
専門家に聞いてみた!住まいと暮らしのお役立ち情報
この記事では、住まいと暮らしのお役立ち情報について、家事アドバイザー・一人暮らしアドバイザー・料理家である、河野真希がお伝えします。家庭で実践できる防災対策や、花粉対策、お部屋のニオイ対策、害虫対策など、幅広いテーマについて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
備えて安心、家庭で実践できる防災対策
災害に対する備えは、いざというときに役立ちます。家族で分担し、日頃から話し合っておきましょう。
家の中の安全対策
家具が転倒・移動しないよう、ネジや突っ張り棒、粘着シート、ストッパーなどを設置しておきましょう。特に、睡眠中は災害があってもすぐに反応できないことがあります。寝室には背の高い家具は置かず、万が一家具が倒れたり動いたりしてもドアや窓などをふさがない配置にしましょう。
家の周りの安全対策
屋根や壁・塀などにひび割れやずれ、欠けなどの傷みがないか、日頃から点検しておきましょう。また、家の周りにごみを置きっぱなしにしないことも大切です。火災が起きたときに燃え広がる原因になるからです。
マンションの場合は、避難経路を確保するために共用部にものを出しっぱなしにしないことも大切です。また、万が一のときに備え、消火器の位置や非常階段の場所も確認しておきましょう。
備蓄
災害時の備蓄は最低でも3日分、できれば1週間程度の食料を用意しておくことが推奨されています(※1)。小さなお子さまがいる場合は、ミルクや離乳食、避難中にリラックスできるような嗜好品も入れておくとよいでしょう。また、避難をするときにすぐ持ち出せる非常持ち出し袋も用意しておくことも大切です。
家族との連絡方法の共有
災害時に家族が別の場所にいたとき、どこで落ち合うのか決めておきましょう。また、連絡手段は複数持っておくことが大切です。電話がつながらない場合にも、SNSや「災害用伝言ダイヤル(171)」・「災害用伝言板(web171)」は使えることがあります。これらの使い方を確認しておいたり、緊急時に連絡する親戚や知人を共有しておいたりするのもよいでしょう。
ハザードマップの確認
ハザードマップとは、自然災害が発生した際に被害が想定される地域や、避難場所・避難経路などを表示した地図のことです。ハザードマップは、市区町村の役場で入手できるほか、「ハザードマップポータルサイト」でも確認できます。自宅、職場や学校などがある地域の災害リスクについて知っておきましょう。
家に花粉を持ち込まないための対策
つらい花粉症を少しでも軽くするには、家の中に花粉を持ち込まないことが大切です。
家に帰ってきたら
玄関前で洋服やかばん、帽子などについた花粉を落としてから、家に入りましょう。洋服ブラシや粘着クリーナーをかけるのがおすすめですが、手で払うだけでもかまいません。できれば帰宅後すぐに入浴して、髪の毛や顔、体に付いた花粉を洗い流しましょう。
洗濯をするとき
花粉の時期は、部屋干しが基本です。また、必ず柔軟剤を使いましょう。柔軟剤には静電気の発生を防ぐ効果があり、花粉の付着を抑えられます。毎回洗えないジャケットやコートなどには、静電気防止スプレーをかけておくと、外出時の花粉の付着を減らせます。
掃除をするとき
室内の花粉は、人が動くだけですぐに舞い上がります。そのため、掃除をするのは朝起きてすぐか、帰宅直後がおすすめです。花粉が空気中に浮遊している状態だと掃除をしても取り除けませんが、夜間や外出中のように、室内に誰もいない状態がしばらく続いた後なら、床に落ちた花粉を効率よく掃除できます。まずはフローリングワイパーなどで乾拭きをし、花粉を吸着して取り除いてから、掃除機をかけましょう。
家事動線がよい間取りのアイデア5選
掃除に洗濯、料理、片付けなど、日々の家事は多岐にわたります。スムーズに動けて効率よく家事を進められる間取りのアイデアをご紹介します。
水回りをひとまとめにする
料理や掃除、洗濯など、家事は複数を同時に行うことも多いでしょう。キッチン・浴室・洗面所・ランドリースペースを近くにすると、移動のための時間や労力が少なくなります。たとえば、キッチンから洗面所やランドリースペースへつながる間取りだと、料理をしながら洗濯機を回す動作が楽になります。
洗面所と物干しスペースを近くにする
洗濯機置き場のある洗面所から物干しスペースまでが近いと、洗濯の負担が軽くなります。あるいは、洗濯機置き場と室内干しスペースを備えたランドリールームを作ったり、洗濯物を干すバルコニーや庭の近くに洗面所を配置したりできると、よりスムーズでしょう。洗面所に余裕があるなら、部屋干し用のハンガーラックを設置するという方法もおすすめです。
玄関の近くにキッチンを配置
買ってきた食材をキッチンに運び込んで片付ける作業は、意外にも負担が大きいものです。しかし、玄関の近くにキッチンを配置すれば、重いものを持って長く移動する必要がなくなります。さらに、玄関とキッチンの間にパントリーを挟んだ間取りなら、食材を片付けながら移動できるうえに、玄関からキッチンが丸見えになってしまう心配もありません。
玄関に収納スペースを作る
玄関に収納スペースを設置すると、アウトドア用品やガーデニング用品、自転車など、外で使うものを出し入れしやすく便利です。また、帰宅したときに脱いだアウターや帽子、バッグなどの仮置き場が作れると同時に、花粉を室内に持ち込まずに済むというメリットもあります。急に届いた荷物の保管スペースにもなるので、部屋が散らかるのを防げますよ。
キッチンから見渡せるリビング
小さなお子さまがいるご家庭なら、キッチンからリビングを見渡せる間取りだと、家事をしながら様子を確認できて安心です。一緒にテレビを見つつ声をかけながら料理をしたり、勉強のサポートをしたりもできます。調理中のニオイをリビングに広げないための換気対策は必要ですが、部屋を広く使えて配膳もしやすいというメリットもあります。
梅雨入り前にやっておきたい家事5選
じめじめした季節を少しでも快適にすごせるよう、梅雨入り前にやっておきたい家事をまとめました。
エアコンの掃除
エアコンの汚れに湿気が加わると、エアコン内部にカビや雑菌が繁殖し、稼働させたときに嫌なニオイをまき散らしてしまうことがあります。エアコンを本格稼働させる梅雨入り前に、フィルターのお手入れをしておきましょう。
寝具の手入れ
湿気がたまった寝具は、カビやダニの温床になることがあります。梅雨入り前にシーツの洗濯や布団の天日干しを済ませておくと安心です。また、ベッド下は湿気がたまりやすい場所です。収納スペースとして使っている場合は、除湿剤を入れ、換気するなどの湿気対策をしておきましょう。
害虫対策
梅雨から夏にかけては、ゴキブリやコバエ、ダニといった害虫が発生しやすい時期です。これらの害虫を避けるには、水回りを掃除し、食べ物を出しっぱなしにしないことが大切です。また、布団のダニは、布団乾燥機や布団クリーナーを使うか、スチームアイロンで高熱を当てることで駆除できるでしょう。
カビ・ニオイ対策
梅雨入りすると、窓を開けての換気がしにくくなります。室内に湿気がたまると、カビやニオイにつながることもあるので、晴れた日には部屋の窓を2か所以上開けて、換気をしましょう。また、クローゼットや押し入れなどの収納も、湿気がたまりやすい場所です。扉や引き出しを定期的に開け、風を通しておきましょう。除湿剤は最下段の隅に入れておくと効果的です。
レインウエアの準備
梅雨入りすると活躍する傘やレインコートには、防水スプレーをかけておくのがおすすめです。雨水が洋服に染み込んだり、電車や室内で周囲を濡らしてしまったりするのを抑えられます。小さなお子さまがいる場合は、レインウエアの出番が多くなる前に、サイズアウトしていないかチェックをしましょう。
ニオわせない、部屋干しのコツ
部屋干しで困るのは生乾きのニオイですよね。室内でも上手に洗濯物を乾かすコツをご紹介します。
雑菌を付けない、増やさない
洗濯物のニオイの原因は、主に雑菌の繁殖によります。水分や汚れが残る洗濯機の中は、まさに雑菌の温床です。洗う前の衣類を洗濯機の中に入れておくのはやめましょう。また、湿気が多い環境では、雑菌が一気に増殖します。汗や雨などで濡れた衣類をそのまま放置したり、ランドリーボックスに入れっぱなしにしたりすると、ニオイの原因となります。すぐに洗濯できないときは、一度干して乾かしておきましょう。
丁寧に洗って、汚れを残さない
洗濯物に残った汚れは、雑菌の栄養となります。できるだけ丁寧に洗って汚れを残さないためには、洗濯機の容量を守ることが大切です。洗濯物の詰め込みすぎに注意しましょう。また、洗剤は多ければ多いほど汚れをよく落とせるわけではありません。逆に溶け残ってニオイの原因になることもあるので、適正な量を使うことが大切です。そのうえで、除菌効果のある洗剤や柔軟剤、漂白剤を使えば、生乾きのニオイ防止に効果を期待できるでしょう。
素早く乾かす
洗濯物をきれいに洗っても、長時間湿った状態が続くと、また雑菌が繁殖してしまいます。短時間で素早く乾かすためには、風通しのよい場所に間隔をあけて干すようにしましょう。さらに、扇風機やサーキュレーターを活用し、室内の空気を動かすと素早く乾かせます。一方、カーテンレールに洗濯物を引っ掛けるのはおすすめできません。風通しが悪く、乾きにくくなるだけでなく、カーテンの汚れが洗った洗濯物に付いてしまうこともあります。どうしても干すスペースがない場合は、カーテンレール用の物干しハンガーを用意しましょう。
もしニオイが気になったら…
洗濯物の生乾き臭は、意外に頑固です。洗い直したり、天日干ししたりしてもなかなか消えないほか、一度消えたはずのニオイが洋服を着たときにまた戻ってしまうこともあります。こうした生乾き臭の原因となる雑菌は熱に弱いため、60℃以上のお湯につける、アイロンを当てる、乾燥機で乾かすなど高温に晒すと、死滅させられるでしょう。熱に弱い材質の場合は、酸素系漂白剤を溶かしたぬるま湯につけ置きをしたり、除菌消臭スプレーを使ったりするのがおすすめです。
お部屋のニオイはどこから?原因と対策
部屋の中のニオイが気になったときに、チェックしたい場所とその対策をご紹介します。
布製品
カーペットやカーテン、クッション、寝具といった布製品には、ニオイが付着しやすいものです。くさいと感じたら丸洗いするのが一番ですが、簡単に洗えないものは天日干しも効果的です。干せないときは、スチームアイロンを当てたり、除菌消臭スプレーを使ったりするのもよいでしょう。
洗濯物
部屋干しをすると洗濯物が乾きにくく、雑菌が繁殖して嫌なニオイを発生させることがあります。雑菌の繁殖を防ぐには、丁寧に洗って汚れをしっかり落とし、素早く乾かすことが大切です。室内の空気が停滞していると、洗濯物の乾きが悪くなるので、換気扇を回したり、エアコンの除湿(ドライ)機能を使ったりするのもおすすめです。
エアコン
エアコンは部屋の空気を吸い込み、温風や冷風を吹き出します。しかし、部屋の空気とともにほこりや油分、ニオイ成分なども一緒に吸い込んでしまうため、フィルターは汚れやすく、そのまま放置しておくと悪臭が気になることもあります。まずはフィルター掃除をして、それでもニオイが気になるときは専門業者によるクリーニングを検討しましょう。
玄関
玄関のニオイの原因の1つは靴です。靴に付いた皮脂汚れや汗によって雑菌が繁殖し、嫌なニオイが発生します。できれば毎日同じものを履かず、履いた後は消臭スプレーや除湿剤を使うとよいでしょう。靴箱にも除湿剤を入れておくと安心です。また、使った後の傘もくさくなりがちなので、濡れたまま畳まず、広げて乾かしてから片付けるようにしましょう。
生ごみ
暑い季節に気になるのが生ごみのニオイです。水分を多く含むとニオいやすくなるので、できるだけ水気をよく切ってからごみ箱に入れましょう。さらに新聞紙に包むと水分を吸収してくれるため、ニオイが軽減します。また、スナック菓子の空き袋もニオイが外に漏れにくいので、生ごみを入れて捨てるのにおすすめです。旅行で長期間生ごみが捨てられないときは、冷凍してしまうのも1つの手です。生ごみが出たらすぐにポリ袋に入れて冷凍し、次のごみ収集のタイミングまで保管しておきましょう。
水回り
排水口の掃除が行き届いていないと、パイプにカビや雑菌が繁殖してニオイにつながります。排水管用の洗浄剤を使って、詰まりや汚れを落としておきましょう。ただし、洗浄剤を入れた後に長時間放置すると、取れたはずの汚れが再び固まって詰まってしまうこともあります。洗浄剤の説明書をよく読み、適切なタイミングで水を流してください。
また、ふきんやスポンジも水回りのニオイの原因になります。煮沸消毒をしたり、漂白剤を溶かした水につけ置きしたりして、除菌しましょう。その後しっかりと乾燥させることも大切です。
【お部屋の場所別】カビ対策
カビは、汚れや湿気の多い場所に発生します。気を付けたい場所とその対策をまとめました。
エアコンのカビ対策
エアコンは冷房を使用しているとき、その内部に湿気が残ります。フィルターの汚れに湿気が加わるとカビが発生しやすくなり、そのまま使い続けると、部屋中にカビをまき散らすことにもなりかねません。エアコンの風がカビくさいと感じたら、要注意です。フィルターは定期的に掃除するようにしましょう。
窓・カーテンのカビ対策
冬になると、窓に結露が生じます。結露は、室内の暖かい空気が冷たい窓ガラスや壁に接し、空気中の水蒸気が冷やされて水滴に変わることで生じます。結露を放っておくと、窓枠やサッシ、カーテンや壁にカビが生える原因になるため、こまめに拭き取りましょう。水気を拭き取った後にアルコール除菌スプレーを使っておくと、カビ予防になります。
寝具のカビ対策
人は寝ているときにも、たくさんの汗をかいています。起きてすぐの布団は湿気をたっぷり含んでいるので、そのまま畳んだりベッドメイクをしたりせず、30分ほど掛け布団をめくったままにして、湿気をよく飛ばしましょう。また、定期的に天日干しをしたり、布団乾燥機を使って布団を乾燥させたりすることも大切です。寝具のカビが気になる場合は、寝室での加湿器の使用は避けたほうがよいでしょう。
クローゼット・押し入れのカビ対策
クローゼットや押し入れにものが詰め込まれていると、湿気がこもってカビが生えることがあります。収納スペースには余裕をもたせ、通気性を保ちましょう。また、定期的に扉や引き出しを開けて、扇風機やサーキュレーターなどで風を当てておくと、内部の湿気を飛ばせます。湿気は下のほうにたまるので、除湿剤を使う場合は、収納スペース下部の隅に置くのがおすすめです。また、一度着た洋服は汗の湿気を飛ばすために、部屋で一晩干してからクローゼットに戻すようにしましょう。
浴室のカビ対策
湿気が多い浴室のカビ対策には、高温のお湯をかけるのがおすすめです。カビの「菌糸」と呼ばれる部分の多くは50℃以上の温度で熱すると死滅します。また、温度が高いお湯のほうが石けんかすや皮脂といった油脂系の汚れも流れやすく、かつ蒸発しやすいので、水気が残りにくいというメリットがあります。加えて、定期的に市販の浴室用防カビ剤を使うのも効果的です。
マンションでも安心!ベランダ掃除のやり方
水を流すことが難しいマンションやアパートといった集合住宅でもできる、ベランダ掃除の方法をご紹介します。
STEP1:手すりや物干し、室外機を拭く
最初に濡れ雑巾で手すりや物干し、エアコンの室外機の汚れを拭きます。拭いただけでは取れない頑固な汚れには、霧吹きで少量の水をかけ、汚れを浮かせてから拭くとよいでしょう。エアコンの室外機に落ち葉やほこりといったごみが詰まっているときは、ほうきや歯ブラシで掻き出しましょう。ただし、室外機を動かすことは、ガス漏れの原因となる恐れがあり非常に危険です。室外機を動かさないでできる範囲の掃除をしましょう。
STEP2:床に落ちている大きなごみや砂ぼこりを取る
ベランダは落ち葉や砂ぼこり、花粉などで汚れています。乾いているうちにほうきでごみを掃き取っておきましょう。細かいごみは掃除機で吸い取ると簡単ですが、室内で使うノズルをベランダに使いたくないという方もいるでしょう。その場合は、トイレットペーパーの芯をカットして、使い捨てのノズルにするのがおすすめです。
STEP3:濡らした新聞紙をまき、ほうきで掃く
一戸建てのように水を流しても問題ない環境なら、ホースやバケツなどで水をまき、デッキブラシでこすって、汚れを落とします。ただし、マンションやアパートといった集合住宅で大量の水を流すと、下の階に水漏れしたり、横の部屋のベランダに汚れが流れてしまったりして、トラブルになることもあります。集合住宅では、適当な大きさにちぎった新聞紙を水で濡らし、よく絞ってからばら撒き、ほうきで掃いて汚れをからめ取りましょう。
STEP4:排水溝のごみを取る
排水溝にたまったごみを取り除き、雑巾や歯ブラシなどで汚れを落とします。頑固な汚れには濡らした新聞紙をかぶせて、汚れを浮かせてからこするとよいでしょう。最後にペットボトルを使って、排水溝に水を少しずつ流します。ここでも、大量の水を流すとトラブルに発展する恐れがあるので、十分注意しましょう。
STEP5:頑固な汚れを落とす
ここまでしても落ちない頑固な汚れには、住居用の中性洗剤(スプレータイプ)を使いましょう。汚れに吹き付けてから雑巾や歯ブラシでこすり、水で少しずつ洗剤を洗い流します。できるだけ洗剤を使いたくない場合、メラミンスポンジも便利です。スポンジに少量の水を含ませるだけで、頑固な汚れをこすり落とせます。
半年に1回を目途に
風雨に晒されているベランダは汚れやすい場所です。3か月に1度はほうきを使って大きなごみを取るようにしましょう。また、半年に1度を目途にしっかりと掃除をするのがおすすめです。
いつの間にかいる!?コバエの発生源と対策
コバエとは体長数ミリの小さなハエの仲間のことで、家庭で見かけるのは1種類だけではありません。発生しやすい場所と対策をまとめました。
食べ物・生ごみ
キッチンでよく見かけるのは、ショウジョウバエとノミバエです。ショウジョウバエは腐ったものや果物の発酵臭などのニオイを好みます。また、ノミバエは生ごみに卵を産み付ける習性があります。そのため、生ごみや食べ物は出しっぱなしにしないことが大切です。特に、気温の高い時期は繁殖しやすくなるので注意しましょう。
ペットや野生動物
ノミバエは動物の死骸やフンにも産卵し、繁殖します。ペットを飼っている以外に、ネズミのような野生動物が室内や庭に入り込んでしまっているような場合も要注意です。ペットのフンはこまめに処理し、野生動物の出入りがある場合は早めに駆除してください。
観葉植物
キノコバエは観葉植物の土に使われる有機物を餌とし、さらに土に産卵して繁殖します。発生してしまったら、土を入れ替えるのが効果的です。また、卵は土の表面に産み付けられるので、深さ5cm程度まで有機物質を含まない無機土に変えるとよいでしょう。
排水口
浴室や洗面所などの排水口といった、汚れた水回りを好むのがチョウバエです。石けんかすから生じるぬめりを餌とするため、こまめに掃除をしましょう。排水口には排水管用の洗浄剤を、バスタブの裏側にはカビ取り用洗剤を定期的に使用し、汚れを落としておくと安心です。
大量に発生してしまったら…
コバエが大量に発生してしまったら、市販のコバエ駆除剤を使いましょう。また、自作でコバエトラップを作ることも可能です。穴をいくつか開けたペットボトルや紙コップなどの容器にめんつゆと酢を入れ、食器用洗剤を数滴垂らします。置いておくと、ニオイにつられて寄ってきたコバエを駆除できます。ただし、お子さまやペットが誤飲しないよう、置き場所については十分ご注意ください。
ゴキブリが出やすいのはこんな家!
できることなら出会いたくないゴキブリ。よく出る家にはこんな傾向があります。
観葉植物の多い家
観葉植物は、ゴキブリにとって住みやすい環境を作り出すことがあります。水をあげることによって適度な湿気をもたらし、肥料が餌となるためです。プランターや鉢の底に住み付いて、土に産卵することもあります。外から植物を室内に持ち込むときに一緒についてきてしまうこともあるので、よく確認するようにしましょう。
1階にある家
ゴキブリは飛ぶこともできますが、高く飛ぶのは得意ではありません。そのため、高層階よりも1階のほうが入ってきやすい傾向があります。樹洞や落ち葉の下などにも生息しており、公園のように樹木が多い場所が近くにある場合は注意が必要です。窓や玄関を長く開け放すことはやめ、換気をするときも網戸を使い、隙間がないかよく確認しましょう。
ネットショッピングをよく利用する家
ゴキブリが外から室内に入ってくる原因のひとつに、段ボールがあります。保温性があり、狭くて暗い隙間のある段ボールはゴキブリに好まれやすく、そこに産卵することもあるためです。ネットショッピングを利用することが多く、段ボールがよく届く家は要注意です。購入後はできるだけ早く段ボールを処分し、再利用は避けましょう。
飲食店が近い家
食べ物や水が豊富な飲食店には、ゴキブリが出やすい傾向があります。1階に飲食店があるマンションや隣に飲食店がある家は、排水管や換気扇などを伝って侵入してくることもあります。また、ごみ集積所が近くにある場合も注意が必要です。気になる箇所は穴埋めをしたり、フィルターで覆うようにしましょう。
汚い家
ゴキブリは雑食性の昆虫です。人間の食べ物はもちろんのこと、油や髪の毛、ほこり、動物のフンさえも食べて生き延びることができます。つまり、汚いほどゴキブリが喜ぶ環境ということなのです。餌になるような汚れがないよう、日頃からこまめに掃除をするようにしましょう。
※1出典:今日からできる食品備蓄。ローリングストックの始め方,政府広報オンライン(内閣府大臣官房政府広報室)
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202103/2.html
(最終確認:2025年3月10日)


河野真希
家事アドバイザー、一人暮らしアドバイザー、料理家。インテリアコーディネーター、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。
延べ500人以上へのアンケート調査や取材から、分析・研究を行い、部屋探し、引越、防犯、家事、ライフスタイルなどの情報に通じる。
https://www.kawano-maki.net/