【2023年最新】マンションの売却相場は?自分で調べる方法や高く売るコツも解説

マンション売却価格の相場を知ることは、物件を高く売るコツでもあります。今回は、マンション売却を検討している方に向けて主要地域のマンション価格の相場や、自分で相場を調べる方法、マンション売却の注意点について解説します。

目次
  1. マンションを売却するなら相場を知ろう
  2. マンション売却の相場は上昇中!
  3. マンションの売却相場を地域別・築年数別に見ると?
  4. マンションの売却相場の調べ方
  5. マンション売却のためにまず行うことは?
  6. マンション売却は相場だけでなく売り時も見極めよう
  7. マンションを相場よりも高く売却するコツと注意点
  8. 相場を把握してマンションの売却を成功させよう
記事カテゴリ 売却 費用 マンション
2023.12.20

マンションを売却するなら相場を知ろう

近年では、働き方やライフスタイルの変化によってマンションの売却や買い替えを考える人が増えてきました。しかし、マンション売却を何度も経験している人は少なく、多くの人にとっては初めてのことかもしれません。そうした場合、「売却がうまくいかなかったらどうしよう…」「不動産会社の話を理解できないかもしれない」といった不安を抱くのはごく自然なことです。

希望する売却期間内でマンションをなるべく高く売却するためには、まずマンションの相場価格を知ることが大切です。マンション相場価格を知ることで、納得のいく売却につながりますよ。

そこで今回は、マンション売却を検討している方に向けて、2023年最新の主要地域の相場動向や相場の調べ方のほか、マンションを高く売るためのコツなどについて徹底解説していきます。

低層階マンション

マンション売却の相場は上昇中!

下記のグラフは、不動産価格指数を表しています。不動産価格指数とは、国土交通省が不動産価格の動向を示すために数値化し、毎月公表しているものです。グラフを見ると、マンションの不動産価格指数は、年々上昇傾向にあることが分かります。このような市況を踏まえると、現在は中古マンションの売り時といえるでしょう。

不動産価格指数グラフ

「不動産価格指数」令和5(2023)年10月31日公表,国土交通省から引用※1

では、実際にマンションはどのくらいの価格で売れるのでしょうか?続いて、主要地域における中古マンションの具体的な売却相場をご紹介します。

木々に囲まれたマンション

マンションの売却相場を地域別・築年数別に見ると?

マンション売却の価格相場を知るには、主要地域の中古マンションのおおまかな成約価格について知っておくとよいでしょう。また、築年数ごとの成約価格についても把握しておくと、売り出し価格を設定する際の目安になりますよ。ここからはそれぞれの相場価格についてご紹介します。

主要地域別の価格

下の表は、公益財団法人である東日本不動産流通機構が2023年11月に発表した、日本全国の主要地域別の中古マンション売却価格相場(2023年10月度分)を示したものです。※2この表からも読み取れるように、地域別では東京が最も成約価格の相場が高く、その後に神奈川、大阪が続いています。平均成約額を平均専有面積で割ると、土地やマンションなどの1平米(㎡)あたりの価格が算出できます。都道府県によって、平米単価が大きく異なることが分かりますね。

地域平均成約額平均専有面積
東京都5,894万円59.55㎡
神奈川県3,897万円67.07㎡
大阪府3,245万円67.53㎡
埼玉県2,938万円69.35㎡
千葉県2,951万円72.90㎡
福岡県2,531万円68.03㎡
愛知県2,314万円72.84㎡

築年数別の価格

下の表は、首都圏におけるマンションの築年数別の売却価格相場(2023年4~6月の平均)を示したものです。※3割合は、築年数5年以下の価格を100としたときの、築年数ごとの価格の変化を表しています。

築年数価格築5年までの価格に対する割合
~築5年6,986万円100%
~築10年6,716万円96%
~築15年6,004万円86%
~築20年5,582万円80%
~築25年5,010万円72%
~築30年3,515万円50%
築30年超2,337万円33%

この表からも分かる通り、中古マンションの築年数別の成約価格は、10年、20年と築年数が古くなるにつれて下がっていき、築30年を超えると一気に下落する傾向があるようです。

築年数別に見ていくと、築5年以内は、築浅物件として扱われるため人気が高く、価格も中古のなかでは最も高く推移しています。

築25年をすぎたら、リフォームやリノベーションをして売り出すほうが効果的な場合があります。しかし、自分で自由にリフォームをしたいと考える買主や、リフォーム代を上乗せされない価格で購入したい買主もいるので、リフォームやリノベーションの必要があるかどうかは、仲介してもらう不動産会社に相談してから決断することをおすすめします。

そのほかにも、1981年5月以前に建築確認を申請している「旧耐震基準」のマンションは、売却額が下がる傾向にあります。不動産売却の際には、築年数も考慮して価格設定するようにしましょう。

●築50年のマンションの売却の可能性に関する記事はこちら
築50年のマンションって大丈夫?いつまで住めるか、売却は可能なのかを詳しく解説

マンションの模型と札束

マンションの売却相場の調べ方

マンションを売却する際には、所有するマンションと条件が近い物件の売却価格を調べると、さらに具体的な価格相場のイメージをつかむことができます。インターネットで手軽に調べられるサービスもあるので、今回はそのなかから3つをご紹介します。

ネットでマンションの相場を検索する夫婦

不動産取引情報検索

国土交通省が運営している「土地総合情報システム」のサイト内で検索できます。このサイトは、実際に不動産の取引を行った人を対象にしたアンケートの結果がデータベース化されたもので、お住まいの地域を絞って物件の取引金額を調べられます。

REINS Market Information(レインズ マーケット インフォメーション)

不動産流通機構が運営している「REINS Market Information」でも不動産相場が調べられます。REINS Market Informationは、不動産会社ではない一般個人も実際に取引された成約価格を検索できるデータベースです。このサイトを活用することで築年数や間取り、駅からの距離など、幅広い条件から自宅マンションに近い物件の相場価格を調べられます。

グラフと電卓とビルの模型

不動産会社サイト

各不動産会社が運営するサイトでも、売却を検討する物件周辺の相場情報を知ることができます。たとえば、三井のリハウスのサイトでは、物件の所在地と物件の種類を選択するだけで、間取りや築年数別の相場を知ることが可能です。

マンション売却のためにまず行うことは?

実際にマンションを売却する際には、何から始めればよいのでしょうか?ここでは、売却のために必要な2つのプロセスについて見ていきましょう。

査定を依頼する

マンションの売却を検討する際は、まず不動産会社へ査定を依頼してみましょう。不動産査定とは、約3か月以内に売却ができそうな推定価格を算出してもらうことをいいます。そして、ここで算出された査定額(査定価格)をもとに、不動産の売り出し価格を決めるのが一般的です。

不動産査定の方法には、以下の3つがあります。

AI査定
AI査定とは、過去の取引データを学習したAIが査定額を算出する査定方法です。特にマンションの場合は、同じマンション内の過去の成約事例から機械的に査定額を算出できるため、AI査定と相性がよいといえます。また、情報を入力するだけで即時に査定結果を得られるのもAI査定のメリットです。

ただし、査定の精度は、後に紹介する簡易査定や訪問査定のほうが高いので「まだ本格的に売却を検討しているわけではないが、物件のおおまかな価値を調べてみたい」という方向けの方法といえるでしょう。

三井のリハウスでも、マンションのAI査定を行っています。おおよその査定額を知りたい方は、ぜひ利用してみてくださいね。

●リハウスAI査定はこちら

簡易査定(机上査定)
簡易査定(机上査定)は、売却したい物件に似た物件の売買データや、公示価格(地価公示法に沿って決定される土地の価格)、現在の市況などに基づいて査定額を導く方法です。

●公示価格に関する詳しい記事はこちら
公示価格とは?調べ方や路線価・実勢価格との違いをわかりやすく解説

簡易査定のメリットは、短期間で手軽に結果が分かる点や、AI査定と違って担当者がさまざまな情報を加味して査定を行っている点です。しかし、簡易査定は実際の不動産を確認して判断するわけではないため、「まだ売却を迷っている」「現状予定はないが、将来の売却に向けた参考にしたい」といった方におすすめの方法といえます。

マンションの模型とグラフ

訪問査定
訪問査定とは、不動産会社の担当者が実際に現地を訪れ、物件の状態や物件にかかわる権利関係などを調べたうえで査定額を導く方法です。

細かい調査をしたうえで査定を行うため、査定結果を得るまでに1週間ほどの時間がかかります。ですがその分、精度が高く、より現実的な査定結果を得られることが訪問査定最大のメリットといえるでしょう。そのため「既に売却の意思が固まっている」「売却時期が決まっている」など、売却を本格的に検討している方におすすめです。

三井のリハウスでは、AI査定、簡易査定、訪問査定の全ての査定を無料で行っています。累計100万件以上の取扱実績を誇る三井のリハウスは、これまでの知見を生かし、安心できる不動産売却をサポートいたします。マンションの売却を検討する際には、お気軽にお問い合わせください。

●無料査定はこちらから

物件の査定をする不動産会社の男性

媒介契約を結ぶ

「不動産を売りたい・貸したい」という売主・貸主と「不動産を買いたい・借りたい」という買主・借主の仲を取り持つことを「媒介」といい、その際に媒介する不動産会社と交わす契約を「媒介契約」といいます。

この媒介契約を結ぶことにより、不動産会社に売却の仲介の依頼が可能です。媒介契約には3つの種類があり、なかには売主が自分で売却先を探せる方法もあります。それぞれの特徴を理解して、状況に合った契約内容を選択しましょう。詳しくは以下の記事をご覧ください。

●媒介契約についてはこちら

ちなみに、マンションは個人で売却することもできます。しかし、より高くスムーズに売るためには、仲介手数料がかかっても不動産会社と媒介契約することが望ましいでしょう。なぜなら、売却のための広告・宣伝や、買主との契約・引渡しの手続きなど、手間が多く難しい売却活動を全面的にサポートしてもらえるからです。

契約する不動産会社を決める際は、マンション売却に強く、仲介実績が多いこと、特に売りたいマンションに近い物件の仲介を豊富に手がけていること、エリアにも強いことを重視するのがおすすめです。

不動産会社の選び方については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

●不動産会社選びに関する記事はこちら
不動産売却はどこがいい?大手不動産会社のメリットや選び方のコツを解説

不動産契約書と印鑑

マンション売却は相場だけでなく売り時も見極めよう

マンション売却の際には、なるべく高い価格でスムーズに売却したいという方が多いと思います。売却を成功させるためには、実はタイミングを見極めることも大切です。先述の通り、現在はマンション価格が上昇傾向にあるので売り時といえます。ほかに、次のような要素も加味して、適切な時期を検討してみましょう。

マンション売却の時期を見極める要素

築年数

マンションを売却するなら築年数が浅いほうが高く、そして早く売れる可能性が高まります。先にご紹介した通り、マンションの価値は築年数に伴って下がるのが一般的です。とりわけ、築20年と築30年では大きな差があり、築30年を超えると一気に下落する傾向が見られます。価格が下がりきってしまう前に、築20年が近付いた時点で一旦売却を検討してみるとよいでしょう。

所有期間

マンションは築年数が浅いほうが高く売れますが、譲渡所得(売却益)にかかる税金に注意が必要です。譲渡所得には所得税・住民税などが課せられますが、その税率は不動産の所有期間によって異なります。具体的には、所有期間が5年以下の場合、5年超と比較して税率は約2倍です。そのため、所有期間が5年に近い場合は、5年を超えるのを待ってから売却するほうが節税につながるといえるでしょう。

ただし、特例を利用できる場合もあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

●不動産の長期譲渡所得に関する詳しい記事はこちら
長期譲渡所得とは?短期譲渡所得との違いや計算方法、税金を抑える方法について解説

季節

転職や転校といった事情がなければ、より買い手が付きやすい時期を選んで販売活動を行うこともおすすめです。一般的にマンションは、1年のなかで春先が最も成約率が高い傾向にあり、これは、転勤や就職、進学といった住み替えや買い替えが多くなる春に向けて、2~3月に需要が高まることが理由です。マンションを売却するタイミングを3月に合わせるためには、11月頃から販売活動を行うとよいでしょう。

競合物件の動き

近所にある条件が似た物件や、同じマンション内の物件など、競合となる物件の動向にも注目しましょう。こうした競合物件の販売が多い時期は、成約につながりにくくなる場合があります。不動産会社の担当者に最新の販売情報を確認しましょう。

桜の咲く春に売り時を迎えたマンション

マンションを相場よりも高く売却するコツと注意点

マンションをより高く売るためには、媒介契約締結後にさらにやっておくとよいことがあります。注意点と併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

マンションの模型とカレンダー

スケジュールに余裕を持つ

高く売るためには、余裕を持ったスケジュールで販売活動を行いましょう。スケジュールに余裕がない状態で販売活動を行うと、売却を焦るあまり、相場より安い値段で契約してしまう恐れがあるためです。

マンションの売却活動は、成約できるまで平均で3か月~半年程度かかります。納得できる売却のためには、思い立ったら早めに査定を受けるのがおすすめです。

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内覧時の印象に気を付ける

購入希望者が内覧する際には、可能な限り室内をきれいにしておきましょう。掃除や整頓を行うことで、物件の印象がアップします。

また、マンションのごみ収集スペースや駐輪場、エレベーターホールなどの共用部分は、住民のマナーや管理組合の状況を把握する基準になります。ご自身の住戸だけでなく、共用部分がきれいかどうかもあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

●内覧の重要性や事前の準備に関する記事はこちら
家が売れない…家を売るための対策や不動産が売れない要因をご紹介

相場を把握してマンションの売却を成功させよう

売却を本格的に検討し始めたら、まず自分でおおまかな相場を把握しておくとよいでしょう。そうすることで、不動産会社に提示してもらった査定額が妥当であるかどうか判断できるだけでなく、適正な売り出し価格を設定しやすくなりますよ。

笑顔で答える不動産会社の営業担当者

また、マンションを高く売却するうえで、「希少性」は欠かせない要素です。眺望のよさや、駅まで濡れずに行ける立地など、ほかのマンションにはない特有のアピールポイントがある場合は、特に売却時期を慎重に検討しましょう。競合物件の少ない時期を見定めて売却することで、高値での売却を実現できる可能性が高まります。

できるだけ高く売ることで、不動産会社への仲介手数料や、売却にかかる費用、税金のカバーもできるようになるため、今回ご紹介した内容を今後の売却活動に生かしてくださいね。

さらに、スムーズに売却を完了するには、売却の流れや必要書類、住宅ローンの手続きなどについて事前に調べておくことが大切です。しっかりと準備をして、マンション売却を成功させましょう!

●マンション売却の詳しい流れはこちら

マンションの売却相場は自分でも調べられますが、前向きに売却を検討する際は、やはり不動産のプロによる査定を受けるのがおすすめです。査定のご依頼は、三井のリハウスまでお気軽にお問い合わせください。査定のほか、売却に関するさまざまなご相談も承ります。

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※1出典:「不動産価格指数(令和5年7月・令和5年第2四半期分)」, 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001706339.pdf
(最終確認:2023年12月1日)

※2出典:「月例速報 Market Watch[全国版]2023(令和5)年10月度」, 公益財団法人東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp/
(最終確認:2023年12月1日)

※3出典:「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2023年4~6月】」, 公益財団法人東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp/
(最終確認:2023年12月1日)

山本直彌

さくら事務所 マンション管理士。マンション管理士、管理業務主任者、マンション維持修繕技術者、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。マンション・ビル管理、不動産仲介、マンション管理コンサルタントなど、不動産の多岐にわたる業務に従事している。
https://www.sakurajimusyo.com/