
オール電化マンションは売れない?原因や今後の対策を解説
オール電化マンションを所有している人のなかには、売却を検討している方もいるのではないでしょうか?この記事では、オール電化マンションのメリットから売却しやすくするためのコツや対策方法まで解説します。
目次
オール電化マンションは売れない?
オール電化マンションとは、家庭で必要なエネルギー全てにおいてガスを使用することなく電気で賄うマンションのことです。日常生活に必要なエネルギーには、家電製品や照明だけでなく、調理や給湯、冷暖房などに用いられるエネルギーも含まれます。
オール電化マンションは売れにくいとされる特徴がいくつかありますが、それらをあらかじめ把握し、対策することで売却の可能性が高まります。今回は、オール電化マンションが売れにくいとされる原因や、売却の際のコツなどについて詳しく解説します。
オール電化マンションが売れないといわれる理由3つ
オール電化マンションが売れにくいとされる理由は、主に以下の3つがあります。
・電気代の高騰
・湯切れのリスクがある
・電力会社を選べない
それぞれについて詳しく解説します。
電気代の高騰
近年、天然ガスの値上げにより、電気料金の高騰が加速しています。オール電化マンションは、調理や給湯などの生活で用いるエネルギー全てを電気で賄うため、住民の負担が増えてしまいます。ランニングコストが高くかかる物件の購入を検討する人は少ないと考えられるため、売れにくい原因の1つといえるでしょう。
しかし、オール電化マンションにも多くの魅力はあるため、それらをアピールできるとよいでしょう。また、オール電化マンションで電気代を節約する方法もあるため、オール電化マンションのメリットと併せて後ほど詳しく解説します。
湯切れのリスクがある
オール電化マンションは、一般的な住宅で使われるガス給湯器の代わりに、電気給湯器か電気温水器でお湯を沸かす設備が付いていることが一般的です。これらは、あらかじめ貯水タンクに沸かしたお湯をためておき、使う際はそこから出す仕組みになっています。
しかし、この仕組みでは、タンクにためている分しか使用できないため、湯切れといってタンク内のお湯がなくなることがあります。これでは、いざお風呂に入りたいと思ったときに不便です。一方、ガス給湯機ではその心配がないため、使いたいと思ったときにお湯を使うことができます。なお、お湯を多く使用すると分かっているときは、事前にためておくお湯の量を多めに設定することで対策が可能です。
電力会社を選べない
電力の自由化によって、利用者は居住地域にかかわらず、各家庭のライフスタイルやニーズに合わせて、希望する電力会社や料金メニューを選択できるようになりました。しかし、場合によってマンション全体で1つの電力会社と契約していることがあり、個人の意思で選べない場合があります。売却を検討している場合は、あらかじめオール電化マンションの電力会社が指定されていないか確認しておきましょう。
以上のようにオール電化マンションには売れにくいといわれる原因があります。しかし、対策することで売れやすくすることは十分可能です。次にオール電化マンション売却のコツをご紹介します。
オール電化マンションが売れないときの対策
オール電化マンションを売る際にはいくつかコツがあります。今後ますます電気代が高騰する可能性も踏まえ、以下のような対策をしておくとよいでしょう。
・蓄電池をアピールする
・オール電化マンションのメリットを訴求する
それぞれ詳しく解説していきますので、売却の際にぜひ参考にしてください。
蓄電池をアピールする
蓄電池が設置されているオール電化マンションの場合、購入検討者にアピールポイントして訴求しましょう。蓄電池とは、電気エネルギーを蓄え、必要になった際に電気エネルギーとして戻して使える充電装置のことです。蓄電池は、プランによっては電気代の安い夜間に電気をためられるため、電気代の節約に効果があります。さらにあらかじめ蓄電池内に電気をためておくことで、停電時の非常用電源としても役に立ちます。
オール電化マンションのメリットを訴求する
内覧時にオール電化マンションならではのメリットを購入検討者に伝えましょう。なかには、オール電化マンションの電気代に不安を覚える購入検討者もいます。そのため、実際に住んでみた自分自身だからこそ分かる使用感や、実際の電気代、節約方法なども伝えると、買い手の不安要素を払拭できるでしょう。
オール電化マンションの魅力を購入検討者に正しく伝えられるように、次にオール電化マンションのメリットをご紹介します。
オール電化マンションのメリット
オール電化マンションを売る際に、買い手にうまくアピールできるよう、メリットを知っておきましょう。
主なメリットは以下の3つが挙げられます。
・工夫次第で電気代を節約できる
・火災のリスクが少ない
・災害が起こった場合の復旧が早い
それぞれについて詳しく紹介しますので、覚えておきましょう。
工夫次第で電気代を節約できる
オール電化マンションでは工夫を施すことで電気代を節約することが可能です。電気給湯器や、電気を使って暖房の役割を担う蓄熱暖房機などは、夜間に自動的に作動し、お湯や熱をためるシステムになっています。しかし、洗濯機や食器洗い乾燥機などのほかの家電製品に関しては、その機能が備わっていないことがほとんどなため、電気代が安い夜中にタイマーを設定するなどして節約できます。
そのほかの工夫としては熱が伝わりやすい鍋を使用したり、電気温水器や電気給湯器を使う際に量を調節して無駄をなくしたりする方法もあります。また蓄電池を導入している物件は上述したように電気代の安い夜間に電気をためておき、日中に使用することで、電気代の節約が見込めるでしょう。
火災のリスクが少ない
オール電化マンションでは調理の際に一切火を使わないため、火災のリスクがガスを使用するマンションに比べて大幅に低くなります。同時に、ガスを使わないため一酸化炭素中毒を起こす心配もありません。
災害が起こった場合の復旧が早い
災害時の普及の速さは電気が最も早く、日本における災害時のインフラ復旧は、電気、水道、ガスの順です。実際に阪神淡路大地震では、神戸市で電気の復旧まで7日で済んでいるのに対し、水道は90日、ガスは85日もかかっています。また、普段から蓄電池や電気温水器に電気や、水をためておくことで、災害時も一定期間、使えるようになります。これは災害時の安全面に不安を抱えている人へのアピールにもつながるでしょう。
「オール電化」以外でマンションの売れない原因
マンションが売れない理由にはオール電化であること以外の要因もあるかもしれません。以下の3つに当てはまるものはないか確かめてみましょう。
・内覧時の対応がよくない
・売り出し価格が高過ぎる
・売却活動が不十分
それぞれについて詳しく解説していきます。
内覧時の対応がよくない
内覧は購入に直結する大事な機会です。購入検討者によい印象を与えるため、内覧対応に気を配りましょう。購入検討者からの質問に感じよく答えたり、水回りを丁寧に掃除したりすることで相手によい印象を与えられます。また、共用部のごみを拾うといった、マンション全体の清潔感を保つことも有効です。
●内覧時のコツについて詳しい記事はこちら
売り出し価格が高過ぎる
売り出し価格が相場と比較して高過ぎる場合、購入検討の対象になりにくいのが一般的です。売却予定物件の相場を理解し、適切な売り出し価格を設定しましょう。
売却活動が不十分
仲介に入っている不動産会社の担当者から、売却活動のアドバイスが十分にもらえないといったことが理由で、マンションが売れないことも考えられます。そういった状況が続いた場合、不動産会社の変更も選択肢の1つです。
三井のリハウスでは豊富な取引実績、経験を生かし、お客さまに親身に寄り添って売却までサポートいたします。ぜひ一度ご検討ください。
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コツを押さえてオール電化マンションの売却を成功させよう!
ここまでオール電化マンションが売れないとされる原因や、売却するためのコツについて紹介してきました。お伝えしたように、オール電化マンションならではのメリットを把握し、ターゲットを絞って売却活動を行うことで売却できる可能性は十分にあります。既に、オール電化マンションを売りに出していて、なかなか買い手が見付からず困っている方は、不動産会社や媒介契約の変更も検討しましょう。
三井のリハウスは、100万件を超える取引実績や豊富な経験で培われた知見に基づき、「AI査定」「簡易査定」「訪問査定」を実施しています。オール電化マンションの売却を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。
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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。