建築条件付き土地とは?メリットやトラブル回避のための注意点を解説

「建築条件付き土地」とは、土地の売主または土地の売主が指定する建築会社で、住宅を建築することが条件になっている土地を指します。今回は、メリットや注意点、どのような人に向いているかなどを解説します。

目次
  1. 建築条件付き土地とは?
  2. 建築条件付き土地の購入から家が完成するまでの流れ
  3. 建築条件付き土地は価格が安い?
  4. 建築条件付き土地のメリット
  5. 建築条件付き土地で家を建てる際の注意点
  6. 建築条件付き土地の購入は不動産会社に相談しよう
記事カテゴリ 土地
2024.08.30

建築条件付き土地とは?

家を買いたい、または今の家を売却して住み替えたいとお考えで、情報収集をしている方のなかには、「建築条件付き土地」という言葉を見かけたという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

建築条件付き土地とは、土地の購入後、一定期間内に特定のハウスメーカーや建築会社と請負契約を結ぶという条件が付いた土地を指します。一定期間とは、土地の購入後3か月以内が一般的です。

建築条件付き土地は、相場よりも安く購入できたり、土地の購入と建物の購入をひとつの窓口で対応してもらえたりするなどのメリットがあり、関心を持つ方も少なくありません。一方で、ハウスメーカーや施工会社を自分で決められない、短期間で家の間取りや仕様といったプランニングを完了しなければならないなど、大きな注意点もいくつかあるので、事前の詳細確認は必須と考えましょう。

今回は、建築条件付き土地を検討する際に知っておきたいメリットや注意点、どのような方に向いているかなどを解説します。

売地の看板が立つ土地

建築条件付き土地の購入から家が完成するまでの流れ

建築条件付き土地を購入する場合、家が完成するまでのおおまかな流れは以下の通りです。

[ 1 ] 建築条件付き土地の売主と、土地の売買契約を結ぶ
[ 2 ] 土地の売主や売主が指定する施工会社と、家の間取りや仕様を決める
[ 3 ] 施工会社と、建築の工事請負契約を結ぶ
[ 4 ] 土地決済後、家の建築工事
[ 5 ] 入居

土地の売買契約の条件には建築の工事請負契約の締結が含まれており、家の間取りや仕様を決める時間が限られているのも、建築条件付き土地の特徴です。そして建物が完成し、各種検査を経て問題がなければ、入居となります。

家の形の木枠と積み木のトラックとカレンダー

建築条件付き土地は価格が安い?

建築条件付き土地は、建築条件のない土地に比べて価格が割安になることがあります。建築条件付き土地では、土地販売と建物建築の両方を、同じ会社や提携している会社で請け負うことが決まっており、建物建築からも利益を上げることができるので、土地の価格を安く抑えられるのです。

一方、建築条件のない土地の場合、買主は土地のみを購入することが可能なため、土地の売主が建物の建築も受注できるという保証はありません。したがって、建築条件付き土地のように、土地の価格を安く設定するのは難しいのです。

ただし、建築条件付き土地が「土地と建物のセット売り」である点には、十分な注意が必要です。たとえば、土地が相場より割安でも、建物のほうに費用がかかりすぎて、結果的に予算をオーバーしてしまうケースもあるからです。土地の価格だけにとらわれず、土地と建物のトータルで費用がいくらになるのかを、しっかりと確認するようにしましょう。

住宅ローンの計算をする男女

建築条件付き土地のメリット

それでは、建築条件付き土地を購入して家を建てる場合に、どのようなメリットがあるのかを見ていきます。

土地の購入と建物の購入をひとつの窓口で対応してもらえる

土地と建物の購入の窓口が1つのため、相談や手続きが楽に行えます。また複数の建設会社を検討したり比較したりする必要がありません。

自分の好みで間取りや仕様を選べる自由度がある

一般的な「建売住宅」や「分譲住宅」は、家がほぼ完成した状態で販売されるため、自分で間取りや仕様を選ぶことは難しいのが実情です。一方、建築条件付き土地で建てる家は、買主が土地を買った後に、売主となるハウスメーカーや施工会社、請負会社が家を建てる「売建(うりたて)住宅」なので、多くの場合、間取りや仕様を複数の選択肢から選ぶことができます。そのため、注文住宅同様、買主は自分のこだわりを反映させることができるのです。

木の床にFREEの積み木

建築条件付き土地で家を建てる際の注意点

建築条件付き土地で家を建てる場合、トラブルを未然に防ぐために、以下のような注意点を踏まえておきましょう。

支払いの管理が煩雑

建築条件付き土地に家を建てる場合、以下のように複数回にわたる支払いが発生します。

・土地の契約時における手付金の支払い
・工事請負契約時における請負契約金の支払い
・土地の引渡し時における残代金の支払い
・住宅の着工時における着工金の支払い
・住宅の建築中における中間金の支払い
・住宅の完成時における建物の残代金の支払い

上記には、現金での支払いが必要なものと、住宅ローンでしか支払えないものがあるため、費用管理に手間がかかる点には注意が必要です。

自分で施工会社を選ぶことができない

建築条件付き土地では、あらかじめ施工会社やハウスメーカーが定められています。そのため、買主が希望する設計や工法を実現できるかどうかは、確認が必要です。内装や仕様はある程度選べますが、施工会社やハウスメーカー側からあらかじめできあがっている参考プランを提示されることもあり、思ったよりも買主の自由度が低かったというケースも見受けられます。

このように、建築条件付き土地の状況は物件ごとに異なるため、買主は契約内容を詳しく確認する必要があります。きちんと理解・納得したうえで進めれば、トラブルを未然に防げるので、少しでも気になることがあれば、売主や仲介された不動産会社などに迷わず相談しましょう。

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建築条件付き土地の購入は不動産会社に相談しよう

ここまで、建築条件付き土地の特徴や購入のメリット、注意点などを解説してきました。条件が指定されている分、土地が相場より安くなりがちであるといったメリットが存在すると同時に、現金での支払いが必要なタイミングや住宅ローンを利用しないと費用が支払えないタイミングがあり支払いの管理が煩雑であったり、ハウスメーカーを選べなかったりするなど、注意点が多いことは理解しておきましょう。

これらを踏まえたうえで、建築条件付き土地の検討に向いている方は、以下の通りです。

・できるだけ土地を安く買いたいと思っている人
・「ハウスメーカーが決まっているから面倒が減る」と感じる人
・土地の購入と建物の購入の窓口をひとつにしたい人

複数の項目に当てはまる場合は、建築条件付き土地を積極的に探してみるのもよいでしょう。

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監修者:三上隆太郎

株式会社MKM 代表取締役
大手ハウスメーカーにて注文住宅の受注営業、家業の建設会社では職人として従事。
個人向け不動産コンサルティング会社のコンサルタントやインスペクターを経験し、中古+リノベーションのフランチャイズ展開、資格の予備校にて宅地建物取引業法専属講師など、不動産業界に幅広く従事。
https://mkm-escrow.com/