
ゴミ屋敷を売る!高く売却するための方法と費用を詳しく解説!
ゴミ屋敷となってしまった自宅や親が住む実家は、売却できるのでしょうか?今回の記事では、ゴミ屋敷を少しでも高く売るための方法や、そのためにかかる費用、ゴミ屋敷を放置するリスクについて解説します。
ゴミ屋敷の定義
ゴミ屋敷に明確な定義はありませんが、一般的に、ゴミなどが屋内外に積まれることにより、悪臭や害虫の発生、崩落などの危険が生じる家のことをいいます。なお、似た言葉に「ゴミ部屋」「汚部屋」がありますが、ゴミ屋敷と異なる点は、屋内にのみゴミや汚れがたまり、外部からは状況がほとんど分からないことです。
ゴミにも所有権がある
一般的にゴミとされるものについても、法的には所有権があります。多くの人から見て明らかにゴミであっても、所有者が「これはゴミではない」と主張した場合、近隣住民や行政機関が強制的に排除することは現実的には難しいのです。
社会問題でもあるゴミ屋敷
前述の通り、ゴミ屋敷には第三者が立ち入りにくいという問題があります。そこで、一部の自治体では、法令の範囲内で強制的にゴミを撤去できる独自の条例を制定しています。
これらの条例は、通称「ゴミ屋敷条例」と呼ばれ、住民から申し出を受けた役所が、ゴミ屋敷に立ち入り調査を行うことで現場の状態を確認し、改善するよう助言や指導、勧告、命令を行えるというものです。ゴミ屋敷の住人が命令に従わない場合は、最終的に行政代執行となります。行政代執行については、後で詳しく説明します。
●ゴミ屋敷に関する条例について詳しくはこちら
ゴミ屋敷を売る5つの方法
ゴミ屋敷のまま売ろうとしても、買い手が付くことはまずないといってよいでしょう。少しでも早く売りたいならば、事前の対策が必要です。主な方法としては、以下の5つがあります。
・ゴミを処分する
・ハウスクリーニングをする
・リフォームする
・更地にする
・古家付き土地として売る
ゴミを処分する
ゴミや不用品が大量にある場合は、清掃業者に依頼すると、自分で処分するよりも短時間で効率的に片付けられるでしょう。特に粗大ゴミは、廃棄が有料であるケースが多いうえに、自治体によっては特定の場所まで自分で運搬しなければならず、時間と労力がかかります。その点、清掃業者であれば、あらゆるゴミを適切に片付けて、廃棄までしてくれます。
ハウスクリーニングをする
ゴミを長く放置していた影響で、床や壁が変色していたり、水回りが汚れていたりすることもあります。また、ゴミによる悪臭が建材や壁に染み付いている場合は、除菌・消臭が必要なこともあります。自分だけで汚れや臭いが取り切れないときは、プロによるハウスクリーニングを検討しましょう。
リフォームする
相場に近い形で売却したい場合、ゴミを処理した後、リフォームする選択肢もあります。過去はゴミ屋敷だったという訳あり物件でも、リフォームした状態であれば、買い手が付く可能性があるためです。ただし、リフォームにはお金がかかるため、リフォームする必要があるかどうかは、不動産会社に相談したうえで判断するのがよいでしょう。
更地にする
一戸建ての場合、ゴミを処分した後、解体して更地にすることで早く売却できる可能性があります。しかし多くの場合、建物を壊して更地にすると、住宅用地に対する固定資産税の軽減措置が適用されなくなります。税金の負担が重くなることもあるため、慎重な判断が必要です。
●固定資産税の住宅用地特例についてはこちら
古家付き土地として売る
近年は、古民家をリノベーションして住みたいというニーズが増えてきており、古家付き土地として売る方法もあります。しかし、古家付き土地の売却では、建物の価値はなしと見なされ、土地だけの値段で売却することが一般的です。解体費用をかけて更地にしても、必ず売れるとは限らないため、古家付き土地として売るか、建物を解体して売るか、不動産会社に相談して判断しましょう。
ゴミ屋敷を売るのにかかる費用
ゴミ屋敷を売れるようにするためには、主に以下の費用がかかってきます。
・ゴミを片付ける費用
・ハウスクリーニングの費用
・リフォーム費用
・建物の解体費用
これらの費用は、販売価格に上乗せするのが難しいケースもあるため、かかる費用を把握し、取捨選択することが大切です。
ゴミを片付ける費用
ゴミを片付けるための費用は、ゴミの量(運搬する車両のサイズ)、スタッフの数、有料ゴミの数などによって異なります。なかには不当に高い料金を請求する悪徳業者もいるため、複数の業者に見積もりを取り、料金体系や内訳をしっかり確認しましょう。
●家を片付けるメリットや費用についての詳しい記事はこちら
ハウスクリーニングの費用
ハウスクリーニングは、作業面積(間取り)の広さや、汚れの度合いなどによって料金が異なります。建物全体でなく、キッチンや風呂場など、一部の場所のみの依頼も可能なので、予算と相談しながら決めましょう。
●ハウスクリーニングの相場についての詳しい記事はこちら
リフォーム費用
内装全体をリフォームする場合、相場はおよそ600万~1,000万円とされます。なお、ハウスクリーニング同様、一部の部屋や水回りのみの依頼もできます。リフォームをするとなると、費用負担は大きいですが、建物を解体できない分譲マンションで、特に築年数が経過している場合は、検討の余地があるでしょう。
●マンションリフォームの相場についての詳しい記事はこちら
建物の解体費用
解体費用の目安は、一般的に1坪当たり木造は3万~5万円、鉄骨造は4万~7万円程度です。たとえば、解体する建物が30坪で、解体費用が坪当たり5万円の場合、およそ150万円かかります。建物の解体についても費用負担が大きいため、土地の売却で費用を回収できるかどうかを考えながら慎重に判断しましょう。
●家の解体の相場についての詳しい記事はこちら
ゴミ屋敷を放置するリスク
ゴミ屋敷は、居住者だけでなく、近隣の住民にもさまざまな害を与える可能性があります。ここからは、ゴミ屋敷を放置するリスクについて説明しましょう。
悪臭や害虫が発生し不衛生
ゴミ屋敷には、生ゴミが放置されていることもあります。そのため、ひどい悪臭や、ハエやゴキブリなどの害虫が発生し、不衛生な状態です。特に害虫が発生すると、さまざまな病原菌を媒介し、皮膚・呼吸疾患やアレルギーを引き起こす要因となるため注意しましょう。
近隣トラブルになる
ゴミ屋敷のゴミが屋外にまではみ出すと、多くの人を不快にするだけでなく、ゴミにつまずくといった危険な状況にもつながります。さらに、ひどい悪臭や大量の害虫が発生すると、近隣に多大な迷惑をかけることになり、住民同士のトラブルに発展することも考えられます。
行政代執行の対象になる
現在、ゴミ屋敷に法的な罰則はないことから、独自の条例を施行する自治体が増えています。該当する自治体においては、ゴミ屋敷を改善するよう命令が出ているのに従わない場合、最終的に行政代執行となります。行政代執行とは、国や地方公共団体などの行政機関が、命令や義務を果たさない人たちの代わりにゴミや建物の撤去、排除などを強制的に行うことです。なお、代執行でかかる高額な費用は、ゴミ屋敷の所有者の負担となることを覚えておきましょう。
特定空き家に指定される
ゴミ屋敷が空き家になっている場合、国が定める「空家等対策の推進に関する特別措置法」の認定基準に該当すると「特定空き家」に指定される恐れもあります。そうなると、建物を解体して更地にするのと同様、居住用地への固定資産税の軽減の特例が適用されなくなります。ただし、近年は深刻な空き家問題もあり、一部の自治体においては、建物を解体後も、一定の要件を満たせば税負担の軽減措置を行っていることもあります。自治体のホームページで確認しましょう。
●特定空き家について詳しくはこちら
ゴミ屋敷を売りたいならプロに相談
ゴミ屋敷でも、的確に対処すれば売れる可能性があります。ゴミ屋敷を売りたいけれど、どうすればよいか困っている方は、まずは査定によって所有する不動産の価値を知り、不動産会社に高く売るための方法を相談するのがおすすめです。
三井のリハウスでは、お客さまの不動産の状況に合わせて多彩なサポートをご用意しております。不用品の片付けや回収、ハウスクリーニング、リフォームなどの幅広いサービスを用意しており、お客さまが納得のいく売却を行うためのオーダーメイドの販売戦略をご提案しております。ぜひ、一度ご相談ください。
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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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