マンション査定の注意点!評価で見られるポイントも解説

マンション売却を検討するうえで欠かせないのが「査定」です。今回は、査定を依頼する際に知っておきたい注意点やポイントについてお伝えします。査定を受ける際の参考にお役立てください。

目次
  1. マンション査定の注意点は種類ごとに異なる
  2. 査定を受ける前の注意点
  3. マンション査定時のNG行動
  4. マンション査定を受けた後の注意点
  5. 不動産会社がマンション査定時に確認するポイント
  6. 【体験談あり】査定・仲介を依頼する不動産会社を選ぶ際の注意点
  7. 査定は早めに受けるのがおすすめ
記事カテゴリ 売却 マンション
2025.11.08

マンション査定の注意点は種類ごとに異なる

マンション査定には「AI査定」「簡易査定(机上査定)」「訪問査定」の3種類があります。査定の種類によって注意すべき点が異なるため、事前に確認したうえでご自身に適した方法を選択するのがおすすめです。それぞれの査定方法の注意点や依頼方法を以下の表にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

比較項目AI査定簡易査定訪問査定
特徴・過去に取引された成約事例をもとに、AI(人工知能)を用いて物件の査定額を算出する方法・物件の基本情報や取引事例などの情報にもとづいて行う方法・各種情報に加え、担当者が現地を訪れ、物件の内部や周辺環境などを直接調査したうえで査定額を算出する方法
注意点・簡易査定や訪問査定より精度が下がる・訪問査定に比べると精度が下がる・不動産会社の担当者による現地調査が必要
・AI査定や簡易査定に比べると、結果が出るまで時間がかかる
査定に必要な時間・即時・数日以内・現地調査の日程を設定し、調査完了から早ければ2日~3日、最大1週間ほど
メリット・営業担当者から電話がかかってこない
・その場で結果が分かる
・結果が出るのが早い・精度が高い
・営業担当者と直接コミュニケーションが取れる
依頼方法・Web・Web/電話/メール・Web/電話/メール

査定を依頼する際に必要な書類は特にありませんが、権利証(登記識別情報)や分譲時のパンフレットなどを保管していた場合、事前にそろえておくと、以後の手続きがスムーズに進むでしょう。

●マンション査定の流れについてはこちら

マンション査定の注意点

査定を受ける前の注意点

査定を受ける前には、事前準備や下調べを行っておくとよいでしょう。具体的な注意点は以下の通りです。

・相場を把握しておく
・依頼する不動産会社を見極める
・最低限の片付けはしておく
・可能であれば故障部分を確認しておく

それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。

相場を把握しておく

査定額(査定価格)が妥当かを判断するためには、成約価格の相場を知っておく必要があります。不動産会社のなかには、媒介契約を目的として相場よりも高過ぎる査定額を提示する場合があります。相場より高過ぎる査定額を参考に売り出し価格を決めてしまうと、買い手が見つからず売却活動が長期化する恐れがあるため注意が必要です。事前に相場観を把握しておけば、相場と大きく乖離があった際は査定額の根拠を確認することができます。

相場感覚は、同じマンションの売り出し事例から判断することが適切です。同じマンションの売り出し事例がない場合には、周辺マンションの売り出し情報のなかから、自分の物件と条件が似ている物件の価格を調べてみるほか、「REINS Market Information(レインズマーケットインフォメーション)」を利用するのもおすすめです。レインズマーケットインフォメーションとは、国土交通大臣の承認のもと、過去の不動産取引のデータを検索できるサービスです。三井のリハウスのサイトでも、エリアや駅からマンションの売却相場を調べることができます。ぜひお気軽にご利用ください。

●三井のリハウスについてはこちら

マンションの相場価格

依頼する不動産会社を見極める

マンション査定の注意点には、仲介を依頼するにあたって信頼できる不動産会社かどうかを見極めることも挙げられます。不動産会社の信頼性を判断する際、分かりやすい要素は取引実績です。そのほか、得意な分野やエリアといった会社の強みを確認しておくのもおすすめです。

ただし、無料だからといって複数社に査定を依頼すると、各社とのやりとりが必要となります。このような対応が煩わしいと感じる方は、複数の不動産会社に査定を依頼することは避けたほうがよいでしょう。

最低限の片付けはしておく

清掃の有無は査定額に影響するわけではありません。ただし、訪問査定の際に不動産会社の担当者が物件内の全室を見て回るため、過度に散らかっていると調査の妨げになるかもしれません。担当者が家の中をチェックしやすい程度に最低限の片付けは済ませておきましょう。

掃除をする人

可能であれば故障部分を確認しておく

査定を依頼する前に、設備の故障がないか確認しておくことも必要です。設備の故障に気づかず売却活動に進むと、引渡し後のトラブルや値下げ交渉につながる可能性があります。査定前に見つかった故障に関しては修理の必要はありませんが、担当者には伝えておきましょう。

マンション査定時のNG行動

マンションの査定時に瑕疵(かし)があるにもかかわらず、物件の価値が下がることを恐れ、隠してしまうのはNG行動の1つです。

瑕疵とは、取引される家の不具合のことです。売買契約の内容に反した物件を売却すると、売主は「契約不適合責任」を問われます。契約不適合責任が発生した場合は、売主は修繕や契約解除、損害賠償請求などの請求を受けるリスクがあるため注意が必要です。

リスクを避けるためには、マンションに不具合があるかどうかを事前にチェックしたうえで、不動産会社の担当者に必ず伝えるようにすることが大切です。

●契約不適合責任についてはこちら

マンション査定時のNG行動

マンション査定を受けた後の注意点

査定額を提示された後は、マンション売却に向けて以下の3つの点に注意しましょう。

・査定の根拠を聞く
・ローン残債と照らし合わせる
・売り出し価格を上げ過ぎない

具体的に見ていきましょう。

査定の根拠を聞く

不動産会社から提示された査定額が、相場より高過ぎる場合や安過ぎる場合は注意が必要です。査定額はマンションの売り出し価格の基準となるため、適正価格より高過ぎても買い手が見つかりにくく、安過ぎると損をしてしまいます。査定額が想定していた価格と大きく異なっていたとしても、一喜一憂するのではなく、根拠を尋ねてみることが大切です。

「なぜほかの会社より高いのか」「なぜ過去の取引事例より大幅に安いのか」といった質問を不動産会社の担当者に投げかけ、明確な説明が返ってくるなら、その会社は信頼できる不動産会社といえるでしょう。

ローン残債と照らし合わせる

マンションを売却するためには、引渡しまでに住宅ローンを完済しておかなければなりません。査定段階で住宅ローンを完済できていない場合は、ローンの残債と査定額を比較してみることが重要です。査定額が残債より高ければ、マンションの売却代金のみでローンを完済できる見込みが大きいといえます。

ですが、売却代金が残債を下回る「オーバーローン」の場合は、売却代金に加えて何らかの方法で対応しなければなりません。というのは、住宅ローンを完済しないと、不動産に設定されている抵当権が抹消できず、原則第三者に譲渡することができないためです。ローン残債と売却代金の差額を埋めるためには、預貯金を切り崩したり、金利が高い住み替えローンを利用したりする必要があるでしょう。

住宅ローンの残債

売り出し価格を上げ過ぎない

売り出し価格が高過ぎると、マンションがなかなか売れない状況が続く恐れがあるため注意しましょう。マンションを売り出す際の価格は、査定額を参考にしながら、周辺の類似物件の売り出し状況や売却希望価格などを考慮して決めます。「できるだけ高く売りたい」「いつまでに売りたい」といった要望を不動産会社に伝え、相談しながら適切な売り出し価格を設定しましょう。

不動産会社がマンション査定時に確認するポイント

査定でチェックされる項目は、以下の3点に大別されます。

評価項目内容
建物の状態築年数、耐震性能、管理状態など
部屋の状態建物内の部屋の位置、間取り、設備の状態など
環境交通アクセスや生活の利便性など

それぞれの評価内容について詳しく見ていきます。

築年数

マンションの築年数は査定額に影響するため、重要なポイントです。一般的にマンションは築年数が新しいほど査定額が高く、古くなるほど査定額が低くなりやすいものです。ただし、築年数が新しくても物件の劣化や汚れが目立つ場合は、査定額が下がる恐れもあるため注意が必要です。

家の築年数

耐震性能

マンションの耐震性能も査定時にチェックされるポイントです。耐震性能は原則として築年数と関係があり、1981年6月以降の「新耐震基準」にもとづいて建てられたマンションは、耐震性能を満たしていると評価されます。近年は、大規模な地震への不安が高まるなか、中古マンションの耐震性能を重視する購入希望者が増えている状況です。そのため、新耐震基準を満たしたマンションは、売れやすい傾向があります。

管理状態

マンションのエントランスや廊下、エレベーターなどの共用部分も、査定時にチェックされるポイントの1つです。管理が行き届いているマンションは、細かな部分まで手入れされ、共用部分がきれいに保たれています。また、オートロックや監視カメラをはじめとしたセキュリティ対策や、宅配ボックスの有無、駐車場の仕様なども査定額に影響を与える要素の1つです。

建物内の部屋の位置

物件がマンションの何階にあるのか、日当たりがよいかなどは、購入者の生活に大きく影響するため、査定時の重要なポイントです。マンションは階数が上がるほど価格も上昇する傾向があります。高い階数ほど、日当たりや眺望がよいためです。このような物件は人気がある分、査定額も高く評価される可能性があるでしょう。

日当たりのよい部屋

間取り

間取りは購入者の生活に直接かかわるため、査定時には重要視されるポイントです。ニーズが低い個性的な間取りやリビングがない2DKなどは需要が少ないため、評価が低くなる場合もあります。

設備の状態

不動産会社は築年数を考慮し、設備が正常に作動するか否かをチェックします。たとえば、換気扇や、ビルトイン食器洗浄機、給湯器、浴室乾燥機等の室内設備の不具合の有無も査定の対象となります。

交通アクセスや生活の利便性

交通アクセスや周辺の生活環境も、査定時に重要視されるポイントの1つです。「最寄り駅が近く、都市部にアクセスしやすい」「近隣に商店街やスーパー、コンビニが充実している」といったマンションは、査定額が上がるポイントです。さらに、ファミリー層向けの物件の場合、近くに公園や学校があり、子育てしやすい環境が確保されていると人気が高まるでしょう。

マンション査定時にチェックされるポイント

【体験談あり】査定・仲介を依頼する不動産会社を選ぶ際の注意点

マンションの査定が終わり、売却の仲介をしてもらう不動産会社を選ぶ際にも注意点があります。単に査定額だけを比較するのではなく、不動産売買の実力や実績などを含め、総合的に信頼できる会社に売却の仲介を依頼すれば、売却における不安材料も減らせます。ここでは、三井のリハウスで実際に査定をし、不動産売却をした方の体験談や口コミをご紹介します。

【体験談の集計概要】
三井のリハウスが独自に集計した体験談を掲載しています。
募集期間:2024年3月1日~2024年3月31日
対象者:三井のリハウスで不動産売買をしたことがある方
回答人数:14,281人
調査方法:Webでのアンケート

査定額が適切か

マンションの売却を成功させるためには、適正な売り出し価格が設定されているかが重要です。売り出し価格が相場よりも高いと、売却できる確率は下がり、買い手が見つかるまで時間もかかる可能性があります。「査定額が一番高いから」と、単純に価格だけで会社を選ばないよう心がけましょう。査定額が相場より極端に高かったり低かったりする場合は、根拠を聞いてみることをおすすめします。

【30代・初めて売却した方の体験談】
初心者でも分かりやすく丁寧に売却までの流れを教えていただき、安心して案件を進めることができました。最初にデータ分析をし、適切な売却額の提示をしていただけたことが非常に安心感へとつながりました。また、担当者の人柄もとてもよく、気持ちよく案件を進められました。身近な人が不動産で悩んでいたら、三井のリハウスを紹介させていただきたいと思っております。

売却戦略は具体的か

不動産会社選びでは、不動産売買の販売力を見極める姿勢も大切です。ネット掲載、チラシ配布といった具体的な売却戦略をチェックしましょう。

また、売りに出す前にハウスクリーニングやリフォームを行うべきか質問してみましょう。物件の状態によっては、内覧前にハウスクリーニングやリフォームを行うことで、購入希望者からの印象がよくなり、結果的に契約につながりやすくなることがあります。

ハウスクリーニングやリフォームの必要性は、修繕や清掃にかかる費用と、売却による利益を比較しながら決めます。そのため、根拠を持って具体的なアドバイスをくれる不動産会社であれば、信頼できるといえるでしょう。

【40代・売却戦略により買主が見つかった方の体験談】
地元の不動産会社へお願いしていましたが、なかなか買い手が見つからず、大手の三井のリハウスにお願いしました。広告や見学会を開いてくださり、早く買い手が見つかったので助かりました。若い担当者でしたが、とても信頼できる方で三井のリハウスに頼んでよかったです。ありがとうございました。

【50代・希望の金額で売却に成功した方の体験談】
担当の方には、少しでも高く売れるようにと希望を伝えたのですが、それを上回る結果で応えてくれました。お人柄もよく、親身にこちらの話をお聞きいただき、終始とても丁寧な対応でした。担当の方から、「3か月から6か月以内に売れますので、先に新居を探しましょう」と提案がありました。それからトントン拍子に新居と買い手も見つかり、値引き交渉に対応していただいた結果、無事に売買が成立しました。

販売実績は豊富か

不動産会社ごとに、販売実績が豊富な地域や物件のタイプは異なる点にも注意しましょう。会社の得意とする地域であれば、どうすれば売れやすいかを経験上熟知しているため、マンションの売却がスムーズに進められます。過去に同じマンションや周辺で販売実績があるかを確認してみるとよいでしょう。

【50代・実績豊富な不動産会社で売却に成功した方の体験談】
担当者の方に丁寧に対応していただき満足できる契約内容になりました。取扱物件の豊富さや実績もさることながら、担当者が売主のことを(当然買主のことも)よく考慮していただいていることが三井のリハウスの強みであったと思います。

実績豊富な不動産会社

担当者の対応は誠実か

売却や交渉を担当する不動産会社の担当者の対応を見て、誠実で信頼できるかどうかを見極めましょう。こちらの要望に寄り添い、質問にも分かりやすく答えてくれる担当者が担当していれば、納得のいく形で売却を進めやすいといえます。

担当者の対応を判断するうえでは、メールのやりとりのみでなく、直接会って話を聞くことも大切です。マンションの売却活動には時間がかかり、何か月もかかわっていくことになるため、自分と相性がよく信頼できる担当者でないと、不安やストレスを抱えてしまう恐れもあります。何より、直接会話をして相談や手続きを進めたほうが、文面でのやりとりよりも多くの情報が交換できるというメリットがあります。

【60代・担当者の対応にご満足いただいた方の体験談】
とても親切で、わからないこと、疑問に思うことなど電話やメールだけでなく直接顔を出してくださいました。すべての決定も焦らせることなく時間もかけていただきました。ありがとうございました。

査定は早めに受けるのがおすすめ

マンション売却の一連の流れにおいて、査定は最初の一歩に過ぎません。簡易査定や訪問査定が終わってから買主が決まるまでの売却期間は、一般的には3か月~6か月ほどを要し、売買契約を結んでから引渡しまでは2か月~3か月ほどかかるとされています。

このように、マンションの売却には約半年はかかることが一般的であるため、余裕を持って売却活動を進める必要があります。希望価格で売却するためにも、早めに査定を受けてみましょう。

また、中古マンションは、築20年前後が比較的売りやすいとされています。築年数が古いと売却に不利といわれますが、住宅ローンの返済が進んでいるため、逆に手元に残る現金が多くなることもあるのです。ただし、これ以上築年数が増えてしまうと、経年劣化が進むことで、査定額が下がる傾向があるため、注意が必要です。マンションの売却時期や金額の希望が具体的に決まっている方は、早めに査定を受けることをおすすめします。

三井のリハウスでは、AI査定・簡易査定・訪問査定の3種類の無料査定を受け付けております。累計取扱件数100万件以上の実績にもとづく、精度の高い査定結果を提供しておりますので、ご興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。

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不動産鑑定士 竹内英二

株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士をはじめとしたさまざまな資格を保有。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングなども行なっている。
https://grow-profit.net/