
1年以上売れない家に共通する原因5つ!売却しやすくなる対策を解説
売却中の物件がなかなか売れないとお悩みの方は、少なくありません。なかでも、1年以上売れない場合はいくつかの原因が考えられます。この記事では、家が1年以上売れない理由や、買い手を見つける方法について解説します。
目次
1年以上売れない家…どうする?
「家を売りに出したけれど、1年以上買い手が見つからない」と困ったり、不安を感じていたりする方もいらっしゃるのではないでしょうか?
家の売却期間は、売りに出してから3~6か月ほどというのが一般的です。しかし、家の状態や物件を取り巻く環境、売り出し価格といったさまざまな要素によって、長期にわたって買い手が見つからない場合もあります。この記事では、1年以上売れない家の原因と、その対処法について解説します。
1年以上売れない家に共通する原因5つ
1年以上家が売れない原因として、以下の5つが挙げられます。
・劣化、損傷が深刻
・築年数が古い
・立地がよくない
・内覧時の印象がよくない
・相場に比べて売り出し価格が高過ぎる
1年以上売れない家の場合、売主だけでは改善しにくいことが原因になっている可能性もあります。家が売れなくて困っている方は、以下のどのケースに当てはまるのかを確認し、後半で紹介する対策を参考にしてみましょう。
劣化、損傷が深刻
1年以上売れない家の原因の1つとして、建物の劣化、損傷が挙げられます。特に、床のきしみや雨漏り、シロアリの被害など、深刻な劣化や損傷がある場合は注意が必要です。買い手にとって、購入費のほかに修繕費もかかってしまう物件は出費がかさむため、購入につながりにくいと考えられます。
築年数が古い
築年数が経過している場合も、家が1年以上売れない原因の1つになります。いわゆる築古物件の代表的な懸念点は、耐震性の低さです。特に、耐震基準についての法律が改正された1981年より前に建てられた家は、特に耐震補強を施していない場合、買い手から敬遠される可能性が高くなります。
立地がよくない
家から駅やバス停までの距離が遠かったり、家の付近に学校や病院、スーパーやショッピングセンターがなかったりする場合も、買い手が付きにくくなります。住宅金融支援機構が2023年に行った調査では、20代と30代が家を買う動機として「子どもや家族のため」と回答した割合が最も高く※1、子育て世帯にとって、これらの施設が家の近くにあるかどうかは、家を選ぶ際の重要なポイントになるといえるでしょう。
内覧時の印象がよくない
購入検討者が現れてせっかく内覧に至っても、訪問した際の印象が悪ければ、購入の対象から外れてしまうこともあります。たとえば、家の掃除が行き届いていない、家主の対応がよくないなど、買い手のイメージを損ねるようなことが続けば、家が1年以上売れないという状況にもなりかねません。
相場に比べて売り出し価格が高過ぎる
その地域の類似物件の売却相場に比べ、自宅の売り出し価格が高過ぎる場合、1年以上売れない家になってしまうことがあります。中古物件を探している人は、購入費を抑えたいと考えていることが多いため、1年以上買い手が付かない場合は、売り出し価格の値下げを検討してみましょう。
家を売りやすくする方法
1年以上売れない家の原因について解説しましたが、改善することで、売却の可能性を高めることができます。代表的な改善策は、以下の通りです。
・ハウスクリーニングをする
・家や周辺地域の魅力をアピールする
・売り出し価格を見直す
ハウスクリーニングをする
1年以上売れない家を魅力的に見せるには、ハウスクリーニングが有効です。内覧時に家が汚れていたり、整理整頓されていなかったりとマイナス面が目立つ状態では、購入検討者の購入意欲が下がってしまう恐れがあります。汚れがたまりやすいキッチンやトイレ、風呂場などの水回りは、購入検討者が特にチェックする箇所であるため、できるだけきれいにしておきましょう。
家や周辺地域の魅力をアピールする
実際に住んでいるからこそ分かる、自身の家のアピールポイントを事前にまとめておくとよいでしょう。物件に関することだけでなく、ご近所や周辺施設のお役立ち情報なども購入検討者に伝えれば、好印象につながるかもしれません。
物件の魅力となり得る要素は、主に以下の3つが挙げられます。アピールポイントをまとめる際の参考にしましょう。
・日当たりのよさ
・周辺の治安や住環境のよさ
・夜遅くまでやっているスーパーや病院がある
売り出し価格を見直す
周辺の類似物件の価格と比べて、自分の家の売り出し価格が高過ぎる場合は、どうしても買い手が付きにくくなります。自分の設定した売り出し価格が適切かどうかを確認して、場合によっては再設定を検討しましょう。
売却相場の調べ方はいくつかあり、身近な手段としては、自分の家に条件が似ている売り出し中の物件を、不動産会社のホームページで探して価格をチェックする方法があります。そのほか、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営する「レインズ・マーケット・インフォメーション」や、国土交通省が不動産取引価格や地価公示価格などを公開している「不動産情報ライブラリ」を活用してみるのもよいでしょう。
売れない家を放置するとどうなる?
家が売れない場合、売り方に工夫を加えずそのまま放置してしまうと、以下のような問題が起こる恐れもあります。
・維持費がかかり続ける
・不動産価値が下がる
維持費がかかり続ける
家の維持費は、売却が完了するまでかかり続けるため、所有者である売主にとって大きな負担となります。たとえば固定資産税は、売りに出している家に現在居住していなくても、家を資産として所有している限り毎年徴収されるものです。また、庭の草木が伸びて隣家との境界線を超えてしまう場合は、定期的な剪定が必要になり、専門の業者に依頼すれば費用がかかります。
不動産価値が下がる
築年数や耐震性によって大きく左右される建物の価値は、時間の経過とともに下がっていくのが一般的です。たとえば、木造一戸建ての住宅の場合、法定耐用年数は22年です。つまり、建物を建ててから22年が経過すると、建造物の会計上の資産価値はほぼゼロになってしまいます。
1年以上売れない家の売却活動における注意点
次でご紹介する1年以上売れない家をできるだけ早く売却する方法は、かえって売れにくくなったり、想定以上の費用が生じたりする可能性もあるため、慎重に判断しましょう。
リフォーム
家をリフォームしたり、耐震性を高める施工を加えたりすれば、設備やデザインが新しくなり、売れやすくなると考える方もいらっしゃると思います。しかし、築年数自体は変わらないことから、物件の価値を大きく上げることは難しいでしょう。
また、高いリフォーム費用をかけても、売却代金で回収できる保証はないことも、理解しておく必要があります。こうした観点から、売却前にリフォームをするかどうかはじっくり検討する必要があり、不動産会社に相談して判断するのがおすすめです。
更地にして土地を売る
1年以上売れない家を解体すれば、土地のみを求める買い手からの需要が見込めると考え、家の解体を検討する方もいらっしゃいます。しかし、更地にしたからといって売却できる保証はないうえ、解体費用を売却代金で回収できるか分からない点も、リフォームと同じく検討が必要なポイントです。
家を解体して更地にすると、その土地の買い手が見つかるまでは、所有者に高額な固定資産税の支払い義務が発生する可能性があることも、懸念点の1つになります。住宅用地として使用されている土地の固定資産税は、要件を満たすことで軽減措置が施されますが、家を解体して更地にすると税の軽減措置が受けられなくなります。このような注意点も踏まえて、1年以上売れない家を解体して更地にするかどうかは、信頼できる不動産会社に相談しましょう。
1年以上売れない家に困ったら三井のリハウスに相談を!
この記事では、1年以上売れない家について、売れない理由や売れやすくする方法などを解説してきました。1年以上売れない場合は、原因が1つではない可能性も考えられますが、さまざまな対策や工夫を施すことで売却につながることもあるため、家の売却実績が豊富な不動産会社に相談することをおすすめします。
三井のリハウスでは、累計100万件を超える取扱実績を生かした高精度な査定や、その後の売却サポートを行っております。1年以上売れない家でお困りの方は、ぜひ三井のリハウスへご相談ください。
※1出典:住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用予定者調査(2023年4月調査)】,住宅金融支援機構
https://www.jhf.go.jp/files/400366410.pdf
(最終確認:2024年6月21日)


監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。