
田舎の家を処分するにはどうすればよい?売却しないリスクも解説
田舎の家は売却や寄付などによって処分をする方法があります。この記事では主に田舎に家を所有している方や相続の予定がある方に向けて、田舎の家の処分方法や放置した場合のリスクなどについて解説します。
目次
田舎の家を処分しないリスク
田舎にある実家を相続し、売りに出したものの、買い手が付かず困っている方や、将来的に相続することになっても、どのように処分すればよいのかお悩みの方は多いのではないでしょうか?
田舎の家を処分するにはいくつか方法があり、そのなかから自身の状況に適したものを選択する必要があります。この記事では、田舎に家を所有する方に向けて、田舎の家を処分しないリスクや処分方法、処分時のポイントについて解説します。田舎の家を相続した方や、これから相続する予定の方は、ぜひ参考にしてください。
まずは田舎の家を処分しないままでいるとどのようなことが起きてしまうのか、以下で3つのリスクをご紹介します。
固定資産税がかかる
固定資産税は、不動産を所有していると、毎年課税される税金です。それも建物と土地それぞれに税金がかかります。固定資産税は、その家に居住していなくても、所有者が支払わなければいけないため、誰も家に住んでいなかったり、人に貸し出して活用していなかったりする場合、早めに処分すると負担が抑えられます。
近隣トラブルにつながる可能性がある
建物や土地をそのままにしておくと、近隣トラブルの原因になってしまう恐れがあります。適切な管理を行わない場合、老朽化が進むため、倒壊・虫害・異臭などの発生にもつながりかねません。近隣住宅・住民にまで被害を及ぼす前に、早めに対策を行いましょう。
特定空き家に指定されると税金が高くなる
特定空き家に指定されると、固定資産税の課税標準額が1/3または1/6となる住宅用地の軽減措置が適用されず、固定資産税が高くなってしまいます。特定空き家とは、倒壊の危険がある・衛生上有害となり得る・景観を著しく損なうなどの状態にあると指定された空き家のことです。空き家のなかでも特に危険な状態を指し、税負担が増えてしまうため、特定空き家に指定されそうな田舎の家をお持ちの方は特に、早めの対応をおすすめします。
田舎の家を処分する方法2選
田舎の家の処分方法は主に2つあります。
・売却する
・寄付する
以下でそれぞれ詳しく解説していきます。
売却する
不動産会社を通して田舎の家を売却する方法には、「仲介」と「買取」の2種類があります。仲介は、不動産会社に仲介をしてもらって買い手を見つけ、家を売却する方法です。一方買取は、不動産会社に直接買い取ってもらう方法で、時間をかけずに売却できます。
ただし買取は、買い取った物件をリノベーションして再販することを前提としており、リノベーション費用を差し引いた成約価格となることが一般的です。そのため、時間がかかってもなるべく高く売りたい方は、仲介を選ぶことをおすすめします。また、買取はどのような物件でも必ず買い取ってもらえるわけではありません。田舎の家で老朽化が進んでいる場合は、買取を断られることもあるため注意が必要です。
ちなみに、不動産会社を利用せずに、空き家バンクを活用して売却するという選択肢もあります。空き家バンクとは、空き家物件の情報を地方公共団体のホームページ上などで提供する仕組みのことです。空き家バンクへの登録は無料で行えるほか、自治体によっては個人間の取引も可能であるため、仲介手数料がかからないことがメリットです。
寄付する
田舎の家を処分するには、自治体に寄付するというのも1つの方法です。ただし、注意しなければならないのは、自治体が必ず寄付を受け入れてくれるわけではないということです。自治体にとって固定資産税は大切な収入であるため、活用できる見込みがない空き家の寄付はほぼ受け入れてくれません。まず、自治体が家の寄付を受け付けているか、また寄付にはどのような条件があるのか、確認することから始めてみましょう。
ちなみに、自治体ではなく一般個人に家を寄付することも可能ではあります。しかし、受贈者には贈与税が発生するので、活用が難しい家や土地の場合は、やはり断られやすいでしょう。
田舎の家は相続放棄するという選択肢もある
田舎の家を相続することになった方には、処分以前に相続自体を放棄するという選択肢もあります。ただし、相続放棄とは、相続財産の全てを放棄することなので、現金や有価証券などほかの財産も放棄する必要があります。また、相続放棄は原則、相続を知ってから3か月以内に手続きが必要になるので注意しましょう。
貸し出した場合のメリット
田舎の家を処分せず、貸し出すのも1つの選択肢です。貸し出しは家を手放さずに済むため、今はその家に住む予定がなくとも、将来その家に住みたいと考えている方には、メリットになります。また、家賃収入を得られるという点も大きな魅力です。家の老朽化が進んでいる場合は、取り壊して土地を借地にするという方法もあります。
ただし、いずれの場合も借り手が見つかるとは限らないため、その点は留意しておきましょう。
田舎の家はなかなか売れない?
田舎の家は購入ニーズが少なく、希望の価格で売れないことが多くあります。購入ニーズが少ない理由の1つには、今すぐに移住を希望する人口が少ないことが挙げられるでしょう。しかし、実績のある不動産会社に仲介を依頼したり、売り出し価格を相場より低く設定したりすることで、買い手が見つかりやすくなるかもしれません。
田舎の家を処分するポイント
ここまで、田舎の家の売却はなかなかうまくいかないこともあるとお伝えしました。しかし、ポイントを押さえればスムーズに売却できる可能性があります。1つずつ見ていきましょう。
リフォームやリノベーションを検討する
1つ目のポイントには、売却前にリフォームやリノベーションを行うことが挙げられます。築年数が経過した田舎の家の場合、床や壁の張り替え、外壁や屋根の塗装、水回り設備の改修などがおすすめです。家をきれいに見せられるだけでなく、住宅の安全性や防犯性を高められるので、購入検討者によい印象を与えられるでしょう。
一方で、中古住宅の購入検討者には「安く購入して自分好みにリノベーションをしたい」という人も少なからず存在します。そのため、過度なリフォームやリノベーションは控えるようにしましょう。また、リフォームやリノベーションには費用も発生するため、実施するかどうかは不動産会社に相談して決めるのがおすすめです。
解体して土地を売却する
状況によっては、建物を解体して土地のみを売却するほうがスムーズな場合もあります。更地であれば、家を新築したり、土地活用を始めたりと、幅広いニーズに対応しやすくなるため、それだけ買い手も見つかりやすくなるといえます。老朽化が進んでいる家や、売却がなかなか進まない家をお持ちの方は、解体も視野に入れるとよいでしょう。
独自の魅力をアピールする
売却に出す際は、田舎の家ならではの魅力を伝えることも大切です。豊かな自然や土地の広さ、売り出し価格の安さといった独自の魅力を買い手にアピールしましょう。
田舎の家の売却は不動産会社に相談
ここまで、田舎の家の処分方法や処分しない場合のリスクなどについて解説してきました。田舎の家は売却や寄付によって処分するほか、手放さずに貸し出す方法も挙げられますが、なかなかうまくいかないという場合もあるでしょう。売却を成功させるには、それぞれの家の条件に合った販売戦略が重要となります。三井のリハウスでは、100万件以上の取扱件数に基づく知見を生かした販売戦略の立案と提案が可能です。
田舎の家の処分でお困りの方は、全国にネットワークを展開している三井のリハウスへお気軽にご相談ください。
●無料査定のお申し込みはこちら
●家の売却をご検討中の方はこちら


監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。