間取図とは?見方や記号など読み取れる情報を解説

間取図は、物件探しやマイホーム設計の際に目にすることが多いものでしょう。間取図には、各物件における部屋や設備の位置関係が描かれています。この記事では、間取図の概要や見るべきポイントについて分かりやすく解説します。

目次
  1. 間取図とは?
  2. 間取図と平面図の違い
  3. 間取図から何が分かる?
  4. 間取図から読み取りにくい情報は?
  5. 間取図にない情報はどこで得られる?
  6. 間取図に出てくる略称
  7. 間取図は自分で描ける?
  8. 間取図の理解を深めてよりよい物件探しを
記事カテゴリ 購入 マンション 一戸建て
2024.07.02

間取図とは?

間取図とは、建物を階層ごとに分け、真上から見た様子を図面にしたものです。間取図には各部屋の仕切り方に加え、キッチンやリビング、玄関などの位置関係や、設備がどのように配置されているかが描かれています。間取図の描き方にルールはないため、どの程度細かく記載するか、縮尺をどう設定するか、描くときにどんな線を使うかなどは、図面の作成者が自由に決められます。間取図を作成するのは、一般的には不動産会社や建築事務所です。

この記事では、物件に関する多くの情報が得られる間取図の概要や見方について、詳しく解説します。理想の物件探しに、ぜひお役立てください。

新築の不動産物件の間取図

間取図と平面図の違い

間取図に関する詳しい説明に入る前に、ここでは似ていて混同しやすい「平面図」について解説しましょう。

間取図とは先述の通り、どこにどのような居室があるか、広さはどのくらいかなど、空間のレイアウトが分かるものです。一方、平面図は、各階の床面から一定の高さの水平断面を図面上で表したもので、正確な縮尺や寸法が記載されています。平面図を理解することで、窓の大きさや取り付け位置といった、より詳細な物件情報を把握することが可能です。

つまり間取図は、部屋のレイアウトが分かるものであるのに対し、平面図は部屋の縮尺も把握できるものになります。

正確な寸法が記載された家の平面図

間取図から何が分かる?

間取図は、物件内部のさまざまな情報を感覚的に把握できる図面で、住宅の基本情報を把握するには最適といえます。具体的に把握できる情報は、以下の2点です。

・部屋や設備の配置
・生活動線

部屋の配置や生活の様子が確認できる間取図

部屋や設備の配置

間取図からは、キッチンやリビング、ダイニング、玄関やトイレ、浴室などが物件内のどこに位置しているのかが分かります。また、窓の位置や数、方角に注目することで、風通しはどうか、朝から夕方にかけて太陽はどのように室内に差し込むのか、といったことも想像できるでしょう。このように、実際に内見しなくてもある程度、住まいのレイアウトを把握できることが間取図のメリットです。

生活動線

この物件に住んだとき、具体的にどのような暮らしになりそうかということも、間取図から想像できます。家具や家電はどこに置けるか、収納はどこにあるか、また掃除や洗濯などを行う際の家事動線は不便ではないかといったことも分かります。内覧を申し込む前に、まずは自分や家族にとって使いやすいかどうかを間取図でイメージしてみるとよいでしょう。

間取図から読み取りにくい情報は?

ここまで、間取図から得られる情報について解説しました。一方で、間取図から読み取りにくい情報は次の2点です。

・部屋の開放感
・部屋の正確な寸法

それぞれについて、以下で解説します。

部屋の開放感

実際に部屋に入ったときの開放感を、間取図に記載された天井高や床面積の数値のみから予想するのは難しいでしょう。また、間取図は上から見た図であり、窓の正確な形状は把握できません。そのため、間取図では一見大きな窓があるように見えても、実際は横長の小さな窓で、窓面積が想像より小さい場合もあります。

大きいかと思いきや実際は小さい窓

部屋の正確な寸法

部屋の縦横それぞれの長さや、部屋同士の大きさの関係を正確に把握するには、間取図だけでは限界があります。なぜなら、先ほど解説した平面図と異なり、間取図は、部屋や設備の配置を示したものであり、正確な寸法を記載することを目的としていないことが多いためです。さらに、間取図は縮尺も統一されていません。作成者や図面の用途によって、その都度、適切であると判断された縮尺で作成されている点に注意が必要です。

間取図にない情報はどこで得られる?

窓の縦の長さや形状など、間取図では分からない情報を知りたい場合は、ほかの図面でカバーする必要があります。先ほどご紹介した平面図に加え、立面図や断面図も併せて見てみましょう。

立面図は、建物の外観を横から見た図のことを指します。建物がどういう形をしているか、また窓やドアの位置・大きさなど、間取図や平面図では分からない部分を知りたいときに役立ちます。断面図は、建物を垂直に切断し、横から眺めた図のことです。建物各部の高さに加え、屋根の勾配も分かります。

このように、間取図だけでなく立面図と断面図を見ることで、間取図から読み取れない縦の寸法が把握できるうえ、上下階のつながりも理解できます。特にマンション内の1住戸が2階層に分かれているメゾネットタイプやロフト付きの物件など、縦の構造が複雑な物件は、間取図と立面図、断面図を総合的に見るのがおすすめです。

間取図に出てくる略称

間取図ではさまざまな略称が使用されます。以下の表に記載された略称と意味を事前に把握しておくと、間取図をより深く理解できるでしょう。

略称意味
洋/和〇帖部屋の様式と広さを表す単語
例)洋7帖:7帖の洋室(※1帖=1.62㎡)
Kキッチン
DKダイニングキッチン:食事場所とキッチンが一体になっている部屋。DK以外に居室が1つあれば「1DK」
LDKリビングダイニングキッチン:居間と食事場所とキッチンが一体になっている部屋。LDK以外に居室が2つあれば「2LDK」、3つなら「3LDK」、4つなら「4LDK」
RFロフト
RBLルーフバルコニー
UBユニットバス
BRベッドルーム
ACエアコン
DSダクトスペース
PS配管スペース
MBメーターボックス

間取図は自分で描ける?

物件探しにあたって、自分で間取図を描いてみたいという方もいるかもしれません。建築の知識がないと、間取図を作成するのは難しいように感じるかもしれませんが、間取図に関する知識をある程度覚えれば、作成は可能です。手描きで方眼紙に書いたり、Excelで手軽に作成したりする方法もありますが、間取図作成ソフトや作図ソフトを活用すると、初めてでも簡単に間取図が作成できます。

正確に描くことにこだわり過ぎず、「リビングは広めがいい」「キッチンの隣にランドリールームがほしい」といった、おおまかなイメージを不動産会社に伝えるつもりで描いてみてはいかがでしょうか?理想の物件が見つかる可能性が高まりますよ。

建築の知識がなくても間取図の作成は可能

間取図の理解を深めてよりよい物件探しを

ここまで、物件探しにおいて目にする機会の多い、間取図の概要や見どころについて解説しました。

間取図は、視覚的に物件の平面構造や設備の配置を把握するのに便利な図面である一方、寸法や縮尺、横から見た様子などは把握できません。物件を立体的に把握したり、数値的に理解したりするためには、平面図や立面図、断面図も併用して見るとよいでしょう。

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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。