
狭小地は売れない?売るのが難しいとされる理由や売却のコツを解説
狭小地には売れにくいというイメージがありますが、ポイントを押さえることで売買することは可能です。この記事では狭小地の売買が難しいと思われる理由と売却するコツについて解説します。
狭小地は売れない?
狭小地を所持している方のなかには、「狭小地は売れないのでは?」と思っている方も多いのではないでしょうか?結論、いくつかのコツを押さえることで狭小地の売買は可能です。この記事では狭小地の特徴や、なぜ売れにくいとされているのか、売却を成功に導くコツについて詳しく解説します。
狭小地とは
狭小地とは面積が小さい土地のことを指し、15~20坪以下の土地を指すことが多いですが、明確な定義はありません。そこで、ここでは狭小地の一般的な特徴をご紹介します。
利便性の高い場所や地価の高い都市部に多い
狭小地は、利便性がよい場所や、都市部に多く存在する傾向があります。なぜなら、利便性の高い場所や都市部は地価が高く、土地が広過ぎると買い手が限られるため、不動産会社は土地を細分化し、土地購入者のニーズにあったサイズで販売するからです。その結果、坪単価の高い場所に狭小地が多く存在するようになります。
台形や三角形など非整形地が多い
非整形地である狭小地が生まれる理由として、不動産会社が本来非整形地だった土地を整形地にしたケースと、相続時に土地分筆(1つの土地を複数に分けること)が繰り返されたケースが考えられます。
非整形地のようないびつな形状の土地は、活用方法が限られることや、希望に沿った建物を建てられない可能性があることから買い手が付きにくいとされています。そのため、不動産会社は非整形地を売却しやすい整形地として販売する目的で土地の分筆を行い、その過程で生じた余った土地が台形や三角形の狭小地として生まれるのです。
また、相続時の土地分筆によって土地が分割されたことにより、非整形地が生まれることもあります。複数の相続人で1つの土地を分けて相続する場合に行われる分筆が、相続を繰り返すことでさらに分けられて結果的に狭小地が生まれるのです。
狭小地の売買が難しい理由
狭小地でも売買は可能ですが、一般的に狭小地が売れにくいといわれているのは事実です。ここではなぜ住宅用地としての狭小地が売れないとされるのかについて解説していきます。
ローンを組むのが難しい
不動産購入者の多くは、金融機関から融資を受けて購入しますが、融資する金融機関が担保として審査するのは、対象になる不動産の価値です。狭小地は敷地や間口の狭さから担保価値が低く評価されてしまうため、ローン審査に通りにくいという特徴があります。
たとえば、長期固定金利型の住宅ローンである「フラット35」では、新築住宅の延床面積に条件があり、一戸建ては70㎡以上、マンションは30㎡以上と定められています。
住宅の建築コストが多くかかる
狭小地は敷地が限られていることから、一般的な土地に比べ建築コストがかかりやすい傾向にあります。狭小地は土地が狭い分、階数を増やすか、地下を造って居住スペースを確保することが一般的です。しかし、そうすると階段の設置や掘削費用、構造計算などにより、平屋や2階建てよりも建築費が多くかかってしまいます。
また、建設作業スペースが狭いことも建築費がかさむ一因です。土地が狭くて十分な作業スペースが設けられず、建設時に重機が使用できない場合、施工期間が長期化し、その分の人件費が増加してしまいます。さらに、資材の置き場がないとなると、保管場所の確保や、そこから現場までの運搬費用もかかるため追加のコストがかかることがあります。
このように狭小地に住宅を建設する場合、土地の取得費用は安く済むものの、建築費用が高額になってしまうという注意点があるのです。
日当たりがよくない
狭小地に住宅を建てる際、土地を最大限に利用しようとするため隣接する建物との距離が近くなってしまいます。その場合、隣の建物によって日光がさえぎられ、日当たりが悪くなる恐れがあります。
駐車場スペースが確保しにくい
狭小地で自家用車を置くスペースを確保したい場合、住宅スペースをその分、縮小する必要があります。また、1階に駐車場を設置して、2階、3階を居住スペースとするプランで駐車スペースを確保する場合では、建物の階数が増えるため、その分の建築費用が必要です。もし、自宅に駐車場が確保できず、近くに駐車スペースを借りた場合は、毎月賃料がかかってしまうという注意点も把握しておきましょう。
狭小地を購入するメリット
次に狭小地を購入する側のメリットをご紹介します。狭小地のメリットは主に以下の2つです。
・地価が高い都市部に家を建てることができる
・税金負担を抑えられる
1つずつ見ていきましょう。
地価が高い都市部に家を建てることができる
都市部では1坪当たりの土地の価格が高額になるため、広い土地に家を建てようとするとかなり高額な費用が発生します。さらに一戸建ては、土地以外にも建物建設費が別途必要なため、坪単価が高額なエリアで一軒家を建てるには金銭的ハードルが高いのが現実です。
しかし狭小地であれば、面積が狭いため、土地代を抑えながら坪単価が高めの人気エリアに家を建てやすいというメリットがあります。
税金負担を抑えられる
土地にかかる固定資産税や、都市計画税といった税金は、立地条件に加えその土地の広さが金額に影響を与えます。そのため狭小地は土地面積が小さい分、それらの税金を抑えることが可能です。
このように狭小地にもメリットが存在します。売却を検討している場合には、今回ご紹介したメリットを訴求した売却活動を行いましょう。
狭小地を売却するコツ
上記のような理由から売れにくいといわれている狭小地ですが、コツを押さえることで売却の可能性が広がります。ここでは狭小地を売却するコツについてご紹介しましょう。
隣地所有者に相談する
面積の小ささや活用の難しさから、狭小地単体ではそれほど価値がない場合でも、隣地所有者にとっては購入するメリットが大きい可能性があります。たとえば、隣地も狭小地の場合、敷地を広げることができて土地活用の幅が広がります。
また、購入した狭小地を駐車場や庭、物置スペースとして利用することもでき、新しく広い土地を買い直すよりコストと手間を抑えることが可能です。狭小地の売却をする際は、まず隣地所有者に相談してみましょう。ただし、個人間での不動産売買はトラブルにつながる可能性があるため、不動産会社への仲介依頼をおすすめします。
アピールポイントを売り出す
狭小地はその形成の過程から立地がよいケースが一般的です。駅から徒歩5~10分以内の場所や都市部のように、立地が好条件の狭小地は買い手が見つかる可能性があります。ほかにアピールポイントとなりうる要素を把握し、訴求することで売却の可能性が広がるでしょう。
売り出し価格を下げる
売り出し価格を下げることで購入検討者が現れやすくなります。というのも、狭小地に住宅を建てるには建築コストが多くかかるため、土地にかかる費用はできるだけ抑えたいという購入者が多いためです。売り出し価格を相場よりも下げることで、住宅用地として購入を検討している方が興味を持つ可能性が広がるでしょう。
なお、狭小住宅に不便が多いという理由で値引き交渉される場合があるため、住宅ローン返済中の狭小地を売却する際は、ローンの残債額も踏まえて売り出し価格からどこまで値下げできるか計画立てておくことをおすすめします。
狭小地の売買はプロに相談しよう!
これまで狭小地が売れにくいとされる理由と売却のコツについて解説してきました。お伝えしたように、狭小地でも売買することは可能です。しかし、売却の際にはコツを押さえる必要があるため、ますは売買のプロである不動産仲介業者に相談しましょう。
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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。