築古マンションは売却できる?売れない場合の対処法もご紹介

築年数が古いマンションを所有している場合、売却は難しいと考える方も多いでしょう。しかし、築古マンションも工夫次第で売却が可能です。本記事では築古マンションの需要についてや、売れない場合の対処法を解説します。

目次
  1. 築古マンションとは?
  2. 築古マンションに人気が集まっている理由
  3. 築古マンションを売却する場合の注意点
  4. 築古マンションを売却するコツは?
  5. 古いマンションが売れない場合の対処法
  6. 後悔なく築古マンションを売却するなら経験豊かな不動産会社へ
記事カテゴリ 売却 マンション
2024.09.20

築古マンションとは?

「築古(ちくふる)マンション」とは、一般的に築30年以上のマンションを指します。これに対して築5年ほどまでのマンションは「築浅(ちくあさ)マンション」と呼ばれていますが、こうした築古・築浅の年数について特に決められた定義はありません。

築古マンションを所有している場合、古いから売れないのではと懸念する方も多いでしょう。ここでは、築古と呼ばれるマンションに資産価値はあるのか、実際に売却は可能なのかを見ていきます。

中古マンション

寿命はどのくらい?

「法定耐用年数」という、資産が何年使用できるかを法令で定めたものがあります。建物の耐用年数は構造ごとに定められており、たとえばマンションの建物構造であるRC造(鉄筋コンクリート造)の場合、法定耐用年数は47年です。しかし、この法的耐用年数はあくまで税務上の基準であるため、物理的な寿命とは異なり、適切な管理をしていれば、47年たったからといって居住できないほど極度に劣化することはありません。

成約価格の相場はいくら?

2023年の「首都圏中古マンション築年帯別成約状況」によると、マンションの成約価格は築31年以降平均2,000万円台となり、それ以上の年数ではほぼ横ばいであることが分かります。そのため、マンションが古くなったから売れない、古いほど条件が悪くなるとは一概にいえないでしょう。

首都圏中古マンション築年帯別成約状況/2023年1~12月

築年帯0~築5年~築10年~築15年~築20年~築25年~築30年~築35年~築40年築41年~
価格(万円)7,0776,6555,9325,5094,8873,3442,3032,6722,260

※1 築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)

築古マンションに人気が集まっている理由

一見売却しにくいと思われる築古マンションですが、首都圏では新築マンションの供給減少や販売価格の高騰を受けて、中古マンションが注目されており、築古マンションの売れ行きも好調です。以下で詳しく見ていきます。

中古マンションのニーズが高まっている

2023年における首都圏の中古マンションの成約件数は35,987件(前年比1.6%増)と、2年ぶりに前年を上回る結果となりました。また、成約物件価格は4,575万円(前年比7.0%上昇)で、1㎡当たり単価と同様に11年連続の上昇を記録しています。このように首都圏において中古マンションの成約状況は、価格・件数ともに上昇傾向にあり、需要が高まっていることが分かります。

築年数が長いマンション

中古のなかでも築30年以上が売れている

中古マンションのなかでも特に成約件数が多いのが、築古(築30年以上)のマンションです。首都圏の2023年の成約件数9,048件においても、3割以上が築30年以上の築年帯でした。※2また、成約件数が前年よりも増加しているのも、築年数21年以上の築年帯であることから、築古マンションの需要は高いといえるでしょう。

首都圏中古マンション築年帯別成約件数と前年同期比/2023年1~3月

築年帯0~築5年~築10年~築15年~築20年~築25年~築30年築30年以上
成約件数6931,3061,0481,2671,0557572,922
前年同期比-0.4%-5.9%-7.7%-0.3%1.3%6.8%1.1%

※2 首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 【2023年1~3月】

築40年でも売れる理由

築古マンションの売却が好調な理由として第一に挙げられるのは相場価格の安さです。首都圏において新築マンションは供給戸数が大きく減少しており、2013年で56,478件※3だったものが、2023年には26,873件※3までに減っています。また、平均価格についても4,929万円※3から8,101万円※4と倍近くにまでなっています。こうした新築マンションの販売数の減少や価格の高騰といった現状を受け、比較的安価であり、かつ供給もある中古マンションへと需要が移ったといえるでしょう。

また、中古マンションのなかでも、築年数30年以上を超える築古マンションは、現代よりも空地率が高く、容積率に余裕を持って建築されていたこともあり、間取りが広いという特長があります。こうした点も人気を集める理由です。

●築40年のマンションの魅力について詳しくはこちら

築古マンションを売却する場合の注意点

ここまで築古マンションの人気上昇について見てきましたが、とはいえ築古物件ならではの懸念点もあります。そこでここからは築古マンションを売却する際に注意するべき点を紹介します。

耐震性に不安がある

マンションの内装や設備などは、リフォームによって新築に近い状態にすることが可能ですが、耐震性の強化は費用面を考慮すると難しい場合があります。特に、1981年5月以前に建てられた建物は旧耐震基準に基づいているため、耐震性に不安を覚える買い手もいるでしょう

新耐震基準では、「震度6強から7程度の地震で人命に危害を及ぼすような被害を生じない」と定められていますが、旧耐震基準は「震度5程度の地震で損傷しないこと」となっており、安全面で不安が残ります。そのため、買い手が購入物件を探す際には、耐震補強工事が行われていない旧耐震基準のマンションは候補から外すことがあります。所有しているマンションの耐久性について今一度確認をしておきましょう。

マンション耐震工事

住宅ローンを組めないことがある

耐震性の低い住宅はローン審査に通りにくいため、建物が新耐震基準以上の耐震性を満たしていない場合、買い手が住宅ローンを利用できないケースがあります。また仮に住宅ローンが組めた場合でも、1982年1月以降に新築されているという条件を満たさなければ、住宅ローン減税制度(住宅ローン控除)が利用できないため注意が必要です。

修繕積立金が高いと敬遠される

築古マンションの場合、修繕積立金は高額になるのが一般的であり、買い手はその負担を懸念して購入を敬遠する可能性があります。しかし、築古マンションでは建物や設備の老朽化が課題になりやすく、それらを改修するために修繕積立金は必要不可欠なため、高額であること自体は悪いことではなく、むしろ必然的といえるでしょう。

築古マンションを売却するコツは?

築古マンションは新築や築浅のマンションと比較して、価格が安いことが買い手にとってのメリットです。とはいえ、築古マンションを所有する売り手としては、できるだけ高く売却したいと思うでしょう。ここからは、築古マンションを納得のいく価格で売るコツについて解説します。

あえてリフォームしない

築古マンションをより高く売りたいという思いから、リフォームを検討する人も多いのではないでしょうか?しかし、安易にリフォームを行うのは得策とはいえません。なぜなら、リフォームにかかった費用を上乗せした価格で売却できるとは限らないからです。

また中古物件の購入を検討する人のなかには、あえて築古物件を買い自分好みにリフォームやリノベーションしたいという人も多いため、リフォームしてから売却することで買い手の好みに合わなくなって、かえって売却が難しくなる可能性があります。そのためリフォームは行わず、物件の売り出し価格を引き下げるほうが、買い手を見つけやすいでしょう。

ハウスクリーニングを行う

売却する際にハウスクリーニングをすることで、リフォームをしていない古いままの状態でも清潔な印象を与えられます。特に水回りは経年劣化が気になる場所なので、ハウスクリーニングを検討するとよいでしょう。

水回りのハウスクリーニング

古いマンションが売れない場合の対処法

マンションは所有しているだけで、固定資産税や管理費、修繕積立金などの費用が発生してしまいます。そのため、築古マンションがなかなか売却できない場合は、ご紹介する対処法を試してみましょう。

不動産会社を変える

販売から3か月以上経過しても買い手が見つからない場合には不動産会社を見直すことも1つの手段です。築古マンションの売却にはコツが必要なので、販売実績が豊富で知見のある不動産会社を選び、進めていくことが大切です。三井のリハウスでは、マンション売却に関するご相談を幅広く受け付けています。豊富な実績に基づいた無料査定も行っているので、お気軽にお問い合わせください。

●マンション売却についてのお問い合わせはこちら

不動産会社相談

ホームインスペクションを実施する

ホームインスペクションとは、資格所有者が第三者的な立場から住宅を観察し、劣化状況の有無や、修繕すべき箇所、それにかかる費用などを診断してくれるサービスです。有料ではあるものの、修繕が必要な場所や費用が明確になることに加え、買い手の安心にもつながるため、売却に導くための有効な手段といえます。

●マンション売却で失敗しないポイントについて詳しい記事はこちら

ホームインスペクションを行う男性

後悔なく築古マンションを売却するなら経験豊かな不動産会社へ

今回は築古マンションについて、築古でも売れる理由と、売却の際の注意点、よりよい条件で売るためのコツを解説してきました。一見売りにくい印象を持ちがちな築古マンションですが、昨今首都圏を中心に需要が高まっているため、売れる可能性は十分にあります。しかし、買い手へのアピールの方法にはいくつかポイントがあるため、経験豊富な不動産会社に相談することが大切です。

三井のリハウスでは、100万件を超える豊富な取引実績をもとに、売却をサポートします。所有しているマンションが築古だから売却は難しいのではないかとお悩みの方は、ぜひ三井のリハウスに、お問い合わせください。

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※1出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年),公益財団法人東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp/
(最終確認:2024年9月10日)

※2出典:首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 【2023年1~3月】,公益財団法人東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp/
(最終確認:2024年9月10日)

※3出典:全国マンション市場動向-2013年のまとめ-,株式会社不動産経済研究所
https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/157/z2013.pdf
(最終確認:2024年9月10日)

※4出典:全国 新築分譲マンション市場動向 2023年,株式会社不動産経済研究所
https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/579/zm2023.pdf
(最終確認:2024年9月10日)

監修者:三上隆太郎

株式会社MKM 代表取締役
大手ハウスメーカーにて注文住宅の受注営業、家業の建設会社では職人として従事。
個人向け不動産コンサルティング会社のコンサルタントやインスペクターを経験し、中古+リノベーションのフランチャイズ展開、資格の予備校にて宅地建物取引業法専属講師など、不動産業界に幅広く従事。
https://mkm-escrow.com/