二世帯住宅は売れない?住宅の種類から売却しにくいといわれる理由、売却のポイントまで解説!

中古の二世帯住宅は売りにくいといわれることがありますが、コツを押さえれば売却できる可能性は十分にあります。今回は、二世帯住宅の種類から売りにくいといわれる理由、売却を成功させるためのコツまでご紹介します。

目次
  1. 二世帯住宅の3つの種類
  2. 二世帯住宅が売却しにくい理由
  3. 二世帯住宅の売却を成功させるコツ4つ
  4. 二世帯住宅の売却についてよくある質問
  5. 二世帯住宅の売却は三井のリハウスへ
2025.03.06

二世帯住宅の3つの種類

二世帯住宅は、間取りや構造によって大きく以下の3つに分けられます。

・完全同居型
・完全分離型
・一部共有型

それぞれのタイプについて、どのような特徴があるのか詳しく見ていきましょう。

二世帯住宅で食事をする家族

完全同居型

完全同居型は、1つの家で親世帯と子世帯が寝室のようなプライベートな空間以外の部分を共有しながら同居する二世帯住宅です。完全同居型の二世帯住宅は、リビングやキッチン、浴室、トイレなどを2つの世帯で共有するため、水道光熱費を節約できるメリットがあります。

完全分離型

完全分離型は、玄関やリビング、水回りなどの生活空間を世帯ごとに分離した二世帯住宅のことです。さらに、上下階で分ける「上下分離型」と、左右で分ける「左右分離型」の2つに分けられます。

完全分離型の二世帯住宅は、電気や水道が世帯ごとに設置されるため、それぞれの世帯で使用した分の光熱費が明確になります。しかし、キッチンや浴室、トイレなど、水回りの設備が増える分、もともとの建築費用が高くなりがちです。この建築費用を回収するために、売り出し価格を高めに設定し過ぎると、買い手の予算に適さず売れにくくなってしまうことがあるので注意しましょう。

一部共有型

一部共有型(一部共用型)は、生活空間の一部だけを共有するタイプの二世帯住宅です。共有する部分は、「玄関のみ」「リビングのみ」「浴室のみ」といった形で自由に決められます。そのため、プライバシーの確保や節約など、優先したい価値観に合わせて生活空間を分離できます。しかし、どこを共有しているかによって売却のしやすさが変わってくるため、注意が必要です。

二世帯住宅が売却しにくい理由

二世帯住宅は売りにくいといわれることが多くあります。その理由には主に以下の3つが挙げられます。

・売り出し価格の設定が難しい
・ターゲットが絞られる
・売り出し価格が高い

3つの理由について、1つずつ詳しく見ていきます。

売り出し価格の設定が難しい

二世帯住宅は、種類によって相場が大きく異なり、価格設定が難しいため、売れにくいといわれることがあります。

たとえば「完全同居型」は、キッチンや浴室、リビングなどを共有することから、「完全分離型」や「一部共有型」と比較して延べ床面積が少ない分、建築費用も抑えられるのが特徴です。そのため、ほかの2つの二世帯住宅のタイプと比べて、売り出し価格が安く設定される傾向があります。「完全同居型」は一般的な間取りの中古一戸建てと変わらないため、売り出す際は二世帯住宅としてアピールしたほうがよいか、不動産会社の担当者に相談しましょう。

反対に「完全分離型」の場合は、それぞれの世帯にキッチンや浴室などの水回りが必要なため、一般的な間取りの住宅に比べて建築費が高くなる傾向があります。その住宅を売却する段階になると、売主が建物の取得費分を回収しようとするあまり、一般的な相場よりも売り出し価格を高めに設定してしまいがちです。

さらに「一部共有型」は、何を共有するかを独自で決めているため、その物件ごとに間取りはさまざまです。共有している設備の内容によって、個別性が高く、価格設定が難しいという特徴があります。

このように、二世帯住宅のタイプによって、売り出し価格に大きく幅があり、購入希望者が戸惑ってしまうことから、売却しにくいといわれています。二世帯住宅は通常の一戸建てより流通量が少ないことから、不動産会社によって査定価格に差が出ることもあります。より精度の高い査定結果を得るには、二世帯住宅の売却実績が豊富な不動産会社に相談するようにしましょう。

種類によって売り出し価格が異なる二世帯住宅

ターゲットが絞られる

二世帯住宅が売れないといわれる理由として、ターゲットが絞られる点が挙げられます。近年、住宅の購入を検討する人の多くは核家族世帯のため、二世帯住宅のニーズは高くありません。さらに、二世帯住宅にはさまざまな種類やバリエーションがあるため、購入希望者のニーズと一致する間取りが少ないことも、ターゲットが絞られる原因の1つです。

売り出し価格が高い

二世帯住宅は、一般的な住宅と比べて売り出し価格が高くなりやすい点から売れにくいといわれます。前述の通り、二世帯住宅は、タイプによって水回りやガスなどのインフラをそれぞれの世帯専用に設置する必要があり、高い建築費用がかかります。さらに、二世帯が住むために広い土地を要しますが、土地の面積が広くなるほどコストも増えるのが一般的です。

このように、建築費用が高い二世帯住宅は、取得の際にかかる費用も一般的な住宅に比べて高くなります。そのため、売主は、取得時にかかった費用を回収する目的で売り出し価格を高く設定してしまうことが多いでしょう。

二世帯住宅の売却を成功させるコツ4つ

売却しにくいといわれる二世帯住宅でも、コツを押さえれば売却を成功に導くことができます。二世帯住宅の売却を成功させるコツは、主に以下の4つが挙げられます。

・売り出し価格を見直す
・バリアフリーの場合は強くアピールする
・内覧の準備を入念に行う
・経験豊富な不動産会社に仲介を依頼する

それぞれのコツについて詳しく見ていきます。

売り出し価格を見直す

二世帯住宅がどうしても売れないときは、売り出し価格を見直しましょう。好みの設備や間取りを取り入れた二世帯住宅は、完成までに費用がかさむことがあります。このような場合、売主はかけた費用を、できるだけ売却価格で回収したいと思うでしょう。しかし、上記で説明したように二世帯住宅のターゲットは限られているため、売り出し価格が高いと買い手の予算に合わない場合があります。なかなか売れない場合は、値下げをすると買い手が見つかることもあります。値下げの幅やタイミングは、不動産会社の担当者に相談するのがおすすめです。

●不動産の相場価格についてはこちら

バリアフリーの場合は強くアピールする

所有している二世帯住宅がバリアフリーの場合、積極的にアピールするのがおすすめです。二世帯住宅の購入を検討している人のなかには、親の介護を理由に同居を希望する方が多くいます。このような購入希望者にとって、階段や浴室の手すり、段差の少ない設計、滑りにくい素材の床やバスタブなどは魅力的でしょう。また、安全な設備はシニア世代だけでなく、小さな子どもがいる家庭にもアピールポイントになります。

バリアフリー設備を備えた二世帯住宅のトイレ

内覧の準備を入念に行う

二世帯住宅のターゲットは限られているからこそ、購入希望者が現れた際は、内覧で物件の魅力を最大限に伝えることが重要です。内覧準備の例としては、掃除や整理整頓、換気、アピールポイントをまとめることなどが挙げられます。特に、掃除しても取り除けない汚れや、購入希望者が気にしがちな水回りなどはハウスクリーニングを依頼してもよいでしょう。

●ハウスクリーニングの相場についてはこちら

経験豊富な不動産会社に仲介を依頼する

二世帯住宅をスムーズに売却するためには、経験豊富な不動産会社に仲介を依頼するのがおすすめです。上記で説明したように、二世帯住宅は売り出し価格が高いことやターゲットが絞られることから売却しにくいともいわれます。そのため、売却の経験が豊富な不動産会社に依頼してアドバイスをもらいながら売却を進めていきましょう。

信頼できる不動産会社とのやりとり

二世帯住宅の売却についてよくある質問

二世帯住宅の売却に関して不安を感じている方へ、ここでは二世帯住宅の売却についてよくある質問を2つご紹介します。

・売り出す前にリフォームは必要?
・買取での売却はおすすめ?

それぞれの質問について見ていきましょう。

売り出す前にリフォームは必要?

二世帯住宅を売り出す前のリフォームは必ずしも必要ではありません。リフォームを行い、一般的な間取りに変更すれば、ニーズの幅が広がる可能性があるものの、リフォームを行ったからといって必ず売却できるとは限りません。リフォームを行う前に、まずは不動産会社と相談することが重要です。

買取での売却はおすすめ?

二世帯住宅を買取で売却するのは、あまりおすすめできません。買取は、個人向けに売却する仲介とは異なり、不動産買取業者に物件を直接買い取ってもらう売却方法です。不動産買取業者は、買い取った物件をリフォームするといった付加価値を加えて再度販売するため、成約価格が仲介の6割~8割程度となる点に注意が必要です。

二世帯住宅の売却について不動産会社に質問をする夫婦

二世帯住宅の売却は三井のリハウスへ

ここまで、二世帯住宅の種類から売れないといわれる理由、売却のコツ、よくある質問まで説明してきました。二世帯住宅は、コツを押さえて売却を進めることが大切です。特に、経験豊富な不動産会社に依頼し、精度の高い査定価格をもとに適切な売り出し価格を設定すれば、売却の可能性が高まるでしょう。

三井のリハウスは、100万件以上の実績にもとづく豊富な知見を生かし、売却を丁寧にサポートします。二世帯住宅の売却にお悩みの方は、まずは三井のリハウスの無料査定を受けてみませんか?

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監修者:三上隆太郎

株式会社MKM 代表取締役
大手ハウスメーカーにて注文住宅の受注営業、家業の建設会社では職人として従事。
個人向け不動産コンサルティング会社のコンサルタントやインスペクターを経験し、中古+リノベーションのフランチャイズ展開、資格の予備校にて宅地建物取引業法専属講師など、不動産業界に幅広く従事。
https://mkm-escrow.com/