
不動産を現金化する方法!早く売却するポイントを分かりやすく解説
人生において、医療費や教育費などでまとまった現金が必要になることもあるでしょう。そのような際、費用を工面する方法に不動産の売却があります。今回は、不動産を現金化する方法やメリット、注意点を解説します。
目次
不動産現金化で資金調達ができる
医療費や教育費、冠婚葬祭の費用など、急にまとまったお金が必要になる状況を体験したことのある方もいるでしょう。その際に資金が足りなくても、所有している家やマンションといった不動産を現金化することで資金調達が可能です。
この記事では、不動産を現金化する4つの方法やメリット、注意点を解説していきます。
不動産現金化の4つの方法
不動産現金化の方法として、以下の4つが挙げられます。
・仲介による売却
・買取
・リースバック
・リバースモーゲージ
これらの方法について、1つずつ説明していきます。
仲介による売却
仲介による売却とは、不動産会社に依頼して市場で買主を探してもらう方法です。こちらの方法は、不動産を現金化する代表的な方法といえるでしょう。仲介を依頼する不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を経て買主を見つけた後は不動産会社のサポートのもとで売買契約を締結させ、物件を引き渡します。このとき、見事成約に結びついた場合には、不動産会社に成功報酬として仲介手数料を払います。
仲介によって売却する場合のメリットとして、ほかの売却方法と比較して手元に残るお金が多くなる可能性が高いことが挙げられます。さらに、買い手探しを不動産会社に任せられるため手間を省くことが可能です。ただし、一般の市場で募集する都合上、買い手がすぐに見つかるとは限らないことに注意が必要です。
買取
不動産会社による買取とは、不動産会社に仲介を依頼して買い手を探してもらうのではなく、不動産会社に物件を直接買い取ってもらう方法です。この場合、不動産会社は仲介業務を行っているわけではないため仲介手数料はかからず、不動産会社との交渉が進み次第、即時売却によって現金化できます。
メリットは、現金化までの早さです。その早さの理由は、上述した仲介での売却と違い、市場で買い手を探す必要がないためです。ただし、仲介による売却より売却代金がかなり下がってしまう点に注意しましょう。買取による売却の場合、売却代金は相場の約6~8割程度となってしまうのが一般的です。
リースバック
リースバックとは、不動産売却後、買主と賃貸借契約を結ぶことで引き続き住み続けられる仕組みのことです。売却によって不動産を現金化しながら、賃貸住宅として自宅に住み続けられるというメリットがありますが、家賃を払わなければならない点と買取同様に売却価格が低い点に注意しましょう。
●リースバックに関する詳しい記事はこちら
リバースモーゲージ
リバースモーゲージとは、所有する不動産を担保にして金融機関から融資を受け、債務者が死亡した際に担保にした不動産を売却することで債権回収に充てる仕組みのことです。この方法では、契約方法によっては金融機関からまとまった資金の融資を受けられますが、その融資額に伴う利息は月々返済しなければなりません。シニア向けのため年齢制限があったり、資金用途が限られたりする点に注意が必要です。
●リバースモーゲージに関する詳しい記事はこちら
不動産現金化後の入金はいつ?
不動産を現金化した後、実際に現金が手に入るタイミングは売却方法ごとに異なります。現金が必要な期限に間に合うよう、入金のタイミングを売却方法ごとに確認しておきましょう。
仲介による売却の場合
仲介による売却の場合、まず売買価格の5%前後の手付金を売買契約時に受け取り、残りの代金は物件の引渡し時に入金されるのが一般的です。なお、状況によって異なりますが仲介での売却の場合、買い手が見つかってから、引渡しが完了するまで2~3か月程度かかることを想定しておきましょう。
買取の場合
不動産買取の場合は、一般的には最短1週間で売買契約ができ、1か月で残代金の決済までを完了できます。不動産会社に査定をしてもらい、提示価格に納得できれば即時買取という場合もあります。得られる売却額の高さより手元に現金が入ってくる早さを優先するという場合は、不動産買取が適しているでしょう。
リースバックの場合
リースバックの場合、入金までは2週間〜1か月が一般的な目安です。しかし、実地調査、保険の手続きなど入金までにやらなければならないことが多くなっています。
リバースモーゲージの場合
リバースモーゲージの場合、毎月、金融機関から一定の金額が融資されます。また、申し込み・審査の完了後に一括で受け取れる場合もあります。なお、金融機関ごとに異なりますが、審査には2週間ほどかかるのが一般的です。
不動産売買における現金決済までの流れ
仲介での売却において、現金が入金される決済までの流れは以下の通りです。
[ 1 ] 査定
[ 2 ] 媒介契約の締結
[ 3 ] 売却活動
[ 4 ] 売買契約と手付金の受け取り
[ 5 ] 残代金の受け取り・引渡し
なお、不動産購入における代金支払いまでの流れは以下の通りです。
[ 1 ] 資金計画を立てる
[ 2 ] 物件探し
[ 3 ] 購入申し込み
[ 4 ] 売買契約と手付金の支払い
[ 5 ] 残代金の支払い・引渡し
家をすぐに売りたい!早く現金化するためのポイント
不動産現金化を早くするコツは以下の通りです。
・スピーディーな対応をしてくれる不動産会社に依頼する
・適切な売り出し価格を設定する
・物件の魅力を訴求する
不動産会社によって対応のスピードや丁寧さは異なります。現金化を急いでいることを伝え、意図をくんで行動してくれる不動産会社を選びましょう。また、現金化したい物件の魅力をしっかりと把握し、相場に合った売り出し価格を設定することで、買い手が見つかりやすくなり売却の長期化を防げるでしょう。
不動産現金化は相続前にすべき?
相続に向けての不動産の現金化はおすすめしません。相続前に所有している不動産を現金化すると、不動産のまま相続する場合に比べて相続税が高くなってしまうためです。相続税を算出する際に基準となる不動産の相続税評価額は、売却時の取引価格より低く設定されているケースが多くなっています。
上記の理由から、不動産現金化を希望する場合は、相続してから売却するのがおすすめです。そうすることで、相続税による出費を抑えながら現金を得られます。
●相続税評価額について詳しい記事はこちら
不動産現金化の注意点
不動産を現金化するうえで注意したいポイントを2つご紹介します。
買取価格が相場より安過ぎないか確認する
不動産会社に買い取ってもらう場合、売却価格が仲介の約6~8割になってしまうことをお伝えしました。不動産会社は買取後にリフォームして再販売することが多く、その際に取得費を抑えて利益を出すためです。
しかし、不動産会社によっては不当に買い叩かれる可能性があるため注意が必要です。相場価格と比べて大幅に安く売却しないように、事前に相場を把握したり、複数の不動産会社に買取査定を依頼したりして比較するようにしましょう。
リースバック・リバースモーゲージの場合、その後の費用が高くなる可能性も
現金を得た後に、リースバックでは家賃の支払いが、リバースモーゲージでは利息の返済といった費用が定期的にかかります。リースバックは買取価格を考慮して家賃が決まり、買取価格が高いと家賃の負担が重くなります。一方、リバースモーゲージは一般的に変動金利制であり、毎月利息を支払う場合は、金利が大幅に上昇すると支払額が大きくなる恐れもあるでしょう。
これらの出費が積み重なった結果、不動産現金化によって得た資金を上回って損をしたということにならないよう注意が必要です。
不動産現金化なら仲介による売却がおすすめ
ここまで、不動産現金化の4つの方法について、メリットや特徴、注意点を解説してきました。急に資金が必要になった際や、相続で新たに土地や建物を引き継いだ際などに、不動産現金化をするなら、不動産会社の仲介による売却がおすすめです。不動産仲介であれば市場で買主を探してもらえるため高値で売却できる可能性が高いでしょう。また、リースバック・リバースモーゲージとは異なり、売却後に新たに費用がかかることもありません。
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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。