家を売る際の相場はいくら?築年数ごとの相場の違いについても詳しく解説

家の売却を検討する際に、自分の家が一体いくらで売れそうなのかといった相場が気になっている方は多いのではないでしょうか?今回は、一戸建ての売却を検討している方に向けて、築年数ごとに変化する一戸建ての売却相場について詳しく解説していきます。

目次
  1. 一軒家を売る際の相場はいくら?
  2. 一軒家を売る際の相場は築年数ごとに下がる?
  3. 築5年以下の一軒家の売却相場
  4. 築6年~10年の一軒家の売却相場は下落傾向
  5. 築11年~20年の一軒家の売却相場
  6. 築21年~30年の一軒家の売却相場
  7. 築30年以上の一軒家の売却相場はどのエリアも大きく下落
  8. 一軒家を売るのに、相場を知らないとどうなるの?
記事カテゴリ 売却 マンション 一戸建て
2024.01.04

一軒家を売る際の相場はいくら?

家の売却を成功させるためには、正しい相場を把握しておくことは重要なポイントです。自身が相場を把握しておくことで、不動産会社に査定を依頼した際に査定額の妥当性を判断しやすく、スムーズに売り出し価格を設定できるでしょう。

今回は、一軒家の売却を検討しており、自分の家が一体いくらで売れそうか気になる方に向けて、築年数よってどの程度売却相場が左右されるのかについて解説します。一軒家の売却を検討している方はぜひ参考にしてみてくださいね。

売り出し中の一軒家

一軒家を売る際の相場は築年数ごとに下がる?

築年数は家の価値を左右する重要な要素の1つです。基本的には築年数が経過するほど、家の資産価値が下落し、売却相場も下がるケースが多いといえます。以下はその例として、レインズの「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 【2023年4~6月】」をもとに、首都圏における中古一戸建ての築年数別平均成約価格と、各平均面積についてまとめた表です。※1

築年数価格土地面積建物面積
~築5年4,911万円116.7㎡96.4㎡
~築10年4,661万円123.7㎡97.5㎡
~築15年4,690万円122.9㎡101.5㎡
~築20年4,209万円136.4㎡106.5㎡
~築25年3,735万円151.3㎡108.7㎡
~築30年3,501万円149.6㎡116.7㎡
築30年~2,421万円177.5㎡101.6㎡

※1: 「公益財団法人 東日本不動産流通機構 「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 【2023年4~6月】」をもとに、弊社で作成

以上から、築年数に比例して平均成約価格は下がり、築年数が経過すればするほど下落率は大きくなることが分かります。特に、築30年を区切りに成約価格の差が大きくなっていることが分かりますね。築30年を超え、老朽化した木造一軒家の場合、買い手が建物を解体するとなると、解体費用が発生します。こういった場合、土地分の価格から解体費用分を差し引いた価格で取引されることもあるため、成約価格が大きく下がってしまうのです。

下落幅の目安が分かったところで、以下にそれぞれの築年数の相場について、首都圏のエリアごとにご紹介します。

一軒家の模型とリスト

築5年以下の一軒家の売却相場

築5年以下の物件は、一般に築浅と呼ばれます。築浅の物件は、比較的外装や内装、設備などが新しいままで、きれいな状態であることが多いため、買い手としては入居するにあたってのリフォームといった初期費用を抑えることが期待できます。従って人気も高く、それに応じて高い売却価格を期待できるでしょう。

一方で、築浅物件を売却する場合、売主は住宅ローンの残債や税金について注意すべきポイントがあります。

築5年以下の物件であっても、売却する際は原則として住宅ローンの完済が必須です。また、物件のあるエリアの価値が上がり、売却金額が購入金額を上回り、利益(譲渡所得)が出た場合は、その利益に対して以下の税金を支払う必要があります。

・所得税
・復興特別所得税(令和19年まで)
・住民税

これらの税率は、5年を超えて家を保有した場合とそうでない場合で変化します。5年以内に売却する場合、5年を超えてから売却する場合に比べて約2倍の税率が設定されているのです。こういった理由から、今住んでいる築浅の家を売却して住み替えるための資金計画を立てている方は、残債や税金を考慮して計画を練る必要があるでしょう。

綿密な資金計画には、確かな見積もりと高い精度の査定額を知ることが必須といえます。三井のリハウスでは、累積取扱件数100万件以上の実績に基づいた無料査定を行っておりますので、売却を検討しているものの住宅ローンが完済できるか不安のある方は、お気軽にお問い合わせください。

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査定中の一戸建て

築6年~10年の一軒家の売却相場は下落傾向

以下の表は、2023年4~6月首都圏における築5年までと、築6年~10年の一軒家の平均成約価格を示したものです。

エリア~築5年~築10年
東京都6,284万円5,703万円
神奈川県4,548万円4,662万円
埼玉県3,935万円3,503万円
千葉県3,876万円3,709万円

※1: 「公益財団法人 東日本不動産流通機構 「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 【2023年4~6月】」をもとに、弊社で作成

以上から分かるように、築6年~10年の一軒家は、築5年までと比べ全体的に成約価格は減少傾向にあるものの、地域によっては上昇に転じている場合もあり、現在の中古物件の人気がうかがえます。築10年までの物件だと、入居時に大幅なリフォームをする必要もなく、設備が比較的新しいこともセールスポイントです。

本来、住宅を査定する際は原価法という計算方法が用いられます。原価法とは、売却予定の住宅を新たに建築した場合、どのくらいの費用がかかるかを求め、国税庁が定めた法定耐用年数から減価償却を加味して現在の住宅の価値を求める方法です。

木造住宅の法定耐用年数は22年のため、築10年の物件は約半分の価値を失っていることになります。しかし、近年の材料価格・人件費の高騰や、地価の上昇などにより全体的な価値が底上げされているため、計算よりも高い金額で取引されている物件もあるのです。

作業服とチェックリスト

築11年~20年の一軒家の売却相場

2023年4~6月首都圏における築11年~20年の一軒家の平均成約価格は次の通りです。

エリア~築5年~築15年~築20年
東京都6,284万円6,195万円5,807万円
神奈川県4,548万円4,607万円4,166万円
埼玉県3,935万円3,235万円2,788万円
千葉県3,876万円3,215万円2,865万円

※1: 「公益財団法人 東日本不動産流通機構 「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 【2023年4~6月】」をもとに、弊社で作成

この表と先ほどの築年数別の成約価格を示した表から、築15年目あたりを境に緩やかだった成約価格の下げ幅が大きくなることが分かります。理由としては、築10年から築20年あたりにかけて外装や内装、水・ガス回りなどの修繕が必要になる場合が多く、買い手としては修繕費を考慮し購入しなければならないためです。

しかし、2022年度に行われた「不動産流通業に関する消費者動向調査」※2では、5割以上の方が購入時の価格よりも高く築15年超~20年以内の一軒家を売却できたとの結果が出ています。加えて公益財団法人東日本不動産流通機構の調査※3によれば、2022年度に成約した中古一軒家の平均築年数は約21年であるなど、築11年~20年の物件は、まだまだ現役の物件といえそうです。

築10年以上20年未満の一軒家

築21年~30年の一軒家の売却相場

2023年4~6月首都圏における築21年~30年の一軒家の平均成約価格は次の通りです。

エリア~築5年~築25年~築30年
東京都6,284万円4,837万円4,772万円
神奈川県4,548万円3,947万円4,033万円
埼玉県3,935万円2,805万円2,091万円
千葉県3,876万円2,674万円2,118万円

※1: 「公益財団法人 東日本不動産流通機構 「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 【2023年4~6月】」をもとに、弊社で作成

この表から、東京都や神奈川県など地価が特に高い一部の地域を除き、築26年~の成約価格の下落率が大きくなることが分かります。理由としては木造住宅の法定耐用年数が22年である点や、新たに住む場合の修繕費といった初期費用の高さが挙げられるでしょう。

築30年以上の一軒家の売却相場はどのエリアも大きく下落

2023年4~6月首都圏における築30年以上の一軒家の平均成約価格は次の通りです。

エリア~築5年築30年~
東京都6,284万円3,631万円
神奈川県4,548万円3,230万円
埼玉県3,935万円1,401万円
千葉県3,876万円1,469万円

※1: 「公益財団法人 東日本不動産流通機構 「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 【2023年4~6月】」をもとに、弊社で作成

上の表からも分かるように、どのエリアも大きく相場を落とす結果となり、その理由としては以下が挙げられます。

・建物の価値が0に近いため、担保として認めてもらえず住宅ローンの審査が厳しくなる可能性がある
・新耐震基準適合住宅でない可能性がある
・売主の契約不適合責任(瑕疵)が免責になる場合がある

とはいえ、築30年以上の物件が売れないというわけではありません。公益財団法人東日本不動産流通機構の調査によれば、2023年の中古一戸建ての成約件数のうち、約25%が築年数31年以上の物件となっています。※4築年数がたっているからといって売却を諦めず、まずは不動産会社に査定を依頼してみましょう。

家と書類

一軒家を売るのに、相場を知らないとどうなるの?

ここまで、一軒家の売却相場について、築年数や立地の観点などから詳しく見てきました。相場を知らずに売却すると、安く売り過ぎて損をしてしまったり、反対に売り出し価格を高く設定し過ぎて買い手がなかなか見つからなかったりといったリスクがあります。

ほかにも、媒介契約を結ぶためにあえて相場に見合わない高額な査定額を提示する不動産会社もありますが、相場に見合っていないとスムーズに売却することができません。おおよその相場を把握したら信頼できる不動産会社に売却を依頼し、納得のいく取引へと踏み出しましょう。

三井のリハウスでは、累計100万件もの実績に基づいた精度の高い査定を提供しております。一軒家の売却を検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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※1出典:首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 【2023年4~6月】,公益財団法人 東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp
(最終確認:2023年10月20日)

※2出典:不動産流通業に関する消費者動向調査 <第 27 回(2022 年度)> ,一般社団法人 不動産流通経営協会
https://www.frk.or.jp/information/2022shouhisha_doukou.pdf
(最終確認:2023年10月20日)

※3出典:首都圏不動産流通市場の動向(2022年度) ,公益財団法人東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp
(最終確認:2023年10月20日)

※4出典:季報 Market Watch サマリーレポート2023 年 7~9 月期, 公益財団法人東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp
(最終確認:2023年10月20日)

監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
https://www.izumi-ohishi.co.jp/profile.html