家の査定を受ける際のポイントは?準備や注意点、不動産売却のコツを解説

家を売却する際には、まず不動産会社に推定売却金額を見積もってもらうために査定を受けるのが一般的です。事前に準備をしたり、注意点を把握したりすることでスムーズに査定結果が得られます。この記事では、査定において、見られるポイントや準備方法、注意点などを解説します。

目次
  1. 家の査定は売却の第1ステップ
  2. 家の査定の種類
  3. 家の査定で見られるポイント3つ
  4. 家の査定を受ける際の準備
  5. 家の査定前にやっておくとよいこと
  6. 家の査定を受けるタイミング
  7. 査定から売却までの期間や流れ
  8. 査定を通じて信頼できる不動産会社を見つけよう
2024.12.23
  • Q家の査定の種類って? A家の査定には、「AI査定」「簡易査定」「訪問査定」の3種類があります。査定結果の精度や、査定に要する時間がそれぞれ異なるため、自分に合った査定方法を選ぶとよいでしょう。家の売却をどれくらい具体的に考えているかによっても、最適な査定方法は変わってきます。
  • ●家の査定の種類についての解説はこちら

  • Q家の査定を受けるための準備とは? A家の査定を受ける前に、書類の準備や相場の把握、建物の修繕履歴、土地の利用履歴を確認しておきましょう。また、家のセールスポイントをまとめておくことも、査定での高い評価につながります。適切に準備をしておくことで、スムーズに査定を進められるでしょう。
  • ●家の査定を受けるための準備についての解説はこちら

  • Q家の査定前にやっておくとよいことは? A家の査定前にやっておくとよいこととして、希望の売却価格や売却時期の検討と、住宅ローンの残債の確認があります。家の売却を行うためには、住宅ローンを完済しなければなりません。家の売却代金を使って返済できる場合は問題ありませんが、できない場合には売却時期をずらして残債を減らしてから売却するといった方法を検討しましょう。
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  • Q家の査定を受けるタイミングはいつ? A家の査定を受けるタイミングは売却したい時期によりますが、主に住み替えをしようと思ったときや相続時、離婚時などが挙げられます。また、売却を前提とせず、資産価値だけを知りたい場合には不動産鑑定士による有料査定という方法もあります。
  • ●家の査定を受けるタイミングについての解説はこちら

  • Q査定から売却までの期間や流れは? A家の査定を不動産会社に依頼してから、家の売却が完了するまでには一般的に3か月~6か月ほどかかります。査定後の流れとしては、媒介契約、売却活動、売買契約、引越し、引渡しというステップで進むのが一般的です。
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  • Qよい不動産会社を見極めるには? A家の売却は長期間にわたって行われるため、仲介を依頼する不動産会社は重要な役割を果たします。よい不動産会社を見極めるために、家の査定時に担当者の対応を確認したり、査定額の根拠を聞いて納得感のある回答が得られるかを確かめてみたりしましょう。
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家の査定は売却の第1ステップ

家の査定とは、その物件がどれくらいの価格で売却できそうか不動産会社に算出してもらうことです。不動産会社に依頼すれば、査定は無料で受けられます。

家の売り出し価格は査定額(査定価格)をもとにして決めるため、精度の高い査定結果を得ることは不動産売却において大切です。相場に見合った、より現実的な査定結果を得るためにも、「やっておくべき準備はあるか」「どんな注意点があるか」など、査定に関する基礎知識を知りたい方も多いのではないでしょうか?

この記事では家の売却を検討している方へ、査定時に見られるポイントや事前準備、注意点などを解説します。まずは、査定の種類と流れから見ていきましょう。

家の査定を申し込む女性

家の査定の種類

不動産会社が行う査定には、「AI査定」「簡易査定」「訪問査定」の3種類があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

不動産会社が行う査定の種類

AI査定

AI査定とは、Web上で過去の取引事例をもとにAI(人工知能)が査定額を算出する方法です。メールアドレスと、住所や築年数といった物件情報を入力することで、すぐに結果が分かるようになっています。特にマンションの場合は、同じマンション内の過去の成約事例が豊富にあるとAI査定の精度が高くなることから、AI査定とは相性がよいでしょう。

また、AI査定は一般的に電話番号を入力する必要がないため、不動産会社からの営業電話がかかってくる心配がありません。そのため、家を売却する意思が固まっていない検討段階の方でも安心して受けられる査定方法です。

AI査定は、不動産会社の持っている情報量が査定結果の精度の高さに影響するため、取引実績が豊富な会社に依頼することをおすすめします。ただし、物件情報のみで家の査定額を算出しているので、訪問査定に比べると精度が下がることに注意が必要です。

三井のリハウスでもAI査定を実施しております。累計取引件数100万件以上の実績を生かしたリハウスAI査定なら、エリア動向に沿った価格をつかむことが可能です。ちなみに三井のリハウスのサイトでは、専有面積と価格ごとに売り出し物件数を確認したり、該当エリアの購入検討者の分布を価格帯別にチェックしたりすることができます。相場や購入検討者について把握しやすくなるため、スムーズな売却につながるでしょう。

●リハウスAI査定はこちら

●AI査定について詳しい記事はこちら

●周辺相場や購入者検討分布を知りたい方はこちら

家の査定の様子

簡易査定

簡易査定とは、間取りや築年数などの物件情報をもとに不動産会社の営業担当者が査定額を算出するもので、Webやメール、電話で依頼できます。似ている物件の成約価格や公示地価(国土交通省が発表する土地の価格)、路線価(国税庁が発表する道路に面している1㎡あたりの土地の価格)なども加味して評価されます。

AI査定と同様、家の状態を実際に確認できないため、訪問査定に比べると精度は低くなります。しかし、一戸建てに対応していないことが多いAI査定と異なり、簡易査定はマンション・一戸建てを問わず対応しています。簡易査定は、一般的に依頼すると数日以内で査定結果が得られるため、査定に時間をかけたくない方や、とりあえず査定を受けてみたいと考えている方におすすめの査定方法です。

訪問査定

訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に家を訪問して査定を行う方法です。現地調査を行い、より詳細な物件情報を含めて査定額を算出します。所有者への聞き込みや建物の内部まで細かくチェックして査定を行うので、AI査定や簡易査定よりも精度の高い結果が期待できるでしょう。ただし訪問査定は、査定結果が出るまで一般的に早ければ2日~3日、長ければ1週間ほど時間を要します。

訪問査定を依頼する女性

以上のように、3つの査定にはそれぞれ異なる特徴があります。手軽に受けられるAI査定と簡易査定は、家のおおまかな査定額を知りたい方に適しています。

一方で訪問査定は、日程を決めて不動産会社の営業担当者を家に招く必要があったり、査定結果を得られるまでに数日~1週間程度かかったりするなど、AI査定や簡易査定に比べると手間や時間がかかります。そのため、売却の意思が固まっている方におすすめの査定方法です。なお、訪問査定の際には営業担当者と直接コミュニケーションが取れるため、家の売却に関して不安や疑問がある場合には、相談に乗ってもらえるでしょう。

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家の査定で見られるポイント3つ

家の訪問査定を依頼したときに、主に見られるポイントは以下の3つです。

・内装・外装・間取り
・周辺環境
・土地

1つずつ詳しく説明していきます。

内装・外装・間取り

査定では内装や外装の状態、間取りの実用性が確認されます。具体的には「壁や床に汚れや傷はないか」「雨漏りする箇所はないか」「生活しやすい間取りか」などです。

築年数が古くても、内装や外装に定期的なメンテナンスを施していれば、良好な状態の物件としてアピールできるでしょう。

家の査定に重要な住宅構造

周辺環境

周辺環境のチェックポイントは、日当たりや風通し、眺望をはじめ、駅からのアクセスのよさや周辺に嫌悪施設がないかなどです。

通常、日当たりや眺望が良好で、利便性の高い環境は、家の価値が高く評価されます。一方で、「近隣に日光を遮る高層ビルがある」「墓地やごみ焼却場などの施設が近隣にある」といった場合は、査定額が低くなる恐れがあります。

土地

家の査定では、土地も重要な要素です。主に、がれきや古い配管といった地中埋設物や土壌汚染の存在の可能性がないかを確認されます。

土地の問題は、査定額が下がる要因になります。ただ、査定額に影響するとしても、家や土地の不備は隠さずに伝えることが大切です。もし売買契約後に、契約書に記載されていない問題が発覚すると「契約不適合責任」が発生し、買主から損害賠償を請求されることもあります。後々のトラブルを避けるためにも、心当たりがあれば必ず伝えるようにしましょう。

●契約不適合責任について詳しい記事はこちら

以上で挙げたポイントのほかにも、住宅周辺のトラブルや水回りの仕様、リフォーム歴など、家の査定で確認される点は多岐にわたります。家をより高く査定してもらうためにも、日頃から家の状態を良好に保っておきましょう。

ただし、家の売却にあたって、必ずしも修繕やリフォームが必要とは限りません。リフォームによって購入検討者からの第一印象がよくなることもあれば、自分で自由にリフォームをしたい人もいるため、成約につながりにくくなることもあるからです。また、金額にもよりますが、リフォームにかかった費用が売却額で回収できないリスクもあります。そのため、修繕やリフォームを行うかどうかは、不動産会社に相談することをおすすめします。

●売却前のリフォームについて詳しい記事はこちら

査定を依頼するマンション

家の査定を受ける際の準備

ここからは家の査定を受ける際の準備についてご紹介します。適切な準備を行うことで、スムーズな査定につなげましょう。

書類をそろえておく

査定時に用意しておくとよい書類を、事前にそろえておきましょう。査定で準備しておくとよい主な書類は以下の通りです。

査定時にそろえておくとよい書類
・登記済証(権利証)または登記識別情報
・間取りの分かる図面
・一戸建てと土地の場合は土地の確定測量図(ある場合)
・一戸建ての場合は建築確認申請書と建築確認済証、検査済証(ある場合)
・リフォームの履歴が分かる資料(ある場合)

そのほか、引渡し時には主に以下の書類が必要です。今すぐ必要はありませんが、引渡しまでには準備をしておきましょう。

引渡し時に必要となる主な書類
●マンションと一戸建て共通

・新築時やリフォーム時の設計図
・固定資産税納税通知書
・固定資産評価証明書
・印鑑証明(引渡し時の3か月以内に発行のもの)
・住民票
・身分証明書

●マンションの場合
・購入時のパンフレット(ある場合)
・管理規約や使用細則

●一戸建ての場合
・土地の確定測量図/境界確認書
・越境物の覚書
・建物の設計図書
・建築確認済証、検査済証

査定時には、登記済証(権利証)または登記識別情報を用意しておくと望ましいでしょう。登記済証(権利証)または登記識別情報は、不動産の所有者であることを証明するものです。自宅の売却は所有者しかできないため、所有者であることを証明するために必要不可欠な書類です。

土地の確定測量図は測量を行ったうえで、隣接する全ての土地の所有者と境界線の同意が得られていることを証明します。土地や一戸建ての場合には土地の境界が確定していることが売買の条件となることがあるため、確定測量図は必要に応じて用意しておくのがよいでしょう。

また住宅性能評価書や耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書といった住宅の品質を保証する書類は物件の価値を高める可能性があるため、そろえておくとよいでしょう。

●登記識別情報について詳しい記事はこちら

●不動産売却の必要書類について詳しい記事はこちら

不動産の権利証

相場を把握する

家の査定を依頼する際には、自分でも相場を調べておきましょう。相場を把握しておくことで、不動産会社が算出する査定額が適切かどうか判断しやすくなるからです。不動産売却では、査定額を参考に売り出し価格を決めていくため、たとえば、査定額が相場よりも高過ぎる場合は販売活動の段階で買い手が現れない可能性があります。逆に相場より安過ぎる場合は、損をしてしまうことも考えられます。主な相場の調べ方は、以下の2つです。

不動産会社のサイト・チラシ
売り出し中の物件の情報が集約されている不動産会社のサイトや、不動産会社が地域で配布するチラシなどをチェックしてみましょう。マンションや一戸建て、土地の売り出し価格が分かるため、相場を把握するのに役立ちます。

マンション、一戸建て、土地のどれに該当するかやエリアなど、自分の家と似た条件の物件に絞って探すと、相場を知るうえでよい指標になるでしょう。ただし、不動産情報サイトやチラシに書かれた売り出し価格はあくまで売主が決定したものとなるため、相場に沿っていない場合もあります。また、最終的な成約価格は買主との交渉で決まるため、その後の成約価格と同額になるとは限りません。

公示地価
公示地価とは国土交通省の土地鑑定委員会が、決まった標準地の価格を判定して毎年3月に公示するものです。この価格は土地取引の参考価格にされており、標準地近隣の相場価格を把握することができます。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」に掲載されているので、参考にしてみてください。

査定額は不動産会社が算出する推定価格であり、売り出し価格は売主が最終的に決定します。そのため、所有する不動産の相場を売主自身でも知っておくことは、適切な売り出し価格を設定するうえでも、よい判断基準になるでしょう。

セールスポイントをまとめておく

あらかじめ家のセールスポイントをまとめておき、査定時に営業担当者に伝えることで、査定額が高くなる可能性があります。眺望や間取りのよさ、周辺環境の便利さなど、先ほどご紹介したポイントのなかでも、その物件に住んでいる人にしか分からない魅力があるはずです。

マンションであれば、共用部分の使いやすさや管理状態がよいと評価が上がることがあります。リフォームをしている場合には、具体的なリフォームの履歴を伝えておきましょう。

修繕履歴や利用履歴を確認する

一戸建ての場合は建物の修繕履歴、土地の利用履歴を確認しましょう。建物の外壁や屋根などを適切に維持・修繕し、定期的なシロアリ防虫対策がされていると評価が高くなります。また、土地の場合は、過去の利用履歴によっては地中埋設物や土壌汚染があることも考えられます。いずれも分かる範囲でまとめておくとよいでしょう。

家の査定に必要なポイントをまとめる女性

家の査定前にやっておくとよいこと

家の査定を受ける前に、やっておくとよいことをご紹介します。以下でお伝えすることを踏まえて、査定や家の売却を進めていきましょう。

希望の売却価格と売却時期の設定

査定を受ける際には、希望の売却価格と売却完了時期を設定しておくとよいでしょう。希望の売却価格を決めておくことで、査定額と比較した際に売却活動を進めるかどうか検討することができます。さらに、買い替えをする場合は、予算を考えるうえで役立つでしょう。

また希望の売却完了時期を設定することは、売却活動の計画を立てる際にも必要です。不動産売却は一般的に3か月から半年ほどかかるため、時間に余裕がなくなってしまうと、売り出し価格を下げなければならないケースもあります。そのため事前にスケジュールを立てて、できる限り希望の価格や時期に沿った不動産売却を目指しましょう。

家の売却時期を考える女性

住宅ローンの残債を確認する

住宅ローンが残っている家を売却するには、引渡しと同時にローンを完済する必要があります。住宅ローンを借り入れる際に金融機関から担保として設定される抵当権を抹消しないと、第三者に譲渡できず、抵当権を抹消するためには住宅ローンの完済が必要だからです。そのため、家の査定前に住宅ローンの残債を確認し、査定結果が残債を上回るか確認しましょう。住宅ローンの残債がある場合には、売却で得た代金を残債の返済に充てて一括返済し、抵当権を抹消します。

家の売却額で住宅ローンの残債をカバーできない場合には、最終手段として任意売却という方法があります。任意売却は、債権者の合意を得られた場合、住宅ローンの残債があっても一定の条件で不動産を売却できるという方法です。ただし、任意売却は最終手段であり、信用情報に延滞履歴が記載されるため、やむを得ない事情がない限り利用は避けるようにしましょう。

●抵当権抹消手続きについて詳しい記事はこちら

●任意売却について詳しい記事はこちら

家の査定を受けるタイミング

査定を受けるタイミングは、主に住み替えを考えたときのほか、相続や離婚といった特別な事情があるときなどが挙げられます。ここからは、相続や離婚のシーン別に詳しく説明していきます。

家の査定を行う不動産会社の担当者

相続をするとき

相続した家を売却したいと考えた場合、家がどのくらいの価格で売却できるのかを把握しておきたいでしょう。その際に役立つのが家の査定で、推定売却価格が分かります。

また、相続した家を複数の相続人で分け合う場合にも、家の資産価値を知る必要があります。ただし、売却を前提としない場合には不動産会社の無料査定ではなく、不動産鑑定士による有料査定が必要なケースもあります。

●不動産の相続について詳しい記事はこちら

離婚をするとき

離婚をする際には財産分与を行う必要があります。財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に築いた共有財産を分け合うことです。

家を財産分与する場合には、「売却して得られた代金を分け合う」「一方が家に住み続けて他方が資産額の半分をもらう」という方法があります。売却を前提とする場合は不動産会社による無料査定を受けて売却活動を始めましょう。しかし売却を前提とせず、単に資産価値を把握したい場合には、不動産鑑定士による有料査定が必要になる場合があります。

●離婚に伴う財産分与について詳しい記事はこちら

査定から売却までの期間や流れ

家の査定を依頼してから、売買契約、引渡しまでには一般的に3か月前後かかります。引渡しまでの流れを順に追っていきましょう。

査定のポイントについて説明を受ける夫婦

1.査定

まずは、不動産会社へ訪問査定を依頼します。訪問査定では、不動産会社の担当者と直接やりとりが行えるため、査定額だけではなく、各不動産会社の対応もしっかりと見極めて、売却の仲介を依頼する会社を検討します。

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2.媒介契約

不動産会社に家の売却を仲介してもらうために、媒介契約を結びます。媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」という3つの形態があります。

●媒介契約について詳しい説明はこちら

また、媒介契約の段階で、「ホームインスペクション」を検討するのもおすすめです。ホームインスペクションとは住宅診断、建物状況調査のことで、建築の専門家が調査した家の状況を購入希望者に示せるため、購入希望者が安心して家を購入しやすくなります。

●ホームインスペクションについて詳しい記事はこちら

3.売却活動

売却活動は主に不動産会社の業務となりますが、ネットやチラシなどで広告を展開し、購入希望者を募ります。売主側は、依頼した不動産会社が媒介契約通りの売却活動をしているか、報告はあるかなどをチェックします。

また、売主が居住中の段階で購入検討者から内覧の要望があれば、売主が立ち会うのが一般的です。売却する自宅の様子を実際に確認されるため、内覧が始まる前は掃除を徹底し、内覧当日は丁寧な対応を心がけ、購入検討者への印象をよくしましょう。

4.売買契約

売却活動を経て買主が見つかったら、媒介契約を結んでいる不動産会社から買主へ、売買する物件情報や売買取引に関する重要事項を説明し、いよいよ売買契約へと進みます。売買契約の際には、売主と買主双方が契約内容を確認し、売買契約書に署名をします。通常、買主が売主に手付金を支払い、売主は不動産会社への報酬として仲介手数料の半額を支払います

売買契約の成立

5.引越し

売買契約が成立した後、売主は引越しをして家の中を空にします。売主が引越した後、買主は不動産会社と物件の状況が売買契約通りであるかを現場で確認します。

6.引渡し

通常、引渡しでは3件の支払いが発生します。1件目は買主による売買価格の残金の支払い、2件目は不動産会社に対する仲介手数料の残金の支払い、3件目は買主による固定資産税その他の精算金の支払いです。

1月1日に1年分を課税される固定資産税は、物件の引渡し日を境に、引渡し日前日までを売主が、引渡し日以降を買主がそれぞれ負担するのが一般的です。

●固定資産税清算金について詳しい記事はこちら

売主に住宅ローンが残っている場合は、同時に残債を全て返済して抵当権を抹消し、所有権移転登記手続きをします。

支払い後、買主に鍵や重要書類を渡して、引渡し完了となります。引渡しは、売買契約後、1か月が目安です。

●マンションの売却までの流れについて詳しい記事はこちら

●一戸建ての売却までの流れについて詳しい記事はこちら

家の査定額の変動

査定を通じて信頼できる不動産会社を見つけよう

ここまで家の査定の種類や、事前に行うとよい準備、注意点などについてお伝えしてきました。ポイントを押さえ、家の査定を受ける準備を整えましょう。

また、家の査定は不動産会社の営業担当者の誠実さや信頼性を見極める機会でもあります。査定を受けたら必ず金額の根拠を聞き、気になることや疑問点は積極的に尋ねて、信頼できる不動産会社かどうかを見極めましょう。誠実に対応してくれる不動産会社がパートナーとなってくれれば、売却はスムーズに進むはずです。この記事でお伝えしたことを参考に、家の査定を受ける前にはしっかりと準備をして、納得のいく家の売却につなげてくださいね。

三井のリハウスでは、手軽にできるAI査定や簡易査定、精度の高い査定額が算出できる訪問査定を承っております。家の売却を検討している方は、ぜひ三井のリハウスの査定をご活用ください。

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●不動産会社の選び方について詳しい記事はこちら

不動産鑑定士 竹内英二

株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士をはじめとしたさまざまな資格を保有。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングなども行なっている。
https://grow-profit.net/