不動産を売るとき仲介と買取、どっちがおすすめ?メリットや注意点などを解説

不動産を売却する際、「仲介と買取、どっちが自分に適しているの?」と考えている方もいるでしょう。どちらが適した売却方法かは、希望する売却額や期間によって異なります。この記事では、仲介と買取の違いやそれぞれのメリット、注意点について解説します。

目次
  1. 不動産売却の仲介と買取の違い
  2. 不動産仲介のメリットと注意点
  3. 不動産買取のメリットと注意点
  4. 不動産売却では仲介と買取、どっちがおすすめ?
  5. 不動産を高く売りたい人は、まず査定をしよう
2024.02.27

不動産売却の仲介と買取の違い

不動産売却には、不動産会社に一般の個人から買主を探してもらう「仲介」と、不動産買取業者に買い取ってもらう「買取」の2つの売却方法があります。しかし、「仲介と買取の違いがよく分からない」「どっちが自分に合う方法か分からない」という方もいるでしょう。

仲介と買取の主な違いには、「買主」「売却期間」「成約価格」が挙げられます。仲介の場合、買主の多くは一般の個人ですが、買取の主な買主は買取業者といった不動産会社です。また、仲介では売却まで3か月前後かかることが一般的ですが、買取では1か月程度で売却を完了させることが可能です。そして、仲介での成約価格が市場相場価格と同程度であることに対して、買取での成約価格は仲介で売却した場合の約6~8割になります。

仲介と買取でこのように異なるため、仲介と買取のどっちを選ぶかは、自分がどういった売却期間や売却額を希望するかによります。まずは、仲介と買取それぞれのメリットと注意点について詳しく解説しましょう。

不動産を仲介と買取のどっちで売却するかを検討するカップル

不動産仲介のメリットと注意点

不動産会社に売却の仲介を依頼すると、具体的にどのようなメリット・注意点があるのでしょうか?それぞれについて、以下でご紹介します。

メリット

不動産の売却時に仲介を依頼する主なメリットには、以下が挙げられます。

・買取に比べて高く売れる可能性がある
・不動産会社によるサポートを受けながら売却活動ができる

買取に比べて高く売れる可能性がある
仲介のメリットの1つ目は、不動産市場の相場価格またはそれ以上の価格で物件を売却できる可能性があることです。買取は、不動産会社がビジネスとして利益を確保するために成約価格が低くなりますが、仲介では買主である一般の個人が自宅用の物件を購入するケースが多いため、相場に近い価格で売却することができます。

不動産会社によるサポートを受けながら売却活動ができる
仲介では、不動産会社のサポートによって売却活動をスムーズに進められることもメリットの1つです。買取では、自分自身で買い手となる不動産会社を選び、交渉を進めなければならず、注意しないと不利な条件での売却となってしまうこともあります。一方、仲介では不動産会社が買い手を探しながら不動産売却をプロの視点からサポートしてくれるので、不動産売買に関する知識や経験がなくても安心して売却活動ができます。

仲介で不動産会社のサポートを受けながら売却活動をする夫婦

注意点

仲介を依頼するときに売主が知っておくべき主な注意点には、以下が挙げられます。

・買取に比べて売却に時間がかかる
・仲介手数料が発生する

買取に比べて売却に時間がかかる
注意点の1つ目は、買い手探しや買主が住宅ローンを組むための審査など、仲介での売却手続きにはさまざまな工程があるため、売却完了までに買取よりも時間がかかることです。買い手がスムーズに見つからない場合は、さらに売却活動の期間が延長されることもあります。

仲介手数料が発生する
仲介では、売買契約が成立すると、不動産会社の仲介業務に対する報酬として仲介手数料の支払いが発生することにも注意しましょう。仲介手数料の上限は法律で定められており、たとえば、売却価格が400万円を超える場合、「物件価格の3% + 6万円 + 消費税」が上限となります。

不動産を買取で売却している女性

不動産買取のメリットと注意点

次に、不動産を売りたい人が知っておくべき買取のメリットと注意点についてご紹介しましょう。

メリット

買取で家を売ることの主なメリットには、以下が挙げられます。

・売却に時間がかからない
・掃除や修繕をしなくてよい

売却に時間がかからない
買取のメリットの1つ目は、仲介より売却に時間がかからず、短期間で不動産を現金化できることです。買主が不動産会社なので、買取価格に合意できれば即売却できます。最短1週間で売買契約して、1か月で残代金の決済までを完了できるので、至急で現金を必要としている場合に適している方法です。

掃除や修繕をしなくてよい
購入検討者の内覧に備えた掃除や修繕、ハウスクリーニングをしなくてよいことも買取のメリットです。仲介で家を売る場合、内覧に訪れた人への印象をよくするために掃除や修繕などを行うこともありますが、買取で家を売る場合は不動産会社が買い取った後にリフォームして再販することを前提としているため、掃除や修繕をする必要がありません。

買い取りの注意点を示す男性

注意点

不動産買取で売主が気をつけるべき主な注意点には、以下が挙げられます。

・仲介に比べて成約価格が低くなる
・買取業者によってはトラブルが発生することがある

仲介に比べて成約価格が低くなる
買取の最大の注意点は、仲介に比べて成約価格がかなり下がってしまうことです。買取では、不動産会社が買い取った不動産をリフォームして販売するため、成約価格が仲介で売却した場合の6割から8割程度になることにご注意ください。

買取業者によってはトラブルが発生することがある
買取では、一般人がプロの不動産会社を相手に契約をしなければなりません。万が一、悪徳業者に買取を依頼してしまうと、契約トラブルに遭ったり、不当に安い価格で買い叩かれてしまう恐れがあります。このような事態を防ぐために、信頼できる業者かどうかを事前にしっかりと確認しましょう。

買い取りのトラブルで悩む男性

不動産売却では仲介と買取、どっちがおすすめ?

ここまで、不動産売却の方法について仲介と買取を比較しながらご紹介してきましたが、実際のところどちらがよいのでしょうか?結論からいうと、不動産を高く売りたい方には仲介をおすすめします。仲介では仲介手数料がかかる一方、市場相場価格で売れる可能性があり、買取では仲介手数料はかからない一方、売却価格が仲介で売却した場合の6割から8割程度になるためです。

では実際に、仲介でマンションが5,000万円で売れた場合、売却益にどれ程の差が出るのかを、計算してみましょう。

5,000万円の物件価格(成約価格)から仲介手数料を引いた場合

仲介手数料は、宅建業法(宅地建物取引業法)という法律で上限額が定められており、売却額が400万を超える場合、「物件価格(税抜) × 3% + 6万円 + 消費税」が上限額となります。

物件価格が5,000万円として計算すると、仲介手数料の上限は「156万円 + 消費税(10%) = 171万6,000円」になり、さらに物件価格の5,000万円から仲介手数料の171万6,000円を差し引くと「4,828万4,000円」が残ることになります。

●仲介手数料と消費税についてはこちら
不動産売買の仲介手数料は消費税がかかる?計算方法や費用を抑えるコツなどを解説

5,000万円の物件を買取で売却する場合の相場(目安)

前述のように、買取価格の相場は市場相場価格の6割から8割程度です。物件価格が5,000万円として計算すると、6割だと「3,000万円」、8割だと「4,000万円」となり、先ほど算出した仲介の場合の4,828万4,000円と比べると、かなり低い金額となることが分かります。

上記のように、仲介と買取では売却益が大きく異なる場合があります。どちらの方法がよいか検討する際、査定額を算出することで、それぞれの成約価格の目安を把握することができますので、参考にしてみましょう。

仲介と買取の売却益を比較する天秤

不動産を高く売りたい人は、まず査定をしよう

ここまで仲介と買取それぞれのメリットと注意点をご紹介してきました。主要なポイントをまとめると以下のようになります。

比較項目仲介買取
向いている人成約価格を重視したい人なるべく早く不動産を売却したい人
メリット成約価格が高い短い期間で売却が可能
注意点売却に一定の期間を要する成約価格が低い

仲介と買取では成約価格が異なるため、まずは仲介で売却する場合の査定額を知り、売却益の見込みを計算して、どちらの売却方法にするか判断することをおすすめします。

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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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