
別荘を売りたい!売却しにくい理由と対策方法も解説
休暇を楽しむために購入したり、親族からの相続で受け継いだりしたなど、別荘を所有する理由は人それぞれでしょう。しかし一方で、別荘を売りたいと考える方も増えつつあるようです。今回は、別荘売却の現状や売れにくい理由、売るためのコツなどを解説します。
目次
別荘を売りたいと考える人が増えている
家族や自分のために購入したり、相続によって権利を得たりして別荘を所有したものの、売却を検討する人が増加傾向にあるといわれています。「別荘の所在地が遠いため足を運ばなくなった」「別荘が老朽化した」「相続はしたが活用する予定がない」など、事情はさまざまですが、別荘をスムーズに売ることはできるのでしょうか?
今回は、別荘の売却を検討している方に向けて、実際の売却方法や売れない期間が続く際の注意点、早めに売るためのポイントまで解説します。
別荘の売却ができないといわれる理由
近年、別荘を求める人が減り、買い手が見つかりにくくなっていることから、別荘の売却が難しくなっているのが実情です。
別荘を求める人が少なくなった主な理由は、次の通りです。
・日常的に使わないため、所有する意義が薄れている
・遠方の場合はアクセスに手間がかかり、交通費もかさむ
・老朽化した別荘が多く、修繕費のほか維持費や管理費が必要
・居住用住宅の売却時には適用される税金の特別控除や優遇措置がなく、高い税金がかかる
上記のようなことから、「今は売れなくても仕方がない。しばらく所有しておこう」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、売却を先延ばしにすることで生じる問題もありますので、確認しておきましょう。
別荘を売らずに放置する場合の注意点
別荘が売れにくい状況だからと売却をせずにいると、以下のようなことが起きるため注意が必要です。
・税金が毎年かかり続ける
・維持費と管理費がかかり続ける
税金が毎年かかり続ける
住民税と固定資産税に加え、別荘の所在地によっては都市計画税が毎年かかることになります。具体的には次の通りです。
・住民税は、そこに居住していなくても、別荘のある自治体から「均等割」が課税される
・固定資産税は、建物と土地の両方に「固定資産税評価額×税率(1.4%)」で課税される
・都市計画税は、別荘のある地域が市街化区域に該当する場合「固定資産税評価額×税率(最大0.3%)」で課税される
なお、上記の固定資産税の税率1.4%については、市町村の条例によって異なる税率になる場合があります。
維持費と管理費がかかり続ける
普段、人が住んでいない別荘は特に傷みやすく、建物の状態を保つには継続的な管理が不可欠です。換気や湿気対策、雑草処理、防虫・防犯、修繕など、別荘に必要なメンテナンスは多岐にわたり、頻繁に自分自身で行うことは難しいため、多くの場合は専門業者へ依頼することになるでしょう。こうして、維持費と管理費が売却するまでかかり続けてしまうのです。
別荘を早めに売却するためのコツ
別荘を早く売りたいときは、下記のようなポイントを押さえて検討を始めるのがおすすめです。
・手放したいと思ったらすぐに行動する
・常にメンテナンスをしておく
・売却相場を確認する
・最低売却価格を決めておく
それでは、1つずつ見ていきましょう。
手放したいと思ったらすぐに行動する
手放したいと思ったときが売り時と考え、早めに動き出せば、その分、維持費や税金などの支出を軽減させることができます。
また、別荘の多くは自然や気候に恵まれたエリアにあり、そのような場所での生活(ワーケーションや二地域居住、地方への移住・定住)に関心を持つ方が、特に都市圏で増えているという側面もあります。これらのことから、別荘の立地や状態次第では売れる可能性があると捉え、売却活動を始めるのも打ち手の1つといえるでしょう。
常にメンテナンスをしておく
手入れの行き届いていない別荘は敬遠されがちで、売却しにくくなる傾向にあります。そのような事態を避けるために、メンテナンスは買い手が現れるまで続けて、状態をキープしておきましょう。
小さな劣化だから大丈夫だろうとそのままにして、久しぶりに足を運んでみたら想像以上に傷みが進んでいたというケースもあります。規模が大きくなるほど修繕費用もかさんでしまうため、早めの対応が維持管理のコスト削減につながります。
売却相場を確認する
売りたい別荘のあるエリアで、売り出し中の別荘の価格をリサーチしてみましょう。インターネットで調べたり、該当エリアの別荘地に詳しい地元の不動産会社に相談したりすることで、周辺の売り出し価格を意識した、高過ぎない売り出し価格の設定を目指すことができます。
なお、三井のリハウスでは、マンションや一戸建ての相場価格、購入検討者の情報を地域ごとに調べられるサービスをご用意しています。間取りや築年数ごとの検索もできるので、相場観を把握するための参考の1つとして、ぜひご活用ください。
【エリアごとのマンション相場価格を調べる】
・首都圏
東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 茨城県
・関西
大阪府 兵庫県 京都府 滋賀県 奈良県
・中部
愛知県 岐阜県 三重県
・他のエリア
北海道 宮城県 広島県 岡山県 福岡県
【エリアごとの一戸建て相場価格を調べる】
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最低売却価格を決めておく
購入希望者から、売却価格の値下げ交渉をされることは珍しくありません。その場面で「ここまでなら下げられる、妥協できる」という最低売却価格が決まっていれば、タイミングを逃さずスムーズに売ることも可能です。
とにかく早めに売ってスッキリしたい、維持管理の費用をこれ以上払いたくないとお考えの方は、別荘の売却に詳しい不動産会社に相談して、最低売却価格の検討に入ることをおすすめします。
別荘にはリフォームが必要?
売りたい別荘の状態によっては、「リフォームが必要かもしれない」と考える方もいらっしゃると思います。結論としては「リフォームは、どんな工夫をしても別荘が売れないときの最終手段」と位置付けるのがよいでしょう。
なぜなら、リフォームの費用は全て売主負担であるうえ、多くの時間とお金を費やしても、買い手の好みに合うとは限らないからです。「大変な労力をかけてリフォームしたのに、結局売れない…」という事態にならないよう、実施するかどうかは慎重に判断しましょう。
所有している別荘を売却するためにリフォームの必要があるのか迷う場合は、信頼できる不動産会社に相談し、プロの視点で適切なアドバイスをもらうと安心です。
別荘を売りたいなら査定から始めよう
ここまで、別荘売却の現状や、別荘を売らずに放置する場合の注意点、別荘を売却するためのコツなどを解説してきました。
別荘を手放したい人が増え、別荘の売却が簡単ではないなか、別荘を所有し続けていると、維持費や税金がかかり続けてしまいます。つまり、別荘を売りたいと思ったらすぐに行動を始め、別荘特有の事情を理解して的確なアドバイスをくれる不動産会社をパートナーにするのが、早めの売却をかなえるコツです。
不動産会社を選ぶ際は、該当地域の取り扱い実績が豊富で、別荘だけでなく不動産物件全般の売却方法に詳しいかどうかをポイントにするとよいでしょう。
三井のリハウスでは、100万件を超える不動産売却の実績を生かした無料査定を承っています。不動産売却をお考えの方は、お気軽に三井のリハウスまでお問い合わせください。
※エリアによってはご売却物件をお取扱いできない場合がございます。あらかじめご了承ください。
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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。