお気軽にお問い合わせください。

●無料査定についてはこちら

●無料査定お申込みはこちら

監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
https://www.izumi-ohishi.co.jp/profile.html