土地売却の相場価格はどれくらい?売却金額を高めるコツも解説

土地の売却を検討している場合、まずは相場価格を知ることが重要です。相場を調べるには、さまざまな方法があります。この記事では土地の売却相場を調べる方法や注意点に加えて、土地売却のコツなどを解説します。

目次
  1. 【2025年】土地の売却価格の相場はどれくらい?
  2. 土地売却の相場価格の調べ方
  3. 土地の売却相場を調べるときの注意点
  4. 土地の売却価格を決めるポイント
  5. 体験談から学ぶ!土地の売却価格を高めるコツ
  6. 土地の売却金額についてリアルな実態をプロにインタビュー
  7. 土地の売却相場価格を知りたいときは不動産査定がおすすめ
記事カテゴリ 売却 土地
2025.11.08

【2025年】土地の売却価格の相場はどれくらい?

土地の売却価格の相場は、売却方法が仲介か買取かによって異なります。仲介での売却であれば、土地の売却価格の相場は市場価格と一致することがほとんどです。買取の場合は、不動産買取業者に再販の手間や経費がかかるといった理由で、成約価格は仲介による売却価格の約6割~8割程度になるのが一般的です。

以下で、不動産流通機構の「月例速報 Market Watch[全国版]2025(令和7)年9月度」にもとづいて、都道府県別に2025年9月の土地の平均成約価格(坪単価)を一覧表で示します。表では仲介での相場価格の7割を買取での相場価格としています。

表で仲介と買取の売却価格の差を確認しましょう。

都道府県仲介での相場価格(㎡単価)買取での相場価格(㎡単価)
北海道5.37万円3.759万円
宮城県10.34万円7.238万円
東京都45.46万円31.822万円
愛知県12.23万円8.561万円
大阪府18.84万円13.188万円
広島県12.92万円9.044万円
高知県5.71万円3.997万円
福岡県8.03万円5.621万円

(※1)

東京都を見ると、仲介での相場価格は45.46万円のため、買取の相場価格を仲介の7割で計算すると、その差は坪単価で13.638万円にもなります。不動産の売買は金額が大きい分、3割の差が大きいといえるでしょう。そのため売却を急ぎたい特別な理由がない限り、仲介での売却をおすすめします。

また、三井のリハウスのWebサイトでは、土地の相場価格や購入検討者情報を地域ごとに調べられます。エリアごとの詳細を確認できますので、ぜひ下記からアクセスしてみてください。

【エリアごとの土地の相場価格を調べる】

●首都圏
東京都
神奈川県
埼玉県
千葉県
茨城県

●関西
大阪府
兵庫県
京都府
滋賀県
奈良県

●中部
愛知県
岐阜県
三重県

●ほかのエリア
北海道
宮城県
広島県
岡山県
福岡県

土地の売却

土地売却の相場価格の調べ方

土地売却の相場価格は、主に以下の価格を参考に調べられます。

・実勢価格
・公示地価(基準地価)
・路線価
・固定資産税評価額
・査定価格

それぞれ詳しく見ていきましょう。

実勢価格を参考にする

実際に取引されている不動産の情報から相場を知るには、「実勢価格」を調べましょう。実勢価格とは、実際に土地の売買が成立した価格のことを指します。実勢価格は、国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」で確認できます。

取引時期や土地の種類、地域などの条件を選択した後、表示されるリストにある取引総額を見てみましょう。公共事業から民間での売買まで、リアルな土地の取引価格が分かります。ただし、情報のボリュームが少ない、古いといった場合があるので、あくまで相場価格の傾向をつかむ際の参考にするとよいでしょう。

三井のリハウスのWebサイトでは、地域ごとの相場価格を公開しています。ぜひご利用ください。

●地域ごとの相場を知りたい方はこちら

土地の売買の成立

公示地価(基準地価)を参考にする

公示地価は公示価格の1つで、国土交通省が発表する土地の価格を指し、対象区域は都市およびその周辺地域です。毎年1月1日時点での都市部の標準地点(基準地点)の1㎡あたりの評価額を、国から委託された不動産鑑定士が算出し、3月に発表します。

また、基準地価も公示価格の1つで、都道府県が主体となって調査し、発表する土地の価格のことです。基準地価は公示地価の補完的な役割を果たします。対象区域は、都市部や、そのほかの住宅地、商業地、工業地、林地などとなっており、毎年7月1日時点での標準地点の1㎡あたりの評価額が毎年9月の下旬に発表されます。

公示地価や基準地価といった公示価格は、「不動産情報ライブラリ」で条件を入力すると確認できます。上記でお伝えした実勢価格は、公示価格の1.1倍が目安とされているため、それらの金額からも相場を把握することは可能です。ただし、都市部の実勢価格は公示価格の2倍以上になる場合もある点に注意しましょう。

●公示価格についてはこちら

路線価を参考にする

路線価とは、道路に面した1㎡あたりの土地を1,000円単位で評価した価格のことで、国税庁の「財産評価基準書」で確認できます。主に「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2種類があり、相続税路線価は毎年1月1日時点の評価額が7月1日に発表されます。

路線価は公示地価と基準地価などを参考にして算出され、相続税路線価は公示地価の8割程度、固定資産税路線価は公示地価の7割程度です。なお、土地の相場を知る際は相続税路線価を利用しましょう。人やものの流れとなる道路を基準に土地を評価することで、土地の本質的な価値や将来性も鑑みられます。

相続税路線価は公示地価の8割程度で、実勢価格は公示地価の1.1倍程度とされているので、相続税路線価から相場を予測するには、以下のように計算します。

(実勢価格)=(相続税路線価)÷0.8×1.1

ただし、この計算式から導き出される金額は、あくまで目安である点に注意してください。

●路線価についてはこちら

実勢価格の計算

固定資産税評価額を参考にする

固定資産税評価額は、固定資産税や不動産取得税の算出に使われる評価額のことで、各市町村(都内23区は東京都)が不動産ごとに算出します。郵送される固定資産税の納税通知書や、各市町村の役所で、その土地の評価額を知ることが可能です。なお、固定資産税評価額は、3年に1度見直されます。

固定資産税評価額は公示価格の7割程度で、実勢価格は公示価格の1.1倍程度とされているので、固定資産税評価額から相場を予測するには、以下のように計算します。

(実勢価格)=(固定資産税評価額)÷0.7×1.1

ただし、こちらもあくまで目安の金額であり、実勢価格は土地の条件や不動産市場の状況により変動します。売却のためのより詳細な相場価格を把握したい場合は、次にご紹介する不動産査定がおすすめです。

査定価格を参考にする

査定価格(査定額)とは、不動産会社が算出する売却推定価格のことです。不動産会社に依頼すれば無料で受けられます。土地の売り出し価格の設定に直結するため、基礎知識を知っておきましょう。土地査定には、「AI査定」「簡易査定」「訪問査定」があります。

AI査定は、物件の基本情報と過去のデータをもとに、AI(人工知能)が査定額を算出する方法です。Web上で完結し、結果は即時で確認できます。限られた情報から査定するため、簡易査定や訪問査定よりも精度が低いことに注意が必要です。

簡易査定とは、基本的な物件情報に加えて、類似物件の取引価格や公示価格、路線価なども加味して不動産会社が査定価格を算出する方法です。所在地や面積などの情報を入力するだけで、手軽に査定を受けられる点がメリットといえます。ただし、査定の精度は訪問査定のほうが優れている可能性が高いため、簡易査定で算出された査定価格はあくまで参考として考えましょう。

訪問査定とは、不動産会社が実際に土地を訪れて詳細な調査を行い、査定価格を算出する方法です。精度の高い査定結果が得られるため、土地売却の検討度が高い方や、土地を売却する意思が固まっている方におすすめです。

三井のリハウスでは豊富な実績を生かした各種査定を実施しています。精度の高い土地の相場価格を知りたいという方は、ぜひご利用ください。

●リハウスAI査定はこちら

●無料査定はこちら

土地売却の相場価格の調べ方

土地の売却相場を調べるときの注意点

土地の売却相場を調べる際は、調べた相場価格は参考程度に留めておくように注意しましょう。また、不動産会社のサイトに掲載されている価格を参考にする場合は、掲載されている価格が何を示しているのかを正しく理解して情報を活用するとよいでしょう。

売り出し価格と成約価格は異なる

売り出し価格は、土地を売却する際に売主が設定する価格です。一方、成約価格は実際に売買された土地の価格をいいます。それぞれ意味が異なるため、混同しないように注意しましょう。不動産会社のポータルサイトやチラシに掲載されているのは売り出し価格であり、実際に土地が売れた価格と一致するとは限りません。購入希望者からの値下げ交渉があった場合に備えて、売り出し価格を高めに設定している可能性もあるため、相場情報を集めるときは掲載されている価格が売り出し価格と成約価格のどちらなのかをよく確認しましょう。

自分で調べた相場は参考程度に捉える

土地の細かな条件によっても成約価格は変わってきます。そのため、自分で調べた相場をうのみにせず、参考程度に捉えることが大切です。また、自分で調べた限りだと情報が不十分なこともあるため、売却のプロである不動産会社に相談し、査定を依頼しましょう。

自分で土地売却の相場を調べて悩む人

最新の査定を受ける

過去に土地の査定を受けたことがあっても、売却する際は再度査定を受けるようにしましょう。土地の価格は常に変動します。前回の査定から時間がたっている場合は、もう一度査定を受けて最新の相場を確認しましょう。

土地の売却価格を決めるポイント

土地の売却価格を決めるポイントは大きく分けて以下の3つです。

・立地条件
・土地の特徴
・前面道路

以下でそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

土地の価値

立地条件

立地条件は土地の売却価格に大きく関係します。たとえば、駅に近いか、周辺に医療機関、商業施設、学校といった施設があるかなどが、立地条件における利便性にかかわってきます。物件の周辺環境が充実していれば利便性が高いと判断されやすく、売却価格も高まる傾向があります。

土地の特徴

土地の特徴も、売却価格を決めるポイントの1つです。土地の特徴として見られる観点には、以下のようなものが挙げられます。

・面積
・形状
・日当たり
・建ぺい率
・容積率

たとえば面積が大きかったり、正方形や長方形などの形状だったりする場合は、建物が建築しやすく、土地の売却価格は高くなる傾向があります。一方、面積が小さかったり、細長かったりする土地は、建物の建築プランを立てにくいため売却価格は低くなるかもしれません。

また、日当たりや建ぺい率、容積率といった点も評価のポイントです。物件を建てた際に、日当たりがよくなりそうな土地であれば、土地の売却価格は高くなる可能性があります。建ぺい率(その土地に建てられる建物の建築面積の制限)や容積率(その土地に建てられる建物の延べ床面積の制限)が高ければ建物の床面積を広げられるため、売却価格は高くなります。

日当たりがよい土地

前面道路

生活施設が多い主要な道路に近く、利便性が高いにもかかわらず、静かな住環境である道路に接していると、売却価格が高くなる場合が多いでしょう。一方で、主要道路に接していても、交通量の問題で騒がしかったり、駐車しにくかったりすると、土地の売却価格が下がってしまうこともあります。

また、法律の面では建築基準法第43条で、建物を建てる際は4m以上の幅員(道幅)がある前面道路に土地が2m以上接していなければならないと定められています。この条件を満たしていない場合は建物の建築に制限が生じるため、土地の売却価格は低くなる傾向があります。

体験談から学ぶ!土地の売却価格を高めるコツ

土地の売却価格を高めるコツは以下の3つです。

・売却まで土地の管理を続ける
・境界標を確認する
・土地売却に強い不動産会社に仲介を依頼する

ここからは三井のリハウスで不動産売却を成功させた方の体験談や口コミも交えながら、それぞれのコツについてご紹介します。

【体験談の集計概要】
三井のリハウスが独自に集計した体験談を掲載しています。
募集期間:2024年3月1日~2024年3月31日
対象者:三井のリハウスで不動産売買をしたことがある方
回答人数:14,281人
調査方法:Webでのアンケート

売却まで土地の管理を続ける

土地の売却価格を高めたいのであれば、売却まで土地の管理を続けることがコツの1つです。土地がきれいに保てていると、買い手の印象もよくなるため、高値での売却につながりやすくなるでしょう。そのため、土地の売却まではごみ拾いや草むしりなどを定期的に行うのがおすすめです。

土地の管理

境界標を確認する

境界標を確認することも、土地の売却価格を高めるコツです。境界標とは、どこからどこまでが自分の土地か、土地の所有者の区別をするための印のようなものです。

また、隣接所有者との立ち会いのもと、土地の境界を明らかにし、取引する土地の範囲を決めることを確定測量といいます。確定測量により、登記簿面積と実際の測量面積に差が出てくることもあり、仮に面積が減ってしまう場合は、その分売却金額が減ることもあります。

売主には、境界標を設置して土地の境界を明らかにする義務があります。土地の境界に不安がある場合は、信頼できる不動産会社に仲介を依頼し相談してみるとよいでしょう。三井のリハウスでは、担当者が親身になって対応します。

【40代・実家の土地売却をされた方の体験談】
実家の土地売却でお世話になりました。三井のリハウスさんに依頼してから、相続や土地の境界線問題などが起こり、担当の方にはずいぶんお手数をおかけしました。また、私が実家から遠方に居住しているため、なかなかお店に足を運ぶことができませんでした。それでも、大変親身になってくださり、安心してお任せすることができました。その結果、私にとって一番よい形での売却となりました。三井のリハウスさんにお願いして、本当によかったと思っています。ありがとうございました。

【50代・古家がある土地を売却された方の体験談】
古家付きの土地売却で、「丁寧に対応してもらった」というのが感想です。隣家との境界線の確認や私道負担の範囲等、いろいろアドバイスをいただき、関係の4軒ともめることなく進められました。更地にした後、分譲住宅建設業者に売却できました。東京在住で大阪の土地売却のため、あまり時間をかけられませんでしたが、担当していただいた方のおかげで、納得のいく結果になりました。

土地売却に強い不動産会社に仲介を依頼する

土地売却に強い不動産会社に仲介を依頼するのも、土地の売却価格を高めるために重要です。というのは、不動産会社によって、土地の売却に強い、マンションの売却に強いなど、それぞれの強みが異なるからです。

【70代・自宅の土地売却をされた方の体験談】
自宅の土地売却をお願いしたところ、当方の希望を上回る価格で売却でき喜んでいます。いろいろな問題がありましたが、その都度、迅速かつ的確に対応していただき、担当者さまには感謝しかありません。

三井のリハウスは、地域に根差し、一人ひとりのご要望に丁寧にお応えします。豊富な実績をもとに、適切な土地売却プランをご提案できるため、ぜひ一度三井のリハウスの無料相談をお試しください。

●無料相談はこちら

土地の売却金額についてリアルな実態をプロにインタビュー

土地の売却金額について、リアルな実態を三井のリハウス社員に聞いてみました!気になる疑問について、不動産売却のプロの見解をご紹介します。

相場よりも高く売れやすい土地の特徴は?

相場よりも高く売れやすい土地の特徴は「希少性の高さ」です。主に以下の特徴が挙げられます。

【高く売れやすい土地の特徴】
・エリア内でめったに売り出されない
・人気の学区
・駅から近い
・角地
・接道面が広い
・整形地(長方形や正方形など形が整っている土地)
・前面道路から駐車しやすい(十分な道幅のある整備された道路に面している)

一方、近隣に騒音や振動、悪臭を発生させたり、危険物を取り扱ったりする「嫌悪施設」がある場合は、査定額が下がる可能性があります。ただし、あくまでも主観的な判断となることが多いため、実際に現地に足を運び、騒音や振動などがどの程度かを確認することになります。

【査定額を下げるポイント】
・近くに焼却施設がある
・高速道路や幹線道路に近く、車の騒音がする
・線路に近く、電車の通過音がする
・付近に高圧線がある
・近くにごみ集積場がある

土地の価値の変化

よくあるトラブルは?

よくあるトラブルの例としては、敷地に面した道路の幅員が足りず、土地の一部を道路として提供する必要があり、予定していた規格の建物を建てられないといったことが挙げられます。建築基準法によると、その土地に建物を建てるとき、道路の中心線から2mずつ確保する必要があると定められています。たとえば1.8mしかない場合、所有する土地から0.2mを提供しなければなりません。幅員が足りているかどうかは、市区町村の役所で図面を見ることで判断できますが、査定の際に不動産会社に依頼して調べてもらうとより確実でしょう。

土地の売却相場価格を知りたいときは不動産査定がおすすめ

ここまで土地の売却相場価格を調べる方法や注意点、土地の売却価格を高めるコツについて解説してきました。土地売却において、売り出し価格を最終的に決めるのは売主であり、適切な判断をするためには、売却前にできるだけ詳細な売却相場価格を把握しておく必要があります。その際、最も信頼できる売却相場価格の調べ方は、実際に不動産査定を受けることです。

三井のリハウスでは、土地の無料査定をご用意しております。まだ土地の売却を迷っている場合でも、査定を受けてから売却するかどうかを判断していただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

●無料査定のお申し込みはこちら

※1出典:「月例速報 Market Watch[全国版]2025(令和7)年9月度」、公益財団法人東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp/
(最終確認:2025年10月29日)

村田洋一

らくだ不動産 不動産コンサルタント。宅地建物取引士、行政書士。消費者にとっての最良の不動産取引を目指し、多岐にわたる不動産トラブルの相談を受ける。
https://www.rakuda-f.com/