不動産査定は高過ぎたら注意?妥当な査定額か見極めるコツも解説

不動産を売却するときはまずは査定を受けるのが一般的です。その際、提示された査定額だけで仲介してもらう不動産会社を選んでしまうのはリスクが伴います。この記事では、高過ぎる査定額の注意点や不動産査定でチェックするポイントなどについて解説します。

目次
  1. 不動産の高過ぎる査定額は信用してよい?
  2. 不動産査定額が高過ぎたり低過ぎたりする理由
  3. 不動産査定が高過ぎた際の注意点
  4. 不動産査定額をチェックする際のポイント
  5. まずは不動産査定を受けて売却を成功させよう!
記事カテゴリ マンション 一戸建て 土地
2024.01.18

不動産の高過ぎる査定額は信用してよい?

不動産を売却する際、誰しもなるべく高く売却したいと思うものです。そのため、不動産会社から提示される査定額(査定価格)が高いというだけで、その不動産会社に仲介を依頼しようとする方も多いのではないでしょうか?しかし、なかには、契約を結んでもらうためにあえて相場より高い査定額を提示する不動産会社もあるため、注意が必要です。

査定額は売り出し価格を決定する際の参考となるため、査定額が適切な価格でないと、その後、不動産を売却する際に支障が出てしまいます。もし相場に合っていない価格で売り出すと、売却が長期化したり、損をしてしまったりする恐れがあるのです。

そこでこの記事では、査定額がそれぞれの会社で異なる理由や、高額な査定額を提示された場合の注意点、査定額を確認するときのポイントなどについて解説します。

住宅模型とお金

不動産査定額が高過ぎたり低過ぎたりする理由

そもそも査定額はどのようにして算出され、なぜ各不動産会社によって査定額にばらつきが生まれるのかについて解説します。まず査定額とは、不動産会社が物件の状態や立地、築年数などの物件情報を踏まえ、過去の取引事例や公示価格、相場といったデータをもとに、3か月以内の売却が可能と推測する価格のことです。

査定額の算出法には取引事例比較法、原価法、収益還元法の3つがあり、査定対象の不動産や、不動産会社によってどの方法を用いるのかは異なります。そしてどれか1つの査定方法だけでなく併用して査定を行っているケースもあり、どの算出法を使っているかによっても査定額は変化するのです。

では、会社によって査定額の金額が大きく異なるのはなぜなのでしょうか?不動産の査定額が大きく異なってしまう要因について解説します。

経験や取扱実績が異なるため

不動産会社によって査定額に大きく差が出る要因として、その不動産会社の経験や取扱実績が影響することが挙げられます。不動産会社が査定額を算出する際には、自社で過去に取引した事例データを用いるのが一般的です。不動産会社によって、物件の種類や、仲介件数、経験の数だけでなく、その用いるデータも異なるため、査定額にずれが発生するのです。すなわち、実績が豊富である不動産会社であれば、査定額の算出に、より多くの取引事例データを用いることができるため、精度の高い査定額を算出できる傾向にあります。

企業戦略による違い

不動産会社によっては、戦略的に査定額を高めに提示する場合もあります。たとえば、売却に期限がない場合、あえて相場より高い価格で売り出してみて様子を見るという売却戦略があります。戦略を立てる場合は、できるだけ高い値段で売りたいのか、早く売却したいのかといった希望条件を整理し、不動産会社に相談することがおすすめです。

さらに、あえて高めに見積もることで、売主との媒介契約へ結び付けようという不動産会社側の企業戦略もあります。しかし、高めに査定額を見積もっていても不動産会社はその査定額で売れる確証を持っていない場合があり、結局査定額を下回る価格で売却する可能性があるため、査定額に違和感がある場合は、その根拠を尋ねることが重要です。

説明をするビジネスパーソン

不動産査定が高過ぎた際の注意点

ここまで不動産会社によって査定額が異なる理由について説明しました。もし、相場より高額な査定額を提示された場合は、どのようなことに注意しなければいけないのでしょうか?高過ぎる査定額を提示されたときに注意したいポイントを解説します。

成約価格との差が生まれやすい

先ほども述べたように、査定額はあくまで不動産会社の売却予想価格であるため、その価格で売れるとは限りません。特に他社と比較して高過ぎる査定額の場合は、相場に合っていない可能性があり、買い手が付きにくくなることがあります。もしそうなった場合は、売り出し価格より値を下げなければ売れず、結果として査定額を下回る価格で成約されることもあるのです。

売却が長期化する可能性がある

不動産を実際に売り出すときに必要な売り出し価格は、売主が査定額を参考にして決定します。そのため、高く見積もられた査定額を参考にして売り出し価格を設定すると、売れ残ってしまい予想以上に売却まで時間がかかるケースがあるのです。もし売却が長期化すると、固定資産税等の税金、マンションであれば管理費、修繕積立金といったランニングコストがかかり続けるため、金銭的な負担が大きくなってしまいます

値下げをしても売れ残る場合もある

高い査定額を参考にして売り出し価格を設定し、なかなか買い手が付かなかった場合、前述の通り売り出し価格を値下げするのが一般的です。しかし、高過ぎる査定額から大幅に値下げしても売れ残ってしまうケースもあります。たとえば、何度も値下げを行うと、「欠陥があるのかな」と、購入検討者からの印象が下がってしまったり、「売り出し価格がもっと下がるのを待とう」という心理が働いたりするケースがあるためです。

住宅模型と腕を組む男性

不動産査定額をチェックする際のポイント

以上で述べた注意点から、最初に設定する売り出し価格は、売却が成功するか否かのカギを握っており、その売り出し価格の参考となる査定額は重要な役割を果たしていることが分かります。そこで、ここからは査定額が適正であるか、チェックする際のポイントについて解説します。

会社の取引事例が豊富か確認する

まずは不動産査定を依頼する不動産会社の取引事例が豊富かどうかを確認してみましょう。取引事例が多いほど、用いるデータも豊富になるため、さまざまな視点から精度の高い査定額の算出が期待できます。

また、不動産会社によってたとえばタワーマンションの仲介実績が豊富、その土地に強いなどといった、取り扱いの多い物件の種別や得意なエリアも異なります。そのため、売却したい不動産の条件に似た物件の取扱件数が多いかどうかを不動産会社に直接確認してみましょう

なお、100万件以上の取引実績を誇る三井のリハウスは、地域密着で展開し、エリアや物件の種別によらず不動産売却のサポートをしております。また、担当者によって偏りが出ないようチームで対応し、高品質なサービスをご提供しておりますので不動産売却をご検討の方はぜひ三井のリハウスをご活用ください。

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相場を把握する

査定額が相場に合った価格かどうか判断するために、自分でも売却相場について調べておきましょう。相場は、国土交通省が運営する不動産の取引価格を閲覧できるサイト「不動産取引価格情報検索」から調べられます。また、国土交通大臣に指定された不動産流通機構が運営する「レインズマーケットインフォメーション」でも、過去の成約事例を確認できます。

●相場の調べ方についてはこちら
不動産の相場価格はどれくらい?自分で相場を調べる方法を分かりやすく解説!

査定の根拠を説明してもらう

どうしてその査定額になったのか、特に査定額が高い場合はその根拠を不動産会社に確認しておきましょう。相場よりも高い査定額だったとしても、これくらいの価格を払ってでも購入したい購入希望者がいるといった根拠があれば安心ですね。

また、査定の判断材料として、築年数や間取り、物件の状態が強く影響しているのか、周辺の環境や、社会情勢を踏まえた結果なのか、過去のどのような事例を参考にしているのかなども説明してもらいましょう。その際に、不動産会社が納得できる説明をしてくれるかをチェックすることで、信頼できる会社かを見極めるとよいです。

不動産模型とビジネスパーソン

まずは不動産査定を受けて売却を成功させよう!

ここまで、不動産会社に高過ぎる査定額を提示された場合の注意点についてご紹介してきました。査定額は高ければ高いほどよいというものではなく、その査定に正当な根拠があるかどうかが大切です。根拠を把握できないまま高額な査定額を信用してしまうと、家の売却が長期化してしまった、査定額を参考にした売り出し価格では売れず、かなり値下げをしてようやく売却ができたといった失敗につながります。そのため、査定額を提示してもらった際には、本当にその価格で売却できる見込みがあるのか不動産会社に納得できる根拠を説明してもらいましょう。

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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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